アゴラ 言論プラットフォーム https://agora-web.jp 経済、ビジネス、情報通信、メディアなどをテーマに、専門家が実名で発言することで政策担当者、ジャーナリスト、一般市民との交流をはかる言論プラットフォーム ja Sun, 16 Mar 2025 02:40:39 +0000 https://agora-web.jp/img/logo-for-smartnews.png アゴラ 言論プラットフォーム https://agora-web.jp/img/logo-for-smartnews.png 自動車整備業の人手不足がさらに深刻化:大学無償化をしている場合か? economy 自動車整備業界では人手不足が深刻化し、特に中小・零細事業者の廃業が増加しています。2024年の倒産・廃業件数は446件と過去最多を記録し、整備士の数も減少傾向にあります。 自動車整備士が足りない 車検に黄信号https:

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自動車整備業界では人手不足が深刻化し、特に中小・零細事業者の廃業が増加しています。2024年の倒産・廃業件数は446件と過去最多を記録し、整備士の数も減少傾向にあります。

参照:全国で消える自動車整備 24年撤退が最高、人手不足響く 日経新聞

後継者不足やEV・自動運転技術の進化に対応できない事業者が多いことも課題です。

一方、日本の自動車保有台数は8000万台を超え、整備需要は堅調ですが、整備業の有効求人倍率は2023年度に4.99倍と高水準に達しました。特に整備学校の入学者が大幅に減少し、2003年度の1万2300人から2020年度には6300人にまで落ち込んでいます。

Shutter2U/iStock

東京都内で自動車整備工場が4年間で150工場減少していますし自動車整備学校の入校者は20年前から半減しています。

参照:日本の若者はなぜ「自動車整備士」を目指さなくなったのか「シンプルな理由」 河合雅司

自動車整備は、国家資格が必要であるにもかかわらず給与が低く、サービス残業も常態化しているため、若者から敬遠されているのが現状です。

自動車メーカーや部品メーカーには、2級整備士の資格保持者が多く在籍しています。しかし、資格を持っていても整備の仕事に就きたがらない人が多いのが現状です。不足しているのは有資格者ではなく、「良好な労働環境」と「十分な給与」です。

文部科学省は18歳人口の減少にもかかわらず大学を増やしつづけてきました。この影響で、日本の産業を現場を支える人材が払底してきています。

背景には少子化に加え、若者のクルマ離れや低賃金、過重労働のイメージが影響しています。国土交通省も啓発ポスターの作成など対策を講じていますが、抜本的な改善が求められています。

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https://agora-web.jp/archives/250315222547.html https://agora-web.jp/archives/250315222547.html Sun, 16 Mar 2025 02:40:39 +0000 Sun, 16 Mar 2025 00:40:01 +0000
石破茂氏の商品券配りに立花孝志氏の殺害未遂:絶望感が漂う政界を憂う column 悲しいニュースが飛び交うホワイトデーとなりました。 予算委員会では一国の総理が議員に10万円の商品を配ったことを追及されてしどろもどろとなり。 その一方で、街頭演説会をしていた立花孝志氏がナタをもった男に襲撃されて重症を

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悲しいニュースが飛び交うホワイトデーとなりました。

予算委員会では一国の総理が議員に10万円の商品を配ったことを追及されてしどろもどろとなり。

その一方で、街頭演説会をしていた立花孝志氏がナタをもった男に襲撃されて重症を負うという事件が発生しました。

演説妨害が当たり前のようになり、さらには物質的な危害も頻発。本当に日本における民主主義と政治活動は、一線を越えた状態が当たり前になりつつあります。

動画を見ると、悪手を求めてきながら襲撃してますから、個人の警戒で防げるレベルではないんですよね…。

もう著名人は車の上から降りないとか、握手を求められても近寄らないという物理的に距離を取る対策をするほかなく、ますます政治の世界が有権者から「遠く」なっていきます。

言論には言論でという正論も虚しく宙に飛び交う昨今、この絶望的な状況になにか打てる手はないものか。

石破首相と立花党首 両氏SNSより

私自身も街で街頭活動をする&そこそこアンチが多い身の上、十分に気をつけていきたいと思う次第です。

編集部より:この記事は、前参議院議員・音喜多駿氏のブログ2025年3月14日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。

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https://agora-web.jp/archives/250315215555.html https://agora-web.jp/archives/250315215555.html Sun, 16 Mar 2025 02:40:39 +0000 Sat, 15 Mar 2025 22:03:48 +0000
国賊を討つ!:独立国家日本の矜持を説く column 国際政治・国内政治・政治思想等々について、政治学者の立場から分析します。情報過多の中で、いかに本質を見抜き情報の価値を高められるか。 今回は、令和7年3月15日(土)開催された日本学術機構特別講演会のようすをお送りいたし

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国際政治・国内政治・政治思想等々について、政治学者の立場から分析します。情報過多の中で、いかに本質を見抜き情報の価値を高められるか。

今回は、令和7年3月15日(土)開催された日本学術機構特別講演会のようすをお送りいたします。

政治学者・岩田温氏のYouTubeチャンネル「岩田温チャンネル」。チャンネル登録をお願いします。

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https://agora-web.jp/archives/250315221133.html https://agora-web.jp/archives/250315221133.html Sun, 16 Mar 2025 02:35:17 +0000 Sat, 15 Mar 2025 22:16:11 +0000
トライアルの「かつ重299円(税込)」が西友を救う economy 西友は高くなった。 「粗利率がずいぶん低い商品を売っていることがある。部門の担当者に『何でこんな商品を売るんだ』と聞くと、『売れるからです』と。商売の目的は売ることじゃない。利益を稼ぐことだ」 「就任以来、社内で売り上げ

