バイデン大統領でもアメリカ社会の分断は終わらない

2020年11月13日 11:30

アメリカ大統領選挙は、バイデン元副大統領が勝利宣言して「分断ではなく結束を目指す大統領になる」と誓ったが、その前途は多難である。何しろ相手のトランプ大統領が、まだその勝利を認めないからだ。

この混乱の原因をトランプの乱発する訴訟に求める人が多いが、法的に疑義のある選挙に、裁判所の判断を求めるのは当然である。問題は投票から10日たっても結果の確定しない選挙制度にある。これはアメリカの民主政治に深刻な欠陥があることを示している。

200年以上続く「ねじれた民主政治」

バイデンの得票は7764万票で、トランプより526万票多い(11月12日現在)。これは2016年のヒラリー・クリントンとトランプの票差の2倍近く、直接投票だったら楽勝だが、アメリカの大統領は選挙人という独特の制度で決まる。これは各州ごとに選挙人を選んで、その集会で大統領を選ぶ制度で、ほとんどの州では最多得票した党が選挙人を総取りする。

ニューヨークやカリフォルニアのような都市部の大きな州は必ず民主党が勝つので、争点にならない。選挙の行方を決めるのは中西部のスイングステートと呼ばれる10程度の州の選挙人なので、得票数で勝っても選挙人の数で負ける大統領候補が出てくる。最近では2000年のゴア、2016年のクリントンがそうだった。

この不合理な制度を改めようという提案は昔からあったが、連邦議会では通らない。「1票の重み」の重い小さな州が、その既得権を守るからだ。

特に上院議員は各州から2人選出されるので、人口4000万人のカリフォルニア州も600万人のワイオミング州も同じ2票をもつ。これはアフリカの小国がアメリカと同じ1票をもつ国連と同じである。

合衆国憲法の起草された1787年には、連邦政府は13の独立国(state)の連合体で権限が弱く、今の国連のようなものだった。各州の知事は国を代表する統治者(governor)で、大統領はその集まる会議の司会者(president)だった。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長(学術博士)

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