世田谷区立保育園で暴力事件。甘すぎる区の認識

2020年12月09日 14:00

世田谷区立のある保育園で、保育士が子供に暴力を振るっているとの情報が区にもたらされたのは今年10月。区は議会で公けになることを恐れたのか、福祉保健委員会所属の委員にそれぞれ個別に報告して済まそうとしていたようだが、さすがに「それはおかしい!」との声が上がり、委員会報告を行ったのが先月11月11日。その時点で詳細はわからなかったが、12月1日に再び報告があり、事の一端が判明した。事件はメディアでも報じられた。

これによると、問題の保育士には、以下のような行為が確認された。

  1. 午睡の際、寝入りばなの子どもに、二つ折りにした敷布団を、上半身に落とす行為をした。
  2. 食事の片付けの時、行動がゆっくりの子に「まだ終わってなかったのか」と言いながら、頭の上に音がするくらい両手を振り下ろしてあてた
  3. 次の通り、乱暴な言葉を使用した。
    ・食事の準備の時、座ってない子どもに「何回も言ってんだろ」と言った。
    ・着替えをしていたが手間どっていた子に「何でこんなことも分かんねえんだ」と言った。
  4. 食事の際、泣いてしまった子どもを隣室に1人にした。
  5. 食事の際、飲み込めなくても口から出してはいけないと強く指導した。
  6. おやつを食べなかった子どもの指導で、泣いていた子どもを年齢より下のクラスに連れて行った。
  7. トイレやトイレットペーパーでいたずらを2日続けた子どもに対し、オムツを使用していないのに「トイレが使えないやつはオムツで寝かせるぞ」と言った。
  8. 午睡の際、おでこに消しゴムを置いて動けないようにして寝かせる行為をした。
  9. 午睡の際、幼児クラスで視界をふさぐように子どもの顔にバスタオルをかぶせた。

まったくもって信じ難い振る舞いである。子を持つ親として怒り心頭に発する。区の報告ではベテラン保育士とのことだが、こういった行為はいつ頃から始まり、どれくらいの期間にわたっていたのか、早々に調査・処分しなければならない。

Sasiistock/iStock

しかし、区は悠長なことを言いはじめ、まずは外部有識者を招いて「区立保育園における保育のあり方検討会」なるものを設置し、来年4月に報告するという。それはそれで大いに検討してもらいたいが、少なくとも、それまでこの保育士は公務員として給与をもらい続けるのである。処分は処分として別口で行わなければならないのではないか。

これが私立保育園だったら、こんなにのらりくらりと処分を先延ばせるのか甚だ疑問である。区の内部では「まさか区立保育園で」という声が上がったとのことだが、おかしな“区立優等生論”が横行しているのは事実である。

裏を返せば、私立だったら「さもありなん」ということなのか。とんでもない官尊民卑であり、この認識がこうした暴力保育士の存在を見逃していたと言えよう。いったい園長は何を見ていたのか。昼寝しているのは子供だけにして欲しい。そして、これを管理・指導していたのは紛れもなく世田谷区である。

そもそも、この報告じたいが「不適切な保育について」という文言で始まっており、暴力事件と捉えていないところに、区の姿勢が物語られている。上記に記した行為内容の②の太字部分も、ふつうはこれを「殴った」と言うべきであり、常識からかけ離れた表現を使うところに何とも“お役所臭”を感じる。

この件に関して、何人もの親御さんから問い合わせがあり、中には体罰を疑うような事案も伺っている。検討会の目的については、「区立保育園全体として保育のあり方を見直すための方策を検討する」との文言があるが、区には私立も含めた「区内保育園全体」に目配りをするよう、要望したい。子供の命の大切さに、区立も私立も変わりはない。

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稗島 進
世田谷区議会議員(日本維新の会)

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