100万トンの政府備蓄米を子どもの貧困対策に使おう!

2020年08月27日 06:00

農水省サイトより

みなさん、日本政府は、100万トンものお米を備蓄していることをご存知ですか?先日、こども宅食推進議連の事前勉強会で農林水産省の方から聞いて、驚きました。

日本人1人あたりの米の年間消費量は、54kg(平成28年度)※1なので、100万トンは約1,850万人分の年間消費量です。

いわゆる「政府備蓄米」と呼ばれるもので、米の大凶作や連続する不作などにより米不足状態に陥ったときに放出するために備蓄されています。毎年21万トン程度政府が買い入れ、5年間備蓄されることになっています※2

残った備蓄米は動物の餌になっている!

一応、お米を備蓄しておくだけじゃもったいないよね、ってことで、農水省は子どもたちに「米の備蓄制度」や「ごはん食の重要性」を理解してもらうために、学校給食に使用する米の一部に対し備蓄米を無償または有償で交付してきたそうです(でも年間36トン。単位は万トンじゃない)。

また、コロナの感染拡大で休校を余儀なくされる中、子ども食堂等における食事の提供が学校給食の補完的な役割を果たすということから、食育の一環としてごはん食の推進を支援するために、令和2年6月から子ども食堂やフードバンクへの備蓄米無償交付が始まりました。

学校給食用等政府備蓄米交付について(令和2年6月8日農林水産省)

だけど!!せっかくのこの制度、子ども食堂やフードバンクごとに60kg(玄米)を上限としていて、かつ、前年度より使用量増加が見込まれる場合に限るとの縛りが。

「60kgが上限では、例えば600世帯にこども宅食をしている自治体では1世帯米何粒とかになってしまって全然足りないから、上限を外してほしい」

「というか、備蓄米100万トンもあるなら、そのうちの10%〜20%もあれば、貧困世帯の子どもたち全員にお腹一杯になるくらいの米配れますよね?そういうの、できませんかね?」

と農水省にお願いしました。

すると、農水省からは、「民間への備蓄米の放出は、米の受給バランスを崩してしまうため、認められない」との残念な回答が…

つまり、子どもたちに備蓄米を配っちゃうと、米を買わなくなって、米の値段が崩れて農家が困っちゃうってこと。

「では、使わなかった備蓄米はどうするんですか?」と聞いたら、なんと、「動物の飼料になっています」という衝撃の回答が!!

動物の餌にするくらいだったら、貧困状態にある子どもたちのために使おうよ!!!!!

日本の子どもの相対的貧困率は13.5%(2018年)※3で、人口にすると約250万人なのですが、毎年動物の餌になる21万トン近い備蓄米を彼ら全員に配るとしたら、1人あたり80kg以上配れることになって、食のベーシックインカムになります。

貧困家庭の子どもたちに備蓄米を提供してください!

農水省は、「米を家庭に配ると、米を買わなくなって、米の値段が崩れる」って言うんだけど、そもそも貧困家庭はお米を買えなくて困っていて、お米を買わなくなるわけじゃないです。お米を配らなければ、お米を食べないだけなので、米の値段への影響はないと思います。

農水省が、学校給食やこども食堂等に備蓄米を交付する目的は、ごはんをよりたくさん子どもたちに食べてもらって、「あ~、ごはんって美味しいな。毎日食べたいな。」って思ってもらうことですよね?

であれば、お米を買う余裕のない家庭の子どもたちに備蓄米を提供して、ごはんの美味しさを感じてもらうことも、十分その目的に適っているはずです。

農水省さん、備蓄米を貧困家庭の子どもたちに無償交付してください!!

よろしくお願いしますっ!

※1 米をめぐる関係資料(平成30年7月 農林水産省)p.6 
※2 政府備蓄米の制度について教えて下さい(農林水産省)
※3 2019年 国民生活基礎調査の概況(令和2年7月17日厚生労働省)


編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2020年8月26日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。

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駒崎 弘樹
認定NPO法人フローレンス代表理事

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