携帯勢力図 これからは世界を見据えて

2020年10月03日 16:00

10月1日、午前9時過ぎに東京証券取引所でシステム障害が発生したということで、取引が終日全面取引停止になりました。その東証で今週になって急激に値上がりしているメーカーがあります。それはNTTドコモですね。

9月29日は438円高と15%以上の値上がりをして、翌日30日はさらに672円高となり、なんと20.9%も上がりました。なんでこんなに値上がりしたのかというと、日本電信電話株式会社(NTT持株)がNTTドコモに対し、TOB(株式公開買付け)を実施し、完全子会社化することを発表したからです。

NTTとNTTドコモの二つの会社はいわば親子会社で、元は日本電信電話公社です。若い人は知らないと思いますが、今のJRはかつては日本国有鉄道(国鉄)、たばこや塩を売る日本たばこ産業(JT)はかつては日本専売公社、そしてNTTグループは日本電信電話公社といい、公共企業体(三公社)と呼ばれてほぼ公務員だったわけです。

その日本電信電話公社が民営化されて1985年にNTTができました。そして92年にNTT移動通信網、今のドコモができました。NTTは、固定電話をサービスしているわけですけれども、91年の6300万契約をピークに落ちていきます。人口減少というのもありますけれども、それよりも格安電話サービスの登場です。

そしてもう一つ、特に若い人たちは、家に固定電話を設置せず携帯で済ますようになりました。以前は固定電話が自宅にないことに違和感がありましたが、今となってはもう当たり前になっていますね。

NTTとドコモは親子関係だと言いましたけれども、NTTにとってドコモは大きな収入源でした。しかし、そのドコモも最近ではジリ貧になってきました。というのも、それこそ携帯電話市場の初期はドコモが独占していましたけれども、今ではKDDIやソフトバンクにシェアを食われ半分以下の43.9%になっています。KDDIは32.3%ソフトバンクは23.8%となっていて、特に若い人のドコモ利用者が少ないように思います。なぜならば、料金が高いからです。

2020年6月現在 事業者別契約数
ドコモ     80,614,800契約(43.9%)
KDDI    59,242,900契約(32.3%)
ソフトバンク 43,663,900契約(23.8%)
一般社団法人 電気通信事業者協会より

今回、NTTがドコモを子会社することで、財務体質を高めていき、携帯電話料金を値下げするという考えがあります。菅政権ができて、携帯電話料金の引き下げに取り組むということになっていますし、携帯は誰にとっても今や必需品ですから、携帯料金が高いことで他の商品にも影響するからですね。

そしてもう一つ、NTTにとってライバルはKDDIでもソフトバンクでもなく世界なんですね。考えてみれば、以前の携帯電話はほとんど日本製でした。けれども、今はiPhoneが先頭を走っていますよね。そしてそれを製造している国は中国ですね。以前は国内メーカもありましたが、今は海外メーカ製品ばかりです。このままだと日本の通信事業社はどんどん世界から遅れていく。そして経済が駄目になっていってしまいます。だってiPhoneの登場で我々は音楽もiPhoneでダウンロードが可能になり、アマゾンなどのサービスを使って本やその他の買い物も可能になりました。

さて、9月30日は楽天の株価も上がりました。それは楽天モバイルが5Gのサービスを、今の4Gサービスと同じ現行の月額2980円(税別)で始めると発表したからです。まだまだ使えるエリアは少ないですが、いよいよ5Gの競争が本格的に始まるという感じですね。幾度となく、これまでお伝えしてきましたがとても重要です。日本のこれからの経済を左右します。ですから、いい意味でどんどん競争して欲しいものです。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年10月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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