アゴラ 言論プラットフォーム http://agora-web.jp 経済、ビジネス、情報通信、メディアなどをテーマに、専門家が実名で発言することで政策担当者、ジャーナリスト、一般市民との交流をはかる言論プラットフォーム ja Thu, 24 Aug 2017 04:17:40 +0000 http://agora-web.jp/img/logo-for-smartnews.png アゴラ 言論プラットフォーム http://agora-web.jp 大学無償化は「所得の逆分配」である society このところマスコミで「奨学金が返せない」という報道が繰り返されている。これは「教育無償化」キャンペーンの一環だろうが、それに対する反論は簡単だ。大卒の生涯賃金は高卒より平均6000万円ぐらい高いので、大学の私的収益率はき

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このところマスコミで「奨学金が返せない」という報道が繰り返されている。これは「教育無償化」キャンペーンの一環だろうが、それに対する反論は簡単だ。大卒の生涯賃金は高卒より平均6000万円ぐらい高いので、大学の私的収益率はきわめて高い。借金も返せないような大学に行くのは間違っている。

所得を再分配して「貧しくて大学に行けない優秀な子」を無償化で支援したいという気持ちはわかるが、これは錯覚だ。少なくとも再分配政策としては、大学無償化は逆効果である――と書いたら、橋下徹氏が意味不明の反論をしている。


「高卒家庭」を「大学生のいない平均的な家庭」と定義すると、大学生(短大・大学院を含む)をもつ家庭の平均年収は824万円。これは全国平均の世帯年収546万円の1.5倍だから、大学無償化は貧しい(平均的な)家庭から豊かな家庭への所得逆分配になる。これは税制がどうだろうと同じだ。大学を義務教育にして全員が大学に入ると逆分配効果は(同世代では)なくなるが、さすがに橋下氏もそれは考えていないようだ。


大学生をもつ家庭の平均世帯年収(独立行政法人学生支援機構調べ)

似たような話は前原誠司氏もしているが、貧しい学生を支援するには奨学金を給付する必要はない。幅広く資金繰り支援し、就職してから「出世払い」で返せばいい。貸与型奨学金はそのために最適のしくみである(自民党案はそれに近い)。優秀な子は借金してでも一流大学に入り、借金の返せない偏差値の低い大学には行かないので自己選択が機能する。

大卒の賃金が高いのは人的資本が高まるためではなく、シグナリングによる情報節約機能のためだ。その私的収益率は高いので、公的投資は必要ない。どうしても奨学金が出したいのなら、今の私学助成や国立大学の運営費交付金を廃止してインセンティブ奨学金に切り替えるべきだ。

教育に公的投資するなら、非生産的な大学よりも幼児教育のほうが社会的収益率は高い。公教育に限定せず、教育効果の高い塾や専門学校を含めて教育バウチャーで幅広く支援すべきだ。それが所得分配にも中立に近い。

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http://agora-web.jp/archives/2027931.html http://agora-web.jp/archives/2027931.html Thu, 24 Aug 2017 04:08:19 +0000 Thu, 24 Aug 2017 04:17:40 +0000
今更ながら不二越の「富山県民は採用しない」発言を擁護するけど economy 去る2017年8月20日に(株)不二越が本社を富山から東京に移転した。 これに関しては、不二越の会長が記者会見で ・富山で生まれ育った人は極力採らない ・富山で生まれて地方の大学に行った人でも極力採らない ・(富山県民は

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去る2017年8月20日に(株)不二越が本社を富山から東京に移転した。

これに関しては、不二越の会長が記者会見で

・富山で生まれ育った人は極力採らない

・富山で生まれて地方の大学に行った人でも極力採らない

・(富山県民は)閉鎖された考え方が非常に強い

と、上場企業の会長としてあまりにもアレな発言をして違う方面で話題になっていました。

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燃え盛って一週間ほどしてから「分け隔てなく、人物本位で採用しております」と言い訳をしてみたり、20日も経ってから「不適切で不用意な発言があり(中略)深くおわび申し上げます」と謝罪してみたりと、対応に「チッうっせーよ!反省してま~す」感が滲みでている印象。

まあでも気持ちはわかりますけどね。

富山県民が閉鎖的かどうかはいったん置いておいても、全国展開や世界展開しようとすると、従業員の地縁関係が組織管理上の課題となることは地方では避けられないと思います。

 

地縁と採用の関係の深さ

大学進学等で東京なり大阪なり他の都道府県に行った人間がUターン就職しようとすると、その地域の有力企業が第一の候補になる。そういう人間は「地元に帰る」ことのプライオリティが高い場合が多いため、採用後に業務都合で「東京に行ってくれ」「中国に行ってくれ」となると、まあ嫌がりますよね。純粋にその企業の業務内容だけに魅力を感じて採用されたわけではなく、地縁というものが企業選びにプラスされているので、人事管理上の難しさがある。

私自身も採用活動をやっていて、10分、15分とかの差でも「家から近い」というのがこんなに決定的に「効いてくる」のかと感じることが多いです。面接で「志望動機を教えてください」と聞いても

「家から近いからです!!!」

と力いっぱい答えてくる人は多い。いや、コンビニのバイトを募集してるんじゃないんだから、そこは嘘でもいいからそれらしいこと答えてくださいよ、、、と思ってしまう。

 

地方では「住まい」は固定されているのが前提

自分がUターンする前の状況を振り返ってみると、大学時代はキャンパスが変わるタイミングで引越しをしたし、公務員時代は毎年のように引越しを伴う転勤をしていたので、「住まいは仕事に合わせて変わるもの」というイメージを持っていたように思う。

でも、富山に帰ってきてみると、実家があったり(親は自分の都合で動かせない)、マイホームがあったり(富山県は持ち家率約80%)と、「住まいは固定されているのが前提」という人の方が多い。例えば富山⇔石川を車で1時間以上かけて毎日通勤している人も少なくない。

まあ、富山⇔石川ぐらいなら「頼むこっちゃ~」と拝み倒して通勤してもらうことは無理ではないかもしれないが、これが東南アジアならそんなこと不可能なわけで、不二越が「富山のいち製造業」から脱却するにはもっとフットワークが軽い人材に切り替えていかないといけなかったんだろうと思う。それがニュースリリースにあったところの

富山だけではなく、東京、大阪、名古屋など国内各地、さらにはアメリカ、ヨーロッパ、中国、アセアンなど海外での事業展開を加速するため、それぞれのエリアにおいて、多様な機能に適した人材を配してまいります。(強調は筆者による)

というくだりの含意と感じました。

 

地縁以外で人材を確保する努力が必要

富山県民としては本社移転で税収減る上にdisられて、完全に後ろ足で砂かけられた格好ですが、発言の趣旨は本質的な問いかけではないかと思います。

先日、学生の首都圏流出抑制のために「23区内の定員増は不可」とする方針を政府が打ち出しました。富山県でも「看護学生の県外流出阻止」のため、2019年春の開校に向けて県立の看護大学の設立の準備をしています。

まあ気持ちはわかるんですがね。。。

不二越の会長じゃないですが、生まれてから一度も生まれた土地から出たことがない純粋培養〇〇県民を増やせば、確かに足元の”ワーカー”の需要は満たせるかもしれません。でも本当にそんなんでいいんでしょうか?それで富山の企業は本当に強くなるの?

まあ行政的にはそうする以外の政策ツールがないからしょうがないんでしょうが、本当は、行政が変な規制をするんじゃなくて、地縁以外の「事業の魅力」で外から人を引き付けられるような努力をそれぞれの企業がしていくことが重要ではないかと思います。

U-Turner日記@富山「今更ながら、あえて不二越を擁護するけど」

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http://agora-web.jp/archives/2027933.html http://agora-web.jp/archives/2027933.html Thu, 24 Aug 2017 03:45:22 +0000 Thu, 24 Aug 2017 04:11:03 +0000
代表質問で異例の質問時間、経済港湾委は対象範囲拡大で質疑へ society こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。 きのう(23日)12時半からスタートした経済港湾委員会・理事会は休憩を挟みながら20時過ぎまで続き、その後の部会があって久しぶりの終電帰宅です。 出席する執行機関側の

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こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

きのう(23日)12時半からスタートした経済港湾委員会・理事会は休憩を挟みながら20時過ぎまで続き、その後の部会があって久しぶりの終電帰宅です。

出席する執行機関側の理事者や参考人招致を巡って協議が行われ、特別委員会がなくなった分、経済港湾委員会にしっかりと一部の関係局長を呼んで拡張議論をすることが決定しています。

都議会委員会への知事出席見送り|NHK 首都圏のニュース 

「知事出席を見送り」などと報じられると、いかにも議論をする気がないように思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら上記の記事中でも委員長が述べている通り、本会議における代表質問では、補正予算の規模に比して異例とも言える質問時間を各会派に確保しています(答弁時間を除いて3時間)。

また参考人招致に関しては、理事会での議論や遡上にのぼった参考人情報を詳らかにすることはできませんが、参考人は自説の補強をするために呼ぶものではない、ということは一般論として述べておきたいと思います(そのような意図を持っていた方ばかりではないと思いますが)。

いずれにせよ、経済港湾委員会は

25日10時~
31日13時~
1日13時~
4日13時~

と最長4日間の日程で、上記で述べた通り一部関係局長まで範囲を拡大して、報告事項や議案について審議が行われます。もちろんすべて公開で、ネット中継もあります。

一人でも多くの都民の皆さまに納得いただけるよう、シャープで活発な議論に努めていきたいと思います。

簡潔ながら、本日はこんなところで。

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 33歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。

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編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏のブログ2017年8月23日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。

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http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027925.html Thu, 24 Aug 2017 02:30:57 +0000 Thu, 24 Aug 2017 01:26:07 +0000
財政リスクを見えづらくさせている日銀の長期金利操作 economy 財務省は2018年度の概算要求で、国債の元利払いに必要な想定金利を1.2%に設定する。17年度予算の概算要求時点から0.4%引き下げる。国債費は足元で国の一般会計の4分の1を占める巨額な歳出項目で、社会保障費に次ぐ。現段

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財務省は2018年度の概算要求で、国債の元利払いに必要な想定金利を1.2%に設定する。17年度予算の概算要求時点から0.4%引き下げる。国債費は足元で国の一般会計の4分の1を占める巨額な歳出項目で、社会保障費に次ぐ。現段階での国債費の見込み額は、23兆8214億円(日本経済新聞の記事より)。

日銀による長短金利操作付き量的・質的緩和により、長期金利も日銀のコントロール下に置かれた。2%の物価目標を達成させるためのひとつの手段とし、その10年物国債金利(長期金利)がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行うとしている。

長短金利操作付き量的・質的緩和の導入以降の長期金利の動向とそれに対応した日銀による指し値オペなどを含む買入状況をみると、このゼロ%程度というのはマイナス0.1%あたりからプラス0.1%あたりのレンジとなっていると予想されている。

