男性の育休:大いに議論して、環境もマインドもUPしよー!

2020年10月06日 16:00

子供が生まれたら育休(育児休業制度)。最近では当たり前の言葉としてみんな使いますね。

では育休を誰が取っているのかとなると、それは育休取得イコール暗黙で女性の行動を意味していたように思います。実際に2019年度の育児休業取得率は女性が83%になっています。これに対して男性の育休取得は7.48%と大きな開きがあります。

政府は、少子化対策として子供を育てやすくしていくことや男女平等の観点からも、男性の育休取得目標を定めてきました。今から18年前の2002年に定めた育休取得目標は、それから10年後の2012年に10%という数字でしたが、先ほどお伝えした2019年度の数字(7.48%)と比較しても、目標に到達していません。その後、育休取得目標は順次改定されていき、2017年には10%、2020年には13%となり、2018年度から2025年の取得率目標を30%に引きあげられました。威勢のいい数字だけで、実際は先送りですね。あまりに目標に程遠い低い数字に対して、検討が始まっているのが男性の育休取得義務化です。

この場合の義務は誰に生ずるのか。『子供が生まれた男性が取得する義務』なのか、それとも『子供が生まれた男性を雇用している会社に対し、男性に取得させる義務』なのか。今回、検討されているのは後者の意見です。

この議論に対して日本商工会議所が行った「多様な人材の活躍に関する調査(調査期間:2020年7月16日~8月7日)」によりますと、中小企業の70.9%が反対している結果になっています。反対の内訳を見てみると、業種別に運輸を筆頭に、建設、介護、看護などが続いています。これらの業種はいずれも人手不足の業界です。

当の男性が育休を取る気がない、取りたくないと考えているのかというとどうもそれが違うようなんですね。
公益財団法人「日本生産性本部」が2017年度の新入社員に行ったアンケート調査では、育休を取得したいという希望は女性が98.2%ですが、男性も79.5%が育休取得を考えています。

では、なぜ育休を取得しないのか。それは、「勤務先でルールがきちっと整備されていない」「取りにくい雰囲気」、はたまた人手不足という現実もあるでしょう。さらに、忙しいことが理由であったり、約8割は給料が保証されていても、収入が減ることを嫌っている心理など、理由は様々です。

実は日本だけではなく、新たな法整備の議論はスイスやフランスなどのヨーロッパでも起きています。つい先日もフランスのマクロン大統領が、パートナーの出産直後の男性を対象とした「男性の産休」のうち、少なくとも1週間の取得を義務化することを発表しました。

私は、日本も単純に男性の取得率をアップさせるためだけの義務化ではなく、何のために必要なのかについて議論を深めていくことが大事だと思います。実際、子育てしやすい社会でないと、子供が欲しい男女がいたとしても子供は産まれてきません。特に産後の体調が思わしくない時や、また0〜1歳の子供が夜中でも授乳を欲する時期というのは、男女で共同して子育てすることが大事です。

また、はっきり言って子育てしやすい環境がある会社とそうじゃない会社であれば、これから先の人材募集にも影響があるでしょう。ですから、義務化がいいのかどうかについては大いに議論をし、世の中の環境もマインドも高めていく必要があると思います。

私の子育てはどうだったか。
妻が本当に一人親状態で子育てをしてくれました。
もう大きなことは言えませんし、全く頭が上がりません。
感謝しかありません。
すいません。
ありがとうございました。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年10月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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