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https://agora-web.jp/feed-for-gunosy https://agora-web.jp/feed-for-gunosy Sun, 15 May 2016 09:09:45 +0000 Sun, 15 May 2016 09:09:45 +0000
『受けて立つリベラル』宣言=「メタ正義の時代」の日本人の使命 technology 私の新刊、「論破という病」はサブタイトルが「分断の時代の日本人の使命」なんですが⋯ 世界中が混乱してきてる中で、本当に「そういう役割」がこれから日本に求められる側面はあるなと感じてます。 で、それがどういう「役割」なのか

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monzenmachi/iStock

私の新刊、「論破という病」はサブタイトルが「分断の時代の日本人の使命」なんですが⋯

世界中が混乱してきてる中で、本当に「そういう役割」がこれから日本に求められる側面はあるなと感じてます。

で、それがどういう「役割」なのか?っていうのを、これから真剣にムーブメントとして形にしていきたい気持ちが自分にはあるんですね。

私はそういう志向性のことを「メタ正義」的方向と呼んでるんですが・・・

最終的には、本や記事や動画での発信やコラボレーションだけじゃなくて、新聞や雑誌のような旧メディアや、アカデミアの一部なんかとも共鳴して、大真面目なパネルディスカッションをやっていくような、そういう「共鳴関係」を作っていければと思っています。

そこの部分で明確な「新しいムーブメント」感を作っていくことが、色々と機能不全化してしまっている今の日本における議論を再度有効なものに立て直していくためにも必須だし、人類社会全体の中でのこれからの日本の役割を揺るぎなく打ち立てる事にも繋がると確信しているからですね。

日本社会にはこういう「能力」自体はバラバラにそれなりに存在してると思うけど、それが横に全然連携できていないので、本当に社会の各所で有志の人が孤軍奮闘してるだけになっちゃったりしている。

それを横に繋いでいくことで、「理想と現実」を双方向にシームレスに繋ぐ日本発の新しい社会運営方法にまで昇華していく必要があるというのが私の考えなんですね。

では、その「受けて立つリベラル」というのはどういうことか?という事を真剣に考えていきたいわけですが・・・

1. アメリカ型民主主義と欧州型民主主義の狭間に

例えば、上記記事で書いたような視点があります(未読の方はぜひ先に上記記事をお読みいただければと)。

終結に向かうウクライナ戦争が問いかけるもの|倉本圭造
(トップ画像はGrokによる生成) NHKが今「臨界世界」っていうドキュメンタリーシリーズをやってるんですが(過去三回分、まだNHKプラスで見れます)、その中に「ウクライナの女性兵士」っていう回が本当に衝撃的で、見ていてかなり辛いものがありました。 【こんや放送】 臨界世界 -ON THE EDGE- 女性兵士 ...

今、ウクライナ戦争が終結に向かうにつれて、「アメリカ」型の民主主義と「欧州型」の民主主義の考え方の違いがぶつかりあっているわけですね。

「アメリカ」の中にも「欧」よりの民主主義観もある・・・というのは当然ありつつも、全体としては、

「ありとあらゆる構成員の生身の個」に「絶対的な権利」があって、それを全部束ねたところに生まれるのが民意・・・という”ボトムアップ型”のアメリカ型民主主義の考え方

…というのが一方であって、

「政治的な議論」という概念レベルのものが先にあって、「それのどれを選ぶのか」という形である意味思想的には”トップダウン型”に形成されている欧州風の民主主義の考え方

…がもう一方で存在する。

その2つの考え方がぶつかりあう事で、アメリカのヴァンス副大統領の演説に含まれているような、以下のような対立が生まれるんですね。

・「どう考えても正しくない意見」だろうと「個」の側は主張する権利があるし、それがまとまって一つの意見として大きくなれば、それを無視することはするべきではない・・・というのが「米国」型の民主主義の発想。

・「どう考えても正しくない意見」に乗っ取られてしまうのは「適切な議論が混乱させられている」ということだから、そういう風潮に持っていかれないようにしないといけない・・・というのが「欧州」型の民主主義の発想。

この2つがぶつかりあっているわけですが、問題なのは、人類社会全体における「欧米」の特に「欧」の方のシェアが低下してくるにあたって、「欧州」型に「正しさ」を構想するような民主主義自体が徐々に成り立たなくなっていくんですよね。

だからある意味で人類は、

「ありとあらゆる全人類レベルの個人に”アメリカ的な個”と同じ政治的主張ができる権利を与える」

・・・というような均衡点にどんどん引きずられていかざるを得ない。

欧州に住んでるインテリも、中東にいるイスラム原理主義者も、愛国的な中国人も、アメリカのラストベルトに住む白人労働者も、そしてもちろんBLM運動にコミットしているアメリカの左派勢力も・・・

実際の政治制度としてどう扱われるかは別として、「一人一票」的に平等にそれらが扱われないとオカシイ!という叫びが本能的に渦巻いているような方向に人類は引きずられて行かざるを得ない。

それが、いわゆる「グローバルサウス」の国々が「欧米」からどんどん離反していくという時に起きている本質なのだと私は考えています。

しかし、じゃあ

「欧州風に正しさを先に決めつけることはできない」「アメリカ型にとにかく絶対化した”個”の実在ベースでボトムアップ的に成立する民意に向かい合うしかない」・・・そういう時代になっていく

