職業選択の自由を犯すものではない!

2020年10月05日 16:00

文部科学省が、いわゆるわいせつ教員に対して教員免許法を改正する検討を始めました。
児童、生徒らに対するわいせつ行為、セクハラで処分を受けた教員は平成30年度に全国の公立小中高校などで282人、調査を始めたのが41年前の昭和52年それ以降で最多になっています。

被害者は処分を受けた教員が勤務している学校が多いのですが、他校にも及び、処分が後を絶ちません。しかし、判明している人数も残念ながらこれ氷山の一角だと言われています。というのも、それが学校という特異な場所であり、相手が子供であることが背景にあります。被害に遭った子供側も学校側も表沙汰にしたくないという心理が働き声が上げられず、表に出てこないものもあるはずです。

我々も報道で事件を知っても、「〇〇県〇〇市の男性教諭(35歳)が逮捕」という報じられ方はあっても名前や詳細は出てきませんよね。学校や被害者が特定されると学校、クラスや対象の子供が世間にさらされかねないということで、報道にすらならないということもあります。

萩生田文部科学大臣もこの件には問題意識を強く持っていて、教員免許法の改正について、「個人的には、わいせつ教員を教壇に戻さないという方向で法改正をしていきたい」として、私の責任で改正すると言い切っています。

現行法では、懲戒処分を受けて免許が失効したとしても、処分から3年経過すれば再取得できる仕組みになっています。これを3年から5年に延ばす議論もされていますが、それでも短すぎるという意見が噴出し、そもそも再交付ではなく、免許を与えるなという声がネットの署名によって5万4000人以上も集まっています。

一方で、ではなぜこれまで3年だったのか、また5年程度の議論にしかならないのかというと、これは憲法議論たからなんですね。
日本国憲法第22条が保障する職業選択の自由に抵触するという考えからです。

それにしても、私は文部科学省のこれまでの取り組みは甘いし遅いと言い続けてきました。処分されたわいせつ教員のデータぐらい、全ての市町村や私立の学校で共有できるようにすれば良いと思います。そういう仕組みがないから、わいせつ行為がばれたら自分から辞めることで懲戒処分を受けずに済み、別の市町村に行ってまたやっているわいせつ教員もいるわけです。

例えば免許でいえばお医者さんには医師免許があります。もし、医師法違反に問われるような形で免許が取り消しになった場合は5年後に取得申請ができるのですが、患者は医師を選べます。しかし、教員は生徒が選べません。仮に教員のこれまでのわいせつ行為が学校に公開されていて、先生を選べるのであればいいですよ。けれども、そんなことありませんよね。

また職業選択の自由と言いますが、例えば飛行機のパイロットを目指したいと思っても、エアラインパイロットになる視力の条件は、片眼0.7以上、両眼1.0以上なければれませんので、片方の目が見えなければ無理です。いくら、片方の目だけで十分見えてると主張しても、それはできません。なぜならば、人の命がかかっているからです。それは、教員も同じで、生徒の未来、すなわち命がかかっているとも言えます。

だいたい「職業選択の自由」と言っても、わいせつ行為によって教員が駄目でも他の職業が駄目だと言われるわけじゃないので、いくらでも仕事はあるわけです。欠格要件として教員を制限するだけで、他には職業選択の自由はあるわけですよね。

私がもう科学大臣だったら職業選択の自由を侵すものではないと国会で答弁して法案化しますね。それでも憲法違反を主張する人がいれば、ぜひ裁判を起こしてもらって、司法の場で結論を出せばいいと思います。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年10月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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