【年末特集】アゴラ記事で振り返る「追悼2020」②

2020年12月29日 06:00

年末恒例、アゴラ編集部が振り返る今年の訃報ニュース。2020年の2回目です。(①はこちら

木村花さん 女子プロレスラー
享年22 5月23日、自宅マンションで自殺を図り死去

木村花さん(本人インスタグラムより)

フジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」に出演していた木村さんは、番組内での言動に対してSNSで誹謗中傷が相次いだことを苦にして、自殺したとされています。若干22歳の木村さんの若すぎる死を日本中が悼み、事件を機に、SNS上での度の過ぎた誹謗中傷に対する議論が沸き起こりました。木村さんの母響子さんの訴えもあり、中傷された被害者の救済を図るため、匿名の投稿者を特定しやすくする新たなルールづくりが進められています。

元厚労省キャリアで自殺対策の政策にも関わってきた千正康裕さん

今回の女子プロレスラーの方も、突っ張っている悪役を演じている方だったようだ。テレビ番組にも出演していた。一見、強い人に見えるかもしれない。それなりに有名人だから恵まれた立場の人に見えるかもしれない。その人が強い人かどうかなど誰にも分からない。有名人には、たくさんの誹謗中傷が届くという発信も目にする。
(中略)
一部の強者に対しては誹謗中傷してよいと認めることは、「多くの人にとって一見強者に見える人」に対する人権侵害を認めることにもつながりかねない。
(出典:アゴラ「誹謗中傷に強者も弱者もない」5月25日)

当事者としての視点で依存症問題に取り組む田中紀子さん

木村花さんの訃報以来、ネット上の誹謗中傷が話題ですが、そもそも誹謗中傷とはどんな人がやるのでしょうか?
赤の他人に「死ね」「うざい」「消えろ」と言い続ける気持ちの裏には、どんなことが隠されているのか?
(中略)
誹謗中傷をする人は、大抵の場合困難をじっと我慢しているか、孤独で困難な状況をどう変えて良いかわからない状況にあるのだと思います。
だからこそ辛さを他者を攻撃することで、緩和しようとするんですよね。
悪循環なんですけど、人間不信になっているとそれ以外の方法に気づけない。
(出典:アゴラ「誹謗中傷は困った人ではなく困っている人がやる」5月25日)

 

ジョージ・フロイドさん アフリカ系アメリカ人
享年46 5月25日、ミネソタ州で白人警官に首を膝で押さえつけられて死去

hapabapa/iStock

無抵抗のフロイドさんが「息ができない」と訴える動画が拡散され、黒人への人種差別に反対する抗議運動「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」が世界に広がりました。

北米社会に詳しい岡本裕明さん

この事件をどう理解すべきでしょうか?たまたま黒人だったのでしょうか?あるいはたまたま警官がやり過ぎたのでしょうか?凶暴犯を銃殺することもしばしば起きるアメリカに於いて今回の事件をどこまで特別視するのか、世論を一方的に鵜呑みにもしにくいところがあります。
(中略)
今回の問題を黒人への人種意識問題と捉える記事がほとんどですが、私はもう一歩踏み込んでみるとアメリカの特殊性が背景に潜んでいるように感じます。
(出典:アゴラ「黒人暴行死とアメリカ社会の特殊性」6月2日)

タリーズコーヒージャパン創業者で元参議院議員の松田公太さん

多くの日本人にとってはBLMが遠い国の出来事。対岸の火事に見えてしまうかも知れません。果たしてそうでしょうか。
(中略)
いつの時代も差別は分断を作り、その分断を利用して権力を得ようとする政治家は現れます。そこから生まれる憎しみや悲しみが表面に出てきたのがいわゆるBLM運動なのです。しかし、それは氷山の一角でしかありません。
(出典:アゴラ「BLM運動とトランプ大統領と日本人」6月12日)

事件現場のミネアポリスに滞在経験のある国際問題ジャーナリストの山田禎介さん

アメリカの歴史は、黒人への差別と迫害を避けて通れないが、いま、全米から全世界に波及したブラック・ライブズ・マター運動は、中西部ミネソタ州のミネアポリスでの事件が発端だ。
(中略)
このミネソタ州は、かつては伝統的な「アメリカのリベラルの砦」と言われた。
(中略)
そのミネソタが、かくも殺ばつとした空気に包まれるとは、単に時代の流れだけとは言えない要素があろう。現代の社会、市民の空気をとらえられないトランプ政権と、さらに中国からグローバルに広がった新型コロナ・ウイルスの最大被害国となったのがほかならぬアメリカという点がある。
(出典:アゴラ「『リベラルの砦』ミネソタ州が、悲劇の震源地と変貌した」6月16日)

横田滋さん 拉致被害者家族会の前代表
享年87歳 6月5日、老衰のため死去

横田滋さん(米国防総省撮影)

北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさんの父で、拉致被害者家族会の代表として全国各地を講演してまわり、拉致問題解決を訴え続けました。「もう一度、娘に会いたい」という願いが叶わぬまま帰らぬ人となった横田さんの死を多くの人々が追悼し、改めて北朝鮮への怒り、日本政府の対応への不満の思いを強くしたのではないでしょうか。

衆議院議員の鷲尾英一郎さん

拉致は国家主権の侵害であり、人権侵害であるから、より強硬な措置は取れないのか、と政府に求めてきた。そして、もっと早く拉致問題は解決に向かうものと思っていた。しかし、無情にも月日は流れ、ついに横田滋さんが逝去された。
(中略)
失踪事件が起こった当初に、長きに渡り拉致問題などあり得ない、と放置されてしまったことが、この問題の長期化につながってしまったと確信している。
特定のイデオロギーによって問題をなかったことにされてしまう恐怖。その恐怖と長きに渡って戦い続けた横田さんの心中は察してあまりある。
これまでの横田さんのご労苦に心から敬意を表するとともにご冥福を心からお祈りする。
(出典:アゴラ「拉致問題:横田滋さん訃報に思う長期化の要因」6月22日)

元衆議院議員、前横浜市長の中田宏さん

単に悲しいニュースではないですね。我が国の国家主権が侵されているわけです。別の国の工作員がやってきて、日本人を拉致していく、取り戻さない、取り戻せない。皆さんはそれでいいと思いますか。手足を縛られ猿轡をされて、暗い船の底で知らない国に連れて行かれる。家族、友人、知人から引き離され、自由を奪われ、命令通りの生き方しかできない。そんなの嫌でしょうし、あってはならないことです。ですから、こういう事が起きないように国民を守るのが国です。そのために、各国では警察や軍隊があるわけです。しかし、日本はそういう意識が低すぎると思います。
(出典:アゴラ「単なる悲しい事件ではない:追悼 横田滋さん」6月12日)

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