死語と化す「札仙広福」大躍進の福岡市、置き去りの広島市

椋木 太一

福岡市(uppa_rock/iStock)

こんにちは、広島市議会議員(安佐南区、自由民主党)・むくぎ太一(椋木太一)です。

11月26日から3日間、視察を兼ねて福岡市を訪れました。

ご存知の方も多いと思いますが、私の地元の広島市安佐南区は、衆院選では「広島3区」に含まれ、現在、全国的に大変注目を浴びています。そのことに関連し、ここ数週間、いろいろと思うところや考えさせられることがありました。そこで、改めて、広島市を外から俯瞰してみようと思い、福岡市に足を運んだわけです。

福岡市・高島市長(市サイトより)

福岡市は高島宗一郎市長(46)のもと、「アジアのリーダー都市へ」をスローガンに街づくりを進めており、「地方都市最強」の呼び声どおりの存在感を示しています。

福岡市の中心地・天神は、「天神ビッグバン」を合言葉に大規模再開発の真っ最中です。街中に鋭気がほとばしり、躍動感や自信に満ち溢れています。

私は2018年6月まで約15年間、福岡市で暮らしていました。福岡市を離れて2年半であちこちが様変わりしており、福岡市のダイナミズムを感じずにはいられません。

地方政令指定都市をグループ分けした「札仙広福」(さっせんひろふく=札幌、仙台、広島、福岡)という言葉がありますが、それはもはや死語と言え、福岡市は広島市のはるか前方を走っている現実を見せつけられました気がします。

おそらく、福岡市は「札仙広福」よりも三大都市圏の一角である大阪市や名古屋市に追いつけ追い越せの気概を持って疾走していることでしょう。

今季のプロ野球・日本シリーズで、パ・リーグ覇者の福岡ソフトバンクホークスがセ・リーグ王者の読売巨人軍に4連勝し、シリーズ4連覇を果たしました。今シリーズでセ・パの実力差がクローズアップされました。広島市と福岡市の両市の現状を見つめた時、そのことが、ふと頭をよぎったのです。

かつてのライバル・福岡市は総合的、戦略的に力をつけ、置いてけぼりを食らっています。こうした現実を認めたがらない方々、あるいは、まったくピンとこない方々もいます。

「広島はこういうものだ」「若いのに何が分かる」「嫌なら出ていけ」などと一蹴するのは簡単です。ただ、広島市の将来を見据えた時、目を背け、耳をふさぐことは、何の解決にもなりません。広島市を思うからこそ、厳しい意見を投げかけるのです。

市電が走る広島市中心部(Robert CHG/iStock)

交通インフラの立て直し、発信力・「広島ブランド」の強化、世界的企業誘致の促進、子育て環境の改善――。「地方都市最強」の福岡市に追いつき、追い越すためにやるべきことは山積みです。今回、わずか3日間の滞在でしたが、福岡市のエネルギーを吸収し、広島市に還元したいと思います。