トランプ氏感染:自分で自分をそう言えるなんて...

2020年10月09日 16:00

先週金曜日の10月2日未明にアメリカのトランプ大統領が、新型コロナウイルスに感染、その後入院、わずか3日後の5日に退院しました。

最初の感染というニュースが伝わった時、日本は真っ昼間でしたから東京証券取引所の株価がドンと下がりました。その後、アメリカの株式市場でも株価も乱高下しました。6日のニューヨーク株式市場は経済対策の協議で与野党が決裂するリスクが高まり、大幅安になりました。7日は航空業界や中小企業への公的支援への期待で、今度は全面高になりました。

これ実はトランプ大統領のツイッターの発言で株価が上がったり下がったりしているんです。ほんの一言で何兆円という金額が動くわけで、トランプ大統領にはそのぐらい影響力があるわけです。一応、誰が決めたわけでもありませんが、アメリカの大統領は事実上、現世界で最高の権力者と言えます。

そういう人が感染すること自体、あってはならないと言えるわけですが、しかし側近も含めてマスクは誰もしていませんでした。さらに、ホワイトハウスで行われた式典ではハグなどもしていたわけです。ですから、感染の可能性を高めていた、感染すべくして感染したとも言えるわけです。

実は私、トランプ大統領が感染したと最初に聞いた時、「本当か」と思いました。ねすなわち、仮病なのではないかと思いました。11月3日(火)に行われる大統領選挙まであと1ヶ月もないというこの時期、現職のトランプ大統領は民主党のバイデン候補に10ポイント以上の差をつけられていて、劣勢なんです。

そんな中、新型コロナに感染したというのは、それだけで支持がさらにダウンする可能性もあるんですね。そこで、劣勢を挽回するには新型コロナに感染し復活することで、新型コロナに打ち勝った強い姿を見せる戦術も私はありそうだと考えたんです。

権力をめぐるあの手この手、何でもありというのは私の著書「政治家の殺し方」に私書いています。その後の顔色を見れば本当に感染したのかもしれないなとはもちろん思いますけれども、本当のところはわかりません。

でも、世界の最高権力者アメリカの大統領が感染し、様々な判断ができなくなってしまったのなら、世界がよからぬ方向に動くこともあるわけです。例えば、ロシアや中国が軍事行動を始めたり、中国が台湾あるいは尖閣諸島に攻めてくることだってあり得るし、さらにテロ行為なんかも十分考えられるわけです。

その為、アメリカの大統領に万が一の時のために、継承順位が細かく決まっています。今のアメリカ政府の場合は、トランプ大統領がいなくなったら2番目はペンス副大統領、3番目はペロシ下院議長と17番目までが決まっています。

日本の場合、総理大臣が病気などで一時的にかけた場合はあらかじめ指定した国務大臣がその職務を代理で行うことが決まっていますが、あくまでも一時的な対応で、基本的には内閣総辞職をして首相を選び直すことになります。

しかし、アメリカの大統領選挙は4年に1回だけですから、大統領選挙で新しい大統領が決まるまでに備えて17人の継承者が決まっています。

さて、昨日はトランプ大統領がツイッターで「元気ですよ」というメッセージを出していましたけれども、その冒頭は「皆さんのお気に入りの大統領です」から始まりました。アメリカ国民にもお気に入りの人、大嫌いな人と温度差がある大統領だと思いますけれども、いずれにしても大統領選挙まであと1ヶ月もないんです。

また昨日は副大統領候補の討論会がありました。まだ詳細はわかっていませんけれども、一部では民主党のハリス候補の方が優勢だったというふうにも報じられています。

さあこれから1ヶ月で世界の最高権力者が決まります。その意味では大注目なんですけれども、もしかしたら決まらないかもしれないし、大混乱になるかもしれないということもあり得ると思いますが、その詳細はまた別の機会に。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年10月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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