安倍総理辞任、言った通りの展開に

8月28日に安倍晋三総理大臣が辞任表明をして一気に政局が動きました。総裁選挙に菅義偉官房長官が出馬表明して、これで石破茂元幹事長、岸田文雄政調会長と3人で争う総裁選びという構図が確定したと言えます。

これは、私が言った通りに進んでますね。「え?どこで言ったの」と言われれば、総理が会見をした28日17時の2時間後19時に収録し、アップしたニュー速通信社のYouTubeで私は言いました。その時、何を言っているのかは、是非ニュー速通信社のYouTubeを見ていただきたいと思いますけれども、簡単にだけ振り返れば、今回の辞任の理由について安倍総理は「病気と治療を抱え、体力が万全でないという中、大切な政治判断を誤る、結果を出せないことがあってはならない。国民の皆様の負託に自信を持って応えられる状態でなくなった以上、総理大臣の地位にあり続けるべきではないと判断しました」と会見しました。それは本当にその通りだというふうに私も肯定しつつ、要点は三つです。

一つ目は安倍政権の路線の継続です。そのためには総裁選を回避し、岸田、菅両氏にも絞られたかということです。私、総理辞任の会見の2時間後に、「2人に絞られた」と言いましたが、その後のテレビや新聞の報道では石破さんしかし、河野太郎・小泉進次郎・野田聖子・稲田朋美・下村博文の各氏らの名前や顔写真を出して、ポスト安倍は誰かと報じていました。辞任表明の翌日の新聞でちゃんと報じていたのは、デイリースポーツ、九州の西日本スポーツぐらいです。そこには菅VS岸田という見出しになっており、それは私が言ったことです。

二つ目は安倍総理の自民党の総裁としての任期です。相殺人気は来年(令和3年)9月までです。そこまで総裁を続ければ、党として通常の総裁選挙をやることになります。すなわち、これは全国の自民党員が投票します。そうなると、全国で100万人以上いる自民党員が投票するということになり、誰が有利かと言えば石破さんなんです。「次の総理候補として誰がふさわしいか(共同通信8/28・29日調査)」と言う調査では、石破氏が34.4%、菅氏が14.3%、河野氏が13.6%、小泉進次郎氏が10.1%、岸田文雄氏が7.5%で石破氏がダントツです。もちろん現段階のトップであり、来年の9月までの間に大臣などに就任していない石破さんは全国を回って更に支持率を上げていくということをやっていくでしょう。しかし、安倍総理としては、次の総理が石破さんだと都合が悪いんです。政治信条の違いもあります。それから、第1次安倍政権が終わるときの石破さんの安倍さんに対する批判というのもありました。また、党内でも石破さんが自民党を一度抜けたことがあるので、自民党の国会議員の中では人気が低いんです。

三つ目は衆議院議員の任期です。衆議院議員の任期満了も来年(令和3年)10月21日です。当然、任期満了までの間に選挙をしなければなりません。しかし、選挙まで1年を切ると、どうしても政権には追い込まれ感が出てきます。あと1年ということで各党は選挙準備を始めますよね。野党も今、立憲民主党と国民民主党が合流しますよね。合流するというのはまさに選挙が近くなっているからです。すなわち、野党の選挙準備ができていない今、総裁を辞任して、新総理で解散総選挙というシナリオになっていくわけです。

7年8ヶ月、渾身の思いでやってきたこの路線を誰に引き継いでもらうのか、安倍さんとしては菅さんか岸田さんなんです。そのためには、両院議員総会、基本的に国会議員の投票で次の総裁を決めるということになれば、おのずとこの2人に絞られるということです。

しかし、もっともっと深い理由があります。その理由は・・・・・・明日に続く。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年9月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。