アゴラ 言論プラットフォーム https://agora-web.jp 経済、ビジネス、情報通信、メディアなどをテーマに、専門家が実名で発言することで政策担当者、ジャーナリスト、一般市民との交流をはかる言論プラットフォーム ja Tue, 14 Jul 2026 05:48:06 +0000 https://agora-web.jp/img/logo-for-smartnews.png アゴラ 言論プラットフォーム https://agora-web.jp/img/logo-for-smartnews.png 韓国株はジェットコースター:何が起こっているのか? economy 韓国株が激しく動いている。韓国総合株価指数(KOSPI)は、2025年末からAIブームを背景に急騰し、2026年6月22日には過去最高の9114.55を記録したが、その後はわずか3週間で25%近く下落し、7月14日には7

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韓国株が激しく動いている。韓国総合株価指数(KOSPI)は、2025年末からAIブームを背景に急騰し、2026年6月22日には過去最高の9114.55を記録したが、その後はわずか3週間で25%近く下落し、7月14日には7000を割り込んだ。それでも年初からは約60%上昇し、主要国では突出したパフォーマンスを維持している。

 

これは「韓国経済が突然復活した」という話ではない。実態は、サムスン電子とSKハイニックスという半導体2社に資金が集中した、巨大なAIメモリー相場である。

AIブームで半導体企業の利益が爆発

株価上昇の出発点は、企業業績の劇的な改善だった。

サムスン電子が発表した2026年4~6月期の業績見通しは、売上高約171兆ウォン、営業利益約89.4兆ウォン。前年同期の営業利益は4.68兆ウォンだったため、利益は約19倍に増えた計算になる。AIサーバー向けメモリーの価格上昇と供給不足が、空前の利益を生んでいる。

SKハイニックスも、AI半導体に欠かせない広帯域メモリー(HBM)で先行した。2026年1~3月期には売上高52.6兆ウォン、営業利益37.6兆ウォンを記録している。2025年通期の営業利益も47.2兆ウォンと過去最高で、AI投資の恩恵を最も強く受ける企業の一つとなった。

つまり、今回の上昇には実際の利益成長という裏付けがある。単なる思惑だけで上がった相場ではない。

KOSPIではなく「半導体2社指数」

問題は、上昇があまりにも一部の企業に集中したことだ。

サムスン電子とSKハイニックスの時価総額は、一時KOSPI全体の約60%を占めた。2年前の約40%から急上昇しており、2社の株価が下がれば、他の企業が上昇しても指数全体は大幅安になる。

米国でもエヌビディアへの集中が問題になるが、同社がS&P500に占める比率は約7%にすぎない。韓国市場の集中度はそれとは比較にならない。

「韓国株が上がっている」といっても、実際には韓国企業全体が評価されたわけではない。世界のAI設備投資に連動する、サムスン電子とSKハイニックスへの巨大な集中投資だったのである。

信用取引が上昇と下落を増幅

さらに相場を不安定にしたのが、韓国の個人投資家による信用取引である。

海外投資家は、韓国株の時価総額が急増して世界株指数に占める比率が高くなったため、ポートフォリオ調整として2026年に約1100億ドルを売り越した。一方、国内の個人投資家は6月に42.4兆ウォン、7月にも13.2兆ウォンのKOSPI銘柄を買い越した。信用取引残高は6月24日に過去最高の29.8兆ウォンに達した。

半導体株に連動する2倍型ETFなどのレバレッジ商品も普及した。株価が上がる局面では買いが買いを呼ぶが、下落すると追証や損失回避の売りが発生し、下落がさらに加速する。

実際、SKハイニックスが1日で14%下落した際、同社株の2倍の値動きを目指すETFは30%以上下落した。売りが連鎖し、KOSPIも一時8%下落した。韓国当局は、単一銘柄型のレバレッジ商品が市場をゆがめていないか監視を始めている。

「コリア・ディスカウント」解消も追い風

半導体以外では、韓国政府による企業統治改革も株価を支えた。

韓国企業は、財閥一族による支配、複雑な持ち合い、少数株主の軽視などから、利益に比べて株価が安い「コリア・ディスカウント」に長く悩んできた。

政府は日本の改革を参考に「企業価値向上プログラム」を導入し、配当や自社株買い、資本効率の改善を促した。2025年には取締役がすべての株主に対して忠実義務を負うことを明確化し、2026年には税制上の優遇を受ける高配当企業に企業価値向上計画の開示を求めた。

こうした改革期待が銀行や持ち株会社などの株価を押し上げたことは事実である。しかし、KOSPIの急騰の大部分を説明するのは、やはり半導体2社である。

韓国経済全体への信任ではない

韓国株の上昇と同時に、韓国ウォンは一時1ドル=1500ウォンを超える歴史的な安値圏にあった。7月14日時点でも約1506ウォンである。株式市場が本当に韓国経済全体への信任を反映しているなら、通貨がこれほど弱いというのは不自然だ。

ウォン安は輸出企業の利益を押し上げる一方、輸入物価とエネルギー価格を上昇させ、家計や内需企業を圧迫する。株価指数の急騰と国民生活の改善が一致しないのは、日本の円安株高とよく似ている。

韓国株に起こったのは、韓国経済の全面的な復活ではない。AIメモリー企業の利益爆発に、企業統治改革への期待と個人投資家の信用取引が重なったのである。

業績は本物だが、指数の上昇速度と資金の集中は異常だった。KOSPIは世界最強の株価指数になったのではなく、世界最大級の「AIメモリー連動商品」に変質した。

今後の韓国株を決めるのは、韓国のGDP成長率よりも、米国のAI設備投資、HBM価格、サムスン電子とSKハイニックスの利益、そして信用取引の巻き戻しである。韓国株の乱高下は、AIブームが企業業績を変える力と、金融市場を投機化させる危険の両方を示している。

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https://agora-web.jp/archives/260714053803.html https://agora-web.jp/archives/260714053803.html Tue, 14 Jul 2026 05:48:06 +0000 Tue, 14 Jul 2026 05:48:06 +0000
日本の伝統に従って女系天皇を容認すべきだ(アーカイブ記事) column 先週の国会で「おや?」と思ったのは、共産党の塩川議員の「女系天皇ではなぜだめなのか」という質問に対して木原官房長官が絶句し、50秒ぐらい答えられなかったことだ。 この問題についての従来の政府答弁は「例外なき男系継承が古来

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先週の国会で「おや?」と思ったのは、共産党の塩川議員の「女系天皇ではなぜだめなのか」という質問に対して木原官房長官が絶句し、50秒ぐらい答えられなかったことだ。

この問題についての従来の政府答弁は「例外なき男系継承が古来の伝統だから」ということだったが、最近はこの言葉を使わなくなった。それはこの法案が出てから(産経を除く)すべての新聞が社説で反対を表明し、男系継承に限定する根拠がないと指摘したことが原因だと思われる。

大宝律令には「女系でもよい」と書かれている

「男系の皇統」という言葉は、日本書紀にも出てこない。それどころか天皇家の祖先はアマテラスという女神である。神武から継体までの天皇の多くは実在が疑われており、したがって男系継承の証拠もない。皇位継承は男系に限るというルールは、明治までまったくなかったのだ。

「例外なし」の根拠は日本書紀の神武天皇以来の系図だが、そのうち継体天皇までの25代の天皇の多くは実在が疑われており、したがって男系継承したはずもない。継体以降に限っても「男系に限る」というルールは存在しない。

女帝の古代王権史 (ちくま新書)
義江明子
筑摩書房
★★★★☆
それどころか「女系でも継承できる」という明文のルールがあった。大宝律令の継嗣令には、次のように書かれている(現代語訳)。

およそ天皇の兄弟・皇子は、みな親王とせよ。女帝の子もまた同じ。それ以外は並びに諸王とせよ。

ここでは女帝の子も「親王」(皇位継承権をもつ子)になると明記されている。それ以外の皇位継承権のない子は「王」と呼ばれて区別された。つまりこれは女系継承を容認する規定なのだ。

女帝は「中継ぎ」ではなかった

現実に女系による皇位継承も多かった。持統天皇までは双系(男女にかかわらず直系の子に継承する)で、男女比もほぼ半分ずつだった。その次の文武天皇は持統の孫で「持統天皇が現御神として皇位を授けた」という記録があり、これは女系の皇位だった。

天皇家の系図(赤は女帝)

これに対して「元正天皇は男系だ」という反論があるが、それは男系と女系の定義による。政府の有識者会議の定義では、男系を「父方の血統だけをたどって天皇に到達できる」ことと定義しているが、これは日本書紀の系図が正しいとすれば当然である。

たとえば図のように44代の元正天皇の父は草壁皇子(皇太子)だったが、その父は天武天皇…というように、父方をたどっていけば、少なくとも神武天皇にはたどりつく。この意味で日本書紀の系図を信じるなら、すべての天皇が男系だというのは定義によって明らかだが、それは女系継承ではないことを意味しない。

男系と女系は排他的な概念ではない

女系天皇の公式の定義はないが、これを「男系以外の天皇」と定義すると、女系天皇はいない。天皇の100%が男系だとすれば、それを引くとゼロになることは自明である。しかし男系と対称に「母方の血統だけをたどって天皇に到達できる」ことを女系と定義すれば、元正も文武も元明を母とする女系である。

この他にも側室から生まれた天皇以外は、母方で天皇にたどりつくことが多い。男系と女系は排他的な概念ではないのだ。実際の継承関係としても、文武は母親の元明に譲位し、元明は娘の元正に譲位した。こうした女帝は「中継ぎ」ではなく、持統天皇は大宝律令を制定し、その後3代の天皇を決める権力者だった。

「男系の皇統」は中国の男尊女卑の思想

天皇が世襲になったのは持統以降であり、それまでは群臣(有力な豪族)の合議で適任者を選び、先帝や群臣が天皇を「共立」する選挙王制に近いしくみだった。天皇には実務能力のある男女が選ばれ、世襲ではなかった。

皇位継承を男系男子に限る規定は、明治時代に伊藤博文の起草した皇室典範の原案にはなかった。伊藤は女帝を容認しないと皇位継承が行き詰まると考えたが、井上毅が儒教の男尊女卑の思想にもとづいて男系男子に修正した。このとき彼が、日本書紀ではすべての天皇が(女帝も含めて)男系であることを「発見」したのだ。

現在の「神武天皇以来126代」の皇統譜は1926年に宮内省がつくったもので、そこから遡及してすべてのミカドに「**天皇」という謚(おくりな)をつけた。それは「万世一系」ではなく、男系に限られたわけでもない。

男系の皇統は中国の伝統であり、持統天皇が伝統的な双系の継承に中国の皇帝の原則を折衷したものだが、実態は厳格に適用されたわけではない。宦官が皇帝の血統を守った中国とは違い、日本の御所には男性が自由に入れたので、側室の産んだ子が天皇の子かどうかは確認できなかった。

皇室の伝統には「男系継承に限る」というルールはないのだから、こんなややこしい養子を入れて女系継承を避ける理由はない。皇室典範を改正して女系天皇を容認することが、大宝律令以来の日本の伝統に従うものだ。

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https://agora-web.jp/archives/260530053244.html https://agora-web.jp/archives/260530053244.html Tue, 14 Jul 2026 03:25:16 +0000 Tue, 14 Jul 2026 05:10:43 +0000
AIバブルは崩れるのか? economy 半導体関連など一部の銘柄に株式の売買が集中する状態が顕著になっています。7月25日に72594円をつけた日経平均はいびつながらW天井形成にもみえ、その後、下落基調になっています。特に個人投資家が投機的にキオクシアの株で信

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半導体関連など一部の銘柄に株式の売買が集中する状態が顕著になっています。7月25日に72594円をつけた日経平均はいびつながらW天井形成にもみえ、その後、下落基調になっています。特に個人投資家が投機的にキオクシアの株で信用取引を行っており、強気と弱気が激しく交錯しながらも着実に下落しています。

キオクシアHPより

キオクシアの株価がまだ6万円台だった頃、証券会社のアナリストたちが目標株価11万円前後を次々と打ち出し、強気の姿勢を見せました。これがAIバブルに火をつけ、キオクシアからその関連銘柄にまで株価暴騰が波及しました。典型的な「宴相場」であり、こういう相場は必ず崩れることが分かっているのですが、たぶん、個人投資家の参加者の多くは「失敗経験不足」の若い方が多いように見受けられます。キオクシア株は高いので信用でレバレッジをかけざるを得ないという特殊要因もあるでしょう。