金融政策の目標となっている消費者物価指数(除く生鮮食料品)の前年比は直近に発表された6月の数字でプラス0.4%となり、2%には届いていない。2%程度に達する時期について、2018年度頃になる可能性が高いと日銀は指摘している(7月発表の経済・物価情勢の展望より)。

物価目標は来年度中に達成する見込みがないことを日銀が示している以上は、今後は何かしらの変動要因が生じるようなことがない限り、長期金利は0.1%以下に抑えられる可能性が高いともいえる。

これを反映して財務省は国債の元利払いに必要な想定金利を1.2%に引き下げた。それでもまだ高い水準にはある。これは、あらかじめ想定金利を高めに設定することで「余裕財源を確保する」という目的も意識か(日経新聞の記事より)。

また、日銀が長期金利をコントロールしているとはいえ、長期金利が市場で決定されている以上はブラックスワンリスクも存在し、日銀が抑えきれなくなる事態も可能性は極めて低いながらも存在する。

原油価格の急騰といった何かしらの事態で物価そのものが跳ね上がる可能性もまったくないわけではない。このためある程度、実勢に比べて余裕を持ち高めに設定しているものと思われる。

長期金利が極めて低い水準で抑えられていることで、結果として利払い費も抑えられている。今後長期金利が上昇してくるとなれば、国債残高が過去最高水準を更新続けている現状下、大きな負担になることも予想される。

国債残高が膨れあがる過程で、長期金利はじりじりと低下基調となっていることで、国の予算のなかでの国債の利払い費は抑えられている。ここで長期金利が上昇してくるとなれば、じわりじわりと国の予算を圧迫する事態も予想される。日銀の長短金利操作付き量的・質的緩和はそういったリスクも見えなくさせており、この点も注意しておく必要は当然あろう。

編集部より:この記事は、久保田博幸氏のブログ「牛さん熊さんブログ」2017年8月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html Thu, 24 Aug 2017 02:30:55 +0000 Thu, 24 Aug 2017 01:40:02 +0000
【GEPR】エネルギー政策におけるプラグマティズムと教条主義の乖離 society 有馬純 東京大学公共政策大学院教授 先日、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)、エネルギー研究機関ネットワーク(ERIN)、フィリピンエネルギー省共催の東アジアエネルギーフォーラムに参加する機会を得た。近年、

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有馬純 東京大学公共政策大学院教授

先日、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)、エネルギー研究機関ネットワーク(ERIN)、フィリピンエネルギー省共催の東アジアエネルギーフォーラムに参加する機会を得た。近年、欧米のエネルギー関連セミナーでは温暖化防止や省エネ、再エネ等に焦点を当てる傾向が強いが、本フォーラムの主題は化石燃料である。IEAの2016年世界エネルギー見通し(WEO)の新政策シナリオによれば、非OECDアジア地域の化石燃料需要は2040年にかけて44%拡大すると見込まれており、同時期の世界平均の倍以上の伸びである。

旺盛な経済成長が見込まれ、今後、電化やモータリゼーションも進む同地域における化石燃料需要が拡大することは好むと好まざるとにかかわらず、当然のことであろう。これに対し、パリ協定に盛り込まれた2℃目標と整合的とされる450シナリオにおいては非OECDアジア地域の化石燃料需要は2040年にかけて7%低下することが必要だとされ、両者に間には大きな乖離がある。この乖離が特に著しいのは石炭需要である。

WEO2016の新政策シナリオでは石炭需要が21%増大、石炭火力による発電電力量が45%増大すると見込まれる一方、450シナリオではそれぞれ39%、64%減少することが必要とされるのである。発電電力量に占める石炭火力のシェアは2014年現在、67%であるが、新政策シナリオでは2040年に45%に低下するとされる一方、450シナリオでは13%というドラスティックな低下が求められる。

温暖化防止を至高の価値とする立場からすれば、石炭は一刻も早く駆逐すべき対象でしかない。Carbon Brief によれば、2℃目標を達成するためには世界の石炭資源の88%は地中に留め置かねばならない。

成長著しいアジアには世界の石炭資源の3分の1が賦存するが、中国、インドの石炭資源の77%、その他のアジア途上地域の石炭資源の60%は「使えない」ことになるのである。

しかし、アジア地域には電力にアクセスを有していない人口が6億人以上存在する。域内に潤沢に存在し、石油や天然ガスに比して相対的に安価な石炭資源を活用しようというのは当たり前のことである。

エネルギーフォーラムで冒頭挨拶を行ったフィリピンのクシ・エネルギー長官は以下のように述べた。

アジアでは7人に1人が電力へのアクセスがないという現実と、気候変動対応をどうバランスをつけるかは難しい課題。 再生可能エネルギーのコストが低下しているのは良いニュースであるが、バッテリーのコストがいまだ高い現状では太陽光や風力のような間欠性の高いエネルギー源にはベースロード電源としての信頼性を期待できない。 いずれ再エネのコストやバッテリーのコストが低下し、基幹電源になる日が来るであろうが、それまでは石炭を含む在来型エネルギー源を信頼性、セキュリティ、エネルギー源多様化の観点から活用しなければならない。 各国のおかれた経済状況、地理的状況、社会的ニーズは異なっており、理想的なエネルギーミックスに関し、One Size Fits All は存在しない。厳格で恣意的な(rigid and arbitrary)目標に基づいて特定のエネルギー源を排除するのではなく、技術中立的なアプローチをとるべきである。 石炭に関して言えば、旧式の非効率的な石炭火力を新規の高効率火力で大体することが喫緊の課題である。IEAは旧式の石炭火力を高効率火力にリプレースすることにより15億トンのCO2排出を削減できるとしている。

これは温暖化防止と並んでエネルギーセキュリティ(エネルギーアクセスを含む)、エネルギー効率という3つのE(Energy Security, Economic Efficiency, Environment Protection) を追求するというエネルギー政策の現場感覚からすればストンと胸に落ちるプラグマティズムに立脚した議論である。

しかし温暖化防止の世界ではこうした議論は全く聞かれない。冒頭に述べたように「2℃目標のためには使える石炭資源も使うな」、「新たな石炭火力投資は必ず座礁資産化する」という議論が幅を利かせている。3つのEではなく、1つのE、即ち温暖化防止のみを至高の価値とする教条主義的な発想に立脚するものだ。エネルギー政策畑から温暖化交渉に参加した身としては別な惑星に来たような感想を持ったものだ。

高効率石炭火力技術を海外移転している日本が「化石賞」を授与するばかりか、高効率石炭火力に対する資金フローを制限しようとする動きすらある。2年ほど前、オバマ政権下の米国と欧州が連携して高効率石炭火力への開発金融機関融資や輸出信用を排除しようという動きが生じたが、そんなことをしても、途上国が「改心」してガス火力や再生可能エネルギーに向かうことにはならない。むしろ安価で低効率の石炭火力技術を採用し、結果的に温室効果ガスは増大することになろう。

温暖化防止を理由に石炭火力への資金の流れをストップしようとしても、世界中の資金フローをコントロールできるものではない。お金はニーズがあるところに流れるものである。政府間で国際的な取り決めを行おうとしても、経済成長、エネルギーアクセス、安価なエネルギーを志向する途上国がそうした議論に賛成するとは思えない。

そもそも国連の持続可能目標(SDGs)においては温暖化防止と並んでエネルギーアクセスも目指すべき目標とされている。COP21の際にインドの商工会議所と議論した際、「環境団体は2℃目標達成のため、石炭を使うなというキャンペーンをやっているが」と水を向けたところ、「石炭をきれいに使えというならばわかるが、石炭を使うなという議論は、およそありえない」と言下に否定していたことを思い出す。

要するにプラグマティズムと教条主義の間にはそれだけギャップがあるということである。しかしパリ協定に1.5℃~2℃目標が書かれたこともあり、このギャップは更に広がりつつあるのが現状だ。2018年にIPCCの1.5℃報告書が出れば更に拍車がかかるだろう。

しかし教条主義をいくらふりかざしても、現実は変わらない。温暖化防止努力を「持続可能な」ものにするためにも、今ほど温暖化議論にプラグマティズムが必要とされている時期はない。

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http://agora-web.jp/archives/2027923.html http://agora-web.jp/archives/2027923.html Thu, 24 Aug 2017 02:30:52 +0000 Wed, 23 Aug 2017 17:08:53 +0000
「常識」というワナにはまらないために society 中国の大学で教えるようになって、意識的に使わなくなった言葉がある。それは「常識」である。常識は特定の社会空間で生まれる閉じた概念だ。「日本の常識は世界の非常識」などと言われたりもする。背負った文化が違えば、それぞれの常識

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中国の大学で教えるようになって、意識的に使わなくなった言葉がある。それは「常識」である。常識は特定の社会空間で生まれる閉じた概念だ。「日本の常識は世界の非常識」などと言われたりもする。背負った文化が違えば、それぞれの常識にもズレが生ずる。だから、常識を押し付けているような誤解を生まないよう、あえて使うのを避けている。人間の思考を支える重要な土台だと思うからこそ、そうしている。

「客観」も特別な事情がない限り使わない。「客観的な報道」などというものは存在しない。あるのは正しいか間違っているか、正当、公正であるかないかである。合理的な説明がつかないとき、人は相手の反論を封じ込めるため、しばしば「常識」や「客観」といった奥の手を使う誘惑にかられる。疑問を差し挟むことを拒否するのが常識や客観のあり方だ。これは、あきらめ、自信のなさ、逃避のあらわれであり、禁じ手にもなる。

それに代わってより多く使うようになったのは、良心、健全、普遍、価値観、信仰といった言葉だ。是非や善悪の結論よりも、物事を考え、判断するための基準こそが大切だと考える。しかも、我々はある基準をもとに考えるのではなく、先に結論や直感を得てから、どうしてその結論や直感に達したか、をさかのぼって自問することがある。言い訳や釈明、口実探しでもあるわけだが、そうした反復を通じ、基準も明確に意識されることになる。そのプロセスにおいて、無意識に近い領域に横たわっているのが常識である。

常識は思考の安定剤だ。思考には常識の存在に対する敬意と信仰が不可欠だ。ただ、個別の「常識」を取り出してしまうと、根拠が合理的に説明できなくなる。あくまでローカルで、経験的で、直感的な性格のためだ。その隙間を埋めるように、合理精神によって立つ科学が登場する。三木清の『哲学入門』は、常識を経験に基づく実定的、固定的なものとし、科学は批判的で、進取の精神を持つものとする。

「常識はその理由を問うことなく、自明のものとして通用する、それは単なる断言であって探求ではない。常識に頼ることは安定を求めることである。それには懐疑がないが、科学には絶えず新たな懐疑がある。懐疑があって進歩があるのである。探求というのは問を徹底することであり、特に理由を問うことである」

「こうある」と悟るのが常識で、「どうしてそうなのか」を問うのが科学だというわけだ。だが科学そのものへの懐疑は不要なのか。科学は神ではない以上、科学の自律に無謬のルールを当てはめることはできない。その役割を果たすのは、信仰であり、それを土台とする常識なのではないか。常識と科学の相互補完関係を想像することによって、常識の存在も投影されると考えるべきだ。

