教員のなり手不足のはずなのに採用しすぎたらしい

中沢 良平

4月、新入社員の方が街を歩いていて、さわやかな気持ちになります。

学校も同じです。

kazuma seki/iStock

#教師ののバトン運動のように、教員採用難で、文科省はさまざまな手立てを打っています。

採用難なのに過員になる?

新教員(初任者)の方と話していると、ほんとうに採用難なのだろうかと思ってしまします。

今年の初任者で、過員になっている人が相当いるそうです。例年と違わず辞退するぶんを見越して多めに取ったはいいものの、コロナの影響か思ったほど抜けなかったようです。

過員とは採用試験に合格しているのに学校に配属されていない状態のことです。

人材がほんとうにいないのでは?

それ以上に気になったのが、高学年にベテランの育休産休代替(非正規職員)を当てている学校が増えていることです。

つまり、正規の先生の中で高学年を持てる先生が減ってきているのではないでしょうか。小学校の高学年学級担任は、とても重労働です。私も現役時代、担任の発表で6年生と言い渡されたときは、胃が痛くなりました。

6年生を持てる先生は限られている

場合によっては40人もの思春期の子どもたちと朝から晩までいて、関係をちょっとでも弛緩させたら、簡単に学級崩壊になるからです。年ごろのお子さんがいらっしゃる方は、これがどれだけ困難かご想像がつくと思います。中学校もかなりたいへんですが、中学は担任がずっと教室にいるということはありません。

採用試験の倍率が下がっても質は下がるとは限らないという議論もありますが、この状況のほうが質が下がってきている証拠かもしれません。

先送りの人事計画

校長先生は、「自分がいるうちはベテランの実力者で乗り切っておこう」と考えるのは非常に合理的です。

けれども、数年後にはそんなベテランの先生は現場を去ります。ましてや、産育休代替教員(非正規職員)に正規職員と同等の責任を押し付けてしまっていて、産育休代替の先生のなり手がいません。産育休代替教員になるメリットがないからです。昔は正規教員にならないメリットがちゃんとありました。

このような無計画と無責任によって、産育休代替教員(非正規職員)のプールを枯渇させ、次世代の教員を育てず、教育現場はますます荒廃していく気がしてなりません。