「えんとつ町のプペル」は日本アニメ版スターウォーズだ!

皆さま明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。

公式フェイスブックページより:編集部

今年は同じ都内の夫の実家すら88歳の義母から「来るな」と言われ、どこにも出かけなかったことと、年末年始の相談電話が予想以上に多かったことから、ただの普通の日常といった感じで、お正月気分が殆どありませんでした。

唯一、例年通り楽しんだのが駅伝でしたが、もちろん沿道には行かずTV観戦。それにしても駒大の逆転優勝はドラマチックでしたね。

さてそんな中、夫と二人元旦に「さくっと映画でも行く?」ということになり話題の「えんとつ町のプペル」を観て参りました。いやぁ面白かったのと、内容が感動的で今年1年のやる気が出ました。

このお話、何が良いって、差別や偏見にさらされているゴミ人間のプペルと、弱虫で泣き虫お友達もいない少年ルビッチが、「えんとつ町の外には広い世界が広がっている」と信じて、ゴリゴリの保身に走る大人達に立ち向かいっていく話なんですね。

これはまさに日本アニメ版のスターウォーズではないですか!西野亮廣さんは常々「ディズニーを超えたい」とおっしゃっていますもんね。今やスターウォーズはディズニー映画ですから、是非シリーズ化して挑んで欲しいですね。

えんとつ町に閉じ込めることでメリットのある既得権者たちは、他の世界を知ろうとする人間を弾圧していきます。
一方、閉じ込められて、息苦しくて、何かがおかしいと思っているけど変化を恐れるえんとつ町の住人は「広い世界がある」と信じているプペルとルビッチに「馬鹿なことを言ってるな」と叱ります。

私は、この作品を見ていて、差別や偏見にさらされ、人々から邪険に扱われながらも、皆にとって「もっと良い世界が広がっているはず」と信じ、少しずつ理解者や仲間を増やし、アイディアと知恵と勇気で目標を達成していく姿に、まさに今の依存症者とその家族が置かれている状況を重ね合わせていました。

病気の理解がなく、特に違法薬物の依存症者は、取り締まり側のポスト拡充と予算確保のために、必要以上に危険視され、差別をプロパガンダされ続けた結果、依存症者は相談に行くことすらはばかられ、家族の中で苦しみが連綿と続いています。

また折角依存症から回復しても、薬物依存症者だとばれると再就職すらままなりません。ひどい時には、家族に薬物依存症者がいると分かっただけで、当事者ではなく家族まで解雇されるケースすらあるのです。

80年代に民放連が「人間やめますか」と流し続けた弊害が今でも尾をひき、テレビタレントが「社会的に抹殺しろ」「二度と出てくるな」「一発アウト」などとどんなに非人道的発言をしても看過されてしまう、まさにゴミ人間プペルの姿が今の日本を生きる依存症者とその家族の姿だと思いました。

でも私たちは知っています。

依存症を病気ととらえ、予防と早期発見、早期治療と捉えれば、回復はあること。そして回復を促した方が社会負担費も減り、労働人口も増え、納税者となり社会全体のためになること。
回復者は同じ依存症者の回復の手助けという好循環を生み出すこと。
だからこそ理解者を増やさねばならないこと。
理解者を増やすことは、罵倒や、誹謗中傷と闘わなくてはならないこと。

この映画を観て、えんとつ町に再び星が光り、光にあふれる世界を取り戻した姿には思わず涙。「必ず理解される日は来る信じていこう」と思いました。

挿入歌もとても良いです。
私のおすすめ「メザメ」がYoutubeにUPされていたのでご紹介します。


コロナ禍で気持ちが沈みがちですが、思いやりと優しさ、そして正しい知識を持って、少しでも明るい1年にしたいですね。