常識の自明性については、脳の集合的な働きを解読したマーヴィン・ミンスキーの『心の社会(The Society of Mind)』が興味深い指摘をしている。大人は平気な顔をして、当たり前のように積み木をする。だが、瞬間的に木を認識し、その中の一つに手で触れ、他の障害物にぶつからないように運び、崩れないように積んでいく、そのプロセスをつかさどる脳の働きは奇跡に近い。子どものころは原初的な感覚を持っていても、大人になるとそれは「常識」になってしまう。ミンスキーの定義はこうだ。

「常識というのは単純なものではない。逆に常識は、苦しみの末に身についた、たくさんの実用的な考えからなる巨大な社会である。つまりこの社会は、部分的には法則とか規則性のような何かの原理に基づいてはいるが、大部分は、生涯を通じて学習されるルールや例外、性格的な特徴や傾向、平衡感覚、それに自己調整感覚などが折り重なったものなのである」

そして、常識が単純で、当たり前に見えてしまうのは、「いろいろな能力を初めて身につけた幼い頃のことに接することがなくなってしまっている」からだという。次々に取得される新しい技能が、古い能力にどんどん上書きされ、意識の底に沈んでしまうのだ。平衡感覚、自己調整感覚は、まさに積み木の作業において象徴的に表れている。常識と科学との緊張、バランスもまたこの平衡感覚から生まるとしなければならない。

ミンスキーは、常識を「だまされやすい言葉」だと警戒する。だがそこにはおびただしい数の経験や技能が織り込まれている。人は常識によって、すでに積み上げた木を再び手に取って積むということをしない。だが人工知能にとって、木をパターン認識したうえでに、さらにどの木を積むべきかを判断するのは至難だ。科学がまだ常識を解明できていないからこそ、常識の存在意義があるし、常識を使いたくなる誘惑も生まれる。もし論理によって説明が可能であれば、ことさら「常識」である必要はなくなる。

編集部より:この記事は、汕頭大学新聞学院教授・加藤隆則氏(元読売新聞中国総局長)のブログ「独立記者の挑戦 中国でメディアを語る」2017年8月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、加藤氏のブログをご覧ください。

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http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html Thu, 24 Aug 2017 02:30:37 +0000 Thu, 24 Aug 2017 01:37:48 +0000
リキッドバイオプシーはがん医療変革につながる! medical-field 先週号の「Science Translational Medicine」誌に「Direct detection of early-stage cancers using circulating tumor DNA」(早期

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先週号の「Science Translational Medicine」誌に「Direct detection of early-stage cancers using circulating tumor DNA」(早期段階のがんでも、血中を流れているがん細胞由来のDNAを利用して検出できる)というタイトルの論文が掲載された。

このブログでも繰り返して述べているが、がんを治癒させる最大の切り札は、早く見つけることだ。元外科医というのではなく、科学的にも、外科的切除は固形がんに対して絶対的なエースだ。第1・2期の段階で見つければ、多くのがんでは非常に治癒率が高い。また、再発を超早期(CT検査やMRI検査で検出しにくいレベル)で診断でき、その段階で治療を開始すれば、「再発がんは治癒できない・しにくい」という固定観念を崩すことができると私は信じている。

しかし、簡便な手法で、比較的安価にがんをスクリーニング方法は確立されていない。この論文は、リキッドバイオプシーと呼ばれる方法で、がんのスクリーニングを行った結果を報告している。方法論自体はたいしたことはないが、大規模例で検討し、臨床応用可能であることを示した点が大きい。著者らは、血漿(血液の液体成分)からDNAを取り出し、それに(がん細胞由来と考えられる)異常なDNAを含まれるかどうかを調べた。血液で診断できれば、検査を受ける人にとっては、わずか1-2分の手間で済む。

この研究では、58種類のがん関連遺伝子(合計81,000塩基)のDNAシークエンスを行った。44人の健常人(本当に何もないかどうかはわからないが)でも、16%で(がんの発症に関連すると考えられない)遺伝子に変化が認められた。おそらく、血液幹細胞に遺伝子変化が起こり、それらを持つ血液幹細胞が増えたために、混じりこんだと推測されている。ここは重要なポイントであり、遺伝子変化=遺伝子が異常な働きを持つということではない。また、われわれの細胞は日常的にこのような遺伝子変化を蓄積していることを知っておく必要がある。

大腸がん、乳がん、肺がん、卵巣がんの合計200名の患者さんを調べた結果、第1・2期でも、それぞれ71、59、59、68%で遺伝子異常(遺伝子変化ではなく、がんに関連すると考えられる異常)を持つDNAが検出された。肺がん、卵巣がんは第1期でも45%(29名中13名)、67%(24名中16名)で異常DNAが検出された。発見が遅れがちな卵巣がんや第2期でも再発率の高い肺がんではこの数字は臨床的に非常に重要な意味を持つ。これらの異常は、がん組織中でも確認されているので信頼性は高い。また、血漿に漏れ出てくる異常DNAの量が多い大腸がん患者では、再発率も高く、予後が悪かったと付け加えられていた。これらの患者さんには、積極的な術後化学療法が必要だ。

しかし、日本でリキッドバイオプシーの話をすると、聞きかじりの知識で難癖をつける研究者や医師が多い。検出できない30-40%はどうするのだという声が、幻聴のように聞こえてきそうだ。ベストでなく、欠けていることを挙げらって自分は偉いと自己満足しているだけで、今よりベターであることを判断できないのだ。自分ができないことを他人がやると面白くないと思う潜在意識が、科学的に評価する目を曇らせている。ある意味では、日本で伝統的に培われた文化なのかもしてない。

この方法が臨床現場で確立されれば、がんのスクリーニング体制が大きく変わるし、血液採取で済むだけなので、当然ながらスクリーニング受診率は一気に向上すると思われる。さらに、超早期再発発見・超早期治療が治癒率を上げる可能性を秘めているのだ。しかし、それぞれのプロセスにノウハウがあり、片手間でできるものではない。何をするにもそうだが、科学的な素養と評価する目が必要だ。こんな状況なのに、いったい、誰のために研究し、誰のために国費を費やしているのか、改めて問いたい。

現状のパワーで、必要な日本人すべてが、画像検査や内視鏡検査を受ければ医療現場は間違いなく破綻する。しかし、これらの検査は自動化が可能だし、アルゴリズムを含めたインフォーマティクスの体制さえ整えれば、最小限のマンパワーで大量のスクリーニングを行うことが可能だ。隣国ではサムソンがこの分野に乗り出している。日本は大御所を含む99%の人がそうだといわないと物事が動かない。日本のゲノム医療をここまで遅らせてきた元凶に目を向けようとしないと声をあげない。なぜ、患者さんたちや家族は、声をあげないのか??

編集部より:この記事は、シカゴ大学医学部内科教授・外科教授、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のシカゴ便り」2017年8月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html Thu, 24 Aug 2017 02:30:25 +0000 Thu, 24 Aug 2017 01:31:15 +0000
トライアスロンとマラソンをやらない理由 sports 経営者仲間から、トライアスロンやマラソンをやらないかと誘われることがありますが、やんわりとお断りしています。以前は写真のように激しいトレーニングや、皇居ランなどをやることもありましたが、最近はできるだけ控えるようにしてい

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140722training

経営者仲間から、トライアスロンやマラソンをやらないかと誘われることがありますが、やんわりとお断りしています。以前は写真のように激しいトレーニングや、皇居ランなどをやることもありましたが、最近はできるだけ控えるようにしているからです。

その理由は、過度な運動と日光の浴び過ぎがフリーラジカル(活性酸素)を過剰に発生させ、病気のリスクと老化を早めると思っているからです。

医学的には諸説あるようですが、活性酸素は、体内に侵入した細菌などを取り除くプラスの働きがあり、免疫機能によって体内に侵入した細菌などから体を守ったり、酵素の働きを促進する効果もあります。しかし、フリーラジカルが増え過ぎてしまうと、逆に自分の体の細胞を傷つけたり、酸化(体の錆びつき)させるようです。

フリーラジカルの発生原因としては、紫外線、大気汚染、化学物質、電磁波、農薬、ストレス、過度の運動などがあります。

炎天下で日光を浴び、車の排気ガスを吸いながら、過剰に酸素を取り入れるような運動は、老化を遅らせ病気の予防をしたい人は「やってはいけないこと」なのです。

とは言え、運動不足も健康には良くありません。ウォーキングレベルの適度な運動を心がけるのが良いと考えています。

「運動は体に良いと言ったな。あれは嘘だ。」にも紹介されていますが、健康に生きるための条件としては、適度な運動、炭水化物の少ない適量の食事、そして規則正しく十分な睡眠の3つが大切とされています。

私の場合、睡眠に関しては完全な朝型で、比較的規則正しく、8時間程度の睡眠をとっています。

また、食生活もアルコールの摂取量が多いと言う問題はあるものの「ゆるい糖質制限」を実践しており、炭水化物の摂取量は、意識的に抑えています。半年前から、始めた結果、体重を約4キロ落とすことができました。

長生きをするのが目的ではなく、病気や老化に悩まされることのない健康で元気な体をできるだけ維持したいと思っています。

何が健康に良いのかと言うのは、新しい研究結果などで次々と変わってきます。私がやっていることが正しいかどうか100%の自信はありません。でも、元々あまり運動が好きではないので、健康にとってマイナスと思われることを無理にする必要は無いと思っているのです。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年8月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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http://agora-web.jp/archives/2027928.html http://agora-web.jp/archives/2027928.html Thu, 24 Aug 2017 02:30:21 +0000 Thu, 24 Aug 2017 01:33:24 +0000
第9回 沖縄国際映画祭「島ぜんぶでおーきな祭」 society 沖縄国際映画祭。第9回です。小学1年生だった子が中学3年生になります。もう大人です。弟分の京都国際映画祭は10月で4回。この沖縄の熱気を持ち込みたい。クソ熱いイベントにしましょう。乾杯。 昨年までのメモはこちらに。 20

