南鳥島と沖の鳥島、日本にとってどちらも重要

2020年08月27日 16:00

先週、日本の最東端の島、南鳥島の南方沖の排他的経済水域でレアメタルの採掘に成功したという報道がありました。
これは石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)という石油・天然ガス、金属、石炭、地熱に関する開発支援やメタンハイドレートなどの新エネルギーの開発、資源備蓄事業等を通じて、国民の生活や産業を支える国の機関が民間事業者とともに進めてきた採掘試験による成果です。

ここまで二つ解説が必要だと思いますね。
まず最東端の島 南鳥島と言いました。

東京から1860キロある通りですね、東京から石垣島ぐらい遠い距離です。さらには1.5km2という小さな島ですが、ここには気象庁と国土交通省などの政府職員20人が住んでおり、そして海上自衛隊の職員、隊員が12名常駐しています。

小さな島ですが本当に大きな意味があります。この島が日本の領土だからこそ周囲43万km2が日本の排他的経済水域(EEZ)、他国が勝手に経済的な活動や漁業、資源の採掘ができない日本だけの海域になります。この43万km2は日本の国土全体より広いんです。南鳥島のおかげで島の周囲43万平方キロのEEZを太平洋上に有している。

二つ目の解説は、レアメタルを採掘できたということですがレアメタルというのは何か。それは希少性が高い鉱物資源ということで、例えばリチウムとかパラジウムとかプラチナなどです。レアアースというのも聞いたことあると思いますがレアアースはレアメタルの中の一部になります。レアアースは希少土類のことで、はっきり言って、私自身も初めて聞くものばかりです。しかし、我々の生活に関係ないかと言ったら、大いに関係があり、例えばエアコンの室外機、パソコンやスマホの液晶画面にも使われています。

レアアースについては、かつてこんなことがありました。2010年9月7日、中国漁船が尖閣諸島沖の領海内で海上保安庁の巡視船に衝突し、船長を拿捕しました。そのときに中国が全く筋違いだけれども、レアアースの輸出を日本に止めるという対抗措置を取ったんですね。レアアースについてはその埋蔵量、そして生産は中国が独占状態にあります。

今回の採掘試験で持ち帰ったニッケルやコバルト、これはレアアースかといえばレアアースではありません。けれどもレアメタルです。これらもやはり我々の生活には重要な物資です。今回採掘で持ち帰った中にはスマホに使われているリチウムイオン電池の製造にも不可欠なコバルトやニッケルが含まれています。コバルトやニッケルなどは中国が一手に握っているというものではありません。しかし、レアメタルの中にはそうしたものもあります。ですから、やはり自前で調達できるようになるのは重要です。

とにかくこれらのものが入ってこなくなったら日本の製造業、経済生産活動が止まってしまうわけですし、我々の生活も脅かされます。その意味で資源の確保というのは本当に大事なことなんですけれども、問題は採算が取れるかということです。さっきも言ったように日本の本土から遠く、2000キロ近く離れている孤島です。ましてや海底900mという深さです。はっきり言って、予算が厳しい民間事業者では採算が合いません。ですからこういうことは国がやっていくしかないと思います。

ところでこの南鳥島さっきも言ったように国の職員が駐在しているわけですけれども、日本最南端の島 沖の鳥島は、これ中国が日本の領土領海と認めずに、海洋調査などを勝手に行っています。こちらの沖ノ鳥島もしっかりと護岸を作ったりして応援していくことが大事ですね。「誰か住め」と言われたら私が行きますから。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年8月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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