一部アナリストからは同社の目標株価をわずか4万円とするものも出てきましたが、その基本的考え方は現在の半導体ブームが落ち着いて平常時になった時の業績予想から計算したものです。これを信じるかどうかは投資家のご判断ですが、基本的には悪くないアプローチだと思います。

どんな株価でも一般的にブームの状態になると計算上の妥当株価よりはるかに高い金額まで買われます。理由は期待値が高まるからです。例えば会社側は「今期20%の増収増益を見込む」と発表してもアナリストが「会社側は保守的」と言ってみたり、株価掲示板あたりで「20%増益の訳がない。30%、いや50%増収増益になるさ」と何の根拠もないつぶやきが共鳴し、経験不足の投資家たちはそれを信じてしまう傾向にあるのです。

銘柄選びはどこまで慎重に行うか、と言えば7割ぐらいの方は市場の大きなうねりの中で最後は勘に頼っていると思います。そしてその勘は概ね強気であるわけです。私も試行錯誤を繰り返しました。今のような市況では銘柄を見つけ出すのが大変なのです。今後、1-3年でどのような業種に花が咲くか、次に値ごろ感がある株はあるのか、という探し方をしています。するとアナリストの予想に対して株価が3-5割ぐらい安いものは割と見つかるものです。ですが、安い株価は安いなりの理由はあります。それを理解した上で投資をするかどうか判断するので手を出したことがない新規銘柄を買うのは年に2-3銘柄しかないと思います。

一度でも売買したことがある銘柄はその後、ずっと追いかけ続けていますのでチャートが頭に入っており、決算などは適宜チェックしています。そのようなリストが150銘柄ぐらいあり、それらが安くなった時、個人的に「売られ過ぎサイン」が点灯していると判断し、買うわけです。ある程度成熟している産業や企業ですと株価はうねるのでそのうねりの底を捉えるようにしているのです。よって私のような投資スタイルでは間違ってもキオクシアを今、手掛けるということにはならないのです。

1年ぐらい前にこのブログでソフトバンクGが面白いと思う、と書いたころは同社株は2500円ぐらいの頃だったと思います。あの頃はもちろんブームの前。つまりいかに先取りできるかが投資の世界の前提になるわけです。先日、このブログで日経平均が1万円ぐらい下がっても大丈夫で、むしろ絶好の買い時が来ると申し上げました。私のイメージとしては5万円台半ばを考えてます。このイメージの裏付けとは(日経平均)ー(AIバブル上乗せ分)+(非AI企業株価の時間経過分の上昇分)をチャートから引き出しています。つまり今の6万円台後半は高すぎに見えるのです。

このところ、株価報道で韓国の株価指数、KOSPIの動きが荒れているとしばしば報じられており、日本株が韓国株に振り回されているようにすら報じられている感もあります。心理的に連動しているのは半導体株だけです。そして韓国の場合、仕事がないような若者が株に手を染め、ギャンブル的な状態になっていることで一種の社会問題になりかねない事態なのです。先般アメリカでADRで上場した韓国のハイニックス。話題を呼び、初日は13%ほど上げましたが、上場2日目の月曜日は大きく下げており、3日天井にすらならないのか、注目しています。同社株はスペースXと同じ道を辿るのか、極めて重要な岐路にあるとみています。(スペースXは月曜日に大きく下げ、安値更新です。)アメリカでは既にAI株は飽きられており、調整局面に入っている銘柄が続出しています。よって半導体メーカーの株価だけが調子よくなることはまずなく、最終的にはAIバブル崩壊までさほど遠くないところにあるとみています。

ただ、今回の場合、市場参加者には個人が多く、資金がAI関連に集中したことで損失を埋めるために利益の出ている銘柄を売るという動きになりにくいとみています。つまり指数的な下落はあれど多くの一般銘柄はむしろ上げるぐらいだろうと予想しています。

ところでホルムズ海峡が再び怪しくなってきて原油相場が反応しています。今後どうなるか、ですが、私は「空白のホルムズ海峡」を予想しています。つまりタンカーや商船が誰も入らない海域であります。よって石油の供給路が変わるものの対応は可能だとみています。原油が再び100㌦を超えるようなこともないだろうと予想しています。

ここまで高くなり、方向性が見えにくい市況全般ですが、個人的に今まだ買えるのは銀行株ぐらいではないかと思います。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年7月14日の記事より転載させていただきました。

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https://agora-web.jp/archives/260713084711.html https://agora-web.jp/archives/260713084711.html Tue, 14 Jul 2026 03:00:11 +0000 Tue, 14 Jul 2026 03:00:11 +0000
米大統領令第14253号と「記憶の文化」 column トランプ米大統領は2025年3月27日、「米国史における真実と健全さの回復(Restoring Truth and Sanity to American History)」と題された大統領令14253号に署名した。米国か

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https://agora-web.jp/feed-for-gunosy https://agora-web.jp/feed-for-gunosy Sun, 15 May 2016 09:09:45 +0000 Sun, 15 May 2016 09:09:45 +0000
「神武天皇からの男系一系」を史実と数字でクールに検証する column さーて。皇位継承の話になると、必ずと言っていいほど「初代・神武天皇から一度も途切れず、父方の血筋(男系)で続いてきた」という前提が出てきます。そして「だから男系を守らねばならない」という結論につながる。でも、この前提には

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さーて。皇位継承の話になると、必ずと言っていいほど「初代・神武天皇から一度も途切れず、父方の血筋(男系)で続いてきた」という前提が出てきます。そして「だから男系を守らねばならない」という結論につながる。でも、この前提には別々の三つの問題があります。

①出発点の神武天皇が歴史上の実在とは考えにくいこと ②その系譜が血統記録ではなく神話であること ③仮に系譜を額面どおり受け取っても、「男系」で受け継がれる遺伝情報は数世代でほぼゼロになること

です。順番に、感情ではなく史料と数字で見ていきます。

皇位の男系継承を「2600年以上続いてきた皇室の伝統」と位置づける小林鷹之政調会長 自民党HPより

そもそも神武天皇は「歴史」ではない

神武天皇の即位は、伝承では紀元前660年、いまから約2600年前とされます。問題は、その時代の日本列島がどんな社会だったか、です。

紀元前660年ごろの日本は、縄文時代の末期から弥生時代の始まりにあたります。道具の多くは石器・木器・土器。そして決定的なことに文字が存在しません。系図を書き残す手段が物理的になかった時代です。文字が列島に定着して朝廷が記録を残せるようになるのは、早く見ても5〜6世紀以降。つまり1000年後です。

ここが要点「紀元前660年に即位した初代天皇」を裏づける同時代の文字記録・考古資料は、ひとつも存在しません。神武の事績が文章になったのは『古事記』(712年)『日本書紀』(720年)で、出来事とされる時点から1300年以上あとの編纂物です。初期の天皇は享年100歳超えがずらりと並び、実年代としては扱えません。

つまり「2600年間、切れ目なく続いた血筋」という主張は、その出発点の千数百年分について、検証できる記録がまったくない。信仰としては成り立っても、歴史的事実の主張としては成り立たないのです。

系譜そのものが、生物学的にあり得ない神話である

神武天皇の血筋は『記紀』にはっきり書いてあります。だから中身を読めば、これが「血統記録」ではなく神話だと一目でわかります。

神武天皇の祖母は「巨大なワニ」、母はその妹

神武の父はウガヤフキアエズ、母はタマヨリビメ。そしてウガヤフキアエズの母、つまり神武の祖母はトヨタマビメで、海神ワタツミの娘です。出産の場面で彼女は本来の姿である巨大な「和邇(わに)」に変じたと描かれ、それを見られたことを恥じて海へ帰ってしまう。残された子を育て、のちに妻になったのが妹のタマヨリビメ、すなわち神武の母です。祖母が海の怪(ワニ)、母がその妹、つまり叔母さん。これを血統史として読むのは無理があります。

始祖は「性交も妊娠もなし」で生まれる

神武は皇祖神・天照大御神から数えて数世代下とされます。その男系の起点にあたる天忍穂耳命(あめのおしほみみ)は、天照大御神と弟スサノヲの「うけひ(誓約)」の場面で生まれます。二柱は結婚も妊娠もせず、互いの持ち物(剣や勾玉)を口で噛み砕き、その息吹から神々を生んだとされる。男系の出発点そのものが、有性生殖を経ていない神話的な誕生なのです。

ここが要点「男系の血筋」を厳密にたどると、その根にはワニに変身する祖母と物を噛んで生まれた始祖神がいる。ここに「DNA」や「遺伝的連続性」を持ち込むこと自体が、神話と生物学の取り違えです。神話は民族の物語として尊重に値しますが、継承ルールの科学的根拠には使えません。

「万世一系」は明治の政治的発明である

「天皇は神の子孫で、男系一系の神聖な存在」という観念が、国家の公式教義として整えられたのは明治期です。それ以前、中世・近世の天皇は政治権力の中枢からしばしば外れ、経済的に困窮した時期すらありました。「現人神(あらひとがみ)」としての絶対的地位は、歴史を通じて一定だったわけではないのです。

1868年の王政復古は、薩摩・長州を中心とする勢力が、天皇の権威を掲げて旧幕府体制を倒した政治変動でした。新政府には、藩を超えて人々を一つの「国民」にまとめる求心軸が要る。そこで天照大御神に発する万世一系の神統譜が国家の背骨として採用されます。1889年の大日本帝国憲法は第1条で「万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」と定め、第3条で天皇を「神聖ニシテ侵スヘカラス」とした。神話は、このとき初めて近代国家の法と国体イデオロギーに格上げされたわけです。

注意「男系一系」は、太古から自明だった真理ではなく、近代国家を統合するために選ばれ、法制化された物語です。起源が政治的だから価値がない、という話ではありません。ただ、それを「科学的・血統的な事実」として語るのは筋が違う、ということです。

「男系」で受け継がれる遺伝は、数世代でほぼ消える

ここが本題です。「男系にこそ天皇家の血が受け継がれる」という言い方には、暗黙のうちに「男系をたどれば遺伝的なつながりが保たれる」という科学っぽいニュアンスが忍び込んでいます。ところが遺伝の実際は、まるで逆です。

親等と「血のつながり(血縁係数)」の関係

二人の血縁の濃さは血縁係数 r で表せます。共通祖先までの世代の連なり(=民法でいう親等 n)が1つ増えるごとに、受け継がれる遺伝の割合はきっちり半分になる。単純化すればこうです。

r = (1/2)n (n = 親等)

親子は1親等で r = 1/2(50%)、祖父母や兄弟は約25%。ここまでは直感どおり。問題は、親等が大きくなると r が指数関数的に小さくなることです。

関係(親等 n) 血縁係数 r 割合 意味 親子(1) 1/2 50% 半分を共有 祖父母・兄弟(2) 1/4 25% 近い血縁 またいとこ級(10) 1/1,024 約0.098% 薄い親戚 徳川の傍系継承級(18) 1/262,144 約0.00038% ほぼ他人の実感 旧宮家クラス(36) 1/687億 約0.0000000015% 事実上ゼロ 旧宮家クラス(38) 1/2749億 約0.00000000036% 事実上ゼロ 同(40) 1/1兆993億 約0.00000000009% 完全に他人

「18親等と40親等は大差ない」は誤り──約420万倍の隔たり

徳川幕府では、18親等ほど離れた傍系(紀州家)から将軍(吉宗)が出た例があります。いま皇室で問題になっている旧宮家系の男系男子は、現在の天皇とおよそ36〜40親等離れています。伏見宮家が本流から分かれたのが約600年前(南北朝期)で、そこから20世代前後を経ているので、共通祖先までの往復で40親等前後になるわけです。

「どっちも遠縁だから似たようなもの」と感じるかもしれません。でも数字はまったく違う。親等の血の濃さは指数関数だからです。両者の血縁係数の比はこうです。

(1/2)18 ÷ (1/2)40 = 2(40−18) = 222 = 約419万倍

つまり18親等の傍系は、40親等の男系男子にくらべて、遺伝的には約420万倍も「濃い」。18親等ですら一般家庭では「親戚」の実感がほぼ消えますが、40親等はそこからさらに420万分の1に薄まる。「18も40も同じ遠縁でしょ」という感覚は、桁を完全に取り違えています。

36〜38親等で、なぜ共有が「実質ゼロ」になるのか

割合だけだと実感しにくいので、ヒトゲノムの実数(タンパク質をつくる遺伝子 約20,000個、塩基対 約32億)に当てはめてみます。36親等で「共通祖先から同じ形のまま受け継いだ(=同祖的な)」量を期待値で計算すると、こうなります。