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沖縄国際映画祭。第9回です。小学1年生だった子が中学3年生になります。もう大人です。弟分の京都国際映画祭は10月で4回。この沖縄の熱気を持ち込みたい。クソ熱いイベントにしましょう。乾杯。
昨年までのメモはこちらに。
2016年
今年のスローガン、「この島は、ときに、世界より大きい。」
いつもながら、うまい。
トータルテンボスの不倫ネタ、「政務官より扱いがデカかった」というボケがおもろかったのと、ゆりやんレトリィバァがデビュー時やせてたことを知ったのとが、この日の収穫でした。
業務連絡;文枝師匠が「慶應も落研がんばっとるやん」とのこと。おおきに。
業務連絡:きよし師匠がお越しになり、那覇、晴れました。おおきに。
シンポ「エンタメ人材育成」。ガレッジセールさんと司会を務めました。沖縄にエンタメ人材を育てる学校を作ろう。登壇者は少年ジャンプ伝説の編集長 堀江信彦さん、ドラマ火花の古賀プロデューサ、琉球大学下地教授、ラブライブ!サンシャイン!!長崎プロデューサ、メディア研究者志村一隆博士。
みなさんのメッセージ、ポイントは4つ。
1)マンガ、アニメ、音楽、映像、各ジャンルはつながっている。
2)ネットで世界とつながっている。
3)「つくる」ことが大事。
4)沖縄なら、できる。
その方向で学校を作りましょう。
必要な人材とは。
1)0から1を産む人、
2)感性と人間力、
3)コミュニケーション力、
4)個性、
5)デジタル力。
ぼくらが受けてきた教育とは違うことが求められていますね、ゴリさん川田さん?
ゴリさんのメッセージ「沖縄はエンタメ人材の宝庫だがハングリーさが不足している。実家があるからだ。実家を出よう!」ですって。
よしもと美術館@那覇国際通り。数多くのよしもと芸人のアート作品を展示。ジミー大西さん、
鉄拳さんだけじゃない、才能の宝庫。お笑いの世界を作るクリエイターはみなアーティストです。
(鉄拳さんの海外進出を手伝おうと思っています。)
銀シャリの鰻さん「いろいろな生物のつかみ方」。
舞台とは別の、味があります。
野性爆弾くっきーさんは、やはり天才です。
 
KMDフォーラムでキッズワークショップをしてくださったもう中学生さんは、もともと段ボールアート芸なんですよね。
バッファロー吾郎の竹若さん、DIYで有名ですが、高校の後輩で、大学に行かずにNSCに入ったエリートなのです。
映画祭は全島で開かれます。
ここはライカムでもお~きな祭会場。
2年前、北中城村にオープンしたイオンモールで、ペッパー君にギャグを言わせるプログラミング教室を開催。野性爆弾さんらによる成果発表会が開かれてま~す。
レッドカーペットは、1000人以上が歩きました。世界最大のレッドカーペットだそうです。
今回、動員数33万人。おーきな祭になりました。
今回の映画祭には国連関係者がたくさん来ました。「持続可能な開発目標(SDGs)」をよしもと芸人たちが世界に発信するんですと。
国連はん、よしもとの使い方、わかってはる。
(アジア住みます芸人と国連の行進!)
クリエイターズファクトリーという若手育成策や地元CMコンペなど、若手にチャンスを与え、作らせ、育てる。このイベントは、インフラでもあります。
来年は4月19日ー22日。第10回となります。
そしてその前に、10月には京都国際映画祭です。

 

みなさんも、秋は京都へ、おこしやす。

編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2017年8月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。

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http://agora-web.jp/archives/2027926.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html Thu, 24 Aug 2017 02:30:21 +0000 Thu, 24 Aug 2017 01:29:19 +0000
【GEPR】エネルギー基本計画の見直しと再エネ政策・原発政策の論点 society 1.第5次エネルギー基本計画の議論がスタート 8月9日総合資源エネルギー調査会基本政策部会においてエネルギー基本計画の見直しの議論が始まった。「エネルギー基本計画」とはエネルギー政策基本法に基づいて策定される、文字どおり

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1.第5次エネルギー基本計画の議論がスタート

8月9日総合資源エネルギー調査会基本政策部会においてエネルギー基本計画の見直しの議論が始まった。「エネルギー基本計画」とはエネルギー政策基本法に基づいて策定される、文字どおり我が国のエネルギー政策の基本的方向性を定めた計画で、少なくとも3年に一度見直されるものとされている。

今回の見直しは2014年の第4次エネルギー基本計画策定から3年経って行われる定期的なものであるが、この間2016年4月にパリ協定の署名が行われたことから、かなり大幅な計画の見直しがなされる予定とみられる。本稿では今回のエネルギー基本計画見直しによる再エネ政策・原発政策への影響を考察していきたい。

第4次エネルギー基本計画は東日本大震災後初めての計画の見直しであったことから、いわゆるエネルギーミックスにおいて再エネと原子力の目標がどのように設定されるかが注目されたが、結果として2030年時点での電源構成の比率の目標は、再エネは22~24%程度、原子力は20~22%程度と幅をもたせる形で決着した。

今回の第5次計画策定に向けての見直しの議論は、環境の変化を踏まえて第4次計画の目標に照らして現時点での政策の進展を評価するとともに、パリ協定で新たに設定された2050年目標の達成のためにどのような政策が必要かとりまとめることが主要な議題になるものと思われる。

2. エネルギー政策を取り巻く2014年からの10の変化

この点経産省としては2014年からの環境の変化として10のポイントを挙げている。簡単に列記すると以下のようになる。

①シェール革命により米国が資源国化し、原油価格は100ドルから50ドルに低下。

②再エネ電源のコスト競争力が増し、日本の外では40円/kWhから10円/kWhにまで下落。他方国内は依然として高コスト体質。

③自動車産業のEV化競争が激化の兆しを見せはじめ、バッテリー技術の進化が重要に。 

④多数の国が脱原発(独、伊、スイス、ベルギー、台湾、韓国)を宣言。原発維持も含めいずれにしろ国家的決断が必要に。

⑤電力全面自由化と再エネ拡大によりチャンスが生まれる一方、火力発電の長期大型の電力投資が困難に。

⑥パリ協定を巡る動向は、米国離脱後もトレンドは変わらず、低炭素対応政策・外交の国際競争が激しくなってきている。

⑦日本の電力市場は成熟化(約1兆kWh)する一方、世界の市場は拡大が続いており現在20兆kWhだが、2030年には30兆kWhまで拡大する見通し。

⑧中国では国営企業が台頭、欧米ではエネルギー企業のM&Aが進展し、ともに国境を越えた投資に着手。日本は出遅れている。

⑨金融プレイヤーの存在感の高まり、世界のエネルギー選択に大きな影響を与えるように。

⑩世界全域での地政学上の緊張関係が高まり、米ロ中印サウジなど主要国は国としてのエネルギー戦略を再構築し、その経済領域の拡大を指向。

どれも重要な観点ではあるが、このうち3年前に予測されなかった、もしくは予測以上の動きを見せたのは①、②、③、⑧、⑩といったところであろうか。こうした変化を踏まえてエネルギーミックス達成に向けた政策の進捗状況を見ると課題が浮きぼりになってくる。

電源構成は2013年段階と比べると【再エネ11%、原子力1%】から【再エネ15% 原子力2%】とそれぞれ4%-1%ずつ上昇した。全体とすれば目標達成に向けて前に進んでいることは間違いないが、最終目標値の【再エネ22~24%、原子力20~22%】からするとやはり原子力発電の再稼働の遅れが目立つ。これはエネルギー自給率にも通じる議論である。

他方で電力コストについては、資源価格の下落と再エネの普及の影響で燃料費が5兆円と大幅に低下した一方、FIT買取費用が1.4兆円と大幅に増加した。差し引きで見れば3.5兆円改善しており、国内の電気料金は下がっているものの、この状況は永続的とは言えず、今後については「FIT買取費用と燃料費の上昇をどのように抑え込むか」という観点が重要になってくる。

3.再エネ政策の課題

このように電力政策の現況をデータで見ればFITの買取費用増加や原発再稼働の遅れが課題となっているものの、資源価格が下落したことで表面的には電力コストが低下しており、問題が顕在化していない状況にあることがわかる。資源価格の下落自体は望ましいことではあるが、こうした状況で原発再稼働に国民の理解を得ることは難しく、当面は原発再稼働のペースは上がらないものと思われる。

やや今回の議論の範疇からは逸れるが、筆者個人としては日米原子力協定の更新を見込んで核燃サイクル政策を正当化する観点から、またFITの買取価格増加の影響を相殺する観点から、プルサーマル計画の対象となっている軽水炉の再稼働を優先的に順次進めていくものと予測している。こちらはある程度長期的・計画的に進められることになるが、必然的に目下重要となるのは、国内で高止まりしている再エネ電源のコスト改善ということになる。

国内では太陽光発電がこの5年間で急速に普及して全体の需要の5%を賄うまでに成長したが、おそらくこれは経産省の予測を上回るスピードであったものと思われる。

他方で再エネの先進国であるドイツと太陽光発電のkwhあたりのFIT買取価格を比較した場合、2012年段階で【ドイツ:22円、日本:40円】であったものが、2016年段階で【ドイツ:9円、日本:24円】となっており依然として差が縮まっていない。

風力発電に至ってはむしろ差が開いている。メーカーや発電事業者の育成という観点でも、国際的プレイヤーは育っておらず、産業政策としての課題も大きい。

他方で太陽光発電・風力発電を系統に受け入れるための火力発電の調整力が不足しつつあり、これ以上の大量導入に向けて蓄電池の活用や水素貯蔵などの新たな選択肢を本格的に検討する必要性が出てきている。

このように再エネ政策は課題が満載となっているが、短期的には高買取価格の太陽光発電のFIT買取費用を抑え込むことが重要視されていると思われ、事後的過積載規制を唐突に導入するなどの強引な手法が取られようとしているのは前回述べた通りである。

確かに太陽光発電の買取価格を抑え込む必要性が政策的にあることは認めるところだが、目的は単年の買取価格の抑えることなのだから強引な手法一辺倒に頼ることなく、例えば太陽光発電に関しては「調達期間を中途で5年程度伸ばして買取価格を下げる類型を創設して、メンテナンスを重視する事業者に切り替えを促す」などの方法を検討すべきように思える。

いずれにしろこうした議論を行うには精緻なFIT買取費用の予測が経済産業省から提供された上で、業界と対話しながら対策の検討を進めていくことが望ましく、今後データに基づいた議論が展開されることを期待したい。

5.パリ協定との関係と原子力発電の位置付け

今回の計画見直しで新しく加わる観点としてはパリ協定の2050年目標を見据えた長期目標というものがある。我が国は2013年比で2050年に80%の温室効果ガスの削減を達成するとの目標を掲げているが、他の先進国も同様に高い目標を掲げている。

米国もパリ協定からは離脱したもののこうした低炭素化に向けた目標は堅持するものとしており、ドイツ、フランス、カナダ、アメリカはすでに長期戦略を策定している。このうち、脱原発という方針を明示的に掲げているのはドイツのみで、フランス、カナダ、アメリカはいずれも原発を引き続き活用していく意思を示している。

堅実に考えれば島国で他国からの電力の融通が難しい我が国において、再エネだけで80%の温室効果ガスの削減を図るのは難しいと言わざるを得ず、政府として原子力発電の活用方針は引き続き堅持するものと予測される。この場合「原子力発電の新設」が議論にならざるを得ないがこうした点についてエネルギー基本計画でどのように整理されるのか注目されるところである。

6.他の論点

以上、簡単にエネルギー基本計画の見直しと再エネ政策・原発政策の関係を見てきたが、今回の計画見直しには他にも、EVの活用とバッテリー技術の進化、我が国エネルギー産業の国際展開のあり方、地政学的環境を踏まえた資源安全保障の再構築、など重要な論点が満載である。