…のはいいとして、とはいえトランプ政権がやってることみたいなのを追認しているだけでいいのか?という大問題があるんですよね。

つまり、

・「アメリカ型のボトムアップな民主主義のアプローチ」を本質的には採用しながら ・欧州風の理想が完全には吹き飛んでしまわないような着地を目指す

⋯という「大変むずかしいチャレンジ」をいかに実現するかが重要になってきている。

2. ①欧州風の理想を、②アメリカ型民主主義をベースに、③日本という依代を利用して再構築する

この問題を別の角度から見てみると、さっき「欧州の人類社会全体におけるシェアが低下してきているので」という話をしましたが、それは日本も同じなんですよね。

そもそも全体として、人類全体に占める「いわゆる先進国のシェア」っていうのは90年代初頭まで65%ぐらいあったのが、今は4割を切っていて、さらにどんどん落ち込んでいく見込みなので、今までみたいに「欧州人のエリートがこう言ってるからこうなんだ」では全然通らない時代になってしまっている。

結果として、「欧州型の民主主義」の構造はどんどん成り立たなくなってきているのと同じように、日本の場合も「ここは日本なんだから黙ってそれに従え」という方向性がどんどん成り立たなくなってきてますよね。

とはいえ、同じ社会を共有して生きている以上、「完全に人それぞれ」というだけでは成り立たないので、「とりあえずは共通のコレに従えよ」というアレルギー反応としてのいわゆる「右傾化」とか「排外主義」という形での「対処」がなされることになっている。

この状況下で、「”すべての個”がベースとなるアメリカ的な民主主義のダイナミズム」と「日本的な調和や伝統」と「欧州風の理想主義」を全部実現するにはどうすればいいのか?

これからの日本では、

・「アメリカ型の民主主義」を受け入れきっちゃって、「あらゆる個」ベースのボトムアップの構築性で自分たちを定義していきつつ、 ・とはいえ「日本らしさとか欧州風の理想とか」が吹き飛んでしまわないような着地を目指していくことが必要になってくる

…ということになります。

そこで必要になってくるのが、「受けて立つ」リベラル(メタ正義ムーブメント)の姿勢なのだ、ということです。

それは、「正しさ」と「リアリティ」との間の全く新しい”双方向性”に対して、社会全体で向き合っていくことを意味します。

(ちなみにそれを、それを「小さな対話」から「大きなムーブメント」に転換していくプロセスの中では、以下記事で書いたように日本が過去20年グダグダになりながら守ってきた「旧来メディアの安定性と人の絆」が「依代」としての大きな価値を持つようにもなるでしょう。)

『東京のメディア』の存在意義はまだあるか?(フジテレビ問題と”オールドメディアの良識”)|倉本圭造
来月2月7日に発売される本が、先週「校了(本作りの作業が終わって印刷所に送られる事)」まで来ました。 依頼を受けたのが2023年の10月で、書き始めたのは2024年の初頭だったと思うので、丸一年ぐらいかけて作った本ということになります。 でもなんかこの、「一年かけて本一冊書き上げる」みたいな試み自体が、ちょっと時代...

3. 「正しさとリアリティの双方向性」

一番わかりやすい例だと思うのが、そもそもアメリカの分断も欧州の分断も「外国人との共生」問題というのがかなり重要な課題になってるわけですが、そういう課題においていわゆる「排外主義」的なムーブメントが起きてきたときに、どういう対処をすればいいのか?という話。

単純に言えば、「例えば移民問題に対処を求める国民の声」自体には、上から目線でお説教してないで真摯に耳を傾けつつ、それを「理想主義が崩壊しない着地」に持っていくような「受けて立つ」姿勢が必要なのだ、という方向性を揺るぎなく共有していくことが必要なんですよ。

より具体的に言えば、

「今の携帯電話会社が、SNSで”繋がりにくい”という声が出たところに即応してアンテナを整備する」

…ような形で、

「外国人との共生問題とそこからくる排外主義的主張」が出てきたら、それに対して「お説教」するのではなく、

「どうやってニューカマーにゴミ出しのルールを守ってもらうかというレベルの具体的な算段」を徹っっっっ底的積んでいくことによってのみ、「理想」を守ることができるのだ

という部分を

「揺るぎない合意点にしていく」

…ということです。

要するに「抽象的な正義」だけをポーンと放りだしてかっこよく演説してそれだけで通る時代じゃないってことですね。

その「正義を実現するために泥をかぶる」部分までを、徹底的に社会全体で共有して向き合っていく必要がある。

日本の中には「そういう活動」をしている人自体はチラホラいるけど、両極分化してしまう党派論争の狭間に落ち込んじゃうからなかなかそれをキチンと「徹底的に」やることができない。

しかし「それこそ」が本当の「正義」と呼ぶに値する行為なのだ・・・という部分で、欧米が社会的にどんどん混乱していく中で、その「理想」をちゃんと地に足ついたバージョンとして形にしていくことがこれからの日本の使命ってことになるわけですね。

4. もっと「マクロ」に見た時のメタ正義感覚が必要

「ゴミ出しのルール」はわかりやすいから言ってるけど、牧歌的な左翼風の「共生イベントをやる」みたいなレベルの話では、そもそも全然足りてないよね、ということが明らかになってきている時代ではあると思います。

単純にミクロなレベルでやれることとしても、「ゴミ出しのルールを守ってもらうための」っていうのを、ただ多言語版のお知らせを出す・・・というレベルの話でなく、もっと真剣なタウンミーティング的なものや、そもそも「入り」を法律的にある程度厳格化してコントロール可能なものにしていく・・・というレベルの事も必要になってくるでしょう。

なんせ、欧州とかは本当に何百万人というレベルで入ってくる人がいて、そういう「牧歌的」なレベルの対処では全然間に合わないからこそ難しいという段階に達しているからですね。