遺伝子:20,000 × (1/2)36 ≈ 0.0000003 個 → 1個でも共有する確率は およそ 340万分の1

塩基対:32億 × (1/2)36 ≈ 0.05 塩基対 → 期待値は 1塩基すら共有しない

結論として、36〜38親等離れると、共通祖先由来で受け継がれる遺伝情報は期待値でゼロになります。遺伝的にはまったくの他人であり、「血がつながっている」という言葉が指すはずの実体が、そこには残っていない。

計算の厳密さについて

実際には共通祖先が「夫婦2人」なら経路が2本になり、r は約2倍(=(1/2)n−1)になります。でも2倍しても桁は動かず、「36〜38親等で実質ゼロ」という結論は変わりません。逆に言えば、この程度の補正でひっくり返らないほど、指数関数の減衰は圧倒的だということです。

「でもY染色体は受け継がれる」への回答

ここで、男系継承を支持する側の一番マジメな反論を正面から扱います。彼らはこう言うはずです──「男系が守るのは全体のDNAの割合じゃない。父から息子へほぼそのまま渡るY染色体だ。だから男系をたどる限り、始祖のY染色体は保たれる」と。

これは事実としては正しい。Y染色体の大部分(非組換え領域)は組み換えを受けず、父系をたどれば理屈のうえでは受け継がれていきます。ここは認めます。でも、これは男系主張を救うどころか、その空虚さをかえって際立たせる。

反論への再反論① 守られるのは「性別を決めるだけの断片」にすぎない。 Y染色体はヒトゲノム全体の約1〜2%程度で、機能する遺伝子は数十個。その大半は精子形成と性決定(SRY)に関わるもので、人格・容姿・能力といった「その人らしさ」を担う情報はほとんど乗っていません。「天皇家の血」を守っているつもりで、実際に守っているのは「男である」という一点に近い。残り98〜99%の情報は、40親等の相手なら道ですれ違う人と変わらないのです。

② そのY染色体が神武天皇由来だという保証がない。 前半で見たとおり、始祖は神話上の存在で、初期の系譜には検証できる記録がありません。「保存されているY染色体」が実在の初代までつながっている、という主張自体が証明不能です。

③ 娘(50%共有)を退け、40親等の他人(ほぼ0%)を「近い血筋」とする転倒。 天皇の実の娘は遺伝の半分を確実に受け継ぎます。それを排除し、遺伝的にはほぼ無関係な男系男子を「血を引く者」として優先する。これは血統の論理ではなく、「Y染色体という1本の染色体を持つか」という象徴ルールです。象徴ルールとして議論するのは構わない。でも、それを「血のつながり」「DNA」という科学の言葉で正当化することはできません。

まとめ──何を議論しているのか、取り違えない

整理します。「神武天皇からの男系一系」という前提は、三つの意味で「事実」ではありません。出発点の神武は検証できる史実ではなく、その系譜は神話であり、そして「男系」で受け継がれる遺伝的な実体は数世代でほぼ消える。18親等と40親等のあいだには約420万倍の隔たりがあり、36〜38親等では共有はゼロに漸近する。遺伝の言葉で語るかぎり、40親等の男系男子は「他人」です。

ここから出てくるのは、「だから皇室に価値がない」という話ではありません。出てくるのは、議論の土俵を正しく置け、ということ。皇位継承を「血統・DNAの連続性」という科学の問題として語るなら、男系原理はその根拠を失う。もし男系を維持したいなら、それは科学ではなく、伝統・象徴・制度をめぐる価値判断として、正直にそう論じるべきです。神話を史実と偽り、象徴ルールを遺伝的事実と偽る──それをやめることが、冷静な議論の出発点だとわたしは思います。

公平のための付記

この記事は「男系という主張の科学的・史実的な装い」を批判したもので、皇室制度そのものの是非を決めるものではありません。男系維持を支持する側にも、制度の連続性・前例・国民統合の象徴としての安定という、遺伝とは別次元の論拠があります。それらは価値観の問題として真剣に検討に値する。この記事が退けるのは、あくまで「神話を史実として」「象徴を血統として」語る一点だけです。反対に女系・女性天皇を認める立場にも、皇位の安定的継承や国民感情という論点があり、いずれも遺伝学だけで決着する問題ではありません。

※数値について:血縁係数は r=(1/2)n による近似。222=4,194,304(約419万)。遺伝子・塩基対の共有期待値はヒトゲノムのおおよその値(遺伝子約2万個、塩基対約32億)に基づく概算で、桁の大きさを示すためのものです。

編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2026年7月13日の記事より転載させていただきました。

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https://agora-web.jp/archives/260713211700.html https://agora-web.jp/archives/260713211700.html Tue, 14 Jul 2026 02:55:00 +0000 Tue, 14 Jul 2026 02:55:00 +0000
子供達の安全や教育の中立性よりもイデオロギーや政治闘争を優先している日教組 society 産経にこんな記事がありました。 親も子も教師は選べない サイトから消えた「辺野古基金」賛同団体の半数近くは教職員組合 メディアウオッチ 皆川豪志 親も子も教師は選べない サイトから消えた「辺野古基金」賛同団体の半数近くは

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産経にこんな記事がありました。

親も子も教師は選べない サイトから消えた「辺野古基金」賛同団体の半数近くは教職員組合 メディアウオッチ 皆川豪志

親も子も教師は選べない サイトから消えた「辺野古基金」賛同団体の半数近くは教職員組合 メディアウオッチ 皆川豪志
辺野古沖転覆事故は、教育現場の政治性を改めて浮き彫りにした。文部科学省が学校の「平和学習」について教育基本法違反と認定した調査報告書についても一部教職員組合や…

【親も子も教師は選べない サイトから消えた「辺野古基金」賛同団体の半数近くは教職員組合】 (2026/7/12 産経新聞)

宮崎駿などの名前を使って、違法な反基地活動とその反基地活動家を養うために募金集めを行い、実際に違法な反基地活動を資金面で支援してきたのが辺野古基金です。

この辺野古基金から反基地活動のためのボート購入も行われていますが、カヌー教室に使っているであろうカヌーが個人資産になるなども確認されています。

以下、令和6年代4回 11月定例会 12月06日 沖縄県議会議事録より

西銘啓史郎議員 実は、事務所は同じビルの中に入っていまして、3分の2がオール沖縄会議、3分の1が辺野古基金事務局というようになっているようであります。私は、いろいろ支出も調べてみましたけれども、2018年度から2023年度の間で、辺野古基金からオール沖縄会議に支出された件数、総件数549件中167件、約3割です。そして、年度によっては6割を超える年度もありました。そして、よく調べてみると、2018年度には送迎用車両の購入支援であったりカヌー、これは恐らく辺野古の海で使うカヌーじゃないかと思うんですが、5艇を購入支援というふうにありました。申し上げたいことは、辺野古に基地を造らせないというオール沖縄会議も結構なんですけれども、オール沖縄会議は残念ながら収支の報告が全く見られません。辺野古基金から支出された額は出てませんけれども、以前私が調べたときには、辺野古基金にも数字が支援行事ごとに入っていました。バスで何万、何とかで何万。それももう今は入っていません。どういう理由か分かりませんけれども、そういう意味では、私も実はある知り合いから辺野古基金ってどうなっているんだと、調べてくれないかという要請がありました。それを受けて、実際に事務局長にもお会いをして、質問事項も資料で出してくれと言われたので出しましたけれども、まだ回答はありません。 その中で(7)、一部訂正します。辺野古基金から、2017年8月のオール沖縄会議訪米時の支援が行われています。これ金額は出ていません。それで、これ翁長知事訪米といいまして、これ翁長前知事のほうは、事務方からは1月だったので、オール沖縄会議とは別だということで調べてみました。そうすると、2017年の8月16日から24日まで、当時の参議院議員伊波団長、糸数慶子副団長、県議、労組、女性、若者21名が訪米したようであります。そのときに、ワシントン事務所が手伝ったかどうか分かりませんし、その支援金が幾らかも分かりませんが、そういったものにもお金が使われているということであります。ということで、申し上げたいことは、政治団体ではないとするこの両団体--これは別に私はとがめるつもりもありません。ただし、これだけ8億のお金を動かす収入、支出--辺野古基金は収入と支出はあります。ただ、これについては、明細はありません。恐らく与党の皆さんは、場所もよく御存じで、実はこれまた古い新聞で調べてみたんですけれども……。 ~以下省略~

辺野古基金とオール沖縄会議は同じビルに同居 支出の3~6割がオール沖縄会議への支出だった 車両やカヌーの購入支援などが行われていた事が過去には確認できたが、現在は明細を不開示にしている (実質的に使途不明になっている) 基金事務局は西銘議員の質問に回答せず(使途を明かさず)

しかもこの辺野古基金から支出されたお金で、グラスボートが購入されなぜか個人資産になっていたりするなど、辺野古基金が集めた寄付金の使途については、オール沖縄とその関連団体にかなり好き放題に使われていたようです。

全国から寄付金を集めて、問題のある支出や不透明な支出を行ってきたのが辺野古基金。そう言ってよいでしょう。

しかし、辺野古沖の転覆事故が起きて批判が高まると、辺野古基金は賛同団体一覧から次々に団体を削除していき、最終的にはまるっと隠してしまいました。

以下、賛同団体一覧(webarchive)

賛同団体一覧 | 沖縄の声を国内外に発信する辺野古基金の公式ホームページ

賛同団体一覧 | 沖縄の声を国内外に発信する辺野古基金の公式ホームページ
賛同団体一覧 賛同団体一覧 辺野古基金では辺野古新基地建設を止めるために、基金の趣旨に賛同する賛同団体を広く募り、「沖縄の民意」を強く発信する活動に努めております。ここに賛同団体の一覧表を掲載いたします(公表可を頂いた団体のみ掲示しています...

賛同701団体のうち311団体が各地の教職員組合でした。

子供達の安全や教育の中立性なんかよりも、イデオロギーや政治闘争を優先している教師が、全国に蔓延っていると言って良いでしょう。

日教組は教育の癌。そう言った政治家がいましたが、その通りだと言って良いのでしょう。

日教組を代表する立憲民主党の古賀千景議員

ではこちらも腐った教育者が関わっている話。宮城県高野連のニュースから。

「刺」「殺」を使わない指導目指す 宮城県高野連、今秋にも検討委設置へ<再考 野球用語> | 河北新報オンライン

「刺」「殺」を使わない指導目指す 宮城県高野連、今秋にも検討委設置へ<再考 野球用語> | 河北新報オンライン
物騒な表現を含む野球用語の使用を考え直そうと、宮城県高校野球連盟が今秋にも検討委員会を設置する。アウトの奪い方を巡り、生徒たちに「刺せ」や「殺せ」と伝えない指導を目指し、言い換えの案を話し合う。検討…

【「刺」「殺」を使わない指導目指す 宮城県高野連、今秋にも検討委設置へ<再考 野球用語>】 物騒な表現を含む野球用語の使用を考え直そうと、宮城県高校野球連盟が今秋にも検討委員会を設置する。アウトの奪い方を巡り、生徒たちに「刺せ」や「殺せ」と伝えない指導を目指し、言い換えの案を話し合う。検討結果は来春、県高野連加盟校の全指導者に周知する方針。取り組みは県内の小学校から社会人にも広げたい考えだ。

「刺」「殺」「死」「盗」「犠」を含む用語→片仮名や新しい言葉に 委員は10人前後の予定。県高野連の松本嘉次理事長と副理事長2人の他、元理事の国語教師2人や報道機関の関係者らで構成する。

検討対象は「刺」「殺」「死」「盗」「犠」の文字を含む用語が中心となる。指導現場での使用に加え、主催大会の公式記録や記念誌の表現も改める方針だ。片仮名での言い換えや新語の創出を視野に入れる。 ~以下会員専用~ (2026/7/9 河北新報)

高野連と言えばプロの視点を入れさせず、仲間内だけで幹部ポストを回す、高校球児に寄生している組織。

そう言っても過言ではないでしょう。

そしてそういう連中が、高校球児のことを考えず、まともに仕事ができない人達が、「やっている感」を出そうとして考えついたのが、今さらポリコレの流れに周回遅れで乗っかって来たのか、 それとも単なる思いつきか、「言葉狩り」です。

言葉狩りはマイナスを産むことはあってもプラスになることはないでしょう。

無能な人ほどこうした言葉狩りをして、「俺はすごい仕事をしてやったんだぞ!」と自分のレガシーとして残したがるものです。

そうして言葉狩りをすることが自己目的化していきます。

群盲象を評す。

これを放送禁止用語に追い込んだ連中がいます。「盲」という語が入っている事が理由だそうです。

盲人が存在する事を文字を、言葉を隠してしまえば意識できないから、差別が無くなるとでも言うのでしょうか?違うはずです。

結局「不適切だ!」と言って言葉を狩る事に成功して、「良い事をしてやった」と自己陶酔することが目的化していく幼稚な人達が居て、そういう連中に無駄に成果を与えただけでしょう。

無能で無知で努力せずクレームで自己陶酔したい人。

そういう連中が不毛な言葉狩りに走る。そう言っていいんじゃないでしょうか?