こうした論点は、運輸産業と電力産業の関係深化や国家ファンドの創設やロシアとの経済協力による資源開発など様々な方向に波及する可能性がある。こうした様々な論点がどのように集約され、またエネルギーミックスの目標値が設定されていくのか、議論を引き続き見守りたい。

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http://agora-web.jp/archives/2027922.html http://agora-web.jp/archives/2027922.html Thu, 24 Aug 2017 02:30:01 +0000 Wed, 23 Aug 2017 16:56:24 +0000
米国が解説放送の付与基準を強化したが technology 米国連邦通信委員会(FCC)は7月にテレビ放送への解説放送の付与基準を強化した。 解説放送は映像に関する説明、たとえば情景や出演者の表情などの説明を副音声で伝える、視覚で情景などを把握できない視聴者向けのサービスである。

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米国連邦通信委員会(FCC)は7月にテレビ放送への解説放送の付与基準を強化した

解説放送は映像に関する説明、たとえば情景や出演者の表情などの説明を副音声で伝える、視覚で情景などを把握できない視聴者向けのサービスである。テレビの音声を「副音声」に切り替えると解説放送を聞ける。ドラマなどを中心に付与されて、生放送での実施はむずかしいとされている。

FCCでは、プライムタイムの番組または子供番組について四半期に50時間の解説放送を求めていた。これに加えて午前6時から午後12時までの任意の時間帯で37.5時間の付与義務を追加した。トータルでは四半期に87.5時間となり、1日あたり1時間弱の解説放送付き番組が提供されることになる。対象となる事業者は、ABC、CBS、Fox、NBC、Disney Channel、History、TBS、TNT、USAである。

わが国では放送法によって解説放送の付与を努力義務として放送局に課してきた。該当の箇条は第4条第2項で、箇条前半では解説放送を、後半では字幕付き放送を放送事業者に「できる限り多く」設けるように求めている。

「できる限り多く」どの程度実施されたか国民に知らせるため総務省は毎年付与率を公表している。2015年度データによると、総放送時間に占める解説放送時間の割合はNHK総合では10.1%、在京キー局では2.9%となっている。米国での50時間基準は、各局24時間放送と仮定すると割合2.3%に、87.5時間は4.1%となる。米国での義務の強化は評価できるほどのものではない。

一方、字幕付き放送の総放送時間に占める割合はNHK総合では80.6%、在京キー局では57.9%である。米国では字幕がほぼ100%付与されている。

なぜ、日米ともに解説放送の比率が低いのだろうか。二か国語放送や「日本代表の応援放送」に副音声が使われると解説を付与できなくなる。ドラマなどでは音声や音楽に被らないように解説放送を付けるのがむずかしい。

NHKでは、完成ビデオから音声・非音声・音楽区間を抽出し非音声区間に何文字入れられるか概算したり、ト書きから解説文候補を自動抽出するシステムを開発している。NHKの努力は評価できるし、それが他局より高い比率に結びついているのだろう。

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http://agora-web.jp/archives/2027876.html http://agora-web.jp/archives/2027876.html Wed, 23 Aug 2017 21:30:41 +0000 Sun, 20 Aug 2017 14:27:14 +0000
リベラルの再生なくして日本の再生なし journalism ども宇佐美です。 来週(8/28)新著「朝日新聞がなくなる日」(改めて過激なタイトルですね)が出版される予定なので、二週続けて告知こみのリベラルメディアに関するお話です。 朝日新聞がなくなる日 – “反権力ご

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ども宇佐美です。

来週(8/28)新著「朝日新聞がなくなる日」(改めて過激なタイトルですね)が出版される予定なので、二週続けて告知こみのリベラルメディアに関するお話です。

朝日新聞がなくなる日 - “反権力ごっこ"とフェイクニュース -
新田 哲史:宇佐美 典也
ワニブックス
2017-08-28

 

さてこの本は私と新田哲史さんというB級感満載な二人の対談本なのですが、単純に話したことを文字にお越したというよりは、対談という形式でお互いの思想なり知識なりを盛り込んだ本になっていまして、論点を設定してロールプレイングしながらを議論を深めていくというようなことを意識しました。

またタイトルは「朝日新聞」に限定していますが、朝日新聞が中心ではありつつもリベラルメディア全般の在り方に関して議論しており、新田さんが新聞業界の元業界人として、またアゴラという保守よりメディアの運営者として、保守層の持つリベラル層に対する率直な疑念・不満を辛辣に投げかけて、それに対して私が元行政マンとして、また一朝日新聞の読者として「もうちょっと俯瞰してみればこういう見方もあるんじゃないの」と距離を置いた目線からツッコむという構成になっています。

出版社には申し訳ないのですが、率直に言って私としては、この種の本を書いてもあんまり売れるとは思っていませんし、自分の仕事にいい影響があるとも思っていません。内容も業界に関するある程度の知識を前提としたものですしね。それでもこういう本を書くことにしたのは、この一年くらい「リベラルメディアがおかしい」と強く感じているからでして、自分なりに「なぜリベラルメディアがおかしくなったのか、リベラルメディアはどうなっていくべきなのか」という問題意識を本としてまとめておくことで、リベラルメディアの中の人に届いてくれないかな、と思ったからです。

そういう意味ではこの本は、朝日新聞とか東京新聞とかリテラとかBuzzfeedとかリベラルメディアの人にこそ読んでほしいと個人的には思っています

。。。と、カッコつけていいましたが、「この本にヘイト要素は無い」と言えばやはり嘘になりまして、それなりに(許される範囲で?)下品に朝日新聞や民主党などを罵倒している部分もあります。ただだからこそ、本音を語れたというところもありまして、やっぱりぜひリベラルメデイアの関係者の方に読んでほしいと思います。。。。まぁ新田さんがどう考えているかはわかりませんが。。。

さて以下本書の概要の紹介です。全7章だてで、それぞれ以下のようなテーマについて論じています。
===============

<第一章      朝日新聞と反権力ごっこ>

→この章では、政権側を「権力」と認定して悪しきものとしそれに対抗する勢力を「反権力」と見なして正義のヒーロー仕立てで報じる、朝日新聞の記事構成の問題について述べています。具体的には、このような政治を権力と反権力と二分して考える思考自体が情報の取捨選択の目を曇らせ誤報を生む土壌となっていること、また「権力」を恣意的に定義することでその他の「反権力」とされた勢力が実質的に持つ権力に対する監視機能が弱くなること、などを指摘しています。加えて冷戦以後国際政治がますますパワーゲームの様相を呈し国連中心主義―護憲という朝日新聞の理論的支柱がぐらつき空洞化していく中で、それでも同社が形骸化しつつある「反権力」という構図に固執して無理やりに妄想含みでスキャンダルを作り出す姿を「反権力ごっこ」と揶揄し、そうした姿勢に現実の社会の行く末に対する不安に押しつぶされそうな若者世代が興ざめしていることを指摘しています。

<第二章    ビジネスとしての加計学園問題>

→この章ではビジネスとしての「反権力の構図」の変化という観点から加計学園問題の滑稽さを論じています。従来朝日新聞を中心とするリベラルメディアでは「旧き自民党とそれを支える官僚組織」を権力として認定し、彼らに対抗する「野党政治家とそれを支える草の根の市民活動家」たちを反権力と捉える「官僚政治の打破」の構図を反権力報道の基本として来ました。だからこそ自民党の政策の官僚依存や官僚の所管業界への天下りなどは利権の象徴として極めて否定的に論じられ、こうした構造を打破する民主党政権がかつて声高に主張した「政治主導」を全力でリベラルメディアは応援したわけです。ところがリベラルメディアが待望して誕生した民主党政権は当初から機能不全に陥り、最終的に官僚組織に政府運営を全面的に依存するようになるというあまりにも無残な結果に終わったため、もはや国民に「官僚政治打破」というキャッチフレーズが通じなくなってしまいました。そうした状況でビジネスとして新たな反権力の構図が求められるようになり、加計学園問題を通じて「独裁的安倍官邸VS正義の官僚前川」という構図が生まれたものの、その「正義の官僚」なるものはかつて自分たちが最も否定していた「行政の無謬性」を信奉する官僚の姿であった滑稽さを論じています。

<第三章 二重国籍問題と報道しない自由>

→この章では民進党蓮舫元代表の二重国籍問題などをケーススタディとしてリベラルメディアの都合よく情報を使い分ける体質を批判しています。蓮舫氏の二重国籍問題に関しては、ネット発でアゴラが追及していく中で、カウンターとしていわゆる人権派を自称するリベラルから「二重国籍は世界では当たり前の人権。国内でもたいした法律違反ではない。これを問題視するのは人種差別だ。」との声が諸方面から上がりました。

これに対して本章では、人権というのは自然に保護されるものではなく民主主義社会を構成する人々の合意としての法律があって初めて適切に保護されるもので、だからこそ「人権を守るためにも決められた法律は守るということが大前提になければならない」ということを指摘しています。またそうした観点から見たとき、反権力側の代表である蓮舫氏を擁護するためにリベラルメディアが「たいした法律違反ではない」という「反権力無罪」の論法や、「海外“では”当たり前」という存在するかわからない国際世論を全面に押し出して非難する論法を用いたのは不適切だったのではないかと疑問を投げかけています。またこうした論法での報道過程で、海外でも政治家の二重国籍がしばしば強く非難されている、という都合の悪い情報を積極的に報道しなかったリベラルメディアの報道姿勢を「報道しない自由」と揶揄し、そのような態度はネットが普及した今では不信感を買うだけと批判しています。

<第四章 政策論争を放棄した都議選報道>

→この章では都議選をケーススタディとして、リベラルメディアが「反権力」という構図にこだわるがあまり、報道が政局化し、政策ベースの議論が行われないことを批判しています。この点「新聞とてビジネスだから何を報道しようがないか自由ではないか」という意見に対して、日本では大手新聞は「民主主義の基盤」として本来独禁法上は許されない再販売価格維持制度が認められているほか特商法等の運用においても配慮がなされており、様々な面で公的優遇を受けていること、こうした大手新聞の準公的な取り扱いを考えるとそれに見合った義務を果たすことが求められることを指摘し、その義務とは国民に国の課題とその対策としての政策をベースとした報道を旨とすることではないかと問題提起しています。

他方で2017年の都議選ではこうした政策ベースの報道がほとんど行われず、「権力」としての安倍首相―自民党都連と「反権力」としての小池知事―都民ファーストの会の間の政局としての報道一色になってしまったことを批判し、他方都政における絶対的な「権力」であるはずの小池知事を「反権力」として描いたリベラルメディアの滑稽さを皮肉っています。

<第五章 昭和の体質を抜け出せない新聞業界>

→この章では朝日新聞という枠を超えて、新聞業界全体の体質について議論しています。具体的には、菅官房長官の記者会見で大暴れする東京新聞記者のいわゆる望月いそ子現象に絡んで、「記者が国民の代表なのではなく、国民の代表である政治家が記者会見の時間を設けているのではないか」という観点で議論して、個々の記者がスタンドプレーに走るのではなく記者会見としての質を全体最適として充実させることがメディアの役割ではないかと指摘しています。

