地方経済の活性化は、中国頼み!?その問題点 - 小谷 まなぶ

2009年11月25日 16:58

 仕事柄、上海で貿易代理店を行っている為か、今年に入ってから、日本の地方自治体から『中国との取引について』の問い合わせが増えています。
 日本の地方経済が、冷え切っていることが、原因しており、なんとか、景気の良さそうな中国との取引が活性化できないかというのが、一番の目的だということです


 しかし、実際に、どうやって、中国と取引をしたらいいのか、具体的に分かる人が少ないというのが、現状で、地方自治体としては、地域経済の育成のために、何か中国と連携できるビジネスモデルを考案したいと考えているのですが、それが、思うように出来きていないというのが現状のようです。

 また、地方自治体がそれぞれの予算を持って、中国の主要都市で物産展などを行なっていますが、物産展を行なった後に、継続して取引が行なわれているか?と言えば、ほとんど、継続してできていないということです。

 さて、その原因は、一体どうしてでしょうか?

 私なりに、その理由について考えてみました。中国の量販店での商売は、基本的に仕入れに関しては、リスクを背負わないということが言えます。この商法は、もともと台湾から来たといわれていますが、量販店に納品する際には、納品業者は、『進場費』というお店に納品するための入場料を支払わなければ、量販店に納品さえさせてもらえないというルールがあります。
 
 また、商品代金に関して言えば、量販店は、納品と同時に回収できるのではなく、量販店は、商品が売れてから商品代金を支払うというというのが一般的な条件です。
  
 商品代金の回収という点で言えば、納品後3ヶ月~6ヵ月程度の回収期間がかかります。
 
 実は、この二点が大きなネックになっているのです。日本の物産品メーカーとしては、中国の量販店で販売してもらいたいという気持ちがあるのですが、中国の量販店で販売してもらうには、入場料としての費用を支払わなければならないというのが、条件です。その費用を一体誰が負担するかということが問題になります。

 

 日本のサプライヤーから見て、日本人感覚から言えば、納品するための多額の入場料を先払いしなければならないという感覚が理解できないということも言えます。

 その時点で障壁になります。中国側の貿易仲介業者も、日本の企業が売りたい商品で、貿易仲介業者が立て替えて、何十万元という量販店に支払う、商品納入の為に支払う入場料を支払いたくないという考えがあり、お互い話が進まなくなります。
 
 もし、日本側が、入場料を支払って、量販店に商品を納品することが出来たとしても、その場合に、問題になってくるのが、料金回収の期間的問題があります。
 
 現時点では、中国に輸入通関をした日から90日以内に、中国側で料金回収をした人民元を、外貨管理局経由で外貨に両替して、海外送金しなければならないという規定があります。時間的な誓約があります。
 
 納品してから、長期間、商品代金を回収するに時間がかかる商売では、90日というタイムリミット内での料金回収が難しくなります。
 現状的な話を聞けば、中国でよく行なわれている物産展などは、日本のメーカーがほぼ無償で、商品を提供して、中国にある日系デパート等の展示即売会場で、商品を販売を行なうケースがほとんどだということです。
 リアルに、儲かる商売に繋がっているかといえば、そうではないのが、現状だということです。

 実際に中国で、商売的に儲けようとするならば、第三者頼みの商売では、事実上、儲かる商売に話を繋げることが難しいということです。

 中国に現地法人を立ち上げ、日本の自社製品を輸入して販売している業者は、中国でも商売に繋がっているケースを見ます。
 販売のリスクに関しては、中国の量販店や、販売店は、背負わない。ただ、販売する場所を貸してあげるだけという感覚の強い中国における物販ビジネスでは、販売するリスクというのは、製造元が背負わない限り、ビジネスにならないというのが、答えだと思います。

 何れにしろ、すべて自己責任でビジネスを行い中国と取引をしようという感覚の経営者でない限り、他人頼み、地方自治体頼みで行なっている経営者では、まず、今の中国では、ビジネスが行なえないということが言えると思います。

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