そんなものの亜種が高校野球を自己陶酔の場に使おうというのが、宮城県では進められようとしていると言っていいんじゃないでしょうか?実に愚かな話だと思います。

編集部より:この記事は茶請け氏のブログ「パチンコ屋の倒産を応援するブログ」2026年7月13日のエントリーより転載させていただきました。

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https://agora-web.jp/archives/260713084840.html https://agora-web.jp/archives/260713084840.html Tue, 14 Jul 2026 02:50:40 +0000 Tue, 14 Jul 2026 02:50:40 +0000
輸入物価が前年比29.7%上昇:円安ホクホクでも深刻なインフレが家計を襲う economy 日本の物価高が、再び危険な局面に入っている。 日本銀行が発表した6月の企業物価指数によると、輸入物価指数は円ベースで196.6となり、前年同月比29.7%上昇した。2020年平均を100とする指数なので、日本が海外から買

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日本の物価高が、再び危険な局面に入っている。

日本銀行が発表した6月の企業物価指数によると、輸入物価指数は円ベースで196.6となり、前年同月比29.7%上昇した。2020年平均を100とする指数なので、日本が海外から買う商品の価格は、わずか6年でほぼ2倍になった計算だ。前月比でも1.3%上昇している。

円安が物価高を増幅

今回の輸入物価上昇は、海外の商品価格だけでは説明できない。

輸入物価指数は契約通貨ベースでは前年同月比17.8%の上昇だったが、円ベースでは29.7%上昇した。約12ポイントの差は、円安が海外の物価上昇をさらに増幅していることを示している。6月のドル・円相場は平均で1ドル=160.8円だった。

つまり日本は、資源価格や原材料価格の上昇に加え、「円の価値が下がることによる値上げ」まで同時に受けている。

輸入物価で上昇が目立ったのは、電気・電子機器、銅やアルミニウムなどの金属、小麦や飼料作物を含む食料関連だった。これらは製造業、建設業、農業、食品産業のコストとして幅広く波及する。

企業物価も7.1%上昇

輸入価格の上昇は、すでに国内の企業間取引価格に転嫁され始めている。

6月の国内企業物価指数は前年同月比7.1%上昇し、2023年3月以来の高い伸びとなった。石油・石炭製品や電力・都市ガス、プラスチック、木材、紙製品など、幅広い品目で値上がりしている。

企業は当初、原材料費や物流費の上昇を利益率の低下で吸収する。しかし輸入価格が3割も上昇すれば、値上げを避け続けることはできない。電気料金、ガソリン、日用品、加工食品などを通じて、数カ月遅れて消費者物価に表れる可能性が高い。

これは賃金上昇を伴う「よいインフレ」ではない。海外に支払う代金が増え、企業と家計の所得が国外へ流出する典型的なコストプッシュ型インフレである。

補助金では円安を止められない

政府は物価高対策として、ガソリンや電気・ガス料金への補助金を繰り返してきた。しかし補助金は価格表示を一時的に抑えるだけで、輸入価格そのものを下げるわけではない。

政府が国債を発行して補助金や給付金を配り、日銀に低金利を求め続ければ、財政と金融政策への不信が円安を招く。その円安が輸入物価を押し上げ、さらに補助金が必要になる。これでは政府が自ら火をつけ、税金で消火しているようなものだ。

輸入物価が前年比29.7%も上昇している局面で、減税や大型給付によって需要を刺激するのも危険である。企業の供給コストが上がる中で需要だけを増やせば、価格上昇を加速させかねない。

必要なのは、円の信認を回復させる財政運営と、インフレに対応した金融政策である。日銀が利上げをためらい、政府が円安を歓迎するような政策を続ければ、輸入インフレの請求書を支払うのは結局、国民である。

高市首相 首相官邸HPより

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https://agora-web.jp/archives/260713213513.html https://agora-web.jp/archives/260713213513.html Tue, 14 Jul 2026 02:45:13 +0000 Tue, 14 Jul 2026 02:45:13 +0000
中道改革連合 やっぱり、俺たちの暮らしが先だった! column 国際政治・国内政治・政治思想等々について、政治学者の立場から分析します。情報過多の中で、いかに本質を見抜き情報の価値を高められるか。 立憲民主党出身候補者らが開いた政治活動に関する意見交換会において、選挙結果への懸念や党

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国際政治・国内政治・政治思想等々について、政治学者の立場から分析します。情報過多の中で、いかに本質を見抜き情報の価値を高められるか。

立憲民主党出身候補者らが開いた政治活動に関する意見交換会において、選挙結果への懸念や党勢の立て直しが議論された様子を、政治学者の岩田温氏が独自の視点で解説します。

政治学者・岩田温氏のYouTubeチャンネル「岩田温チャンネル」。チャンネル登録をお願いします。

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https://agora-web.jp/archives/260713211119.html https://agora-web.jp/archives/260713211119.html Tue, 14 Jul 2026 02:40:19 +0000 Tue, 14 Jul 2026 02:40:19 +0000
「極右」マリーヌ・ルペン氏が仏大統領選で首位:有罪判決でも支持がさらに拡大 column 2027年4月18日に予定されるフランス大統領選の第1回投票に向け、極右・国民連合(RN)を実質的に率いるマリーヌ・ルペン氏が、世論調査で首位を独走している。 調査会社Toluna Harris Interactiveが

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2027年4月18日に予定されるフランス大統領選の第1回投票に向け、極右・国民連合(RN)を実質的に率いるマリーヌ・ルペン氏が、世論調査で首位を独走している。

調査会社Toluna Harris Interactiveが7月7~8日に実施した調査では、中道系のエドゥアール・フィリップ元首相とガブリエル・アタル元首相がともに出馬する場合、ルペン氏の支持率は35%となった。前回調査の32%から支持を伸ばした。

2位は急進左派「不服従のフランス」のジャンリュック・メランション氏で16%。フィリップ氏は14%、アタル氏は8%にとどまった。中道勢力が候補者を一本化した場合でも、ルペン氏は34~36%を獲得し、首位を維持する。

別のIfopの調査でも、ルペン氏は第1回投票で36%を獲得すると予想された。過去数カ月の同社調査では32~34%だったため、支持率はむしろ上昇している。対立候補はいずれも20%に届かず、ルペン氏の決選投票進出はほぼ確実という状況だ。

マリーヌ・ルペン氏インスタグラムより

有罪判決が逆風にならない異常事態

注目すべきは、今回の調査がルペン氏に対する有罪判決の直後に実施されたことだ。

パリ控訴院は、欧州議会の資金をRNの党職員の給与に流用した事件で、ルペン氏の有罪判決を維持した。一方、公職就任禁止期間を短縮したため、現時点では大統領選への立候補が可能となっている。ルペン氏は破毀院に上告しており、最終判断は選挙前に示される見通しだ。

普通なら政治生命を脅かす事件だが、支持率にはほとんど影響していない。それどころか、司法によって大統領選から排除されかけたという被害者意識が、支持者の結束を強めた可能性もある。

決選投票でもルペン氏が優勢

これまでルペン氏を阻んできたのは、決選投票で右派から左派までが結集する「共和主義戦線」だった。しかし、その防波堤も崩れつつある。

Harris Interactiveの調査では、ルペン氏はフィリップ氏との決選投票で51%対49%、アタル氏には55%対45%、メランション氏には67%対33%で勝利すると予想されている。もっともフィリップ氏との差は誤差の範囲であり、選挙まで約9カ月あるため、結果が確定したわけではない。

マクロン大統領は憲法上、3期連続の出馬ができない。後継候補は乱立し、左派も穏健派と急進派に分裂している。反ルペン票をまとめる中心人物が見当たらないことが、RNにとって最大の追い風となっている。

フランス政界では長年、ルペン氏の勝利は「あり得るが、最後には阻止される」と考えられてきた。しかし今回の世論調査は、ルペン大統領がもはや仮定の話ではないことを示している。

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https://agora-web.jp/archives/260713222953.html https://agora-web.jp/archives/260713222953.html Tue, 14 Jul 2026 02:35:53 +0000 Tue, 14 Jul 2026 02:35:53 +0000
「なぜ愛子天皇ではだめなのか」という質問に答えられず迷走した政府答弁 column 「なぜ愛子天皇ではだめなのか」。 その単純な質問に、政府はまともに答えることができませんでした。代わりに示されたのは、今上天皇から36〜38親等も離れた旧宮家の男性を養子に迎えるという驚くべき案です。 直系の愛子さまを退

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「なぜ愛子天皇ではだめなのか」。

その単純な質問に、政府はまともに答えることができませんでした。代わりに示されたのは、今上天皇から36〜38親等も離れた旧宮家の男性を養子に迎えるという驚くべき案です。

直系の愛子さまを退け、ほとんど他人に近い男性を皇族にする理由は何なのでしょうか。迷走する政府答弁と「男系男子」論の矛盾を、歴史と制度から徹底検証します。

☆★☆★ You Tube「アゴラチャンネル」のチャンネル登録をお願いします。またSuper Thanksでチャンネル応援よろしくお願いします!!

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https://agora-web.jp/archives/260714014052.html https://agora-web.jp/archives/260714014052.html Tue, 14 Jul 2026 01:50:56 +0000 Tue, 14 Jul 2026 01:50:56 +0000
AIは産業革命以来の変革をもたらす:経済学者の署名 economy AIは単なる新しい情報技術ではなく、産業革命を上回る規模で経済と社会を変えるかもしれない――。世界の著名な経済学者やAI研究者が、各国政府や企業に早急な対応を求める共同声明を発表した。 スタンフォード大学デジタル経済研究

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AIは単なる新しい情報技術ではなく、産業革命を上回る規模で経済と社会を変えるかもしれない――。世界の著名な経済学者やAI研究者が、各国政府や企業に早急な対応を求める共同声明を発表した。

スタンフォード大学デジタル経済研究所が7月13日に公表した声明“We Must Act Now”には、ノーベル経済学賞受賞者16人を含む200人以上が署名した。発起人は、エリック・ブリニョルフソン、アジェイ・アグラワル、アントン・コリネック、トム・カニンガムの4氏である。

 

産業革命より大きな変化が数年で起きる

声明は、今後10年間でAIが現在よりもはるかに強力になり、産業革命を上回る経済変革を引き起こす可能性があると指摘する。蒸気機関、電力、コンピューターの普及では、社会が新しい技術に適応するまで数十年の時間があった。ところがAIの場合、その時間は数年しかないかもしれない。

AIによって生産性が大幅に向上し、生活水準が飛躍的に高まる可能性がある一方、大規模な雇用喪失や所得格差の拡大、富の集中を招く恐れもある。産業革命級の変化が、産業革命とは比較にならない速度で進むというのが、声明の最大の警告である。

ノーベル賞受賞者16人が署名

署名者には、ダロン・アセモグル、ジョセフ・スティグリッツ、ポール・クルーグマン、ベン・バーナンキ、マイケル・スペンス、サイモン・ジョンソン、クリストファー・ピサリデス、ポール・ミルグロムら、経済学界を代表する研究者が名を連ねた。

このほか、労働経済学者のデービッド・オーター、元米大統領経済諮問委員長のジェイソン・ファーマン、元IMFチーフエコノミストのオリビエ・ブランシャール、ギータ・ゴピナートらも署名している。

AI分野からはヨシュア・ベンジオ、ヤン・ルカン、Googleのジェフ・ディーン、元Google CEOのエリック・シュミット、OpenAIやAnthropicの研究者らも参加した。AIに慎重な研究者だけでなく、開発の最前線にいる関係者まで危機感を共有している点は重い。

AI開発の停止を求める声明ではない

声明はAI開発の停止を求めているわけではない。求めているのは、AIを人間の仕事を単純に代替する技術ではなく、人間の能力を補完する技術として発展させることである。そのために、経済学者、政策担当者、テクノロジー企業が協力し、インセンティブや規制、教育制度、雇用制度を整備する必要があると訴えている。