また朝日新聞の記者のtwitterアカウントの発信内容や炎上事案をケーススタディとして、新聞業界における会社と記者の関係性の変化についても論じ、大手新聞社の記者の知的優越性を無条件に認める啓蒙主義は時代遅れとなっており、リベラルメデイアは個々の記者をオピニオンリーダーとして育成していくような方向性を重視していくべきではないかと提言しています。

<第六章 ゴシップ化するリベラルメディア>

→この章では、社会の変化の中でリベラルとしての使命を見失い保守勢力のスキャンダルを取り上げるゴシップ紙化しているリベラルメディアの在り方について議論しています。今日本では様々な課題が噴出しかけており、本来リベラルメディアとしてはそのような社会の歪みを取り上げ政策論争にまで昇華して、保守政権の在り方を正すのが役割であるにも関わらず、そうした本質的な課題と向き合わず政権の足を引っ張るという安易な方向に走っているのではないか、と批判しています。

その原因に関しては従来リベラルメディアは、問題だけを指摘しせいぜい他国の事例を紹介するまでで、解決策の立案は結局のところ官僚機構に期待するという「官僚依存体質」があったことを指摘しています。そのうえで、今となっては日本がある程度成熟した国となり、自分の未来は自分で考えて切り開く、という段階に来てこうした「問題を指摘して他国へ倣え」とする報道手法が通じなくなり、リベラルはリベラルとして政策立案にまで踏み出す必要性が出てきていることを指摘しています。

 

最終章となる第七章ではこれらの議論を踏まえてリベラルメディアの向かうべき方向やネットメディアの動向に関してざっくばらんに議論しています。

私として改めて強調したいことは、政府財政の現状や人口構成や政府機構の在り方を見るに、日本は「過去の延長線」から抜け出せずに、まさに今破滅に向かっている最中で、現在の自民党―保守政治が続く限りはこれを先送りできても、抜本的に立て直すことはできないということです。こうした中で、リベラルメディアがきちんと政策なり政治体制なりの刷新の議論を具体的な政策論として引っ張っていき改革を促していかなければ、日本の未来もまた暗いものになるであろうということです。

官僚というのはその性質上どうしても過去の延長線上の政策しか展開できない立場ですから、そこから脱して日本として新たな地平線を見出すにはリベラルの力はやはり不可欠なんだろうと思います。この本がそのための一助になれば私としては幸いです。ということで皆さま是非是非ご一読を

。。。といろいろ偉そうに書きましたが、結構がさつに好き勝手かつ無責任に下品に議論をしている本ではあるのですがね(笑)

ではでは今回はこの辺で

編集部より:このブログは「宇佐美典也のblog」2017年8月23日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は朝日新聞社サイトより引用)。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のblogをご覧ください。

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http://agora-web.jp/archives/2027918.html http://agora-web.jp/archives/2027918.html Wed, 23 Aug 2017 21:05:32 +0000 Thu, 24 Aug 2017 01:42:55 +0000
なぜフルーツの高額落札がメディアで報道されるのか? --- 黒坂 岳央 economy こんにちは!肥後庵の黒坂です。 毎日新聞の記事にマスカット・オブ・アレキサンドリアの初競りがあり、東京都大田区の大田市場でスタートしたと掲載されました。 参考:毎日新聞 “果物の女王”初競り 1箱10万円 その記事を見て

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マスカット・オブ・アレキサンドリア(Wikipediaより:編集部)

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

毎日新聞の記事にマスカット・オブ・アレキサンドリアの初競りがあり、東京都大田区の大田市場でスタートしたと掲載されました。

参考:毎日新聞 “果物の女王”初競り 1箱10万円

その記事を見て驚愕するべきはその価格!なんと1箱(つまり1房)10万円の値がついたということです!ぶどうに10万円とはとてつもない金額ですよね!あなたも

「こんな金額で落札して利益出るの!?」

と思われたのではないですか?自分のお店でもマスカットぶどうを扱っている私が、今回の高額落札について解説をしたいと思います!

エジプト生まれのマスカット・オブ・アレキサンドリア

マスカット・オブ・アレキサンドリアは紀元前のエジプトで栽培されていたぶどうで、あのクレオパトラも食べていたというとても歴史の古いぶどうです。日本には130年前の岡山県で栽培が始まり、全国シェアは岡山県で90%以上です。

糖度はとても高く、出荷出来る基準は16度ですが、今年の初競りでは22.5度という超ど級の極甘口ぶどうも飛び出したということです。しかし22.5度とは凄まじい…。

ネット通販などでの相場ですがいいものだと1房5,000円~7,000円程度。安いものだと3,500円から見つけられますが、1万円を超えるものもありますね。値段の差は顆粒の大きさや美しさや形、色合い、香り、糖度など多面的に判断されて、等級がつけられます!

一般流通している良品は秀品が多く、最上級の特秀品はやはり1万円を超えることがほとんどです。

<マスカット・オブ・アレキサンドリアの等級>

昨年2016年の3倍以上の値段

今回10万円という破格の値で競り落とされたマスカットですが、昨年2016年度の最高落札価格は3万円とのことで、実に3.3倍!今回の落札価格が異常に高いだけで普段からそんな値段で買われているわけではありません。

今年の10万円というのは過去最高記録を更新していることからも、異例の初競りだったわけです。

果物の高額せりは「広告宣伝」

どんなに高くても2万円を超えることはほとんどないマスカット・オブ・アレキサンドリア。今回の10万円という価格がいかに特別なものだったかお分かり頂けたでしょうか?

10万円の値がついたマスカットは確かにすごい品質が良かったのだと思います。でもその金額がついたことの本質は実は別にあります。それは「広告宣伝」としてのものです。

あなたは東京の築地市場へ行って食事をしたことがありますか?私は一時期ハマって友人と寿司を食べに行っていたことがあります。そんな築地市場で2013年にマグロで1億5540万円というとんでもない値がついたことでめちゃめちゃ話題になりました。競り落としたすしざんまい社長は「PRは考えていない」と回答していましたがこれによって連日テレビや新聞、ネットニュースでめちゃめちゃ話題になり、その宣伝効果は2億とも3億とも試算する人もいます。その他、夕張メロンを2玉300万で落札したことで話題になったこともありましたね。

それを考えると今回のマスカットが10万円で落札されたのも、広告宣伝効果は十分にあったと思います。実際、私はこうして記事に取り上げたのも、多数のメディアに掲載されて目についたからに他なりません。詳しくは調べていませんが、おそらくネットのニュース記事だけに留まらず、地元の新聞や雑誌、テレビなどでも取り上げられるんじゃないですか??

そうなるとたった10万円でしかも番組制作費や手間も一切かからないで宣伝してもらえるので、とても安い買い物になったのだと思います。

あいにく熊本県産のフルーツに限定している肥後庵では、シャインマスカットは扱っていますが、マスカット・オブ・アレキサンドリアは置いていません。これを機にプライベートでマスカット・オブ・アレキサンドリアを食べてみようかなと思います!

黒坂 岳央 フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。ブログでも情報発信中。

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http://agora-web.jp/archives/2027919.html http://agora-web.jp/archives/2027919.html Wed, 23 Aug 2017 21:00:58 +0000 Wed, 23 Aug 2017 14:47:16 +0000
テレビなどのメディアが注目する7つのキーワード technology 皆さまは、テレビに出演した経験はあるだろうか。「ブログにも書いたかしいつか目に留まるだろう」と指をくわえていてもテレビに出ることはできない。視聴率低下の影響で、テレビ業界が厳しいと言われているが、テレビのニーズは相変わら

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大内氏は男性テノールとして活躍した経験をもつ。多才な報道記者である。

皆さまは、テレビに出演した経験はあるだろうか。「ブログにも書いたかしいつか目に留まるだろう」と指をくわえていてもテレビに出ることはできない。視聴率低下の影響で、テレビ業界が厳しいと言われているが、テレビのニーズは相変わらず高い。それはテレビのメディア力が評価されているからに他ならない。

今回は、テレビ業界に精通する、大内優(以下、大内氏)の近著『「テレビ活用」7つの成功ルール』を紹介したい。大内氏は大学卒業後、福島テレビに就職し報道記者として活動をしていた。報道記者から見たテレビ局の裏側は興味深い。「テレビに出たい」「取り上げられたい」と思っている人にはヒントになることだろう。

覚えておきたい7つのキーワード

テレビは常にインパクトのある情報を求めている。ハードルが高かったテレビ出演も一定の基準をクリアすれば難しくなくなった。このニーズに目をつけたPR会社などは、スポットなどの番組を営業している。しかもそれなりに高額だ。

だったら、テレビが弱いキーワードを抑えてアプローチしたほうが得策だ。大内氏は「メディアが弱い7つのポイント」として紹介している。このポイントを抑えていれば「これは取り上げたほうがいいぞ」と思わせられるかも知れない。

「まずは○○初(1番目)。世界初、日本初、地方初、都道府県初、業界初といったものです。テレビは『初めて』という単語に弱いので、これがタイトルについているだけで、取り上げられる可能性は大幅にアップします。次ぎに○○発(2番目)。こちらの発は、出発の発ですね。この地域から発信したという意味になります。」(大内氏)

「このエリアのもの、この業界のものを世界に打ち出していくときに使う『発』です。○○年(3番目)ぶりという表現もインパクトがあります。春·夏の高校野球などもそうですよね。『何年ぶり何回目の出場』という表現をします。これはなぜかと言うと、なんらかの復活ストーリーがついてくるからです。」(同)

復活のストーリーとは例えばどのようなものか。

「猛練習に耐えて頑張ってきた、苦労してきたエピソードとつながります。そこにスポットライトを当てることができるので、効果的なんです。『何年連続』も、それだけ高いレベルを維持し続けるには、何か秘訣があるのではないかということで、これもまたテレビで取り上げられる理由になりえます。」(大内氏)

「史上○○(4番目)も効果的です。「史上最年少で○○資格取得」「史上最年長で○○記録達成」みたいなものです。歴史を変えたことを訴求できます。〇〇なのに○○(5番目)という表現があります。数年前に「冷やしシャンプー」が話題になりました。ほかにも「美人過ぎる政治家」などにも同じような効果があります。」(同)

先週、アゴラにエントリーした「元トップCAに聞く!『3流』すぎる人の振る舞いとは」はこれに該当する。かなりアクセスを伸ばしたが「3流すぎる」というキーワードに関心が集まったのだろう。しかも、このケースで紹介した事例は取材したCA自身の失敗事例だから、むしろ記事の内容を好感するコメントが多かった。

「テレビであればスクープ(6番目)も鉄板ネタです。そこで、『他ではまだ公開していないのですが』というものがあれば有利です。他には、地元出身者の人物(7番目)もあります。地元出身者とか、ゆかりのある人物と何かをする、ゆかりのある人物は、地方のマスコミ、テレビの興味を引きやすいと思います。」(大内氏)

