「与えられた運命」をどうしたら受け入れることが出来るのか

2020年10月07日 14:00

資産設計実践会メンバーと東北応援ツアーで気仙沼に来ています。

東日本大震災があった2011年からもうすぐ10年。震災をきっかけに、その後毎年東北を訪れ、地元の方々にお会いして貴重なお話を伺うことを毎回楽しみにしてきました。

東北の人たちの、力を合わせて懸命に復興の方法を模索している姿に、むしろこちらの方が勇気づけられ、自分の生き方を振り返る機会をもらっています。

そんなエネルギーを与えてくれる素晴らしい人たちの中の1人が、唐桑御殿つなかんさんの菅野一代さんです(写真)。

結婚して気仙沼に嫁いだ一代さんは牡蠣や帆立の養殖業で朝の2時から毎日仕事。ようやく努力が報われるそうになった矢先、2011年の東日本大震災で着ていた服と長靴以外の財産を失いました。3階まで浸水し、再生は不可能と言われ、取り壊そうと思っていた自宅をボランティアの人たちのサポートによって蘇らせ、民宿経営を始めました。

その経営が軌道に乗り、家族で力を合わせて仕事をしていた時、もう一つの悲劇が一代さんを襲いました。3年前に、漁船の転覆事故が発生し、乗船していたご主人と娘さん、そしてそのお婿さんが、いなくなってしまったのです。

10年の間に、震災と家族を失う事故という悲しい出来事が重なり、一時は命を絶つことも考えたといいます。

一代さんは、おじいちゃんから教えてもらった「与えられた運命を愛せよ」という言葉を忘れないと言います。しかし、あまりにも厳しい自分の人生を、どうやって受け入れていくのか。その模索を今もずっと続けているように見えました。

多くの人の人生の試練など足元にも及ばないような壮絶な10年を過ごしてきた一代さんのお話は、ツアーに参加したすべての人の心に何かを残していってくれたようです。

一代さんの苦労は今も続きます。民宿の経営は、コロナショックの影響で、東京からの宿泊客が減少し、厳しい経営環境が続きます。

次から次へと訪れる試練に対し、いつも明るく対応し前向きに行動する。そんな姿を見て、毎回こちらの方が励まされて帰って行きます。

人生の大きな試練に遭遇した人は、民宿唐桑御殿つなかんに行ってみてください。きっと何かが変わるきっかけを、宿主の一代さんが与えてくれると思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年10月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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内藤 忍
資産デザイン研究所社長

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