ブリニョルフソン氏は、AIの能力が経済的影響への理解をはるかに上回る速度で進歩していると指摘する。AIによる繁栄を少数の企業や資産家だけでなく、多くの人々に行き渡らせなければならないという。

技術進歩の結果は決まっていない

AIが人類を豊かにするのか、それとも失業と格差を拡大するのかは、技術そのものによって自動的に決まるわけではない。どのようなAIを開発し、企業にどのような動機を与え、利益をどのように社会へ還元するかによって結果は変わる。

現在のAI開発競争では、企業は人件費を削減できる技術に投資しやすい。しかし、人間を排除するAIばかりが普及すれば、生産性が上がっても賃金や雇用が増えず、利益だけが一部の企業に集中する可能性がある。

失業者が大量に発生してから制度を考えるのでは遅い。AIの影響がまだ完全には分からない今こそ、教育、社会保障、税制、競争政策を含む制度設計を始めるべきだというのが、この声明の核心である。

産業革命は巨大な富を生み出したが、その過程では労働者の貧困や過酷な労働環境も発生した。AI革命を同じ歴史の繰り返しにするか、それとも人間を補完する技術として幅広い繁栄につなげるか。200人を超える研究者の署名は、その選択を将来に先送りする余裕はないと警告している。

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https://agora-web.jp/archives/260714011358.html https://agora-web.jp/archives/260714011358.html Tue, 14 Jul 2026 01:29:19 +0000 Tue, 14 Jul 2026 01:29:19 +0000
新卒の給与逆転に怒る人は「自己評価が高すぎる」 economy 黒坂岳央です。 日本経済新聞が報じた「新卒の方が高給なら転職検討7割超」というニュースが話題になっている。 新卒の方が高給なら「転職検討」7割超 初任給上げ相次ぎ、逆転懸念 https://t.co/PJKA3Ewprc

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黒坂岳央です。

日本経済新聞が報じた「新卒の方が高給なら転職検討7割超」というニュースが話題になっている。

SNSでは「企業は社員を大事にしろ」「ベテランを冷遇する愚行」といった批判が並ぶ。しかし、この反応そのものが、実は日本人の給与観がいかに市場から乖離しているかを露呈している。

新卒逆転に腹を立てる気持ちはわからなくもないが、個人的には市場感覚があまりないような印象を受ける。筆者の意見としては社内評価より市場評価を優先するべき、というものだ。

Mikhail Seleznev/iStock

給与アップは新卒だけではない

帝国データバンクの調査(2026年度、有効回答1,541社)によれば、2026年4月入社の新卒に支給する初任給を引き上げる企業は67.5%にのぼる。平均引き上げ額は9,462円で前年より増加している。

この数字だけ見ると「新卒優遇が加速している」ように見えるが、実は前年(71.0%)より3.5ポイント下がっている。企業側も無制限に新卒だけを優遇しているわけではない。

それでも約7割が引き上げに動いているのは、単純な話で、新卒という「人材」の市場価格が上がったからだ。これは企業が慈悲深くなったわけではなく、採用できなければ事業が回らないから、市場価格に合わせて支払っているだけである。

同じ帝国データバンクの別調査(2026年度賃金動向、有効回答10,620社)では、ベースアップを実施する企業は58.3%で5年連続過去最高を更新している。総人件費は平均4.51%増の見込みだ。つまり多くの企業は新卒だけでなく、既存社員側の給与テーブルも同時に動かしている事がわかる。

SNSでは「新卒優遇を許すな」という意見が多く見られるが、新卒だけを上げてベテランを放置する企業はあっても主流ではないことがわかる。

それでも「逆転」に不満を持つ人がいる理由

ここで問うべきは、なぜこの状況にここまで感情的な反応が集まるのかという点だ。答えは単純である。多くの人が、自分の給与を「社内での相対評価」でしか測っていないからだ。だがハッキリ言って、「社内評価は正確」という前提が間違っていると思うのだ。

新卒逆転に怒る人の思考回路は、「自分は何年もこの会社に貢献してきた。経験もスキルも新卒より上のはず。それなのに給与で逆転されるのはおかしい」というものだろう。だが、この論理には二つの穴がある。

1つ目、どの企業も社員の貢献度を100%正確に評価する仕組みは持っていない。人事評価は上司の主観、部署間のパワーバランス、査定タイミングの運不運など、様々なノイズを含む。つまり「自分は正当に評価されているはずだ」という前提自体が、そもそも成立しない。

こういう話をすると「日本はダメ」という意見が増えるので、アメリカの事情を話すと、米国企業では強力な人事権を持つ上司のゴマすりが常態化している。これはネットのネタを鵜呑みにしたのではなく、自分がアメリカ系外資に複数社勤務してきたので肌感覚からもそう言える。「実力だけを正当に評価」という企業は基本的には「ない」と思った方がいい。

2つ目、自己評価が高すぎる。心理学で知られる「ダニング=クルーガー効果」の通り、能力の低い人間ほど自分の能力を過大評価する傾向がある。つまり「自分はもっと評価されるべきだ」と憤る人ほど、実際には自分が思っているほど市場価値は高くないケースが多い。

社内評価より市場価値で考える

これは筆者がサラリーマンのときもそうだったのだが、どこの産業でも「社内評価より市場評価」で考えるべきだと思うのだ。

日頃から自分の市場価値を外部で確認している人間は、この手のニュースにほとんど反応しない。理由は単純で、そういう人間はすでに自分の値段を知っているからだ。

仮に新卒逆転に不満を抱き、自分が市場価格より安く使われていると気づいた時点で彼らは躊躇なくすぐに転職する。逆に市場価格より高く評価されていると分かれば、新卒の給与がいくらであろうと関係なく、居座ることが合理的になる。どちらに転んでも、外部の基準を持っているから動揺しない。

SNSで騒いでいるのは自分の給与が市場でいくらの値段がつくのか知らないまま、社内の相対評価だけを拠り所にしてきた結果、外部からの数字が飛び込んできた瞬間に動揺しているからだろう。

企業も社会も自分の思い通りには動かない。自分が最も得をする方法はただ1つ。社内評価などではなく、常に市場評価を上げることだけを考えることだ。他の人がいくら稼ごうが本来自分の人生にはなんの関係もない。自分の人生に最も得をする道を選ぶには、こうしたニュースに憤ってSNSで不満を書くより、静かに転職する方が合理的なのは間違いない。

■ 2026年7月、全国の書店やAmazonで最新刊絶賛発売中! Z世代を甘やかすな」(著:黒坂岳央)

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https://agora-web.jp/archives/260712221233.html https://agora-web.jp/archives/260712221233.html Mon, 13 Jul 2026 22:00:33 +0000 Mon, 13 Jul 2026 22:00:33 +0000
ドイツでAfD党大会が成功裡に閉幕:「民主主義」を掲げる大会妨害は失敗 column 1万人の機動隊が出動したのだ! AfD(ドイツのための選択肢)の年次党大会をアンティファの攻撃から守るために。 アンティファとは、アンティ・ファシスト(反ファシスト)の略で、極左や無政府主義者の集まりである。日本人の想像

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Konoplytska/iStock

1万人の機動隊が出動したのだ! AfD(ドイツのための選択肢)の年次党大会をアンティファの攻撃から守るために。

アンティファとは、アンティ・ファシスト(反ファシスト)の略で、極左や無政府主義者の集まりである。日本人の想像を優に超えるほど暴力的なグループだ。彼らが敵視しているのは、警察、資本家、および左派ではないすべての政治家やジャーナリスト、あるいは普通の市民生活を送っている人たちである。

そして、それら「ファシスト」たちを撲滅するためには、暴力も器物損壊もいとわない。送電線や鉄道といった社会インフラに対する無差別テロもためらわず、それどころか、敵と定めた人間に重傷を負わせることさえ正当化できる人たちだ。

一つの系統立った組織ではないが、ヨーロッパ各地の多くのグループが密な連携を取りながら、機会があるごとに抗議デモと称して集結し、例えばG7サミットなどで、黒い覆面姿で内戦のような光景を繰り広げては、市民生活だけでなく、商業活動にも甚大な被害をもたらす。そして、さらに日本人には信じられないことだが、ヨーロッパではそういうことが、ことあるごとに繰り返される。

ちなみに、ドイツでアンティファの犯罪が最高潮に達したのが、2017年にハンブルクで開かれたG20サミットの時だった。ヨーロッパ各地から集結した彼らが、ハンブルク中心部のシャンツェン地区を襲撃。あちこちに火を付けたり、ロケット花火で警官を攻撃したりしただけでなく、一部のグループが要所の家屋の屋上に立てこもった。上から火炎瓶や石で狙い撃ちされた警官は何もできなくなり、重装備の特殊部隊が投入されて、ようやく反撃に転じた。

多くの人が疑問に思っているのは、なぜこのような「抗議デモ」に許可を出すのかということだ。しかも、拘束された乱闘者らは、毎回、翌日にはほとんどが釈放されてしまう。

実は、その答えは簡単だ。社民党、緑の党、左派党といった左派の政治家が、このアンティファに少なからぬシンパシーを持っているからだ。ハンブルクの暴動の後ですら、社民党の政治家は、「警官が挑発したから事態がエスカレートした」とアンティファをかばった。現在のドイツは、警察を毛嫌いしているこういう人たちに治められている。

今回はそのアンティファが、7月4日、5日にエアフルトで開催される予定だったAfD(ドイツのための選択肢)の党大会を、何が何でも妨害するとして、全面攻撃を宣言していた。ドイツのアンティファの第1の敵は、目下のところAfDなのだ。

ただし、公式に認められている政党が定期的に党大会を開催することは、ドイツの政党法と党則に基づく重要な義務である。AfDの今回の党大会では、党幹部や地方議員のほか、投票権を持つ代議員600人、さらに招待客、運営スタッフ、報道陣なども含め、参加者は1000人を超えると予想されていた。

それに対し、労働組合や市民団体、左派NGOなどが連携し、数万人規模の抗議デモを計画した。平和裏に抗議デモを行うことは、言論や集会の自由として認められている。

ただ、彼らの主張はいつものごとく、AfDはナチであり、その台頭を認めればドイツは独裁政治になるというものだ。AfDの政策に反民主主義的な点など見つからないこともあり、今や、AfDとナチとの共通項を探し出すことに重点が置かれている。

ちなみに、7月4日は、100年前の1926年に、ヒトラー率いるナチ党が近隣のワイマールで党大会を開いた日だという。そのため、「これは偶然ではない!」という警告が、SNSで堂々と広められていた。ただ、会場となったメッセの代表が、「AfDから提案された7月の日程の中で、われわれが対応できたのが4日、5日だっただけ」という声明を出し、抗議グループの主張があっけなく覆されるという一幕もあった。

しかし、一方のアンティファはというと、平和的な抗議デモではなく、堂々と党大会の阻止を掲げており、会場への主要道路およびアウトバーンの完全封鎖を宣言していた。もちろん、明らかな違憲行為である。

デモ参加者は約3万人で、そのうち暴力行為に及ぶ可能性の高い人たちが2500人と予想されていた。ここには、ドイツだけでなく、フランス、イギリス、スイスなどから「招待」された「暴力要員」が含まれていた。

さて、エアフルトでは、事前の捜索により、投石用の石の隠し場所が5カ所も発見されたといわれ、警戒度は高まった。テューリンゲン州(エアフルトは同州の州都)の警察は他州にも応援部隊の派遣を依頼し、こうして党大会の前日、エアフルトには放水車まで配備され、州始まって以来の厳戒態勢となっていた。警察の威信にかけても、エアフルトを暴徒の手に渡すわけにはいかなかったのだ。

さて、当日の4日。皆の予想に反して、午前10時、メッセでは予定通り、AfDの党大会がつつがなく開催された。なぜか。

警察とAfDは密に連絡を取り合っていたらしく、党大会の参加者は早朝4時前に、各ホテルから郊外の集合場所に移動した。宿泊先についても、アンティファに特定されないよう、警察の依頼で予約とキャンセルを何度か繰り返したという。

そして、夜も明けやらぬうちに集合場所に到着した党員たちは、そこに用意されていた数台のバスに分乗し、隊列を組んでメッセ会場に向かった。バスの前後にはそれぞれ10台のパトカーが付き、党員たちを万が一のアンティファの襲撃から守ったという。

ある議員のインタビューによれば、「警察の対応は完璧だった」。ただ、会場に近づくにつれて、あまりの厳戒態勢に衝撃を受けたという。「ドイツにこれほどたくさんの警察車両があるとは思わなかった!」と。

当然のことながら、その朝、アンティファは自分たちが寝過ごしてしまったことに気付いたが、すでに遅かった。しかも、自分たちが封鎖するはずだった場所には警察が厳戒態勢を敷いており、手も足も出なかった。

そこで、皆で「ファシストは出ていけ、ナチは出ていけ」とシュプレヒコールを叫びながら練り歩いてはみたものの、暴力要員にとっては物足りなかったのだろう。そこで狙い撃ちにされたのが、警察に守られていない報道陣だった。

その様子を撮影していた『アポロニュース』や『ユンゲ・フライハイト』といった右派メディアのカメラマンなどが、追いかけ回され、引きずり倒されたうえ、頭を蹴られるなどして重軽傷を負った。警官も13人が負傷したという。しかし、公共メディアはそれらにはほとんど触れず、反AfDデモが大々的に盛り上がり、概ね平和に終わったことを強調した。

その平和的な抗議デモはというと、ここには緑の党、社民党、左派党の現職政治家が多く参加していた。最も著名な参加者としては、現在、連邦議会の副議長を務めるゲーリング=エッカート氏(緑の党)がいた。同氏は、この抗議活動を「民主主義の大祭典」と呼んだ。

しかし、AfDは同州でも、いや、ドイツ全体でも、すでに支持率は第1位で、広く国民の支持を受けている。そのAfDを「民主主義を壊す政党」だと決め付け、排除しようとするのが本当に民主主義なのか。単なる野党潰しにすぎないデモに、国会議員までがアンティファと共に参加してよいのか? アンティファとAfDと、いったいどちらが反民主主義的なのか?

