原発処理水、風評被害の元凶は朝日新聞

柳ヶ瀬 裕文

こんにちは。参議院議員の柳ヶ瀬裕文です。

原発処理水の問題がようやく動き出した。

汚染処理水の海洋放出決定へ 政府方針、月内にも 福島第1原発

原発処理水は、原発の敷地内にあるタンクに貯蔵しており、その数は 1000 基を超える。廃炉を円滑に実施する上で、限られた敷地のなかでの増設は困難な状況であり、2022年夏頃にタンク容量が満杯となり限界に至ると公表されてきた。早急に結論を出さなければならない喫緊の課題であったが、政府は、有識者を交えた議論を長期に亘って行ってきたが、結論を出すには至らなかった。

そこで日本維新の会は、現状を打開し、党として統一した見解を打ち出すためにタスクフォースを立ち上げ、昨年10月に「早期に海洋放出を決断すべき」という提言書を取りまとめ国会で訴えてきた。

福島第一原発処理水に関する緊急提言について

報道が正しければ、ようやく政府が海洋放出を決断するとのことだ。これは歓迎すべきことだが、決断にあたっては「風評被害」を生まないように丁寧な説明が必要とされる。特に以下の事実を正確に伝える必要がある。

ALPS の性能は向上しており、トリチウム以外の各核種を告示濃度まで低減することを実現している。またトリチウムも、希釈することによって告示濃度を満たすことができる。そして、全国の原子力発電所は運転基準に基づく基準内のトリチウムを含む水が40年以上にわたって排出されているが、近郊の海水の濃度は世界的な飲料水の基準を大幅に下回っており、健康への影響は確認されていない。

9月8日、アゴラ主催のシンポジウムで国内各地の処理水排出状況について説明する筆者(編集部)

しかし、これらの事実は報道によって簡単に捻じ曲がって伝わる。

福島発特報「処理水 海洋放出」一斉報道も、朝日だけ「汚染水」(追記あり)

この記事が分析しているように、一部修正があったにせよ朝日新聞等は「汚染水」との表記を続けてきた。海洋放出するのは、あくまで各核種を告示濃度まで低減した「処理水」である。汚染された水を垂れ流すかのような印象操作は、風評被害を招く。朝日は風評被害の元凶(最大の要因)となっているという自覚があるのだろうか。

風評被害対策に奇策はなく、科学的情報を正確に丁寧に伝えることしかない。科学が風評に負けることがあってはならない。引き続き情報発信に注力し、政府の決断を後押ししていきたい。