一個前の記事(ウクライナ戦争の終結が問いかけるもの)で紹介したNHKのドキュメンタリー「臨界世界」は、第三回がウクライナの女性兵士だったけど、第二回は「難民問題」だったんですよね。

で、中東情勢が不安定化して、でも一昔前みたいに地中海を命がけでボートで超えるルートは結構警戒されるようになったので、今はロシア経由でポーランドとかの東の国境の森を命がけで通るルートが定番化してるらしいんですが・・・

そういう東欧では、「難民保護運動」をしてる女性が必死に国境警備隊よりも先に難民希望者を見つけようと必死になっていて、一方で国境警備隊はなんとか排除しようと奔走していて・・・みたいなのがめっちゃリアルなドキュメンタリーでした。

で、排除しようとする国境警備隊に対して、難民保護活動家の女性が「人間の良心ってものがないの?」みたいな事を言ったら、

「あんたの家大きいか?そんなに助けたいなら自分の家で受け入れろよwww」

…みたいなことを嘲笑的に言われていて、まあこれなかなかメチャクチャ言ってるようで、マクロに見た時の欧州社会側の事情を考えるとなかなかただの「暴論」とも切って捨てられないところがあるなと思いました。

こういう場合の「メタ正義的対処」は、もっとものすごくマクロに現象を見た上での新しい着地点の模索が必要になってくるはずだと個人的には考えています。

要するに、

・不法でもなんでも経済移民も全員入れなくては、という方向のダダ崩れの方針はやめる(先進国側のある程度の国境管理の厳格化) ・一方で合法的にその国が入れたんなら、ちゃんと人権的に平等な配慮をしてフェアに扱うことはマストにする ・そうやって「とにかくダダ崩れに経済移民が入ってきて社会が不安定化」するみたいな状況を落ち着かせた上で、「途上国での血なまぐさい弾圧からどうしても逃れることが必要」的な「国際人道的な意味での”難民”」の方はできるだけ受け入れられるように持って行く。 ・「経済移民」については、そもそも人類社会全体での「貧富の差」はかなり縮まってきている部分はあるので、「スマホは持てるようになってきた」ぐらいの母国を発展させる方向で頑張ってもらうのを基本とする

要するに、今の「不法状態の経済移民だろうと何でも受け入れなくては」っていう構造は、人類社会の中で一握りの先進国だけが「経済的に栄えて」いて、それ以外は本当にヒドイ貧困状態だった時期に想定された「構造」なので。

「経済移民部分での主権国家の自主的選択権」をある程度認めていくことで、「本当にヤバい人道上の問題がある時の少数の難民問題」ぐらいは受け入れるようにしつつ、あとは「自分たちで選んで入れたならちゃんとフェアにやれ」をルールにしていきつつ、「経済移民はむしろ自国の発展を頑張ってもらう」方向で決着する・・・

それでも、少子高齢化は日本だけでなく先進国共通の課題だから、「ある程度の」経済移民の枠は政治的に維持され続けるようになるはずです。

そういう「シフト」を行うのは、「中進国がかなり豊かになってきた今」の状況においては「正義の理想」と「現実の課題」を両方ある程度実現していくために大事な方針転換であるように思います。

なぜ「こういう転換」が必要かというと、

「理想を述べるだけの人」と「現実に対処しないといけない人」の間の不均衡という欺瞞

…が誤魔化しきれなくなってきてるからなんですよね。

よく言われてることですが、「移民難民を差別するな」「お前は排外主義だ」って非難してる人はまあまあ社会の中でインテリで安定した職を持っていて、あまり「お行儀悪い移民」が近くに住んでるわけではないことも多い。

一方で、「あまり裕福でないエリア」に住んでいて「アパートの隣の住民がニューカマー」であるような人は、日々日々「とにかくリアルな課題」を処理させられ続けるわけで・・・

その「リアルな課題」に対して対処の声をあげてくるのに対して、「差別主義者め!」って「お説教」で向かっていったら、以下記事で書いた川口の人が言ってたように「自分たちのニーズを気にしてくれるのは排外主義の人だけ」になってしまう。

SNSで紛糾する川口市のクルド人問題を、日本における「外国人との共生」のモデルケースにするために|倉本圭造
私が先月末に書いた川口市のクルド人問題に関する記事が、要約版のxポストが290万ビューを超えるほどバズっていたので、川口市議とその支援者の皆さんの集まりみたいなのにお呼ばれしてお話を聞いてきたんですが…(トップ写真はその時のもの) 実際にお話した川口市民の皆さんの声として、 『やっとちゃんと話を聞いてもらえる状況...

そういう「黙らせる」を決してやってはいけないのだ・・・というのが、一個前のウクライナ戦争の記事でかいた「ヴァンス演説」が問いかけてきてることなんですよね。

「排外主義はいけない」という理想は、「どうしたらニューカマーの人がゴミ出しのルールを守ってもらえるか」的な日常レベルの細部の課題に真剣に取り組むことによってはじめて実現するのだ、ということを「揺るぎない合意点」にしないといけないんですよ。

変な言い方ですが、そういう「現実レベルの細部に対処する意志」を「理想主義側」が示さないのならば、排外主義だろうとファシズムだろうと「彼ら自身のニーズ」を解決してくれるような方向性を「主張する権利」が彼らにはある・・・というぐらいの発想が必要な時代になっている。

「それが正しいとか間違っている」とかじゃなくて、「人類全体における先進国のGDPシェア」が下がり続ける時代には、

「彼らがそう動くことを止めることは決してできない」時代になっていく

…ということに向き合わざるを得ないということですね。

この「理想を言う人」と「現場で苦労する人のギャップ」みたいな話が、今のウクライナ戦争でもまさにありえて、ウクライナが核を放棄させられたり、アメリカがNATOの防衛負担をもっとやれと延々言ってたのに欧州のエリートがそれを冷笑しつつ「高潔な平和主義」ぶっていたツケは、

