デマ注意報発令中!大阪都構想

明日、11月1日は大阪都構想の住民投票の日です。
今回で2度目となる住民投票、大阪市民は賛成なのか反対なのか、どちらの結論を出すのでしょうか。

前回行われた2015年と今回の住民投票の中身は違います。まず、内容的には今の大阪市24区を前回は5区に、今回は4区に再編するということなど、そして政治的な違いは、前回の住民投票時は反対だった公明党が、今度は維新と一緒に賛成側に回っていることです。

なぜそうなったのかは維新と公明党との駆け引きになったというような話を以前にもしましたが、政治的な駆け引きです。さらにその時にお伝えしましたが、3度目はないと思いますのでこれが最後の住民投票となるでしょう。

ところがここに来て、その重要な選択の判断をミスリードする報道が今週はじめにありました。その報道とは、26日月曜日に大阪市財政局の試算ということで、「大阪市4分割ならコスト218億円増 都構想実現で特別区の収支悪化も 市試算」という報道がされました。これに対して、維新側は計算の仕方から金額まで違うと反論し、元大阪市長の橋下徹氏はツイッターなどで誤報だと激しく批判しています。何が反論のポイントで、ましてや誤報という言い方にまでなるのか。実はこの試算は、大阪都構想の特別区を前提にして計算されたのではなく、今の大阪市を単純に分割した場合の計算です。

今、提案されている大阪都構想をわかりやすく言うと、大阪市の仕事を府と区に分けるというものです。例えば水道や大学、観光事業など広域的に取り組む仕事は大阪府が担い、身近な住民サービスについては新たにできる特別区が担うという形です。しかし、今回の報道は単純に今の仕事を分割した場合ですから、政令指定都市である大阪市を四つの政令指定都市に分けるという試算です。しかも一般的には聞き慣れない基準財政需要額という言葉を使っています。この基準財政需要額というのは、実際にかかるコストとは全然違っており、国が地方に交付税を分配する時に、基準となる計算方式の金額で理論値となります。

はっきり言って、なぜこのタイミングで全然関係のないものが出てきたかと言えば、今の都構想に反対するためです。橋本さんは誤報と言っていますけれども、他意のない誤報であればまだいいのですが、意思がある。すなわち都構想を潰すための方法です。大々的に報じた朝日新聞や毎日新聞もはっきり言って反対派です。

でも新聞社がまとめた金額は、新聞社が計算したわけではありません。ではその計算の根本はといえば、大阪市財政局という部署であり、毎日新聞の記事には、市財政局の担当者のコメントとして「都構想の4特別区の行政コストが今回の試算と同額になるとは限らないが、デメリットの一つの目安になる。財源不足が生じれば、行政サービスの低下につながる恐れもある」と記載されていました。しかし、この数字は市が取りまとめた公式の発表でもありませんし、松井市長は聞いてもいないと言ってるいます。

ですからもう一度はっきり言いますけれども、これ要するに大阪市役所の都構想反対勢力が出したもの、もっと言うならば誰が出したかわからないものです。橋下さんは誤報なんて言い方をしていますが、橋下さんより珍しく私の方がきつい言い方になりますが、私は単純に誤報というよりはデマ情報だと思います。

確かに大阪では維新と自民が激しく争って、10年戦争と言ってもおかしくない状態です。今回、住民投票も世論調査ではかなり拮抗しているということで激しい論争になってます。そういう政治の争いに役人が巻き込まれたのではなく、逆に役人が政治を動かそうとしてるわけです。

私も横浜市長のときに経験しました。労働組合もそうですし、自分たちにとって都合の悪いことを潰そうとするときに役人が情報操作をするというのが実態なんです。

投票日6日前に出たもので朝日新聞とNHKは形ばかりですが訂正記事を出しています。

さて、この大見出しを見て反対票が増えるのか、対してツイッターなどのSNSで反撃をして、「そんなひどいことまでやっているのか。もっと中身を見ようじゃないか」ということで、賛成票が増えるのか、明日夜には大勢が判明します。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年10月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。