子ども靴10円、ビジネス靴20円、USB Flashメモリ10円、iPhoneはSIMロックフリーで買える - 渡部薫

渡部 薫

Googleが中国から撤退する可能性があるらしい。昨日はそんな衝撃的なニュースが駆け巡った。中国の知識層はそれが愚かな決定だと言い、Alibabaのジャック・マーCEOも「放棄は、最大の失敗」と言っている。

アリババ馬氏「放棄は、最大の失敗」-グーグル中国撤退検討で

グーグル、中国撤退すれば「史上最も愚かな決定」-中国識者


さて、Googleの理念には「邪悪になるな – Don’t be Evil」という有名な言葉がある。今回中国はGoogleに対して邪悪になったのだろうか。また「スーツがなくても真剣に仕事はできる。」という言葉もあり、「中国がなくても真剣に仕事ができる」という一説を加えたのだろうか。

「中国を放棄することは、世界の半分の市場を放棄することに等しい」と言われているが、Googleは中国という経済圏を失うのだろうか。おそらくGoogleがいなくても中国の経済は止まらないし、中国のインターネットの進化も止まらないだろう。

インターネットは何も情報の世界だけに破壊的なイノベーションを起こしているわけではない。流通や貿易と言った国際間の商取引にも破壊的な影響力を及ぼし始めている。ちょうど昨日、楽天の三木谷社長が言ったように、「インターネットは情報や金、モノの流れを根本的に変える革命である。政治家はインターネットという怪物を理解していない。明治維新以上のインパクトがある」のだ。

モノの流れについて、我々はインターネットの破壊力を知らなすぎるのだろう。

ここにいくつか個人でも購入できる衝撃的な商品リストを掲載する。あまりに信じられない価格で途方にくれるかもしれないし、このサイトでしばらくあらゆる商品の価格を調べたくなるかもしれない。

中国アリババサイトとアリババが提供するコンシューマ向けAliExpressというサイトだ。
ここではなんと、子ども靴は10円ビジネス靴は20円USB Flashメモリ10円iPhoneはSIMロックフリーで買える!
(多少ロット数の確保と輸送料がかかるけどね、いろんな仕入れ値を探ってみてください)

巷ではユニクロ型デフレとかユニクロ悪玉論とか言われているようだが、インターネットの現実を知っている僕からしたらこれはデフレではない。インターネットによる流通の破壊的イノベーションが起きているのである。ここにある商品の品質と個数、輸送料が個人消費の許容範囲に収まれば、イオンやセブンの安売りに飛びつくだろうか。990円で売っている子ども靴は10円~50円で買う事ができる。近所のママさんが集まれば数量と輸送料の問題も解決できるだろう。

ソフトバンク孫正義社長は、「モバイルインターネットを制する者がインターネットを制する。アジアを制する者が世界を制する」という言葉を残しているがその理由の一端がここにあるのだろう。

インターネットと中国を知ることは、どうやら新しい市場ルールを学ぶことにつながるのかも知れない。

インターネットの破壊力はすさまじい。これからは買う側も売る側もグローバル社会で競争に晒されるのだ。そして同時になんてエキサイティングな世界が待っているんだ、と思わずにいられない。

起業家 渡部薫

P.S.
AliExpressで何か買った人がいたらレポートしてほしい。ほんとにその値段で買えるのか(もちろん買えるんだけど)、その体験を聞きたい。

※AliExpressの商品は1個単位で購入できるものもあれば、10~100とかある程度のロット数の価格条件がある。また輸送料を入れると割高になる場合もある。日本からもクレジットカード決済で購入することができる。

コメント

  1. atoman0 より:

    中国の情報機関が、googleをサイバー攻撃するだけで済ましていたとは思えませんね。日本の外交官がハメられて自殺に追い込まれた事件を簡単に忘れるわけにはいきません。インターネット上の検閲とセキュリティーの問題だけではないのだろうと思います。

  2. founderid より:

    全くその通りです。 素晴らしい世界に・・・かなり混乱した危険を伴う魅力的な世界に・・・我々は到達しましたね。
    これから何が起こるか、楽しみです。 

  3. disequilibrium より:

    靴が10円20円というのは、おそらく価格設定ミスでしょう。
    さすがに中国でもそこまでは安くなりません。
    (もしかたら廃棄物か何かを捨て値で売っているのかもしれませんが)
    そのサイトの同じ会社の同じ商品でも、価格が1桁2桁ずれているので、ミスというか、意味を全く理解しないで価格を設定したのではないでしょうか。
    USBメモリは容量が64MB-16GBと、何故か範囲になっていて、何を売っているのか分かりません。

    ちなみに日本でも、最近イトーヨカードーがセットの価格を単品の価格に設定してしまうミスがあったばかりです。

    中国ではGoogleよりも百度が優勢で、(日本もヤフー優勢ですが)検閲解除も撤退もありえないので、何らかの宣伝か譲歩を狙ったものではないでしょうか。

  4. yashihara より:

    私自身はネット業界に直接関わっている者ではありませんが、国際経済法(WTOとかFTAとかです)の交渉実務に携わった経験からの意見として書かせて頂きますと、今回のGoogleの判断には賛成です。
    ネットを通じた取引は、もはや「電気通信サービスの利用」ではなく「サービス全体の新しい次元への進化」なのだという点は賛成できるのですが、その場合、ネットには、公海について締結・遵守されているような「国際法」が必要になるはずです。そうでなければ、物品・情報について、国境を越えた安全な取引はできません。
    ところが、現状は、そうした国際法はまだなく、各国の法令でそれぞれに処理されています。ネットという安全な海を確保しなければ今後のさらなる発展を安全と見ることはできない、とGoogleが判断したのだとすれば、その判断はかなり正しいし、日本としても、この側面で中国をリードできる可能性もあるのではないかと考えています。