「辺境」にあって、「隣に権威主義国がある国民」が一手に引き受けざるを得なくなっちゃってる

…わけですよね。

それは、過去の「理想主義」が生煮えのままで、「現場側の課題」に対して無頓着すぎたことの「当然の結果」として生起しているのだ・・・という「責任」を、「理想」を掲げる側が自分ごととして引き受けることが必要な時代なんですよ。

そこに必要なのが、

「掲げた理想」に対して「現実からのフィードバック」があったら、お説教してないで丁寧に話を聞いて、具体的な解決策を一歩ずつ積んでいくことこそが「本当の理想主義なのだ」という新しい「メタ正義」の発想を徹底化していくことなんですね。

5. 「フィードバックを受け取らない」事の欺瞞を許すな

この「理想に対して現実からのフィードバックを何重にもかけて、どんどんブラッシュアップしていくこと自体が本当の理想主義なのだ」という転換については、そもそも「欧州的理想」に合致しないものを一緒くたに「アンシャンレジーム」として排除して、

俺たち=正義の側 お前たち=悪の側

みたいな世界観を持つ事自体がそもそも成立不可能な時代になりつつあるという事でもあります。

心の底ではそう思っていてもいいけど「そういう建付け」を「当然相手が共有してくれる」という構造自体がもう持続可能ではない。

「相手には別個に完成された正義の価値観がある」ことを理解した上で、「相手の正義の存在意義」まで踏み込んでいきながら、「フィードバックを受け取りあって変わっていく」ことがどうしても必要になってくる。

それは、人類社会における「欧米」というものの位置付けが変わっていく時代に、それでも欧米的理想を失わないようにするには「最低限必要なマナー」になっていくんですね。

そしてこれは、「100年前の共産主義の経済計算論争」と、「AIの数学が持っている圧倒的にエレガントな物事の扱い方」との違いという、「人類全体の知的パラダイムの進歩」そのものを反映してもいるのです。

そのあたりはぜひ、「見た目以上にものすごく”骨太の思想本”でもある」私の以下の新刊をぜひ読んでいただければと。

最初は「通俗実用書」みたいな「他人との対話の方法」みたいな話かと思ったら中盤は経済・ビジネスにおける事例満載の分析がある本で、そして後半はここで書いたような「大上段の思想書」的な部分に展開していきます。

この本の中には、「上手な包丁の使い方」みたいなレベルの、本当に「日常的」なレベルのフィジカルな感覚と、この「メタ正義」感覚は本質的にリンクしているのだという話もしています。

論破という病 「分断の時代」の日本人の使命

また、この「新しいパラダイムの変化」を日常レベルでとう応用していったらいいのかという話については、こないだ出演した動画メディアのPIVOTがめっちゃ面白く短時間でまとめてくれてるので、そちらもぜひどうぞ(特に以下リンクの”後編”がそういう話ですが、ついでに”前編”も見てくれたら嬉しいです)。

つづきはnoteにて(倉本圭造のひとりごとマガジン)。

編集部より:この記事は経営コンサルタント・経済思想家の倉本圭造氏のnote 2025年2月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は倉本圭造氏のnoteをご覧ください。

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https://agora-web.jp/archives/250315020348.html https://agora-web.jp/archives/250315020348.html Sat, 15 Mar 2025 21:50:39 +0000 Sat, 15 Mar 2025 06:45:42 +0000
令和のコメ騒動にアメリカはどう動いているかを解説する column 令和のコメ騒動にアメリカはどう動いているのか。先日、大統領報道官は「日本のコメ関税700%!」と宣戦布告したばかりだが、これはアメリカの官民一体となった日本のコメ市場攻略への狼煙である。「正しくは400%だ!」などと官房

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Galina Atroshchenko/iStock

令和のコメ騒動にアメリカはどう動いているのか。先日、大統領報道官は「日本のコメ関税700%!」と宣戦布告したばかりだが、これはアメリカの官民一体となった日本のコメ市場攻略への狼煙である。「正しくは400%だ!」などと官房長官は呑気に反論するが、問題の根本を分かっていない。解説しよう。

まず、日本市場で割安なコメの需要が急騰している事実を正しく認識する必要がある。「日本のコメ関税は700%だ!」との発言は日本のコメ輸入が不公平との指摘と同時に、コメ高騰に苦しむ日本国民へのメッセージでもある。日本の生活者に対し、懐に優しいアメリカ産米のポジショニングを図っているのだ。

その背景として、アメリカ政府は令和のコメ高騰を冷静に分析済みだ。農務省の専門レポートを読めばわかる。アメリカ産米・潜在需要の急騰を読み切っている。そこで米国のコメ業界はトランプ政権に働きかけ、日本市場の開放を要求。その実現のため日本政府に対し、関税を下げろとメッセージを発している。

トランプ政権の動きとは別に、本丸の米国コメ業界は、日本マーケットの潜在力を最大限に引き出し、攻略するため、多角的な戦略を展開している。その中心となるのが、アメリカのコメ農家業界団体のUSAライス連合会である。以下に具体的な活動内容をまとめる。

まず、日本向けプロモーション活動の強化を徹底している。2025年1月23日、USAライス連合会と国際プロモーション委員会の指導者らが東京を訪れ、国際プロモーション計画会議を開催した。

この会議では、アメリカ農務省(USDA)の市場アクセスプログラム(MAP)、海外市場開拓プログラム(FMD)、地域農業プロモーションプログラム(RAPP)からの資金を活用し、2025年の日本向けマーケティング予算を策定。

