共和党重鎮が反旗といっても石破茂の愚痴に似てる

2020年11月10日 06:01

日本のマスコミ報道だけを見ていると、アメリカのほとんどの共和党支持者もバイデン氏の当選を認めているように映る。しかし、そういった状況ではない。

東京新聞は、「根拠なく誤った情報。常軌逸している」 トランプ氏「選挙不正」発言に共和党内から批判<アメリカ大統領選>というタイトルのもと、『「共和党重鎮「すべての票を数えることが民主主義の中心」と』と報じている。

ロムニー氏(本人ツイッターより:編集部)

その重鎮が誰かと思ったら、オバマ大統領に大統領選挙で負けたロムニー上院議員だ。この人は、2月のトランプ弾劾裁判で共和党員としてはただ一人、有罪票を投じた人だ。ユタ州選出の共和党議員だが、モルモン教徒で事実上、一人党派みたいな人だ。この人の発言をもって共和党が割れているというのは無理だ。

日本で言ってみれば、自民党における石破茂か、あるいは、村上誠一郎みたいな存在だ。彼らが愚痴をこぼしても自民党が割れているとは普通誰も思わない。

CNNは「ブッシュ元大統領、バイデン氏に祝意」、「選挙は基本的に公正だった」と報じている。トランプ大統領がブッシュ元大統領を激しく非難し、また、その弟のジェフ・ブッシュ氏を蹴散らして大統領候補になったわけで、もともと犬猿の仲だ。ブッシュ氏は今回の選挙を、「基本的に公正」であり、「結果は明らか」だとしていると報じているが、それでも、『トランプ氏には「再集計を求め、法的措置を追及する権利がある」』としているわけで、トランプ氏の粘り腰を批判しているわけでない。

日本でも小泉元首相が、安倍内閣の政策を批判していたこともあるが、それに、似ている。

いずれにせよ、ネズミに似た動物が空を飛んでるとすればびっくりするが、それは、コウモリでしたというなら嘘ではないが詐欺みたいなものだ。こういう見出しを介してのミスリーディングな記事はよろしくない。

トランプ再登板への期待も

一方、共和党幹部は、おおむね、トランプ大統領の抵抗を支持している。CNNは、『上院司法委員会の委員長を務め、トランプ氏とも親しいリンジー・グラハム上院議員(サウスカロライナ州)はFOXニュースの番組に出演し、トランプ氏と同様に投票の不正に関する根拠のない主張を展開。「今晩ここにいるのは、トランプ大統領を支持するためだ」』と報じた。

ケビン・マッカーシー下院院内総務は、FOXテレビで、不正行為は存在しているとして、「すべての米国民は立ち上がるべきだ。不正を目撃した人は我々に教えてほしい」「黙って見過ごしてはならない。こんなことが目の前で起きるのを許すわけにはいかない」と訴えている。

今回、投票総数は驚くべき増加を見たが、それも、関心の高さだけで説明できるものなのだろうか。そうしたことも、チェックする価値はあるのだと思う。

まず、トランプ陣営がさまざまな訴えを起こすのは100%正当だ。そして、その訴えのほとんどは却下されるだろうが、動かせない不正行為がみつかった場合に、それを突破口にして何かが起こる可能性はゼロではない。

各州が12月8日までに選挙をめぐる訴訟や再集計を終えて結果を確定し「選挙人」を指名するのだが、このところで、不正を理由に、州議会の共和党が選挙結果をひっくり返したらどうなるかなど、未知の問題もないわけではない。

といっても、結果が覆ることは滅多にないのだが、選挙の不正を訴えていく中から、4年後の共和党のリーダーが育ってくるだろう。

ある世論調査では、ペンス副大統領が30%、トランプ二世が20%、ヘイリー前国連大使が8%、あと、クルーズ、ロムニー、ルビオ、ケーシックといった名前が挙がっているらしい。

しかし、トランプ大統領自身が予備選挙に立ったら、過半数の支持は要らず、一位が予備選を制するから、トランプに対抗できないということもありそうだ。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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