民主主義とは野党の排除ではなく、野党があってこそ初めて成り立つものだ。そして、その野党が民意を得たなら、民主主義である以上、与党はその席を譲らなければならない。

いずれにせよ、AfD党大会は無事に2日間の日程を終えた。いつものことだが、2日目にはアンティファはあまり暴れない。なぜなら、暴力要員には貸し切りバスや電車のチケットは配布されるが、宿泊費は支給されないので、たいてい2日目にはいなくなるのが常なのだそうだ。

しかも今回は、最大の目的だった道路封鎖も不発に終わり、その他の場所もあまりの厳戒態勢だったため、皆、さっさと帰ってしまったらしい。誰が彼らに資金を提供しているかは謎だ。

5日の夜には、ジャーナリストを襲撃した事件について尋ねられたアンティファの代表が、「ファシストは、記者証を持っていてもファシストだ」と公言し、左派の政治家からも非難を浴びるという一幕もあった。これまではこういう態度がまかり通っていたことにあぐらをかいていたのだろうが、ドイツの風向きは少しずつ変わっている。

左傾の公共放送である第2放送なども同様で、アンティファの暴走や右派の犠牲者のことは、いつも通りほぼ無視しようとしたが、今回は、この態度を責める声も高くなってきた。極右が加害者の場合は、「100倍も大げさに報道するではないか!」と、そのダブルスタンダードが非難されている。現在、報道にも世論にも少しずつ中立性が戻ってきたように感じられるが、これはひとえにAfDのおかげだといえるだろう。

なお、襲われたジャーナリストのグループは、最後まで撮影をやめておらず、警察は、その映像の分析も含め、重大な傷害事件および強盗事件として捜査を進めている。記者の携帯電話も盗まれたという。

いずれにせよ、いくらアンティファがAfDをたたいてくれる便利な存在だとしても、左派の政治家にしてみれば、これまでのように「これが民主主義の防衛だ」などとは言っていられなくなることは確実だ。民主主義とプロパガンダをごちゃ混ぜにしてはいけない。

この党大会前夜の緊迫した状態のことは、下記で書いているので、興味のおありの方は、こちらもどうぞ。

ドイツはまた道を誤るのか? AfD党大会妨害の背景にある左派の暴力性、メディアの印象操作、政治家の不見識を憂う|川口マーン惠美(ドイツ流、日本流)
7月4日と5日にチューリンゲン州の州都エアフルトで、AfD(ドイツのための選択肢)の全国党大会が開催される。参加予定者数は1200人。ところが、労働組合や市民団体、左派NGOなどが連携し、それを阻止するための数万人規模の抗議デモを予定してい...
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https://agora-web.jp/archives/260713003630.html https://agora-web.jp/archives/260713003630.html Mon, 13 Jul 2026 21:50:02 +0000 Mon, 13 Jul 2026 21:50:02 +0000
天孫降臨神話の聖地配列から解く皇統の秘密 technology 大王家は、3世紀から6世紀にわたる日本統一のプロセスにおいて、巨大な盛土構造物である前方後円墳を権威と祭祀の象徴として築造し、その文化を共有することで平和裏に地方豪族を大王家のネットワークに組み入れたと考えられます。国造

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https://agora-web.jp/feed-for-gunosy https://agora-web.jp/feed-for-gunosy Sun, 15 May 2016 09:09:45 +0000 Sun, 15 May 2016 09:09:45 +0000
サムスンに入るか、チキン屋か? 韓ドラ『財閥家の末息子』に映る階層社会の現実 technology 私は普段、韓国ドラマをほとんど見ない。それでも『財閥家の末息子』だけは一気に見た。最初に断っておきたいのは、ひとつだけ注意がある、ということだ。第1話で切ってはいけない。第2話まで耐えてほしい。 ※ BS10では全25回

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私は普段、韓国ドラマをほとんど見ない。それでも『財閥家の末息子』だけは一気に見た。最初に断っておきたいのは、ひとつだけ注意がある、ということだ。第1話で切ってはいけない。第2話まで耐えてほしい。

※ BS10では全25回に分割再構成されているため3~4話目までは耐えて欲しい。

第1話は、いわゆる韓ドラ的な演出、財閥企業の理不尽、ブラック企業描写が前面に出る。「またこの感じか」と思って閉じたくなる人もいるだろう。だが第2話以降、作品の重心は明確に変わる。これは復讐劇でも、ラブストーリーでも、転生チートものでもない。韓国型資本主義そのものを描いた、極めて硬派な国家経済史ドラマである。

財閥家の末息子~Reborn Rich~ - BS10

※ 7月13日よりBS10で無料初放送。毎週月曜日から金曜日の夕方5:00から6:00にかけての全25回放送

主人公は「負け組」ではなく、入口を奪われた有能な若者である

ここが本作を読み解く核心だ。

主人公ユン・ヒョヌは、財閥スニャングループの「未来資産管理チーム長」。要は、オーナー一族の汚れ仕事を引き受け、裏金を運び、リスクを処理する忠実な使い走りだ。最後はその忠誠ゆえに口封じされ、殺される。彼は無能だから殺されたのではない。むしろ有能だから、知りすぎたから、消された。

そして、ここが重要なのだが、彼は本来、ソウル大学にも余裕で進学できたであろう頭脳を持っていた。にもかかわらず、家庭の困窮によって進学を断念し、財閥の下僕として生きる道を選んだ。

韓国社会の冷酷さは、努力しなかった者が落ちることにあるのではない。能力があっても、家庭、景気、親の失職、金融危機によって、人生の入口そのものを奪われることにある。

同じ頭脳を持っていても、庶民の家に生まれれば進学を諦めて財閥の作男になり、財閥の家に生まれれば資本と血統と情報を武器に世界を動かす側へ回る。本作のもう一人の主人公チン・ドジュンは、転生後、財閥の創始者である祖父の寵愛を受けることになる。

この残酷な対比こそ、本作が単なる転生ものではなく、階層社会の寓話になっている理由である。

「サムスンに入るか、チキン屋か」

韓国社会には半ば自虐的に、「サムスンに入るか、チキン屋か」という言い方がある。もちろん現実はもっと複雑だが、この言葉には韓国社会の競争構造が凝縮されている。

巨大財閥に入ることは単なる就職ではない。高収入、住宅、結婚市場での価値、社会的信用、親世代への成功証明までを含めた「人生資格」に近い。だからこそ韓国の若者は、幼少期から学歴・語学・スペック・就職競争にさらされ続ける。そして競争から落ちた者は、不安定労働や自営業——いわゆる「チキン屋」——へ向かう。

主人公ユン・ヒョヌは、能力がないから排除されたのではない。財閥に入るための正規ルート、つまり教育と階層の入口を奪われたのである。だから彼は内側に入ることはできても、決して「家族」の側には入れない。

財閥は悪役ではない。国家の代替装置である

財閥を単純に「悪」として描けば物語は浅くなる。だが本作はそうしない。

韓国において財閥は、搾取装置であると同時に、国家の代替装置でもある。雇用、輸出、研究開発、国際競争力、国家ブランド、政治資金、技術投資——これらをまとめて担ってきた。韓国社会は財閥を批判しながら、財閥なしでは成り立たない。この矛盾が韓国資本主義の本質である。

劇中のスニャングループは、特定企業一社のモデルというより、サムスン・現代・LG・SKなど韓国財閥全体を合成した存在に近い。創業者会長チン・ヤンチョルにはサムスン創業者を思わせる要素が濃いが、自動車買収、政治献金、検察、相続、IMF危機、企業買収など、複数の財閥史が織り込まれている。

つまり本作は「ある財閥の物語」ではなく、韓国財閥システムそのものの物語である。

日曜劇場との違い——熱さではなく冷酷さ

日本の日曜劇場的ドラマは、基本的に熱い。仲間、正義、現場、努力、組織改革、最後は人間性が勝つ——という構造を持つことが多い。

『下町ロケット』
TBS「『下町ロケット』」の番組情報ページです。

しかし『財閥家の末息子』は違う。これは、人間が組織を変える物語ではなく、組織と資本が人間を飲み込む物語である。

作中では、家族すら温かい共同体ではない。家族とは、株式、相続、後継、婚姻、忠誠、裏切りを配分する「制度」として描かれる。愛情はある。しかし、その愛情さえも支配構造の中に置かれる。長男の妻は跡取りを産むためのカードであり、長孫は「長子相続」というルールのために存在し、末孫は祖父の寵愛という不確定要素として家族秩序を撹乱する。

日本ドラマでは、家族や仲間は最後の避難所になりやすい。だが本作では、家族こそが最も冷酷な市場である。

未来知識チートではない。制度知識チートである

形式上、本作は転生ものだ。しかし、いわゆる「俺TUEEE」ではない。

未来を知っているだけでは勝てない。本当に必要なのは、株式支配、相続構造、持株比率、会社法、検察、政治、メディア、財閥序列、世論——これらがどう作動するかを読む力である。

主人公の武器は単なる未来知識ではない。制度がどう作動するかを知っていることである。

過去に戻ることよりも、「どの制度を、どのタイミングで、誰に対して使うか」が重要になる。その意味でこれは、転生ものの皮をかぶった財閥国家シミュレーターなのだ。

世界史と接続する「実感」

この作品が単なる転生ものに留まらないのは、物語が世界史的な転換点と接続しているからでもある。

1987年の民主化、ソウル五輪、東アジアの政治変動、1997年のアジア通貨危機、IMF管理下での財閥再編、ITバブル、グローバル資本市場の変動。これらは単なる背景設定ではない。40代以上の視聴者にとっては、ニュースとして見ていた出来事、社会の空気として覚えている時代が、そのままドラマの中で再構成されている。

若い視聴者には経済史ドラマとして見えるかもしれない。しかし40代以上には少し違う。「あの時、確かに世界はこう動いていた」という実感とともに観ることができる。

この歴史感覚があるからこそ、本作の転生設定は軽くならない。むしろ、資本主義の冷酷さと時代の不可逆性を強調する装置として機能している。

恋愛要素の処理が上手い

本作には恋愛要素もある。しかし、それが物語を支配しない。

多くのドラマでは、途中から恋愛が主軸化し、本来のテーマがぼやけることがある。だが本作では最後まで、権力・相続・資本・家族・支配が主旋律であり続ける。恋愛相手は主人公の人間性を示す装置であると同時に、階級・法曹界・財閥との距離を示す社会的座標軸でもある。

つまり恋愛ですら、資本主義の外側にはない。甘さに逃げない。最後まで冷たい。ここが非常に上手い。

「冷酷なのに面白い」理由

本作は暗い。しかし、暗いだけではない。娯楽として非常に強い。なぜか。

それは、権力構造が見える快感があるからだ。普段は見えないものが見える。誰が会社を動かしているのか。なぜ役員人事が決まるのか。なぜ血縁が資本より強い瞬間があるのか。なぜ所有していない人間が支配できるのか。なぜ検察や政治が企業に絡むのか。なぜメディアが権力闘争の道具になるのか。

