公共放送と受信料制度の在り方について意見を提出しました

2020年12月19日 06:00

metamorworks/iStock

総務省がコメントを募集していた「公共放送と受信料制度の在り方に関する取りまとめ(案)」に対して、個人の意見を提出しました。要旨は次の通りです。

映像コンテンツを配信する手段としてテレビ送信とネット配信を併置させ、インターネット活用業務を本来業務に位置付けるべきである。

意見の詳細は次の通りです。

動画視聴の形態は大きく変革しつつある。経済産業省による調査結果によれば、映像コンテンツに関わる消費者からの直接収入は、わが国においてテレビが4937百万ドル(2017年)から5168百万ドル(2022年)まで微増する間に、サブスクリプション型のオンデマンドネット配信(SVOD)が2151百万ドルから3476百万ドルまで成長するとされている。

消費者がテレビ受信・ネット配信を問わず必要な動画を選択する傾向は強まる一方である。取りまとめ(案)からは、ネット配信がもたらすNHK経営への危機感は全く感じられない。

編集部撮影

取りまとめ(案)の付属資料にある日本民間放送連盟の意見には、NHKによるネット配信は「民業圧迫」との懸念が表明されている。しかし、現実は、SVODという民業によって公共放送NHKが圧迫されている。

取りまとめ(案)のうち、インターネット活用業務については抜本的な修正が必要であり、映像コンテンツを配信する手段としてテレビ送信とネット配信を併置させ、インターネット活用業務は本来業務とすべきある。

取りまとめ(案)の付属資料にあるように、英独仏は既にその方向に舵を切っている。

本来業務とすれば、ネット配信だけでNHKを視聴する視聴者からも受信料を徴収しなければ、テレビでNHKを視聴している視聴者は不公平に扱われることになる。しかし、ネット同時配信「NHKプラス」の場合には、受信契約に基づいてIDが付与され視聴が可能となる仕組みであるから、不公平は生じない。

視聴者が将来NHKを視聴する方法として、テレビ送信よりもネット配信を多く選択するようになれば、テレビ電波の返納が視野に入る。また、視聴者がネット配信すら視聴しないとしてNHKに受信料を支払うのをやめるようになれば、NHKの存在意義はなくなる。冷酷のようではあるが、国民にNHKの存在価値を直接問うためにも、インターネット活用業務の本来業務化には意味がある。

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山田 肇
ICPF理事長、東洋大学名誉教授

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