やはりテレビは観るより出るべきだ

他にも抑えておきたい要素があるが、次に紹介するのは今後、抑えておきたい視点である。前述のポイントを抑えた上で意識してもらえれば幸いである。

「これからは、2020年の東京オリンピックに向けて、海外からの訪問客が増えてくることが予想されます。より、社会性や公共性があるものは注目されやすくなります。インバウンドで日本を訪れる外国人が観ておくべき匠の技(伝統工芸・表彰)などもいいと思います。外国人が日本の伝統技術を体験することで話題になります。」(大内氏)

「縁の下のカ持ちではありませんが、普段は注目されない裏方にスポットライトを当てるのが日本人は大好きです。行政や地域と組んで社会貢献につながるような活動につながると、ニュースにしやすくなると思います。」(同)

私も出版が起因となり、テレビやラジオから声がかかり出演をしたことがある。メディアに出ると世の中に発信したいことや、問いたいことが明確になっていく。やはり、テレビは観るのではなく「出た」ほうがいい。なお、著者の大内氏は男性テノールとして活躍した経験をもつ。参考までCDジャケットより画像を引用した。

参考書籍
「テレビ活用」7つの成功ルール』(DOBOOKS)

なお、新刊『007(ダブルオーセブン)に学ぶ仕事術』は、「007ジェームズ・ボンド」が社内の理不尽に立ち向かう想定で書き起こしたマネジメント本になる。社内の理不尽に対してどのように立ち向かい対応するのか、映画シーンなどを引用しながら解説した。

尾藤克之
コラムニスト

<アゴラ研究所からお知らせ>
<第7回>アゴラ著者入門セミナー開催(2017年9月12日)のお知らせ
次回は、9月12日(火)夜に開催します。著者セミナー、並びに出版道場へのご関心が高いことから、ご優待キャンペーンとして定額5.000円のところを、今回はキャンペーン価格3,500円でご優待します。お申込みをお待ちしております。
お問い合わせ先 info@agorajp.com

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http://agora-web.jp/archives/2027921.html http://agora-web.jp/archives/2027921.html Wed, 23 Aug 2017 21:00:53 +0000 Wed, 23 Aug 2017 18:40:54 +0000
高校球児から教わる「算数」「数学」の攻略法 society 甲子園の高校野球を見ていてつくづく思うことは、「強いチームはバントがうまい」ということです。 以前、高校時代に野球部で活躍されていた佐山展生先生にお話を伺う機会がありました。先生曰く、「野球の基本であるバントだけは徹底的

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甲子園の高校野球を見ていてつくづく思うことは、「強いチームはバントがうまい」ということです。

以前、高校時代に野球部で活躍されていた佐山展生先生にお話を伺う機会がありました。先生曰く、「野球の基本であるバントだけは徹底的に練習をさせられた。プロ野球の投手がウエストするボールにでも食らいつける自信がついた」とのことでした。強豪校は、例外なく基本練習をしっかりやっているということを、甲子園大会を観て痛感しました。

ところで、中学受験算数や高校大学受験数学に苦手意識を持っている人がたくさんいます。
私は大学受験では文系だったのですが、実は、最大の得意科目は数学で最も不得手な科目は現代国語でした。現代国語に至っては、地方の公立の中高合わせて「5」をもらったのはたったの一度きりという悲惨な状況でした(汗)

入試レベル程度の数学の得手不得手と頭の良さは、あまり関係はありません(少なくとも私はそう思っています)。
基本問題を徹底的に反復練習するだけでかなりのレベルに達することができ、応用問題で力試しをする余裕があれば、東大文系数学4問中3問完答程度のレベルには到達します。

あれこれ理屈を考える必要はさほど(あくまで「さほど」です)ありません。
分数を分数で割るとき、割る方の分数をひっくり返して掛け算をしますよね。どうしてそうするのかをあれこれ考えず、「そんなものだ」と思って反復練習をすればいいのです。これは、確率であろうと微積分であろうと同じです。反復練習をしているうちに、なんとなく理解できるようになります。

ところが、多くの受験生は、基本問題の反復練習をあまりやらずに入試問題レベルの応用問題に取り組んでしまいます。銀行員時代の私の上司が、「僕は数学はものすごく理解できたのに、なぜか点数が伸びなかったんだよ」とボヤいていたことがありました。

私が「条件反射的に手が動くくらい基本問題を解きましたか?」と尋ねると、「だって、そんなの時間の無駄だろう」とのお答えでした。きっと、その上司は頭が良すぎて基本を怠ってしまったのでしょう。

このように、数学の成績は頭の善し悪しではなく、基本問題が条件反射的にできるようになるかという練習量の違いなのです。基本問題が条件反射的にできるからこそ、基本問題の組み合わせである応用問題が解けるようになるのです。基本事項が反射的に出てこなければ、(基本の組み合わの)応用問題を考える時間がなくなってしまいますから。

中学受験算数では、基本問題の反復練習の重要性がより一層高まります。日々成長している小学生の頭脳にとって、3ヶ月前に練習した基本問題と今練習する基本問題は理解が全く違ってくるからです。

そのあたりを理解せず、基本問題の反復練習をさせることを私が怠ってしまったため、娘は中学受験算数の成績がとても不安定でした。幸いにして、6年生の後半になってミスターツカムこと塚本誠一郎先生の「基本問題を7回繰り返せ」という言葉に出会うことができたため、本試験はいずれも楽勝でした。入試直前は、過去問以外はひたすら基本問題を反復練習させました。

甲子園強豪校の選手といえば、東大合格者や有名中学合格者の比ではありません。強豪校の選手全員集めても、せいぜい100人くらいでしょう。他方、東大は毎年3000人以上も合格します。

どちらが難関かは一目瞭然ですよね。

そんな甲子園強豪校の選手たちが、基本であるバント練習を繰り返しているのです。
数学や算数が苦手だと投げてしまう前に、いじいじと基本問題の反復練習をしてみましょう。きっと、驚くような成果が出せるはずです。

最短で結果が出る最強の勉強法 (講談社+α文庫)
荘司雅彦
講談社
2014-02-14

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年8月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。

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http://agora-web.jp/archives/2027916.html http://agora-web.jp/archives/2027916.html Wed, 23 Aug 2017 21:00:52 +0000 Wed, 23 Aug 2017 12:02:16 +0000
【映画評】海底47m entertainment リサとケイトの姉妹は休暇を楽しむためにメキシコにやってくる。海の中の檻から野生のサメを見る“シャークケイジダイビング”に参加することにした二人は、最初はサメの迫力に興奮して楽しむが、突如、保護用の檻と水上の船をつなぐケー

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リサとケイトの姉妹は休暇を楽しむためにメキシコにやってくる。海の中の檻から野生のサメを見る“シャークケイジダイビング”に参加することにした二人は、最初はサメの迫力に興奮して楽しむが、突如、保護用の檻と水上の船をつなぐケーブルが故障し、二人は檻ごと水深47メートルの海底へ落下してしまう。檻は壊れ、酸素も残り少ない。無線も通じない中、巨大な人喰いザメが二人に迫る…。

シャークケイジダイビング中の事故で海底に取り残された姉妹のサバイバル劇を描くパニックスリラー「海底47m」。夏だ!海だ!サメ映画だ!!…ということで、海という開かれた“密室”を舞台に、美女とサメを組み合わせるサバイバル劇は、新たな夏向けホラー・ムービーの定番になりつつある。同種のサメ映画「ロスト・バケーション」が海上でたった一人というシチュエーションだったのに対し、本作は真っ暗な海底で姉妹が二人ぼっち。迫りくる危機は、サメ以外にも、酸素欠乏、潜水病、窒素酔いなど、バラエティーに富んだピンチの連打で飽きさせず、心が休まるヒマがない。

社交的なリサと違い、失恋したばかりで臆病なケイトはもともとシャークケイジダイビングに乗り気じゃなかった。だが、彼氏から「君は退屈」と言われ、自分だって冒険心があることを証明したくて、この怪しげなツアーに参加したのだが、ネガティブ思考のケイトが極限状態で「こんなところで死ねない!」と勇気を示すのがいい。どんな状況でも人間はあきらめちゃ終わりなのだ。物語の終盤には思わぬ仕掛けとオチがあって、これがなかなかうまい。あえて難点を言えば、ほとんど水中マスクを着けているので姉妹の区別がつきにくいことか。それにしても「ジョーズ」の昔から、血の匂いを嗅ぎつけ、巨大な身体で体当たりし、鋭く尖った歯をむき出しに襲い掛かるサメの恐怖演出は見慣れているはずなのに、何度見てもやっぱり怖い。これこそ、映画では不動の人気キャラとなる要素だ。恐るべし、サメ映画!の、快作である。
【70点】
(原題「47 METERS DOWN」)
(アメリカ/ヨハネス・ロバーツ監督/クレア・ホルト、マンディ・ムーア、クリス・J・ジョンソン、他)
(恐怖疑似体験度:★★★★★)

この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年8月23日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は公式Twitterから)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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http://agora-web.jp/archives/2027914.html http://agora-web.jp/archives/2027914.html Wed, 23 Aug 2017 21:00:50 +0000 Wed, 23 Aug 2017 01:59:42 +0000
バルセロナ・テロ:『ウェークアップ!ぷらす』で言わなかったコト international スペインのバルセロナにある観光名所「カタルーニャ広場」で、現地時間8月17日夕方17時ごろ、テロ事件がありました。 爆弾や銃の乱射テロではなく“車で群衆に突っ込む”テロで「130人以上の人が死傷する」大惨事となりました。

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中田宏チャンネル_170823_#557_バルセロナテロ

スペインのバルセロナにある観光名所「カタルーニャ広場」で、現地時間8月17日夕方17時ごろ、テロ事件がありました。

爆弾や銃の乱射テロではなく“車で群衆に突っ込む”テロで「130人以上の人が死傷する」大惨事となりました。
犯人はひとりのモロッコ国籍の男で、すでに別の場所で警察との銃撃戦の末に射殺されています。

一昨年の3月にこのバルセロナに家族で行きましたが、日本で例えれば京都の清水寺や金閣寺のようなところでした。

imageバルセロナ2

カメラで記念撮影したりガイドブックを見ながら歩いたりしている見るからに観光客ばかりで、どう考えても現地の人ではなく外来者であふれている場所です。

imageバルセロナ1

家族と今回のカタルーニャ広場を歩きましたから「テロに遭っていてもおかしくなかったのか」と考えてしまいます。

ましてや車1台で突っ込むことでテロになってしまうわけですから、これは「世界のどの場所でも同じようにテロが起こせる」と世界中が震撼しています。

事件直後の8月19日(土)朝、日本テレビ系列の報道番組『ウェークアップ!ぷらす』に出演しましたが、次のようにコメントしました。

「たった1台の車で突っ込むテロ、日本では秋葉原で同じようなことがありましたが、こうしたことを防ぐことは難しいのではないか」
「制圧をどう行うのかについて検討しなければならないのではないか」

