混迷極める大統領選、アノマリーに基づく勝者の見分け方④

安田 佐和子

カバー写真:spablab/Flickr

米国と言えばハリウッドというわけで、映画に関するアノマリーをみていきましょう。アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞(ドラマ部門)の作品賞が同じであれば、共和党候補が勝利し、別々であれば民主党政権が誕生してきました。2つの映画賞がそろって作品賞をリリースするようになった1944年以降の成績は、145敗と大幅に勝ち越しています。

1976年以降の戦績は74とスーパーボウルより見劣り気味ながら、2012年と2016年は2連勝しました。今年の結果はというと…別々の作品が選ばれたのでバイデン氏が当選する確率を高めます。

チャート:作品賞受賞作と大統領選挙結果の一覧

作成:My Big Apple NY

スポーツに視点を戻すとメジャーリーグの頂上戦、ワールドシリーズにもアノマリーがございます。7戦までもつれ込み、最終的にアメリカン・リーグ(AL)が勝利すれば共和党候補が、ナショナル・リーグ(NL)なら民主党候補が大統領が勝利するというものです。1909年以降で第7戦まで行われた10回のうち、戦績は82。そのうちアノマリーが外れたのは1912年(当時は第7戦目が同点となり、第8戦目にALのボストン・レッドソックスが優勝も民主党のウィルソン候補が勝利)と、トランプ氏のホワイトハウス入りを決めた2016年(NLのシカゴ・カブスが制覇)のみ

今年はNLのロサンゼルス・ドジャース対ALのタンパベイ・レイズの戦いを迎え、執筆時点の10月27日時点で3勝2敗とドジャースが勝ち越し、第6戦は28日、第7戦は29日に予定します(※追記あり)。なお、スタジアムはどちらの本拠地でもなく、テキサス州のグローブ・ライフ・フィールドになります。

チャート:メジャーリーグ・ゲーム7・プレディクター、7戦目があるかが問題。

作成:My Big Apple NY

余談ながら、ドジャースが優勝すれば、NBAのチャンピオンに輝いたレイカーズと共に快挙を果たすことになります。両チームが大統領選イヤーにそろって最後に優勝した年は、1988年。そう、ブッシュ候補(父)が選出された年ですよね。当時は、共和党・民主党合わせて戦後初めて同じ党が3期連続で政権を握る道を開いたものです。

追記

結局、ドジャースが28日に行われた第6戦に勝利し4勝2敗でワールドシリーズを制しました。ということで、第7戦のアノマリーは消滅。今度は逆に、ドジャースとレイカーズがWで優勝した1988年を繰り返すのかが注目されます。

色々見て参りましたが、当たるも八卦当たらぬも八卦。アノマリーを信じるか否かは別として、大統領選の結果を眉間にしわを寄せて見極めるより、楽しくフォローしていきたいものです。It’s tough to make predictions, especially about the futureですからね。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK –」2020年10月28日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。