富山新知事始動へ…そういや前県政の疑惑どうなった?

2020年11月09日 06:01

保守分裂で全国的な注目を集めた富山県知事選から2週間。初当選した新田八朗氏は9日、知事としての任期がスタートする。

当選あいさつをする新田八朗氏(Facebookより)

新田氏は選挙直後からノーサイドを強調しているが、前知事の石井隆一氏を支持してきた勢力との関係をどう構築できるのか次の焦点になっている。

県議会(定数40)のなかで、“与党会派”として確定的なのは新田氏を支援した自民党の新会派(4人)のみ。知事選で、石井氏を支援した最大会派の自民党(29人)の出方が注目される。

ただ、融和に向けて新田氏はすでに積極的な動きをみせている。知事選では、県内15市町のうち、富山市長と滑川市長を除く13市町の首長が石井氏支持だったが、新田氏はアポなしの電撃訪問も含めて県内各地を勢力的に動いている。北日本新聞によると、祝日だった3日には氷見市長の自宅にサプライズ訪問したという。

県庁内の人心掌握はどうなるか。新田氏は地元の有力インフラ企業を長年経営してきたマネジメント手腕に定評があるとはいえ、行政職は初めてで職員をどう束ねていくかも課題だ。

新田氏は現在は1人の副知事について、女性を含む3人体制にする意向を示してはいた。ただ、石井前知事を支えてきた現職の山崎康至副知事が来年3月までの任期前に辞職する意向を明らかにしたことについて「任期いっぱい務めてほしい」と要望するなど、柔軟な構えを見せている。

くすぶる前県政の疑惑

選挙戦の最中から、4期16年に及んだ前県政による組織の硬直化を指摘する職員は相次いでおり、知事交代による刷新への期待は相応にありそうだ。しかしアゴラが特報した石井前知事の選挙準備に職員が関与した疑惑はくすぶったままだ。

【特報】富山知事選、県職員が現職の選挙準備関与?「証拠」独占入手(10月6日)

県政関係者によると、アゴラの報道後、問題の文書ファイルは県庁のイントラネットから姿を消した。“証拠隠滅”を予見し、アゴラ編集部は情報公開請求を行ったが、石井知事(当時)は不開示決定。この間、別の関係者は石井氏の後援会のパソコンにデータが残されている可能性を指摘したが、選挙終了から2週間、このデータの保全がどうなっているのか危惧される。

一方、アゴラは選挙戦終盤にも、石井陣営のネット動画視聴を呼びかける陣営の内部文書が県庁内で配布されていた疑いを突き止めて特報した。

【特報】富山知事選「県庁ぐるみ新疑惑」文書配布、違法指摘も(10月23日)

山崎副知事は報道前日、アゴラの取材に応じ、一部の幹部職員に配布した事実は認めた。山崎氏は、11月議会での予算編成を見越した政策情報収集の一環であることを強調し、公務員の地位利用など選挙運動目的を否定しているが、公選法に抵触する実態が本当になかったのか疑いが残る。

一連の疑惑のうち、選挙直前に明らかになった「秘密文書」の存在は石井前知事や幹部が認めたことで地元メディアやNHKも相次いで報道した。一方で終盤の動画視聴文書について、8日時点では地元メディアでの報道はない。

退任した石井隆一氏(Facebookライブより)

石井前知事は6日、県庁で行われた退任セレモニーで「万感胸に迫る思い」と語り、県職員らの拍手に見送られて去ったが、このあと捜査当局の動きがあるのか今後も目が離せない。

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