番組では「制圧」とまでしか言いませんでしたが、その真意は「テロの発生を未然に防ぐことが難しいのであれば、テロ行為を一刻も早く止めなければならない」ということです。

暴走している車が目の前にいる。
そこに通報を受けた警察官がやって来る。
その時まさか暴走が終わるまでじっと見ているわけにはいかないわけです。

もちろんパトカーで車に体当たりをすることなどもあり得ますが、例えば銃を車のタイヤや犯人に向けることもありではないでしょうか。
こうした対応をしなければ止められないでしょうし、止めなければもっと死傷者が増えてしまうことになりかねません。

日本の警官は警察官職務執行法で銃の使用を厳しく制限されている”穏健な”警察です。

警察官職務執行法
(武器の使用)
第七条  警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。但し、刑法 (明治四十年法律第四十五号)第三十六条 (正当防衛)若しくは同法第三十七条 (緊急避難)に該当する場合又は左の各号の一に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。

今回のような現実にどのように対応していくのかということをもっと議論していくべきではないでしょうか。

編集部より:この記事は、前横浜市長、前衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2017年8月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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http://agora-web.jp/archives/2027915.html http://agora-web.jp/archives/2027915.html Wed, 23 Aug 2017 21:00:39 +0000 Wed, 23 Aug 2017 11:55:33 +0000
東京都と特別区が民にお金と権限をお返しする都区制度大改革を! society こんにちは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。 昨日は、特別区の現状と課題というテーマで、特別区議会議員の研修が行われました。 基本的な都区制度から、先日もブログでご報告した児童相談所についてや、国民健康保険まで、様々な事案

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こんにちは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

昨日は、特別区の現状と課題というテーマで、特別区議会議員の研修が行われました。
基本的な都区制度から、先日もブログでご報告した児童相談所についてや、国民健康保険まで、様々な事案について確認させていただきました。

そもそも、特別区は東京都の内部団体としてスタートしたという経緯があります。
区議会議員が、「”東京都”新宿区議会」と名乗っていた時期もあったそうです。
これまでも地方分権の議論から自治権の拡充が行われ、平成12年にはついに内部団体から脱却し、特別区が法的にも自治体となりました。
しかし、今でも財源や事務など一般的な市町村と比べると権限が限られています。

これまで議会で問題提起を行なってきた都区財政調整制度についてもご参考に。

まだ東京都で消耗してるの?都区財政調整制度から脱し「新宿市」になれば自治権拡充かも!?

例えば、政策がそのまま財源に反映されれば、自治体も頑張って、住民の暮らしをよくしよう、あるいは街を成長させようと、さらにモチベーションが上がるでしょう。
基礎自治体は、国が決めた事業の窓口としての役割を担ってきた側面もありますが、地域の方たちで地域のために最適なお金の使い道を考えることになるでしょう。
あるいは、自治体によっては民間で課題解決を担うことができる場合もありますし、地域によって最適化することが必要です。

特別区を歩いていると、狭いエリアながら街の特徴が異なることを感じると思います。
例えば新宿区と足立区あるいは千代田区では街の状況は異なりますし、一律の制度が最も効率的とは限りません。

また、大規模な都市計画は、都が行うことになっています。
つまり、新宿区の案件であっても意思決定に関わる議員に対して、区民が投票の機会すらなかった可能性もあります。
そして、当選後はみな平等だと思いますが、都議会のドンなどという言葉もありました。
今の制度のもとでは会派内で序列が決まってしまえば、特別区全体に対して強大な権限を持った議員を生み出してしまうことにもなります。
こうした状況は、自治の精神からも望ましい状況だとは思えません。

これまでも都区間で協議を行ってきましたが、具体的な事務移管は保留状態で、具体的な改革のスピードは非常に遅いです。
児童相談所については江戸川区で悲惨な事件が起きてしまったことから改革が行われました。
つまり、その気になれば移管はできるということです。

その際に現行制度のままで区に丸投げするのではなく、都が改革を行うことも必要です。
具体的には、都の財政や人材も見直し、都のみにノウハウが蓄積されてきた状況も改善しなければなりません。

過去のブログもご参考に。

「移管」じゃないの?特別区(23区)児童相談所「設置」は現状困難

都は広域な事務に、区は地域や生活に関わる事務に専念できるよう改革が求められています。

都政に動きが出てきた今こそ、議論のチャンスです。
オリンピック等と比べてあまり目立たない分野ではありますが、小池都知事には都区改革に取り組んでいただくことに期待しています。
また、20代区議出身のおじま都議もこの分野についてよく理解されているため、議会活動を通じて前に進めていただきたいと思います。

区政では、みなさまからお預かりしてきたお金や権限を見直し、時代にそぐわない場合には手放し、お返しすることが求められます。
公費を使って、目立つ政策よりも区民の利益を第一に考えて、勇気を持って実務的な改革を進めていきたいと思います。

それでは本日はこの辺で。

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http://agora-web.jp/archives/2027920.html http://agora-web.jp/archives/2027920.html Wed, 23 Aug 2017 21:00:11 +0000 Thu, 24 Aug 2017 01:48:09 +0000
朝鮮学校無償化を渋々でなく好ましいという前川氏 society 朝鮮学校の無償化への援助について、前川喜平氏のとんでもない認識について再び論じたい。私は朝鮮学校への支給を止めることについて、強硬派でなく、安直に止めることにはむしろ慎重派であった(現在のように核攻撃を持って日本を脅して

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東京新聞(2017年8月14日朝刊特報面)での朝鮮学校を巡る発言が波紋を広げている前川前文科次官(東京新聞より:編集部)

朝鮮学校の無償化への援助について、前川喜平氏のとんでもない認識について再び論じたい。私は朝鮮学校への支給を止めることについて、強硬派でなく、安直に止めることにはむしろ慎重派であった(現在のように核攻撃を持って日本を脅している状況では停止支持である)。

ただし、その理由は父兄は日本で納税しているから公平の観点からよほど内容が酷くなければ仕方ないというのが理由であった。いまも支給を続けている自治体の意識もそういうことだと理解している。在日の人たちの納税への納得感を得るためには、できるだけ支給することが望ましいという気持ちがあると思うし、それは正当だ。

しかし、前川喜平氏は多様な価値を評価するがゆえだという。「朝鮮学校を入れると言う事に光をみていた」とまでいっている。つまり、北朝鮮的な主体思想を積極的に多様な価値として評価して前向きに払えと言うことではないか。文部科学省の意識がそういうものだとしたら酷すぎる。

「他の外国人学校と比べても朝鮮学校は日本の社会で暮らす人を育てるという意味合いが強い」ともいっているが、アメリカン・スクールでもなんでもいずれ帰国する人たちだけを念頭に置いているわけでない。どんな外国人学校でも、所在地の国に対する敬意を教えるし、自国民であれ、日本人であれ、日本で生きる人への配慮をしていないはずがないだろう。どう考えても前川氏の認識は異常だ。

それに、日本人の持つべき価値、政府が拠るべき価値は、文部科学省が決める話ではない。そういうことも、この論争ではっきりさせておかねばなるまい。どうも歴史問題などになると、外務省でなく、文部科学省の権限だと思っているのでないか。

竹島を日本領土だと書くべきかどうかにも介入したらしいが、歴史問題として文部科学省が判断すべきだと言いたいのかもしれないが、それははっきりと否定せねばなるまい。

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http://agora-web.jp/archives/2027917.html http://agora-web.jp/archives/2027917.html Wed, 23 Aug 2017 12:00:51 +0000 Thu, 24 Aug 2017 01:40:59 +0000
『島耕作の事件簿』への疑問 人生100年時代の生き方提案を technology 『週刊モーニング』で、『島耕作』シリーズの最新作版『島耕作の事件簿』がスタートした。課長編の設定で、怪事件に巻き込まれ追われる身になった島耕作を描いたものだという。原作は樹林伸が担当し、元々の著者である弘兼憲史は作画を担

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『週刊モーニング』で、『島耕作』シリーズの最新作版『島耕作の事件簿』がスタートした。課長編の設定で、怪事件に巻き込まれ追われる身になった島耕作を描いたものだという。原作は樹林伸が担当し、元々の著者である弘兼憲史は作画を担当する。

ファンとしては読まざるを得ないのだが、一抹の不安と違和感があり、まだ読んでいない。そして、『島耕作』シリーズに対する想いはますます複雑になってしまった。

改めて『島耕作』シリーズのパワーはまだまだ健在だと感じた次第だ。番外編やコラボ作品によりファン層を広げようという意図を感じた。小学館の『ドラえもん』、ダイヤモンド社のドラッカーは麻雀のドラを超えるWドラとして出版界に君臨しているが、同様に講談社にとって『島耕作』シリーズはキャラパワーの強い大事なキャラクターであることを再確認した。

一方、ファンとしては、ここは苦言を呈さなければならない部分でもある。ここ数年、ずっと私が感じていることなのだが、弘兼憲史氏も、講談社も、『島耕作』シリーズを安売りしていないか。いや、前述したようにこれらの新しい取り組みはファンサービスでもあり、キャラクターや作品を長生きさせるための施策であるとも捉えることはできる。実際、外伝的に始まったヤングシリーズは楽しむことができた。番外編的な作品も一通り持っている。

しかし、今、必要なのは、『島耕作』の直系シリーズである『会長島耕作』のテコ入れではないだろうか。この会長編では、社長を退任したあとの島耕作が描かれている。会長ならではの業界・企業の中長期戦略、財界活動などを描いている。一時はビジネス雑誌の漫画版のように感じてしまったが、最新刊などはなかなか面白い展開になっている。

ただ、まだまだ中高年の働き方、生き方の提案、問題提起は不十分だ。『定年後』(楠木新 中央公論新社)や『下流老人』(藤田孝典 朝日新聞出版)がベストセラーになるなど、老後の不安は国民の間で根強くある。人生100年時代という言葉もバズワード化している。政府や経済団体もシニアにキャリアに関して真剣に検討する時代である。ここで、一つ強い提案をするのが弘兼憲史と島耕作の仕事ではないか。弘兼憲史のシニア本は売れているようだが。

これは、島耕作への誤解をとき、作品をさらに輝かせるための行為でもある。シリーズ全作品を読んだが、よくある島耕作は女性に助けられてばかりで何もしていないというのは、何も読んでいない人のどうでも良い批判である。大事な意思決定もしてきたし、筋も通してきたではないか。この島耕作と女性というのも、大町久美子と結婚し、高齢化も進んだことから、島耕作の濡れ場は会長編には登場しなくなってきた。ファンの中には濡れ場のない怒りを抱いているものもいるが、今こそ島耕作は女性エピソードだけの作品ではないことを世にアピールするチャンスである。

会長編、学生編のさらなる大ブレークを期待する。島耕作シリーズを心からあいする、耕作員からのエールである。

編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年8月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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http://agora-web.jp/archives/2027914-3.html http://agora-web.jp/archives/2027914-3.html Wed, 23 Aug 2017 12:00:40 +0000 Wed, 23 Aug 2017 11:51:57 +0000