1月6日、米連邦議会で何が起こるのか?米大統領選、共和党最後の抵抗

2021年01月04日 06:00

Muni Yogeshwaran/iStock

昨年11月3日に投開票された米大統領選から2ヵ月経った。が、認定日に選挙人の過半数270を得られなかった候補者が、相手候補に対して敗北を認めることで次期大統領が決まるというこれまでの慣習からすると、大規模な不正を理由に未だトランプ候補が敗北を認めていないので、その正式決定は1月6日になるようだ。

世界中のメディアの大半がバイデンを次期大統領としているものの、ジョージアやニューメキシコなどバイデンが勝ったとされた7州の議会共和党が独自の選挙人団を立てたこと、この内のニューメキシコを除く6州で訴訟が進行中であることを以て、未だバイデン勝利をコールしていないEpoch Timesなどの一部のトランプ寄り保守系メディアもある。

では1月6日に何があるのかといえば、一応認定されている選挙人団538人が次期大統領を指名投票する議会合同会議だ。憶測を呼んでいるのは、一つは会議の主宰が、共和党のゴーマート議員から訴訟を起こされた上院議長のペンス副大統領であり、もう一つは、米国憲法と選挙人団法には、今回のような事態を想定した主宰の権限の細目が定められていないこと。

目下、1月6日に起こり得る2通りの事態が想定されている。先ず、必ず起こるであろうと予測される事態は、上下両院の議員各1名以上から異議の申し立てがなされた場合に、両院それぞれの議員が2時間の制限時間を以て異議の内容を討議し、その認否を決定するというもの。

民主党議員が異議を申し立てる可能性は薄かろうから、共和党議員がどう出るかだが、すでに下院では共和党議員40人(140人との説も)が異議を申し出ると報じられた。そこへ50名いる共和党上院でも、昨年暮れに最年少議員ジョシュ・ホーリーが名乗りを上げた。従い、おそらく異議は申し立てられ、両院で討議が行われることになるだろう。

ホーリー議員は41歳の当選3年目、保守派で知られTikTok問題などで存在感を示した。今回いち早く手を挙げたことで彼は、ペンス副大統領や、トランプに呼応して暴動鎮圧に連邦軍投入を唱えたトム・コットン上院議員、門前払いされたテキサス州による連邦最高裁提訴で法廷陳述を申し出ていたテッド・クルーズ上院議員らと並んで、将来の共和党大統領候補に擬せられたようだ。

そのクルーズら11名も2日、6日の合同会議での異議申し立てを声明した。共同声明では「選挙を公正に決定するなら、敗北候補はその選挙の正当性を尊重する必要があるが、先の選挙では前例のない不正投票、選挙法の緩慢な執行などの不正があった」、「10日間の緊急監査が行われるまで」承認を留保するとし、「選挙の完全性への支持は党派的な問題であってはならない」と民主党議員へも賛同を訴えた。

が、彼らの異議申し立てが通り、両院で認否討議が行われるとしても、民主党多数の下院は勿論のこと、共和党多数の上院で異議を認めることが確実なのも、目下この12人でしかない。他の38名から数人の反対者が出れば、48人の民主党議員と相まって否決されることになる。よって、こちらの結果はほぼ見えているようだ。

だからだと思うが、ペンス副大統領の首席補佐官マーク・シュートは2日、「投票が正式に数えられる1月6日の議会合同会議で、選挙人団の結果に異議を唱えるための議員の取り組みを歓迎する。共和党の下院議員と上院議員の選挙人団による民主党大統領候補ジョー・バイデンに投じられた投票に対する反対案を検討する用意がある」とペンスが述べたことを記者に声明した

他方、主宰であるペンス副大統領に委ねられるもう一つの件は少々厄介だ。それは、ミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニア、ジョージア、ネバダ、アリゾナ、そしてニューメキシコの7州の共和党議会が、12月14日にバイデンが多数を占めた開票結果に基づいて知事が承認した選挙人団とは別の選挙人団を、独自に選んで議会合同会議に送ったことだ。

テキサス州のゴーマート下院議員がアリゾナ州の議員10人とペンス相手に起こした「友好的な」提訴とこのことは関係がある。この訴訟は、合同会議の主宰としてのペンス上院議長に対して「特定の州のために集計する選挙人票を決定する際の独占的権限と単独の裁量」を与えるようテキサス州の地方裁判所に要求した。つまり、ペンスが共和党議員の選挙人団を選ぶ権利を認めよ、という訳だ。

これにペンスの弁護士は12月31日、「副大統領が集計について裁量権を持っていることを立証するための訴訟は、副大統領に対して提起されたもの。法的に矛盾がある」とテキサス州に提起した。1日、カーノドル判事は「訴訟を起こす立場が原告には欠けている」とゴーマート提訴を門前払いした、「他の原告であるアリゾナ州の共和党選挙人団は、副大統領である被告に起因しない権利侵害を主張していて、要求された救済により償われる可能性は低い」と付言した(2日の巡回控訴審でも却下)。

だが、選挙人団を選ぶ憲法上の権限を誰が持っているかには、学者の間でも議論があり、1960年にはハワイ州知事が共和党のニクソンの選挙人団を認定したものの、民主党の選挙人団はケネディに投票し、翌年の合同会議での勝者となったそうだ。ペンス次第だが、この事例が今回の7州の先例となり得るとの説を唱える学者もいる。またクルーズらが提起している10日間の緊急監査も、1877年の大統領選で、議会が上下両院5名ずつと最高裁判事5名で委員会を作り、監査した事例があるという。

何れにせよ、今回のことで米国の大統領選挙関係法令の不備が明らかに露呈した。トランプ大統領は首尾一貫して不正のない票を数えるよう訴え、現下の法令上許容される行動をとっているまでのこと、と筆者は思っている。その意味で1月20日の就任式までは、まだまだ終わっていない2020米国選挙と書いた11月11日と未だ同じ心境だ。

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