  5. 渡部薫 より:

    # atoman0さん、
    何があってもおかしくないですね。Googleが問題にしているのはそれが政府主導だったということでしょう。

    # founderid
    楽しみですね!お互いがんばりましょう。

    # disequilibrium
    >靴が10円20円というのは、おそらく価格設定ミスでしょう。
    いえいえ、信じられないかもしれませんが、これは事実です。探せば1円(0.01ドル)もあるんですよ。ただロットが100個だったりするのですが、それでも100円(1ドル)笑!
    郵送料が40ドルくらいかかったりします。
    ちなみにAlibabaはBtoB仕入れ先検索サイトです。AliExpressは近年世界的に個人のオンラインショップの仕入れに対応するためにできたサイトです。本当にこの値段です!実際我々のスタッフも購入したことがあります。

  6. 渡部薫 より:

    # yashihara
    ネットは国境を簡単に超え、国際間のルールすら通用しない一面がありますのでご意見に賛成です。Googleの動き自体は中国のネットサービスにさほど影響は与えないでしょうが、ルールを意識するという意味では大きな影響があるでしょう。

  7. 松本徹三 より:

    10円、20円の靴は、インプットのミスではなく、中古の靴ではありませんか? アリババグループのタオパオは中国最大のオークション事業者ですから、リサイクル品の販売も当然あってしかるべきと思います。

  8. tonbitonbi より:

    ビジネス靴は20円と書かれているところをのぞいてみると、US$4.43 – 5.15とあります。USB Flashメモリ10円がUS$2.47 – 2.58とあるんですが、自分なんか勘違いしてますでしょうか?
    それとも、途中で値段変わったんでしょうか。

  9. disequilibrium より:

    >tonbitonbi さん
    Price (Per Lot), 20 Pieces / Lot と書いてあるので20個単位の価格です。

    >5. 渡部薫 さん

    例えばこれなんか、明らかに価格設定ミスなんですけど、

    http://www.aliexpress.com/product-gs/271533522-Snow-boots-wholesalers.html

    http://www.aliexpress.com/product-gs/270297165-snow-boot-stock-shoes-leather-boot-wholesalers.html

    単純に、こういう間違いが放置されているだけではないかと。

    というか、人件費がタダ同然でも、靴を10円20円で生産するのはとても無理なので、廃棄物か中古品(それも手間がかかりますが)と考えたいところですが、大量に販売されているところを見ると、価格設定ミスと考えるのが妥当ではないかと。

  10. 渡部薫 より:

    一応全部新品ですよ~。
    disequilibrium
    価格設定ミスじゃないですよ。
    http://www.aliexpress.com/product-gs/271533522-Snow-boots-wholesalers.html
    Snow boots
    US$268.04 – 268.04 / Lot
    20足の値段なので、一足26ドルくらいです。

    http://www.aliexpress.com/product-gs/270297165-snow-boot-stock-shoes-leather-boot-wholesalers.html
    snow boot, stock shoes, leather boot
    US$14.43 – 14.43 / Lot
    こちらはロットが1足単位です。注文最低ロットは10足からです。

    さらにカラクリを説明すると後者の方はShipping Costが36000ドルと異常に高いですね。前者は383ドルです。

    AliExpressは注意書きしている通り、そのままの値段が小売り価格というわけではありません。

    例えばこれなんか
    http://www.aliexpress.com/category/32212/Children%2527s-Shoes.html?SortType=price_asc&SortType=y
    7円/足です。

  11. 渡部薫 より:

    この記事で伝えたいのは衝撃的な安さだけでなく、こうした国際貿易のカラクリやグローバル世界で広がっている個人ベースのオンラインショップオーナーのニーズ拡大によって中国工場が1万とか10万個とかの大量ロットから小口に対応し始めたことです。これによって次の段階で何が起きるかというと趣味で個人オーナーがオンラインショップを持てるようになることです。仕入れ価格はイオンやドンキとさほど変わらずに。またShippingがEMSであることがミソです。これによって関税がかからなくなります。(運悪いとかかる)

  12. 渡部薫 より:

    衝撃過ぎて疑いの声があるようですが、これは事実ですよ。まあいろんなカラクリがあったりするのでリスクを受け入れられない素人は手を出さないことです。ちなみにTシャツとか買うと100枚くらいでトータルコスト3000円くらいだったりする場合もあるようですが、30枚は別の色が入っていたとかそういうこともあるようです(笑 それをだまされたとするか、70枚使えて得したと考えるかはリスクの取り方次第。まあ世界は変わってるってことです。

  13. 渡部薫 より:

    あとですね、ここで理解してもらいたいことはイオンやセブンにおいているあらゆる中国製のものはAlibabaに登録されている工場から輸入されているようなものばかり。途中に商社とか関税とか輸送費とは日本の中間業者とか分けわからない経路を通ってきて、それであの値段で安いとか感じて、デフレだとか言ってるわけ。

    直接中国の工場から1単位とか10単位で買えるようになったってことがインターネットの流通革命の本質なわけです。
    輸送費が割に合わないものもありますが、300万点以上あるんだから探せば宝の山だよ、ということ。

    まあ、そうやってインターネットはあらゆるものの移動コストを0に近づけてイノベーションを起こしてるってことです。