春よ来い、日本:BCGは感染症予防効果がある?!

2020年09月03日 06:00

Wikipedia

Cellのオンライン版に「ACTIVATE: RANDOMIZED CLINICAL TRIAL OF BCG VACCINATION AGAINST INFECTION IN THE ELDERLY」というタイトルの論文が公表された。

ギリシア、オランダ、ドイツの3か国共同研究の結果である。65歳以上の高齢者に対してBCG接種をすると感染症を抑える効果があることを、小規模(198人)ではあるがランダム化試験を行った。入院患者の退院時にBCG接種を受けた群と受けていない群を比較したところ、中間解析時で、新たに感染症にかかった割合が、コントロール群では42.3%に対して、BCG接種群では25.0%であったとのことだ(p値は0.013)。退院後、初めて感染症に罹患するまでの期間(中央値)が、コントロール群11週であるのに対して、BCG群では16週間であった。

対象患者数が少ないのでもっと多数で確認する必要はあるし、コロナ感染症関連の論文の質が高くないことが指摘されているが、一考に値する論文である。われわれの解析結果でも、致死率の高い国はBCG接種がされていない国であったし、接種するBCGの種類も影響する可能性もある。

コロナ特異的なワクチンが開発できるかどうかわからない現状では、高齢者にBCGを接種するのも一つの方法だと思う。BCG接種とコロナ感染症致死率の関連性は当初から指摘されていたが、日本には科学がない。

BCG接種は何十年にわたって行われていたので、副作用(副反応)についての情報も蓄積されている。できるかどうかわからないことはやらない日本の発想を変えよう。


編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2020年9月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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中村 祐輔
医学者、内閣府SIPディレクター

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