「都構想住民投票は『平成の改革』の集大成であり、敗北だった」のか?『改革』を超える次の物語へ向けて

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

11月11日は財政金融委員会・理事懇親会、党国会議員団役員会、あたらしい党キャラバンなど慌ただしい一日でしたが、夜はPLANETSCLUBで宇野常寛さんと限定オンライン対談を行いました。

宇野さんは「遅いインターネット」なるものを提唱しながら、議論における頭脳と口は高速回転なので(笑)、終わった後はどっと何かを出し切った感があります。

議論は住民投票の結果を振り返りながら、「改革」そのものや地方政治の未来について多岐に渡る内容となりましたが、

「都構想住民投票は『平成の改革』の集大成であり、敗北だった」
「だからこそ『改革』そのものをアップデートしなければならない」

というストレートな言葉は突き刺さりました。。

小泉純一郎氏に象徴される「平成の改革」は、敵を想定して「だから、◯◯せねばならない!」という論陣を張っていくことに特徴がありました。

「財政破綻を避けるために、無駄遣いをなくさねばならない」
「既得権益を排除しなければ、子どもたちに投資ができない」

と、不正・非効率や既得権益に敢然と立ち向かう。二重行政や役所の不正との闘いから始まった大阪都構想も、(もちろんそれだけではないものの)この一類型だったと言えるでしょう。

そして今、都構想以外に様々な検討をしている統治機構改革のメニューにも同様に、

「さもなくば、人口減少社会に対応できない」
「超少子高齢化社会を乗り切るために、制度改革をしなければならない」

という、宇野さんが指摘するところの「~ではない」文脈が根底に流れています。

この統治機構改革が成れば、◯◯できる!✕✕という未来がやってくる!

…というビジョン・物語が(皆無ではなかったとはいえ)弱かったことに、やはり平成最後の集大成たる「改革」が敗北した原因の一端があったのだと思います。

とはいえ、言うは易く行うは難し。

この「平時の衰退」が常態化し、価値観の多様化が進んだ社会で、誰もがハッと目が覚めるような、魅力的な物語・将来ビジョンを描くのが、どれほど難しいことか。

目先の「敵」と闘うことに慣れすぎた、そして生まれてこの方経済成長や成功を知らない自分たちには、荷が重すぎる課題なのではないかと絶望したい気持ちもあります。

それでも、諦めるわけにはいきません。

夜明け前が一番暗く、明けない夜はない。「平成の改革」の敗北を乗り越えて、令和へと繋がる新たな物語の端緒を開くことこそ、平成の改革に夢を託した世代の使命。

今日の時点で答えはありませんが、必ずその緒(いとぐち)を掴みたいと思います。

皆さまからも様々なご意見やご示唆、そしてご指導をいただければ幸いです。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年11月11日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。