人を信じることの意味 !?

昔ボスに言われた
『お前は人を信じ過ぎる』

そんなはずはない
私は究極のリアリストを自認している

私も含めて最後は皆わが身を守る
仕事において何度も何度も何度もそういう場面に直面した

性善説などない
私は偽善者の面を被って生きてきた

そんな私がALS発症
人工呼吸器をつけた

常に他人に命を預けた状態
信じるしかない

逆を言えば私のこれまでのリアリストぶりが私の全てなら
私のことなど到底誰も信じてもらえない

でも私は今日も生きている
私を信じてくれる周りの方々と共に

どうやら私にも『人間味』があったらしい
ボスの言うように『人を信じて』いたらしい
自分から信じない限り人からは信じてもらえない

でも世の中には動けない・喋れないALS患者を
信じて支えてくれる『お人好し様方』が確かにいる

この世は捨てたものじゃない
純粋に信じ合う関係があるのだ

きっとそれはALSになる前もあったはず
だからこそ私は後悔なく生きて来れた

この世は理不尽
そんなことは仕事やALSで重々承知だ
しかし綺麗事が通じる世界があるのもまた事実

『信じること』は容易くはない
すれ違うことも多々あるかもしれない
皆それぞれの立場で守るべきものがある

環境は日々変化する
今日信じられても明日に続くとは限らない

だからこそ私は周りの全てを『信じ続ける』
それが私を『信じ続けてもらう』唯一の術と信じて

これからもよろしくお願い致します


この記事は、株式会社まんまる笑店代表取締役社長、恩田聖敬氏(岐阜フットボールクラブ元社長)のブログ「ALSと共に生きる恩田聖敬のブログ」2020年10月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。