自民党デジタル社会推進本部でデジタル庁創設への第一次提言を申し入れ

小林 史明

9月に事務総長に就任したデジタル社会推進本部で、先週18日、デジタル庁創設に向けた第一次提言を平井卓也デジタル改革担当大臣に申し入れました。

平井大臣からは「何回議論すればここまでできるのかと思うほど詳細に書かれており、これは本当に助かります。議論すべき内容がすべて入っているので、年末までには基本方針を出さねばならず、これから決断の積み上げをしていくにあたり、デジタル庁準備室にとって後押しになる素晴らしい提言をいただきました。ありがとうございました」との所感が述べられました。

今回の第一次提言はデジタル社会を実現していくための土台となるデジタル庁をどう作っていくか、方向性とToDoリストを示したもので、1) 基本的考え方、2)社会全体のデジタル化に向けた施策、 3) デジタル庁組織の在り方の3部構成、41項目について提言しています。

提言の基本方針として、デジタル社会の推進は、供給者目線ではなく、国民が安心してデジタル技術を利活用し利便性を実感できるというユーザー目線で改革を進めること、今般の新型コロナウイルスへの対応で明らかになった、デジタル化の遅れ、個人情報保護条例の課題解消、データベース整備や、行政の情報システム分野の共通化に、スピード感を持って取り組むことを掲げました。

誰一人置いてきぼりにすることなく、国民全員がデジタル化の恩恵により豊かになるとともに、個人、企業、行政間での円滑なデータ流通による経済成長を目指すものです。

また、日本がデジタル技術により強靱化することで、経済を再起動し、デジタル化の利便性を実感できる社会を創るため、その土台となるデジタル庁がやるべきことを具体化し、それに対し必要な組織形態および機能、権限を明記し、行政共通システムの整備等については今後5年以内を目指すこととし、地方公共団体および関係各省と足並みが揃うようロードマップを示しながら進めることを求めています。

提言にもある通り、デジタル庁は、当面、これまでの霞ヶ関の組織文化・前例に囚われることなく、幹部職含め、若手からの抜擢含めて、官民問わず適材適所の人材配置を行うことが最も重要になります。民間からの登用はもちろん、新卒、他省庁からの異動など、経緯に関わらず、人材が能力を十分に発揮できるよう、柔軟かつ魅力的な人事・給与制度、執務環境を整備し、デジタル庁での実務経験が、その後のキャリアアップ等につながるような制度・環境も整備する必要があります。

同時に、各府省等・地方公共団体のデジタル化を早急、かつ集中的に進めるために当面必要となる、広報及び普及促進費、民間人材等の採用関係経費、デジタル基盤の整備経費等についても、令和2年度第3次補正予算等において十分に確保するよう求めています。

提言の全文はこちらです。

ぜひ読んでいただき、ご意見をお寄せください。今週から第二次提言に向け、デジタル庁が提供すべき具体的なサービスに関して議論を開始しますので、特に、国民および企業の皆さんとのインターフェースになる施策について提案いただけるとありがたいです。

今回は甘利座長のもと、座長によるところの「デジタルネイティブ」である私と5人の小委員長に、思い切った権限委譲をしていただき、スピーディかつ具体的にこの提言を取りまとめることができました。座長が記者会見で、「この件はデジタルネイティブが一番わかっていて、しかも彼らは非常に優秀だ。彼らに任せて、彼らが指揮を取ってまとめたものを党内等のハレーションから守ることが私の仕事だ」と発言されたのを横で聞いていて、胸が熱くなりました。

この期待と信頼に応えるためにも、可及的速やかに国民生活の利便性を向上するためにも、第二次提言も実効性の高いものを年内にまとめたいと考えています。

(注) 永田町デジタルネイティブは3期生くらいを指し、一般的な定義とは多少前後することがあります。

提言に関するご意見: LINE@からお願いします。


編集部より:この記事は、衆議院議員、小林史明氏(広島7区、自由民主党)のオフィシャルブログ 2020年11月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は小林史明オフィシャルブログをご覧ください。