これらがドラマ形式で可視化される。日本の企業ドラマにある勧善懲悪の快感とは違う。本作にあるのは、構造を読む知的快感である。だから、普段韓ドラを見ない人間でも引き込まれる。

日本は本当に韓国よりマイルドなのか

最後に、目線を日本に戻したい。

韓国は露骨である。財閥、学歴、格差、相続、世襲、勝者総取りがかなり可視化されている。では日本は違うのか。

日本にも、大企業正社員と非正規の断絶、学歴フィルター、東京一極集中、世襲政治、天下り、下請け構造、医療法人・学校法人・宗教法人の不透明性、閉鎖的専門職、新卒一括採用による入口管理は存在する。

ただし日本では、それらが「組織」「空気」「慣例」「公益」「共同体」の名のもとに包まれてきた。韓国は資本主義の欲望が露骨に見える。日本はそれを曖昧に覆い隠す。違いは優しさではない。見え方の違いかもしれない。

結論——これは韓ドラではなく、資本主義の寓話である

『財閥家の末息子』が面白いのは、韓ドラだからではない。転生ものだからでもない。財閥一族のドロドロがあるからでもない。

この作品が面白いのは、現代資本主義の本音を、娯楽作品として露骨に描いているからである。

努力では越えられない階層。家族を通じて再生産される支配。国家と企業の曖昧な境界。歴史的危機によって人生の入口を奪われる個人。そして、制度を知る者だけが盤面を動かせる世界。

だから本作は冷酷である。しかし、その冷酷さこそがリアルなのだ。

第1話で切るな。第2話まで耐えれば、そこには資本主義の寓話が待っている。

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https://agora-web.jp/archives/260713032359.html https://agora-web.jp/archives/260713032359.html Mon, 13 Jul 2026 21:40:59 +0000 Mon, 13 Jul 2026 21:40:59 +0000
鎌倉の穴場・妙本寺で楽しむラストアジサイ column 7月4日 久し振りに鎌倉に来ました。東京で用事があるのですが、その用事は夕方からなので、午前中ちょっと立ち寄ったのです。 時間が限られているので、駅からそんなに遠くに行くことができません。 どこかいいところないかな、と思

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7月4日 久し振りに鎌倉に来ました。東京で用事があるのですが、その用事は夕方からなので、午前中ちょっと立ち寄ったのです。

時間が限られているので、駅からそんなに遠くに行くことができません。

どこかいいところないかな、と思案し、鎌倉駅から徒歩約8分の妙本寺にやってきました。鎌倉は数えきれないくらい来ているのですが、はじめての訪問です。

総門を潜ったところに八角堂がありました。お寺なのかと思ったら、実は比企谷(ひきがやつ)幼稚園でした。なんと昭和12年の建築で、モデルになっているのは鎌倉ではなく奈良・法隆寺の夢殿です。

しばらく歩くと方丈への入り口があり、入口の先には紫陽花が咲いています。

妙本寺は紫陽花が美しいことで知られているお寺。ただ、鎌倉には明月院や長谷寺など他に紫陽花の有名なお寺があります。それらのお寺の影に隠れて、駅に近いにもかかわらずここは訪れる人が少なめ。穴場スポットなのです。また、時期も少し遅めに咲くのが特徴なので、明月院などの紫陽花を見逃した方はこちらがお勧めです。

階段の両側で紫陽花が出迎えてくれます。

土の酸性度から、こちらでは紫陽花が目立ちます。

今年は久しぶりに梅雨らしい梅雨になったと思います。ここのところ5月くらいから猛暑日になるなど真夏の勢いで日差しが照り付ける年が多かったんですが、今年は7月上旬でもまだ過ごしやすい。できるだけこういう日が続けばいいなと思っていたんですが、このブログを書いている7月11日は日中はもううだるような暑さです。はぁ…。

紫陽花に見守られながら祖師堂まで来ました。妙本寺は日蓮宗の寺院であり、祖師堂で日蓮聖人を祀ります。この周辺は、かつて鎌倉幕府で将軍に近かった比企一族が住んでいる場所でした。比企尼は2代目将軍、頼家の乳母を務めています。

ところが比企一族は1203年、比企の変を起こしたことを機に北条時政らに攻められ滅亡させられてしまいます。わずかに生き残った一族によって比企一族の菩提寺として建てられたのが、この妙本寺です。寺の隅には比企一族が眠る墓が置かれています。

祖師堂にお参りしたあとは、坂を下っていきます。入り口方向に向かっていくのですが、行きは階段、帰りは坂道と違ったルートを楽しむことができます。

写真にはありませんが、寺内では複数のカップルが結婚の記念写真の撮影をしていました。紫陽花が美しく、深緑で作られる影がしっとりとしたいい雰囲気を醸し出してくれるのが魅力的なのでしょう。

鎌倉・比企谷で静かに紫陽花を楽しめる妙本寺。今年はもうその季節は終わってしまいましたが、また来年、鎌倉のあじさいを楽しむ機会があった際にはぜひ訪ねてみてもらいたいと思います。

編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2026年7月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。

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https://agora-web.jp/archives/260711101925.html https://agora-web.jp/archives/260711101925.html Mon, 13 Jul 2026 21:35:24 +0000 Mon, 13 Jul 2026 21:35:24 +0000
トランプ、ホルムズ海峡の「管理権」主張:イランと軍事的対立が再燃 column トランプ大統領が、世界の原油輸送の約2割が通過するホルムズ海峡を巡り、イランとの対立を一段と激化させている。イランが海峡の航行再開を求める米国の要求を拒否し、再び海峡を封鎖したことを受け、米軍はイランの防空施設や監視拠点

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トランプ大統領が、世界の原油輸送の約2割が通過するホルムズ海峡を巡り、イランとの対立を一段と激化させている。イランが海峡の航行再開を求める米国の要求を拒否し、再び海峡を封鎖したことを受け、米軍はイランの防空施設や監視拠点、ドローン関連施設への追加攻撃を実施した。

これに対しトランプ氏は、「ホルムズ海峡は米国の保護の下で開放されている」と宣言し、海峡を通過するすべての貨物に20%の通行料を課す方針を表明した。さらに、自らを「ホルムズ海峡の守護者(The Guardian of the Hormuz Strait)」と位置付け、海峡管理への強い関与を打ち出している。

トランプ大統領 ホワイトハウスHPより

イランは「管理権への介入」を拒否

イラン軍は、ホルムズ海峡の管理に米国が介入することは「いかなる状況でも認めない」と反発した。今回の対立の背景には、6月に締結された米・イラン間の覚書をめぐる解釈の違いがある。

覚書第5項では、イランがホルムズ海峡の航行を回復し、安全な通航を確保することが盛り込まれていた。しかし米国側は、これはイランが海峡を開放し、商船への攻撃を停止する義務を意味すると解釈している。一方、イラン国内の強硬派は、将来的な海峡管理権を自国が握ることを認めた内容だと主張しており、双方の認識は大きく食い違っている。

オマーンを巻き込む地域対立

ホルムズ海峡南側を管轄するオマーンは、領海内に安全な航路を設定することで妥協案を提示した。しかしイランはこれを拒否し、革命防衛隊は商船への攻撃を再開した。

さらに、イランはオマーンの港湾都市ドゥクムやムサンダムの海軍基地を攻撃したほか、クウェート、バーレーン、カタールなど米国の地域パートナーにも攻撃を拡大している。これに対し米軍は、イランの巡航ミサイルや自爆型ドローンを迎撃するとともに、軍事拠点への攻撃を継続している。

原油市場にも深刻な影響

軍事的緊張は海上輸送にも直結している。船舶データ会社Kplerによれば、週末のホルムズ海峡通航船舶数は前週比で半減し、わずか19隻まで落ち込んだ。多くの船舶はイランが認める航路や非公式ルートへ迂回し、米国が支援するオマーン側の航路はほぼ利用されなくなった。

ホルムズ海峡は世界の原油輸送の約20%を担う戦略的要衝であり、輸送停滞が長期化すれば、エネルギー価格や世界経済への影響は避けられない。

トランプ外交は再び「力による平和」へ

今回の事態は、トランプ政権が掲げた対イラン外交の限界も浮き彫りにしている。当初、覚書は外交交渉によってホルムズ海峡を再開し、市場の安定を図ることを目的としていた。しかし、その曖昧な文言は双方に異なる解釈を許し、現在では軍事的な応酬へと発展している。

米政府内では核合意成立への期待も急速にしぼみつつあり、イランが商船への攻撃を止めなければ「重大な結果」を招くと警告している。一方で、ホルムズ海峡を軍事的に完全掌握するには大規模な地上侵攻や危険な海軍作戦が必要とされ、トランプ氏も現時点ではその選択肢には踏み込んでいない。

日本への影響

ホルムズ海峡をめぐる対立は、中東情勢だけでなく、日本にとっても極めて重要な問題である。日本は原油輸入の大半を中東に依存しており、海峡の安全はエネルギー安全保障そのものと言える。今回、トランプ政権は単なる「航行の自由」の確保を超え、海峡管理そのものに踏み込む姿勢を示した。これは従来の海洋安全保障の枠組みを大きく変える可能性があり、日本も米国への依存だけでなく、シーレーン防衛やエネルギー調達の多角化を含めた中長期的な安全保障戦略の再検討を迫られることになりそうだ。

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https://agora-web.jp/archives/260713210618.html https://agora-web.jp/archives/260713210618.html Mon, 13 Jul 2026 21:35:18 +0000 Mon, 13 Jul 2026 21:35:18 +0000
全東信が破産!被害飲食店経営者が今すぐ確認すべきこと economy 全東信が破産で飲食店は大混乱に 2026年7月6日、クレジットカード決済代行会社「株式会社全東信」(大阪市)が自己破産を申請し、破産手続きが開始されました。 負債総額は約1,259億円と、2026年最大規模の倒産です。

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sevendeman/iStock

全東信が破産で飲食店は大混乱に

2026年7月6日、クレジットカード決済代行会社「株式会社全東信」(大阪市)が自己破産を申請し、破産手続きが開始されました。

負債総額は約1,259億円と、2026年最大規模の倒産です。

全東信は、カード会社の審査が通りにくい個人経営の飲食店などを中心に、クレジットカード売上を通常よりも早く立替払いするサービスを手がけていました。

そのため、今後、他の決済代行会社の受け入れ先が見つからず、依頼をしていた飲食店の中には、現金決済のみになる懸念もあるとのことです。

全国で約20万店が加盟しており、少なくとも53億円・2万件の売上代金が入金されないまま焦げ付く見込みとなっています。

突然の破産で「どう対応したらいいかわからない」という経営者も多いはずです。

そこで、今回は特に「倒産防止共済(経営セーフティ共済)」と「日本政策金融公庫」の活用について整理します。

まずは結論を

影響を受けた飲食店が使える主な支援策は次の2つ。

日本政策金融公庫のセーフティネット貸付:経産省が全国378カ所に特別相談窓口を設置。緊急の資金繰り支援として低利融資適用の余地あり(無利息融資には該当せず) 倒産防止共済(経営セーフティ共済):倒産防止共済の「共済金の貸付(取引先倒産型・最大10倍・無利子)」は、適用不可。しかし、加入している場合、解約手当金の範囲内で30万円以上の一時貸付(年利0.9%)は適用可能

倒産防止共済(経営セーフティ共済)は使えるのか?

