セクハラ、アカハラ...ハラスメント花盛りへの違和感

2020年09月20日 11:30

コロナでオンライン授業が進む大学でアカデミックハラスメント、略称アカハラが増えているという報道がありました。記事や事例を見る限り、ハラスメントというより教員と学生の間のギャップが原因で何でもアカハラと言えば済むという傾向が見て取れます。

オンライン授業は教える側も習う側も不慣れで確立されたやり方がまだなく、皆が模索している中、双方が多少の不満を持つのはやむを得ないのです。ところが、「弱い立場」とされる側がハラスメント宣言をするとその言葉の強さが社会的な罰を与えるという安易な仕組みになっていることにやや軽さを感じてしまうことも間々あります。

RRice/写真AC

そもそも元祖ハラスメントはセクハラでこれは特に男性に対して最も強烈な制裁方法でありました。言葉そのものは80年代から存在したと思われますが、2000年代に入ってから人々が声を上げ、それに同調する人々が増えたこととSNSなどにより拡散しやすくなったことが「弱者」にとって強い味方となり、自己防衛手段となったことも否定できません。

現在、〇〇ハラスメントと称するものは30〜40種類もあるとされます。ここまでくると一種の病的事態だと思うのですが、そもそも強者と弱者の関係は太古から存在し、その力関係が一つの社会を形成してきました。

仮にパワー関係が全くなくなり、すべてが平等で均一な社会ができたとすれば人間はロボット化したようなものであります。つまり、人に感情がある限り常に一定の力関係は存在し、それを消し去ってしまう人間社会はそもそもありえないわけであります。

例えば「半沢直樹」のドラマで机をたたくというシーンが何度も出てきたと思います。今、会社で上司が部下を前に机をたたいたらパワハラと言われる公算が高いでしょう。しかし、あのドラマではそれが逆に双方の駆け引きを通じて握手をしたり、倍返しをしたりする次の躍動に向かうステップであるわけです。

私は物理的に日本を外から見ているわけですが、日本の若者が全般的に草食化したことは否めない事実であります。そして怒られるなど「強者」から攻められるとその場では何も言い返さないけれど友達などにハラスメントされたと言いふらし、時として公表したりして「逆パワハラ」を行います。

私から言わせればSNSハラスメントと称したいところで結局弱者が一種の「強烈なクレーマー」と化してしまう陰湿な世界が展開されやすくなっていると感じています。

そもそもハラスメントをされたとき、なぜ正面切って相手に言えないか、と言えば幼少時代からバトル経験が全くなくなっていることは原因の一つでしょう。まず、一人っ子が増えたため、兄弟げんかがありません。親も当然怒りません。というより母親は子供に溺愛し、こどもをペット化しているケースすらあります。

ましてや食べ物を取り合うとか、お遣いに誰が行くかといった昭和チックで微笑ましい闘争もありません。学校の先生が生徒に怒るのは教育の1ページでありましたが、そのページはずいぶん前に無くなりました。一人っ子で金がかかっている子供の「お宝化」が進み、親から先生への強烈なクレーム、さらには左派の指導が無くさなくてもよいことまで無くしてしまったと感じています。

1960年、日本は安保に対して戦いました。あの時のシーンを今の若者に見せたらこれが日本なのかと驚くでしょう。ほぼすべての国民は戦うことを知っていました。それが高度成長期の糧でもあったのです。多少傷がついてもなにくそ、と歯を食いしばった時代は遠い昔話です。

ハラスメントだという宣言を簡単にしてしまうことで敵対関係を明白にしてしまい、結果として双方が居心地の悪い事態となることは分かっています。「強者」も「弱者」も共に「勝者」ではなくなることが重要です。その前に議論ができない、意見ができないということを改善する必要があります。

ハラスメントされている人がストレスを溜めているというケースはよくあります。そのケースを分析すると多分、多くは「内弁慶型」の人が多い気がします。北米で思うのは皆さん、言いたい放題で「そこまで言う?」というぐらい過激なケースもあります。これではハラスメントにならなず、古代ギリシャやローマの弁論バトルと同じなのです。つまり、自分が十分な論理武装をし、相手に嫌がらせをされたとき、それを正しく指摘し、本人に直接言えるだけの能力を身に着けることが大事なのだろうと思います。

もちろん、これは理想論と言われるかもしれません。しかし、日本人に内弁慶型が多いのはある意味、世界で戦えない最大の弱点の一つなのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年9月20日の記事より転載させていただきました。

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