日本でのコメ需要の高まりを受け、RAPP資金を活用したプロモーション拡大が計画された。特に、日本の大手米卸業者(神明、木徳神糧)や米穀卸団体(全米販)と連携し、アメリカ産米の品質や供給力をアピールしている。

USAライス連合会国際推進委員会のスティーブ・バーガス委員長は「日本は米国最大の米輸出市場の一つであり、この好機を逃さない」と強調した。そのため、USAライス連合会は日本政府との直接対話も図っている。USAライス連合会は農水省と定期的に会談を行い、輸入規制の緩和を働きかけているのだ。

USAライス連合会は農水省の会議で、同時売買(SBS)入札で米国が10万トンの枠のうち6万トンを受注した実績を基に、さらなる市場アクセスの拡大を議論している。その際、2025年のカリフォルニア米の生産予測を明確に提示し、日本のコメ農家の不安定な供給に対し、アメリカ産の安定供給体制をアピール。

アメリカの米業界は日本のコメ輸入業者との交流を深め、信頼関係を強化している。2024年7月24日には、第27回日米コメ技術会議をカリフォルニアで開催。日本の輸入業者を招待し、水田・精米所ツアーを実施した。アメリカ産米の需給動向や品質管理を説明し、その高い信頼性を現地で示した。

さらに、2024年9月には日本の農水省代表団がカリフォルニアの稲作現場を視察。USAライス連合会のメンバーが田んぼや精米所を案内し、輸出前の検査プロセスを公開することで、品質への信頼を高めた。これらの取り組みは、高品質なアメリカ産コシヒカリやカルローズの競争力を訴求するものだ。

USAライス連合会は日本市場の攻略のため、資金調達にもぬかりはない。2024年12月19日、USDAからRAPP資金として680万ドルを追加獲得(年間総額1305万ドル)。この資金は、日本を含む既存市場の強化と新興市場開拓に充てられる。

USAライス連合会バーガス委員長は「アメリカの米生産の半分が輸出に依存する中、資金は輸出市場拡大に不可欠」と述べ、日本での需要増に対応する意欲を示した。「日本におけるコメ在庫の低下と価格高騰(前年比70%増)は、輸入米への需要を押し上げている」と冷静に分析。

一方、「日本の高齢化による生産力低下も追い風だ。アメリカはミニマムアクセス枠での最大供給国として地位を固めつつ、高関税(1キロ341円)が障壁となる枠外輸入の規制緩和を求めていく」と語る。USAライス連合は「一連の活動を通じ、米国コメ業界は日本市場の開拓と普及を目指す」と意気揚々だ。

(編集部より)この記事は、浅川芳裕氏のX(@yoshiasakawa)のポストを、許可を得た上で転載いたしました。

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https://agora-web.jp/archives/250315050513.html https://agora-web.jp/archives/250315050513.html Sat, 15 Mar 2025 21:40:51 +0000 Sat, 15 Mar 2025 06:52:23 +0000
「常在戦場」の政治家に「政治活動」でない「会食」はあり得ぬ column 13日夜に『朝日』が「石破首相側が15人の議員側に商品券配布 10万円ずつか、複数証言」と報じた。石破氏は直ぐさま記者団の取材に応じ、政治資金規正法に抵触しないか問う記者に、以下のように「第何条のどの条文を仰っていますか

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13日夜に『朝日』が「石破首相側が15人の議員側に商品券配布 10万円ずつか、複数証言」と報じた。石破氏は直ぐさま記者団の取材に応じ、政治資金規正法に抵触しないか問う記者に、以下のように「第何条のどの条文を仰っていますか」との逆質問を5度繰り返した

記者「政治資金規正法に抵触しないと考えるか」 首相「政治資金規正法第何条の、どの趣旨で仰っていますか」 記者「──………」 首相「第何条のどの条文を仰っていますか」 記者「──………すいません」 首相「いま、政治資金規正法上と仰いましたので、第何条のどの条文か仰っていだたけますと、正確にお答えできますが」 記者「──………すいません」 首相「どうぞ仰ってください。法律上の解釈を仰っておられますので」 司会「その他、いかがですか」 記者「商品券は首相のポケットマネーからか」 首相「さようでございます」 記者「事前に首相は商品券を配ることは承知していたのか」 首相「当然、その通りでございます」「どうぞ」 記者「政治資金規正法21条の2項に抵触するのではないか」 首相「ですので、そこのどこの部分ですか」

「慇懃無礼」という語がある。『デジタル大辞泉』には「表面は丁寧で礼儀正しいように見えるが、実は尊大で無礼なこと。また、そのさま」と解説されているが、真にその使用例として掲げたいような石破氏と記者のやり取りではなかろうか。

石破首相 首相官邸HPより

事の核心は、石破氏が3月3日に新人15名と官房長官・副官房長官2名の19名で開いた「会食」(@15千円)が「政治活動」に当たるかどうかであって、商品券の額やその出どこがポケットマネーか否かなどは二義的な問題だ。だからこそ石破氏は5度も問答を繰り返したのである。

そこで、記者がようやく見つけた「政治資金規正法21条の2」にはこう書いてある。

(公職の候補者の政治活動に関する寄附の禁止) 第21条の2 何人も、公職の候補者の政治活動(選挙運動を除く。)に関して寄附(金銭等によるものに限るものとし、政治団体に対するものを除く。)をしてはならない。 2 前項の規定は、政党がする寄附については、適用しない。