倒産防止共済(正式名称:中小企業倒産防止共済制度)は、取引先企業が倒産して売掛金等の回収が困難になった場合に、積み立てた掛金の最大10倍(上限8,000万円)を無利子・無担保で借りられる制度です。

しかし、今回の全東信破産に対して、この「共済金の貸付」は使えません。

中小機構の制度しおりには、対象となる被害額について次のように明記されています。

「回収が困難となった売掛金債権等の額(被害額)は、共済契約者と倒産した取引先事業者との取引によって生じた売掛金債権、前渡金返還請求権の合計額のうち、回収が困難なものの額をいいます。したがって、商品または役務の取引に該当しない貸付金債権などは、被害額には含まれません。」

飲食店と全東信の関係を整理すると、全東信は「カード売上の立替払いサービスを提供してくれていた業者」です。

飲食店が全東信に商品や役務を提供したわけではなく、あくまで決済代行という金融的なサービスの提供者です。

全東信が飲食店に払うべきお金は、「商品・役務の取引から生じた売掛金」ではなく、「立替払いの未払い」という性格のものです。

したがって、制度が求める「取引先への売掛金債権等」には該当せず、共済金の貸付(最大10倍・無利子)の対象外となります。

ただし、もう一つの使い道があります。「一時貸付金」です。

一時貸付金は、取引先倒産の有無にかかわらず、加入者が事業上の資金を急遽必要とする場合に、解約手当金の範囲内で借りられるものです。30万円以上・5万円単位、年利0.9%で利用できます(令和8年7月現在)。

無利子ではないものの、手続きが比較的シンプルで資金調達のスピードが速い点が特長です。

倒産防止共済に加入している飲食店であれば、この「一時貸付金」が活用できます。

共済の貸付と比べれば金額も小さく、無利息ではありませんが、窮余の策としては、一考の価値はあるでしょう。

なお、わざわざ、解約手付金の範囲内で一時貸付を利用するのであれば、倒産防止共済を解約してしまうという手もあります。

ただ、その解約返戻金は、全額が法人税法上の益金となるため、課税対象となります。

ですが、今回の破綻を受けて、クレジットカードの利用などの制約により、赤字転落もあり得るというのであれば、解約のタイミングとしては悪くないかもしれません。

日本政策金融公庫をはじめとして資金繰り支援策も

経済産業省は2026年7月、全東信の破産を受け、全国378カ所の政府系金融機関等に特別相談窓口を設置しました。

日本政策金融公庫の「セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)」は、取引先の倒産等により一時的に資金繰りが悪化した中小企業を対象とする融資制度で、今回の影響を受けた飲食店も対象となっています。

全東信の破産手続開始により影響を受ける中小企業・小規模事業者への支援を実施します|経済産業省

セーフティネット貸付の概要は次の通りです。

融資限度額:7,200万円 返済期間:運転資金は最長10年 金利:基準金利2.65%(ただし、実際の適用利率は担保の有無や信用リスク等により異なる)

なお、日本経済新聞が「無利息融資の対象である」との報道がされましたが、日本政策金融公庫から直接「そのような事実はない」と否定されています。

それでも、国としては、赤沢亮正経済産業相が、10日の閣議後会見で「少しでも不安がないようにするため万全を期していく」と述べていることから、日本政策金融公庫や地域金融機関を通じた資金繰り支援に応じてくれる余地はあるでしょう。

個別の金融機関の対応としても、例えば、京都信用金庫は10日、自社の既存顧客を対象とはいえ、資金繰りや借入金の返済について全店舗で相談を受けつけ始め、用途を運転資金に限り、1億円を上限とする融資制度も始めたとの報道もされています。

国からの要請もあり、今後、独自に地域金融機関が、被害にあった飲食店等に対して、柔軟な融資に応じてくれるケースも増えるのではないでしょうか。

不安を抱えるくらいなら、まずは現状を把握しよう

以下の点について、早急に検討をしてみます。

未入金額の把握:全東信経由でいくらが入金されていないかを確認する 決済端末の停止と代替手配:全東信以外の決済代行サービスが利用できないのかを検討する 資金繰りの把握:全東信からの入金がない場合、及び当面クレカ決済などが利用できない場合の資金繰りを予想する 倒産防止共済の確認:上記の予測により、資金ショートの懸念があれば、中小機構「一時貸付金」の申請を行う 日本政策金融公庫へ相談:上記の一時貸付では、資金ショートが解消できないのであれば、最寄りの支店に相談をする 税務対応:回収不能となった売上金について、破産申立の段階で、50%の個別評価による貸倒引当金の引当を検討する

不安を抱えているだけでは何も解決はしません。全東信の破綻により影響があるのであれば、まずは現状を把握し、採るべき方策を明確にしていきましょう。

編集部より:この記事は、税理士の吉澤大氏のブログ「あなたのファイナンス用心棒」(2026年7月13日エントリー)より転載させていただきました

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https://agora-web.jp/archives/260713060200.html https://agora-web.jp/archives/260713060200.html Mon, 13 Jul 2026 21:30:00 +0000 Mon, 13 Jul 2026 21:30:00 +0000
公道をふさぐ関電工!違反で罰金を払うのは住民という不可解 society 家の前の一方通行を、また工事車両がふさいだ。交通誘導の警備員は、走ってきた車を次々とUターンさせている。一方通行でUターンすれば、その先は逆走だ。つまり警備員は、住民に交通違反をさせていた。 関電工の高所作業車である。電

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AndreiDavid/iStock

家の前の一方通行を、また工事車両がふさいだ。交通誘導の警備員は、走ってきた車を次々とUターンさせている。一方通行でUターンすれば、その先は逆走だ。つまり警備員は、住民に交通違反をさせていた。

筆者提供

関電工の高所作業車である。電気設備の取り替え工事——掲示には施工期間と作業時間が記されている。それなりに交通量のある道で、車両は道をふさいだまま動かない。

筆者提供

近所の用事や買い物なら、私は徒歩か自転車で済ませる。わざわざ車を出すのは、それが必要なときだけだ。車は、86歳になる父の通院搬送に使っている。足腰が弱く、送迎は欠かせない。

1回目のときから、私は事情を伝えていた。後部座席には高齢の父がいること、自分は近くに住む住民であること。それでも作業スタッフは動かなかった。「皆さんにご協力いただいている」「区役所の清掃車にも逆走して協力してもらっている」と抗弁するばかりだった。みんなやっている、だからあなたも、という理屈である。私は言われるまま一方通行を逆走し、500メートルあまり進んで大久保通りに出た。

2回目も、同じだった。後部座席の父を示し、腰が悪いこと、通院の送迎であることを、あらためて伝えた。それでも車両は動かない。通り抜けられるまで、30分かかった。

腑に落ちないまま、帰宅後に警察へ確認した。返ってきた答えは、現場の説明とまるで違った。道路を封鎖する許可は出していない。Uターンも逆走も、当然ながら交通違反である。違反すれば罰金を払うのは運転手だ。事故を起こした場合も同じ——。

ここで、制度を整理しておきたい。道路で工事や作業を行うには、道路交通法77条にもとづく道路使用許可を、所轄の警察署長から得なければならない。これは道路管理者に申請する道路占用許可とは別のものだ。そして許可申請にあたっては、経路や交通誘導員の配置、資器材の置き方までを記した図面を添える。つまり警察は、工事そのものだけでなく、交通をどうさばくかまで含めて審査している。

だが、道路使用許可は「道路を通行以外の目的で使ってよい」という許可であって、「道路を封鎖し、住民に逆走させてよい」という許可ではない。ここを混同してはならない。現に警察の指導は明快だった。

車が来たら、そのつど車両をどかして通す。それが本来の運用だという。一方通行の逆走を住民にさせることが、許可の条件に含まれているとは考えにくい。もし現場がそれを常態化させているなら、許可の趣旨を逸脱している疑いがある。

ところが関電工は、車をどかさない。

さらに見過ごせないのが、交通誘導の権限の問題である。警備員の交通誘導には、法的な強制力がない。警備業法は、警備員に特別な権限を与えていないと明記している。信号や標識と違い、警備員の「こちらへどうぞ」はあくまで任意の協力要請であって、従うかどうかの最終判断は運転者に委ねられる。警察官が行う交通整理とは、法的な重みがまるで違うのだ。

この違いが、住民に牙をむく。裏を返せば——誘導に従って逆走し、違反切符を切られても、事故を起こしても、責任を負うのは運転者本人だからだ。「警備員に言われたから」は、免罪符にならない。一方通行を逆走させる誘導は、それ自体が明らかな誤誘導である。

事故が起きれば誘導した警備会社にも過失の一端は及ぶだろうが、過去の裁判例を見る限り、過失割合はドライバー7対警備員3、あるいは9対1。どう転んでも、割を食うのは指示に従わされた住民のほうだ。

ここに、この一件の不可解さがある。工事を発注したのは大企業、施工するのも大手、道をふさいだのも彼らだ。にもかかわらず、逆走という違反の責任だけが、住民に転嫁される。

加害と負担が、きれいにねじれている。しかも相手は、後部座席に高齢の父がいることを、最初から知っていた。足腰の弱い高齢者の通院搬送だと告げられてなお、権限もない工事現場が道を譲らない。これがまかり通っていいのか。

インフラを支える工事は必要だ。現場で汗を流す人たちには敬意を払う。だからこそ、手続きと運用は正しくあってほしい。許可の範囲を守り、車が来たら車両をどかす。ただそれだけのことだ。それをせず、「みんな協力している」の一言で住民に違反を強いる運用は、どこかで一度、正されなければならない。

さて、ここからが本題である。もし、あなたが同じ立場だったら、どうするか。言われた通り逆走すれば、リスクは自分持ちだ。従わずに待てば、30分、道はふさがれたままだ。現場で責任者を呼ぶか。その場で110番するか。後日、発注者と施工者に正式に抗議するか。どれもしっくりこない。

正解が見当たらないから、こうして書いている。皆さんなら、どうするだろうか。意見を聞かせてほしい。

尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)

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https://agora-web.jp/archives/260713061736.html https://agora-web.jp/archives/260713061736.html Mon, 13 Jul 2026 21:25:35 +0000 Mon, 13 Jul 2026 21:25:35 +0000
玉城デニー知事に問責決議:ワシントン事務所が象徴する沖縄県政のずさんさ column 沖縄県議会は7月13日の本会議で、玉城デニー知事に対する問責決議を自民党、公明党両会派などの賛成多数で可決した。 県が設置していた米ワシントン事務所をめぐり、適法性や透明性に重大な疑義が生じ、「県行政全体に対する信用を失

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沖縄県議会は7月13日の本会議で、玉城デニー知事に対する問責決議を自民党、公明党両会派などの賛成多数で可決した。

県が設置していた米ワシントン事務所をめぐり、適法性や透明性に重大な疑義が生じ、「県行政全体に対する信用を失墜させた」として、玉城知事の政治的、道義的責任を問う内容だ。問責決議に法的拘束力はないが、県議会が知事の行政運営に明確な「ノー」を突きつけた意味は小さくない。

辺野古反対のための海外拠点

ワシントン事務所は翁長雄志知事時代の2015年、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する県の立場を米国で発信する目的などで設置された。

ところが2024年、県が米国で株式会社を設立し、営業実態のない事業者として登録していたことが発覚した。設立手続きや財産管理、職員の身分、税務、ビザなど、多岐にわたる問題が指摘され、事務所は2025年に閉鎖された。

政治的主張を海外で発信すること自体は、県の政策判断としてあり得る。しかし、その目的がどれほど立派でも、行政機関である以上、法令と正規の手続きを守らなければならない。

「辺野古反対」という大義名分があれば、会計や法務の手続きを軽視してよいわけではない。

「知らなかった」では済まされない

事務所の設置は前任の翁長県政で始まった。しかし、玉城知事は就任後も事務所を存続させ、県費を投じて運営してきた。

問題が長年放置されたことについて、行政運営の最終責任者である知事が「部下から報告を受けていなかった」「詳しい手続きを知らなかった」と説明しても、責任が消えるわけではない。

むしろ、知事に重要事項が報告されず、県庁内部でも問題が認識されないまま事業が続いていたとすれば、玉城県政の内部統制そのものが機能していなかったことになる。

給与1か月減額で幕引きか

玉城知事は問題を受け、検証委員会を設置して是正措置を講じ、自身の給与1か月分を45%減額する議案を提出した。

県政与党は、知事が間違いを認めて対応しているとして問責決議に反対した。一方、自民党会派は、長期間にわたる不適切な行政運営に対して「処分が軽すぎる」と反発した。中立的な立場だった公明党会派が賛成に回ったことで、問責決議が可決された。

給与を1か月減らせば責任を取ったことになるのか。問われているのは知事個人の懐具合ではなく、県庁組織のガバナンスだ。

基地問題以前の問題

玉城県政はこれまで、国に対して法令順守や説明責任を厳しく求めてきた。それだけに、自らの行政運営で手続きの不備や不透明な事業執行が続いていたことは重い。

政府の辺野古移設を批判するときは「民主主義」や「法の支配」を掲げながら、県自身の問題になると「目的は正しかった」「すでに是正した」で済ませるのでは、説得力を失う。

今回の問責決議は不信任決議ではなく、玉城知事が直ちに失職するわけではない。しかし、県議会が示したのは、ワシントン事務所だけでなく、玉城県政の行政能力そのものに対する不信だ。

辺野古移設への賛否以前に、税金を扱う行政として最低限の手続きを守れるのか。

玉城知事が説明すべきなのは、沖縄の「民意」ではなく、まず自らが率いる県庁で何が起き、なぜ長年放置されたのかという事実だろう。

玉城デニー沖縄県知事

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