バロンズ:秋は米株安の気配、秋分の日を挟んだアノマリーにも注意

2020年09月21日 06:00

カバー写真:Wayne Hsieh/Flickr

バロンズ誌、今週のテーマはコロナ禍において一段と現金離れが加速する状況下で注目の決済関連銘柄を取り上げる。

3月に入り、米連邦準備制度理事会(FRB)は新型コロナウイルス感染拡大を防止すべく、アジアから流入した現金の隔離を開始した。しかし、現金の利用は既に過去最低の水準にあるため、必要な措置であったかというと完全にそうとも言い切れない。FRBの調査によれば、2019年の現金利用は全体の26%と、2016年の31%から低下していた。

さらにコロナ禍が現金離れを進め、米国内でのATM引き出し額は経済活動の停止も重なって4~6月期に12%減少した。その間にデジタル決済が存在感を増し、デジタル決済大手ペイパルやスクエアの株価は2020年のベスト・パフォーマーだ。クレジットカード会社のビザやマスターカードなども、成長余地が見込まれよう。関連銘柄の現状と今後の見通しについては、本誌をご覧下さい。

金融市場、最も不安定な時期に突入―The Financial Markets Enter Their Most Treacherous Season.

デリバティブ市場で、米大統領選をめぐる不穏な空気をかぎ取っているかのようだ。投資家はVIX先物は11月や12月のリスクを見込んだポジションが積み増す状況で、米国債市場版VIX指数であるMOVE指数も同様の動きを示す。

金融市場は、市場に不安定な状況だ。ウォール街では、9月18日はユダヤ教の祝日である(ユダヤ暦の新年)に株式を売り、9月28日のヨム・キプール(贖罪の日)以降に買い戻せとする言い伝えがある。たとえコンピューターでの株式取引が盛んになった今でも、プログラムを組むのは人間だ。ユダヤ教の祝日に合わせ株式を売れば、不確実性が高まる時期の下落を回避できる。1971年以降、平均並びに中央値で同時期に0.5%下落し、49回中22勝27敗と負け越してきた。

テクニカル・アナリストのW.D. ガン氏によれば、9月22日を含む週は秋分の日を挟み為替市場が変動しやすくなる時期だ。1931年9月21日、英国金本位制の撤廃を余儀なくされ、54年後の9月16日に英国が欧州為替相場メカニズム(ERM)離脱、ポンド危機が全世界を直撃しソロス氏は10億ドルの利益を手にした。

また、市場をウォッチしてきたポール・マクレー・モントゴメリー氏によれば、1987年、1989年、1997年、1998年を含め多くの市場の波乱は9月から10月に発生してきた。2008年のリーマン・ブラザーズ破綻も9月15日だった。何より、モントゴメリー氏は1929年9月22日にダウ公益指数が最高値を更新しその後に急落した点を警鐘と受け止める(筆者注:ダウが最高値を更新したのは9月3日)。

作成:My Big Apple NY

作家マーク・トウェイン氏も、かつて10月は「投機的な株式取引にとりわけ危険な月」と発言していた。米大統領選を控えれば特にその通りで、ストック・トレーダー・アルマナックによれば、1952年以降、ダウは平均0.8%下落、S&P500は平均0.7%下落してきた。ただし、同じ10月でも現職が再選した年は上昇する傾向が高く、1944年以降で10名の現職が勝利を収めたなかで、S&P500は10回中7勝2敗1分となり、平均で1.4%の上昇を遂げていた。逆に現職が敗北した9回を振り返ると3勝6敗、平均で2.1%安となる。

さらにJPモルガンが指摘するように、投資家の傾向として7~9月期の上昇を経てポートフォリオをリバランスする傾向がある点にも留意したい。米国の年金ファンドやノルウェー石油ファンド、さらに日本の政府年金ファンドを含め、2,000億ドル相当を売却しうる。コロナ禍以降で最大のリバランスが、さらなる波乱を引き起こしてもおかしくない。


米大統領選をめぐる不確実性に加え、セクター・ローテーションの変化にも注目すべきでしょう。ナスダックの下落ばかりが注目されますが、ダウ輸送株が意外に堅調だったりしています。ネット小売の普及に合わせ、9月15日に好業績を発表したフェデックスを始めUPSなど配送関連の他、自動車を始め化学品、消費財などを運ぶ鉄道株が上昇を支えているわけで、これは9月9日放送の「北野誠のトコトン投資やりまっせ。」で、当方がご紹介した通り。

実際、ナスダックの年初来リターンは9月18日までで20.3%高とぶっちぎりな陰で、上記チャートの通り続いて好調な指数はダウ輸送株で4.9%高と、S&P500の2.7%高を上回っております。トランプ大統領が再選すれば、バリュー株へのシフトが本格化するシナリオも念頭にいれておくべきでしょう。逆にバイデン氏勝利ならば、再生可能エネルギーを始め民主党の対中政策を踏まえ、テクノロジー関連の復活が期待されます。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK –」2020年9月20日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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