キーワードは「公職の候補者」、「政治活動(選挙運動を除く。)」。そして「金銭等によるものに限る」の3つだ。判り易いところから、先ず「金銭等」とは「金券」、即ち「金銭の代わりに通用する券」を指すから、「商品券」も「収入印紙」や「切手」など共に当然含まれる。

次に石破総理総裁が「公職の候補者」か否か。ちょっと違和感はあるが、政治資金規正法が定義する「公職の候補者」には、「公職選挙法(昭和25年法律第100号)」の「第3条に規定する公職にある者を含む」。つまり、同法86条にいう選挙の候補者に限らないということ。

「公職選挙法第3条に規定する公職にある者」については、「この法律において『公職』とは、衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長の職をいう」と定義されている。よって、衆議院議員である石破氏も「公職の候補者」に含まれるのである。

そこで「政治活動」のことになる。「政治活動」の法令上の定義は存在しないようだ。が、各都道府県や市区町村などのサイトには、「選挙運動」との違いという観点から「政治活動」について書かれている。例えば新宿区のHPの記述は以下のようだ。

「政治活動」と「選挙運動」は、どのように違いますか。

政治活動とは、「一般的には政治上の目的をもって行われる一切の活動、すなわち政治上の主義、施策を推進し、支持し、若しくはこれに反対し又は候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを目的として行う直接間接の一切の行為をいう。」ものとされています。中略

しかしながら、公職選挙法においては、「政治活動」と「選挙運動」を理論上はっきり区別しており、ここにいう政治活動とは、「政治上の目的をもって行われるすべての行為の中から、選挙運動にわたる行為を除いた一切の行為をいう。」ものとされています。

石破氏は「私の選挙区にお住まいの方も全くいらっしゃいませんので、公職選挙法にも抵触をするものではございません」と述べているので、それは諒としよう。だが、「会食」が「政治上の目的をもって行われるすべての行為の中から、選挙運動にわたる行為を除いた一切の行為」に当たらないとすることには疑念がある。

例えば石破氏が、件の新人15名を党本部に集め、党の総裁として、自民党の来し方、議員としての心得などを、労いの言葉を交えつつ語ったとすれば、それは自民党の「政治上の主義、施策を推進」するための訓示であることは明白だ。よもや石破氏も、それを「政治活動ではありません」などとは言うまい。

では、それが首相の公邸か官邸か知らないが、会食付だとなぜ「政治活動」に当らないというのか。会食が1時間(2時間かも)行われたとして、そこでの話題が「自民党の来し方、自民党議員としての心得」などには一切触れず、下世話に終始したとでもいうのか。そうだとすれば、これもまた問題だが。

記者は、石破氏が「会食」(及びお土産)の意図が「労い」だと強弁するなら、逆質問におたおたせず、石破氏が「会食」中に何を述べたかを問い質すことが必要なのだ。同様に、新人15名にも、石破氏がそこで何を語ったか、どういう話題が出たのかなどを取材せねばならない。

石破氏は「一人飯」が多いらしい。が、菅(すが)元総理などは「会食のハシゴ」で有名だった。政局になれば誰と誰が「会食」したかがメディアを賑わす。「常在戦場」とは政治家のためにあるような語だが、そうした政治家の「会食」は須らく「政治活動」なのである。

石破総理総裁のままで夏の参院選を戦いたい野党は、この問題を追求する腰が全く引けている。が、夏に改選を控えた西田昌司氏や青山繁晴氏などは公然と、両院議員総会での総裁交代を口にし始めた。

そもそも安倍政権での国政選挙6連勝の期間、ずっと党内野党として政権を後ろから撃っていた人物が、自民党の主流になれる道理がない。筆者に言わせれば、即座に「お土産」を返した新人の方が余程しっかりしている。石破総理総裁は、一刻も早く退陣すべきである。

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https://agora-web.jp/archives/250315175754.html https://agora-web.jp/archives/250315175754.html Sat, 15 Mar 2025 21:30:45 +0000 Sat, 15 Mar 2025 21:28:32 +0000
「無敵の人」を作り出したのは誰か? column NHK党の党首立花孝志氏が暴漢に襲われ、1ヶ月の重傷を負った。 YouTubeのライブを観ていた私も、小学生のランドセルに付いてるような警報器のけたたましい音をきっかけに騒然とする現場の様子を観ていた。 ローンウルフと思

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NHK党の党首立花孝志氏が暴漢に襲われ、1ヶ月の重傷を負った。

YouTubeのライブを観ていた私も、小学生のランドセルに付いてるような警報器のけたたましい音をきっかけに騒然とする現場の様子を観ていた。

ローンウルフと思われる犯人は、取り押さえられても、諦めのような表情で立ちすくむだけだった。

立花党首襲い逮捕の容疑者「議員を自殺に追い込んだから」供述 | NHK
【NHK】14日に東京 霞が関で政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が襲われ、けがをした事件で、殺人未遂の疑いで逮捕…

彼は正に「無敵の人」そのもので、彼の背後関係や家族関係も全く不明なままだったが、彼が青白い顔で諦めにも似た表情で立ちすくむ姿は、彼自身の人生を表していたと思う。

選挙運動中の暴力事件は、民主主義を冒涜する行為であり、許されざることだ。

私は犯人の人生に寄り添うとか、その情状を酌量しようなどと言いたいのではない。

犯人が事件後の人生を先読みすることなく、歪んだ正義感を斧に持ち替えた心情を慮るなどと書きたいのではない。むしろ、彼を生み出した背後を、我々、現在進行形で見つめる人たちが、邪推したり想像したりすることは無駄ではないとおもう、ただそれだけだ。

迷えるプラカード|倉沢良弦
兵庫県問題とは何か? 千葉県知事選に出ている筈の立花孝志氏が、何故か分からないが、大阪や兵庫で選挙活動を行っている。兵庫県民は奇異に感じてるだろうが、立花孝志氏から妙な本気度を感じるのも事実だろう。 ことの発端は昨年の兵庫県知事選に遡る。前職の斎藤知事は県議会で不信任決議を出されて失職し、出直し選挙に臨んだ。大きな...

