有事にあぶり出される「フェイクな人たち」

アメリカの新しい大統領にバイデン氏が就任しました。完全な方法とは言えないかもしれませんが、民主主義的なプロセスによって、実質的な資本主義社会のリーダーが無事に選ばれたことに、ホッとしています。

今回のアメリカの大統領選挙は異例の展開で、就任式も厳戒態勢という「有事」の中で行われました。

年末年始から就任前までには、ネット上でアメリカの選挙制度に関する陰謀論を唱え、トランプ陣営が軍を使って事実上のクーデターを起こすなどと騒いでいる人たちもいました。

SNSなどで大きな影響力を持つ人までが、大真面目に書いていたので、影響されて動揺していた人もいたと思います。

バイデン氏が選ばれたアメリカの選挙結果は、フェイクだと言っていたわけですが、最終的には、その人たちの方がフェイクだったことが、明るみになってしまったのです。

アメリカの選挙に限らず、有事になると本物とフェイクの白黒がはっきりする。これは日本国内のコロナ禍でも同じです。

医療崩壊を声高にに叫んでいる医師会が、実は医療崩壊の根本原因であったこと(もちろん今も、医師会とは関係なく、コロナ対策に全力を尽くす医療関係者の方がたくさんいることは良く理解しています)。

あるいは、行政の長も本物とフェイクがはっきりしてきました。冷静に対応を進める福岡市長のような人がいる一方で、医療体制の危機とテレビで騒ぎながら、自分の県のデータを全く知らいことを露呈した神奈川県知事。医療体制の整備もせず、感染が拡大すると、パフォーマンスで国に責任転嫁をする東京都知事。

企業経営でも、同じ業態にありながら、コロナ家で最高益を出す会社もあれば、経営悪化で大手企業の傘下に吸収された会社もあります。

平時には見えなかったものが見えてきたのが、新型コロナウィルス感染拡大という有事の数少ないメリットと言えるのかもしれません。

フェイクは時間が経てば、いずれ化けの皮がはがれますが、何が真実かより分かりにくい時代になった事は事実です。

テレビ、新聞といったメディアも信用することができず、SNSも情報操作に使われている今、正しい情報の見分け方について、自分なりの基準をしっかり持つ必要があると思っています。

かく言う私自身も、フェイクニュースを流さないように、気をつけていかなければならないと再認識しました。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年1月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。