B to Bに共通するカスタマーサクセスという考え方

昨日はメルマガとnoteの日。noteは単体だと110円ですが年間のマガジンだと4054円なのでかなりお得になります。マガジンがオススメです。w

1 Web未経験者のリテラシーを上げるには
2 相続した地方の山に活用法はあるか
3 キリスト教のラジオ番組の本義は
4 「AGAクリニックのブログでバズりたい」は可能?
5 経団連のコロナ対応の真意とは
6 バドミントンに熱中する息子の進路選択について

です。まぐまぐ!または、スマホで読む方はnoteでお買い上げいただけます。関係ないですがついでにInstagramもフォローしていただけると喜びます。

何回かnoteで質問が来ましたが「カスタマーサクセス」という考え方があります。みなさんもセールスフォースの名前は知っていると思います。先日Slackを買収しましたよね。世界ナンバーワンのCRM、つまり顧客管理のツールの会社です。この間紹介したコレ

もカスタマーサクセスの基本を説明しています。

セールスフォースは初期費用で数千万かかり、毎月のサブスク費用もかなりのものですから、営業会社や主に大企業で使われます。友人数名がセールスフォースの「カスタマーサクセス」部門にいまして、以前、なにをしているのか聞いたところ

サブスク課金のお客さんがやめないようにサポートしてます

と、直球で言われて笑った事があります。まんま過ぎる。
でもみなさん分かってないんですが、

B to Bって基本的にみんなサブスクなんですよ?

本日はこの話をします。

サブスクはB to CよりB to Bが主流

最近、サブスク、サブスクって言われていて、シェアカーとか、毎月服とか鞄を貸してくれたりするサービスが増えてきました。パソコンのソフトも以前は買ってましたけど、いま月額課金でOfficeやPhotoshop使ってますよねぇ。DropBoxもiCloudもAmazonプライムもみんなサブスクです。わたしのメルマガやnoteもそうですし、オンラインサロンもそうです。しかし、そもそもサブスクが目立つのはいままでB to Cではあまりなかったからですね。

これに対し、実はB to Bは基本的にサブスクみたいなものです。わたしは新卒でリクルートに入りましたが、リクルートの事業モデルはほとんどサブスクみたいなものです。マンションや車、結婚式に求人、広告主はだいたい毎月お金を払ってくれてそれが半永遠に続くビジネスモデルです。これをサブスクと言わずして何がサブスクでしょう。

ほとんどのB to Bの企業では新規開拓で1回限りの取引先ではなく、長く付き合う取引先が大半です。実はわたしがコンサルしているクライアントのみなさんもサブスク課金です。メルマガもnoteもオンラインサロンもみんなそう。で、こうしたビジネスに必要なのが「カスタマーサクセス」という考え方です。まあ端的に言うと

客に成功体験を積ませる

ということなんです。

Twitterにもたくさんいる似非コンサルさんたち。主に高価な情報商材を売ったりしているわけですが、30万円払わせてもなんもサポートもしない。全然儲からないとクレーム付けるといきなりブロックされたりするアレです。彼らが基本的に詐欺なのは、「客に成功体験を積ませられないから」ということです。WinWinではなくて自分が儲かるだけ。だからFacebookの創世記にはあれほどいた情報商材屋さんたちの大半はどこかに消えてしまいました。

B to Bに限らず全てのサブスク的なビジネスは、この「カスタマーサクセス」という考え方が重要です。新規で顧客を獲得するコストは莫大で、焼き畑農業のように食い散らかしていてはいつかは枯渇します。既存の取引先に十分に満足をしてもらい、利益を上げていただいて気持ちよくサブスク課金をしていただく。これが徹底していたのがリクルートでした。

それまでのいわゆる雑誌の広告は、付き合いや広告代理店経由の「とりあえず入れておこう」的なものが多かったのですが、リクルートの情報広告ははっきりとその効果が分かる。求人なら何人応募があったとか、マンションなら問い合わせが何件来たかとか、1件あたりのコストが出たわけです。いまのネット広告と同じです。で、私のいた頃のリクルートでは、代理店や新人営業は新規の顧客を追いかけますが、チーフクラスは大手のクライアントを担当。まんま「カスタマーサクセス」的な事をしていました。

●効果測定と解析
●効果を上げるための施策提案
●その効果測定と再提案

みたいな形でPDCAをぐるぐる回していたのです。いまもたいして変わらないように思います。リクルートのエグかった点は、客に払わせる金額と利益がトントンになる程度の価格付けをしていた点で、客は売上はあがるものの利益はリクルートに支払いすると幾ばくも残らない。しかし止めてしまうとがっぽりと売上が落ちる的な値付けです。なので単価の高い住宅系は高く、安い中古車系は掲載料もお安くなっていました。

なにをいいたいのかというと、基本的なサブスクビジネスは何十年も前からあるわけでして、伸びてきた会社はしっかりとカスタマーサクセス的なノウハウを貯めてきたところです。いけてない企業の場合、これがあまり機能していないケースが割と多いように思います。

これから生き残りたい企業はこの「カスタマーサクセス」のノウハウを社内の共通財産としてしっかり共有化し、取引先にしっかりと利益を出させることを意識すべし。久々にがらにもないまともなエントリーでした。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2020年12月10日の記事より転載させていただきました。