伝統を超えて、常に進化を続ける日本の和食はやっぱり「世界一」

仕事の仲間と一緒に、定期的に通っている紀尾井町のお寿司屋さんがあります。メンバーも固定ですが、握ってくれるお店の職人さんも、いつも同じ方にお願いしています。

こちらのお店は、お寿司自体のクオリティーが高いだけではなく、今まで発想しなかったような組み合わせのお料理を提供してくれます。

飲み物も、お寿司には通常は日本酒ですが、それだけではなく、シャンパーニュから、なんとブルゴーニュの赤ワインまでお寿司に合わせて出してくれるのです。

単に豪華でおいしい魚介類を並べるだけではなく、組み合わせによる新しい価値の創造を常に試みているところが、何回来ても驚きと発見がある理由だと思っています。

例えば、戻りガツオに1個500円する玉子の卵黄を合わせ、それをブルゴーニュの赤ワインとマリアージュさせる(写真)。

カツオのやや淡白な味わいに、卵黄のコクが入ることでリッチな食感となり、カツオの酸味とブルゴーニュワインの酸味が口の中でマッチするのです。

あるいは、甘鯛の焼き物をのりで巻いて食べる一品。ホタテ貝や平貝などの貝類と食べるのが通常ですが、絶妙の火入れの白身魚で食べさせてくれます。

皮目はパリッと、白身の部分はしっとりと仕上がり、のりの香りがさらに味を一段と引き立ててくれます。

このような、たくさんの「引き出し」は、一朝一夕に得られるものではないと思います。

魚の目利きだけではなく、日本酒やワインの勉強をし、それらの個性をお寿司とどのように合わせるか日々研究をしているはずです。

そして毎回、訪問する度に進化を感じるのがすごいところです。

こうなってくると、職人と客のバトルのような緊張感が生まれ、毎回爽やかな気持ちで食事を終えることができます。

唯一の難点は、予約が本当に取れないことです。夜の予約はすでに来年のオリンピックの終了後まで満席とのこと。

そこまで待っても、また行ってみたいと思える素晴らしいお寿司屋さんです。

今回もまた、食に関しては日本が世界一だと再認識することができました。菅谷さん、今回もご馳走様でした!


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年11月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。