ほんとうに新型コロナに罹患した経験がある人は何人に1人いるのか

山火事理論を裏付けする証拠の論文が出てきた

いわゆる感染症の専門家は第5波のピークアウトを全く説明できない。

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いまだに「行動変容があった」「マスクをしっかりした」とかアホなことをいってる自称専門家がテレビで話しているが、緊急事態宣言が撤廃されてどこもかしこも大賑わいなのに東京の陽性率は0.3%と過去最低。

ちなみにピークアウトや感染拡大をもっとも正確に知ることができるのは「検査陽性率」です。


このグラフの淡いピンクの部分が新規陽性者数で、そのピークは第1波を除いて完全に新規陽性率と連動しています。第5波ではわたしは「陽性率が高止まりしたからそろそろピークアウトだ」と7月下旬から8月上旬に何度かSNSで発信し、そのたびにコロナ大好きコロナ脳のみなさんから「デタラメ言うな」と揶揄されました。

実際、このとおりだったわけだ。東京の実効再生産数は小池さんも言ってるように7/31がピークだったわな。8/19になに揶揄してんの。周回遅れも甚だしい。

でも絶対にこういう輩は謝罪しないよね。

このツイートは8/18だからとっくにピークアウトしていてドンピシャで的中してたよね。

こういう人たちはコロナが大好きで絶対にピークアウトしてほしくないわけですな。感染症専門家やマスコミのみなさんも、陽性率の推移を見て「もうすぐピークアウト」とか「感染再拡大の恐れ」とかいうと外さないで済むと思うので参考にしてください。陽性率が高止まりならそろそろピークアウトだし、上昇に転じたら感染拡大の恐れです。

まあ、話は変わるがこれはつまり

人為的な検査の拡大や抑制は行われていない

という証明でもあります。小学校の算数ができるなら誰でも理解できますが、人為的に検査の範囲を広げれば確かに無症状をあぶり出して新規陽性は増える可能性がありますが、その場合は分母が増えるので新規陽性率は下がる。逆に言うと人為的に検査を絞ると陽性率は上がります。

ピークと陽性率が完全に連動としていると言うことは「全く人為的な制限がなく自然な形で粛々と検査が行われている」という証拠にほかならないわけです。

コロナは風邪派は検査数を増やしたから感染が増えているといい、コロナ脳は検査を減らしたから陽性が減ってるように見えるだけだと対照的な主張をしますがその両方が明確にナンセンスです。東京の第5波の陽性率は8/15あたりにピークとなって(実際の検査はその2~5日前くらい)それから低下しはじめ現在は過去最低の0.3%を更新しました。


つまり、現在の東京では全く感染再拡大の懸念は出ていません。新規陽性の増減は単なる誤差です。
これが0.5から1%くらいに上がってきてはじめて「再拡大の懸念」と言えるわけですよ。

で、どうしてピークアウトしたのか。これをわたしと元自衛隊の防疫部隊の専門家の中村先生が唱えているのが「山火事理論」で、これは第5波までのピークアウトをすべて説明できます。

どうして次々と定期的な波が来るのか、中村先生の山火事理論にその答えはありました。気の緩みも人流もほぼ関係ない

どうして日本はゼロコロナ状態なのか

これを山火事理論では

広い自然感染にワクチンの相乗効果で
強力な抗体が生成された

と説明できます。自然感染とワクチンの抗体は種類が異なり、両方が合計されると強い抗体となるのはもう証明されています。

ワクチンと感染では作られる抗体の質が異なることを発見-変異型ウイルスに対するワクチン開発への応用に期待-(理化学研究所)

コロナに感染した人がワクチン接種を受けると非常に強固な抗体ができることもわかっているのです。これが山火事理論の仮説のもとになっているのですが、問題は実際にどのくらいの人がコロナに感染したのかということです。

コロナに自然感染した人はどのくらいいるのか

第3波では広島の市中検査では0.01%でしたが、第5波では東京都の市中検査では陽性率1%弱、空港では3%という数字でした。しかしこれはリアルタイムで陽性だった人で、感染歴がある人ではない。

で、東京都の医学総合研究所の研究結果が出ました。

都立・公社14病院全てが初めて連携して都医学研と共同研究~ 東京都で無症状の新型コロナウイルス抗体陽性者数がPCR検査陽性者の4倍 (東京都医学総合研空所)

