中央区懲罰委員会の傍聴者が証言!動議は適切だったのか

#中央区だったら懲罰されていた で大きな話題となった、あたらしい党 高橋元気 区議会議員に対する懲罰動議から一週間がたち、様々な情報が集まってきました。

懲罰特別委員会は議事録非公開、傍聴わずか12席という密室性の高い中で行われ、本会議傍聴者の多くは委員会まで見届けることができませんでした。

その中で当事者である高橋元気氏、および12名の傍聴者の1人である梅田夏希氏が、当日の様子をウェブサイトにて発信しました。いま一度懲罰動議の妥当性について問いたいと思います。

(参考)Twitter発言で懲罰の是非!中央区議会懲罰問題の全内幕 ― 中央区議会議員 高橋元気 公式HP (20020年12月6日)
(参考)中央区議会の懲罰の実態 ― 梅田夏希ホームぺージ(2020年12月7日)

(経緯)教育委員会の闇!? ツイッタートレンド入りの中央区懲罰動議 – 筆者(2020年12月3日)

中央区議会傍聴席(中央区議会ホームページより引用)

筆者が独自に入手した発言内容書き起こし等から、争点は、「70代教育委員候補を年齢で差別した」「賛成したのにSNSで意義を唱えることで議会の信頼と品位を損ねた」「議論ならば幹事長会議で尽くした、会派内での議論はなかったのか」「SNS発信に対しては申し合わせ以降何度も注意してきた」というものです。

これらに対し高橋元気議員および所属会派議員から「候補選定プロセスへの批判であり、年齢に関しては一般論。候補への個人攻撃ではない」「幹事長会議はそもそも非公開。また会派内議論は守秘義務がある」「SNS発信に関する申し合わせは守っている」という反論がありましたが、結果として戒告処分が確定しました。

懲罰委員長は高橋元気議員および所属会派の発言や質問を複数回却下し、また高橋元気氏に対し「あんた」呼ばわりでヤジを飛ぶなど、紛糾した模様が伝わってきます。

確かに高橋元気議員の「忖度にしか見えない」というツイートは強い表現であり、注意をうけることもあるだろうと感じます。これまでに繰り返しツイートに対して注意と削除要請が繰り返されてきた背景も事実です。

しかしそれらが積み重なったものとして、懲罰動議にかけるのは妥当でしょうか。懲罰動議は3日以内の事犯についてなされるものと定義されています。

高橋元気議員のツイッター運用は情報発信のありかたを変えようと信念をもって取り組んできたものです。これが保守的な考え方と激しく対立することはあっても、それは議論の中で行われるものであり、最終的には選挙を介した区民の判断によって決着をつけるものです。

当選回数9回にも及ぶ発議議員から見れば「お作法を分かっていない新参者」であっても、高橋元気議員はあたらしい政治のありかたを掲げて当選した、区民の代表者。

ある傍聴者の証言によれば「会派の教育が足りないからこのような事態になる」といった発言もあったようですが、それは高橋元気議員を信託した区民に対し失礼ではないでしょうか。

本会議までを傍聴したあたらしい党 宮本舜馬 荒川区区議会議員も、「この程度で懲罰を受けるのであったら、慎重にならざるをえない」とし、議員に対する言論の統制、それに伴う区民の不利益を指摘します。

高橋元気議員は当選以前よりデジタル教育改革を重視する課題として掲げていました。この取り組みの中で例えば、「70代の委員候補個人に関しては経歴などを鑑みて異論はなく賛成であるものの、そもそも候補選定時点でデジタルネイティブ世代の教育委員が候補としてあがらなかったものだろうか」等という問題意識を抱いたとしてSNSで吐露してはいけないのでしょうか。

教育委員は東京23区以外の自治体でも実名・経歴・顔写真は公表されていますが、中央区で調べられるのは名前だけ。中央区の情報公開は遅れている部分がありそうです。高橋元気議員のブログによると、幹事長会議前に共有された情報は極めて限定的であったようです。

非公開の幹事長会議という密室から降りてきた議題に賛否を表明するだけとなれば、区民の代表たる議員が十分な行政チェックをできてるか議論の余地のあるところでしょう。もしかすると忖度なるものがあるのではないか、そして懲罰動議は果たして誰への忖度か…、と疑う余地が生まれかねません

情報公開が不十分であることは信頼と品位の喪失につながるという時代の変化を、中央区議会は感じ取れていないようです。