今年の3月31日、つまり第3波までの調査で、

2021年3月末までの年齢・性別・地域を補正した抗体陽性は3.4%でした。今回解析したのは一般外来診療科の余剰検体のため、発熱外来やコロナ陽性者を除外した無症状者が対象です。したがって、無症状のまま過去に新型コロナの感染が示唆される都民は470,778人(3.4%)いた計算になり、この人数はPCR検査陽性者として発表されている都民の3.9倍にあたります

ということです。しかしこれはかなり偏差を補正しないと第5波のピークアウトの仮説の裏付けになりません。まず最初に

1 自然感染での抗体は4ヶ月ほどで消える

だから3.4%の抗体保有率から既感染者数を推測するとは実際にはもっと多い。ということになります。で、次に

2 そもそも外来に来る人の大半は高齢者

ということです。コロナの感染比率は行動量の多い若年層のほうが格段に高くなります。


自分も目の怪我をしてから外来に通っていますが若い人はほとんどいない。しかしコロナは若者の人口比は高齢者よりずっと少ないのに、20代が圧倒的な感染者の中の比率を占めている。つまり病院にくる主に中高年の抗体保有者(コロナに罹患した事がある人)が3.4%なら、ほとんど病院に来ない20代は10~20%いてもおかしくないということになります。

そして

3 感染者数はファクターXが消失した第5波で爆発的に増加

という点を補正しなくてはなりません。この医学総合研究所の研究結果は3/31までで


第4波、第5波終了時にはこのときまでの感染者数の2.3倍に達しました。
単純計算で、一般外来診療科の余剰検体では抗体の保有者は10%以上になってもおかしくなく、これに年齢偏差を考えると

高齢者の既感染率 10~20%%
若者の既感染率 30~50%

と考えてもそれほど無理はないように思われます。こうなるとワクチンの副反応は若者の方が強く出るというのも「感染歴があって抗体があるほうが副反応が強く出る → 若者の副反応が強く出る」というのと関係が大ありの気がしますよね。

インドネシアのようにワクチンの接種率は低くても、コロナの感染がかなり広がった結果、いまはゼロコロナに近い国というのもあります。ただインドネシアは60歳以上の人口がほとんどいないのに人口あたり日本の4倍以上の死者を出しました。コロナを自然感染に任せても鎮火するが、被害は甚大になるということを証明していると思います。

結局、日本のピークアウトは感染しやすい層がほとんど感染して山火事が燃え尽き、さらに徹底した急速なワクチン接種で国民の多くが強力な抗体を持ったのでゼロコロナ的になった。

という仮説が成立します。

日本はたいしたロックダウンもせず、ゆるゆると感染を広げ、さらにワクチンでそれをブーストした結果、幅広い層が抗体を持った。高齢者は自然感染率が低く、ワクチン抗体しかない人が多いのでブレークスルーしやすくそろそろブースターが必要と思われますが、若い世代はそんなものは要らないと思います。

コロナの致死率と死亡率をきちんと理解する

コロナとインフルエンザを比較すると、コロナはただの風邪ではなかった事がよく分かりますが、ほとんどの人は全く分かってません。

まず、致死率はその疾病に罹患した場合に死ぬ確率ですが、基本的には「発症した場合」に限られているはずです。インフルエンザも4割は無症状といわれていますが、こういう人たちは病院にはこないので捕捉されません。定点観測も有症者のみです。

しかしコロナは無症状、つまり発症していなくてもウイルスを保持していると母数に入ります。無症状を減らすと致死率は上がります。

インフルエンザの致死率は厚労省のデータだと0.02~0.03%

コロナの致死率は7月現在では高齢者にワクチン接種が終わったこともあって相当に下がって

0.15%になりました!!!第2波では1.9%くらいもあったのです!!!つまり致死率は1/10以下になりました。

これですとインフルエンザの5~10倍程度の致死率です。さらにここからワクチン接種率は全年代に渡って上昇したので、現在はもっと下がったと考えるべきで、いまやインフルエンザと大差ないまでになったと考えられます。脅威は相当に下がりました。

死亡率は1年で何人死ぬかということですが、インフルエンザは年間3000人死ぬといわれています。しかしコロナはこの1ヶ月で300人程度しか死んでおらず、

死亡率もインフルエンザと同等になった

ということができます。もちろんこれは新しい変異株が出てきて感染爆発しないという前提ですが、ワクチンは変異株にたいしても重症化防止の機能は落ちにくいため、それほど死者は増えると推測できず、いまや社会的な脅威はインフルエンザと同等といえるのではないでしょうか。

いつまでゼロコロナとか、コロナは怖いと言っているのだ。いまはもう経済をフル回転させるときなのだ。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年11月15日の記事より転載させていただきました。