彼は、地上波や一部のSNSで実しやかに言われている、兵庫県議の自殺は立花孝志氏が追い込んだからだ、という情報を鵜呑みにしたと言うことらしい。しかも、明確な殺意も自供している。

冷静に考えれば、兵庫県議の自死を追い込んだのが立花氏だったとしても、それに対して彼が憤る理由はない。立花氏は千葉県知事選に立候補していて、犯人の出自が定かではないが、自死した県議の身内でもない限り、それほどの義憤にかられる合理的理由が見当たらない。

犯人は、怒る必要のないことの怒りに任せ、立花氏を襲ったのではないだろうか?

彼は、自己表現の方法として、社会悪と称される人に正義の鉄槌を下すことで、自身の存在意義を満たそうとしたのではないか?

彼が立花氏を殺害したとしても、彼が怒りを感じた元兵庫県議が再び蘇ることはないし、現在兵庫県を揺るがしている問題が解決するわけではない。

彼は、自己存在の、あるいは自らの存在理由を確かめる自己実現の手法として、怒る必要のないことに怒り、起こす必要のない事件を引き起こしたのだろう。

拙稿でも触れているように、現在、兵庫県では兵庫県政混乱の原因は立花氏にあるとする連中が、立花氏の演説にカウンター行動を起こしている。

例えカウンター行動を起こしたとしても、兵庫県政の問題は政治問題なのだから、カウンター行動そのものが県政を動かす原動力にはならない。

むしろ、カウンター行動を起こすことで、黒ずくめの怪しい集団が騒ぎ立てている異様な光景を作り出しているだけだ。それは見るものに奇異な印象を植え付ける以上のものはない。

かつての安倍元総理に対するカウンター行動と同じで、結果的に、このような異常な集団を敬遠する、イコール、立花氏の言動に注目が集まるだけのことだ。

実際、安倍元総理は憲政史上最長の政権を維持し、高い支持率を維持し続けた。

人にはそれぞれの正義がある。広く人々にその正義を主張するのは間違ってはいない。

ただ、自分の正義が通らないことによる暴言、暴力による威迫は民主主義とは言わない。

事実、カウンター行動を起こした連中が批判する兵庫県の斎藤知事は、二度の選挙で民意を得て県知事に選ばれている。これこそが民意の表れ、つまり民主主義そのものではないか。

私が激しく憤るのは、今回の事件のようなものを扇動した輩に対してだ。

しかも、このような事件後、自らは無関係を装ったフリして、SNSで情報発信を普段通り行なっている。

狂っているとしか思えない。

マスコミにしても、今の兵庫県問題で反県知事、反立花孝志を扇動し、社会悪の如きに仕立て上げる。そこには正義感は存在しない。

売女の女衒のような存在だ。

我々が批判すべきは、このような無責任な輩だろう。

 

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https://agora-web.jp/archives/250315051619.html https://agora-web.jp/archives/250315051619.html Sat, 15 Mar 2025 21:25:03 +0000 Sat, 15 Mar 2025 05:29:50 +0000
企業の純固定資本形成 economy 各国企業の純固定資本形成について、人口1人あたりと対GDP比で国際比較してみます。 1. 企業の純固定資本形成 前回は各国企業の固定資本減耗について国際比較してみました。 日本の企業は投資(総固定資本形成)が多く、それだ

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sesame/iStock

各国企業の純固定資本形成について、人口1人あたりと対GDP比で国際比較してみます。

1. 企業の純固定資本形成

前回は各国企業の固定資本減耗について国際比較してみました。

日本の企業は投資(総固定資本形成)が多く、それだけ減価償却費に相当する固定資本減耗も多い状況のようです。

今回は、総固定資本形成から固定資本減耗を差し引いた純固定資本形成について国際比較してみたいと思います。

純固定資本形成 = 総固定資本形成 – 固定資本減耗

図1 総固定資本形成・固定資本減耗・純固定資本形成 日本 非金融法人企業国民経済計算より

図1が日本の企業の投資(総固定資本形成)と、固定資本減耗、純固定資本形成をまとめたグラフです。

総固定資本形成は1990年代からアップダウンしつつ停滞傾向が続いています。

固定資本減耗も概ね総固定資本形成と同じくらいの規模ですが、やや増加傾向になっているようです。

正味の純固定資本形成はバブル期にピークとなり、リーマンショックにかけて段階的に減少しているような推移です。

リーマンショック後は緩やかに上昇し、近年ではゼロ近辺です。

純固定資本形成がプラスであれば固定資産残高がそれだけ蓄積、マイナスであれば減少する事になります。

日本企業はリーマンショック後に若干マイナスの時期はありましたが、基本的にはプラスで推移していて固定資産残高が増え続けてきたことになりそうです。

2. 1人あたり純固定資本形成の推移

まずは国際比較のために、人口1人あたりの純固定資本形成について、為替レートでドル換算した水準を比較してみましょう。

1人あたり純固定資本形成 = 純固定資本形成 ÷ 人口

図2 1人あたり純固定資本形成 非金融法人企業 名目 為替レート換算OECD Data Explorerより

図2が1人あたり純固定資本形成(為替レート換算値)の推移です。

バブル期の日本の水準が際立っているのがわかりますね。

日本はその後目減りしていきますが、1990年代終盤あたりから、概ね他の主要先進国と同程度で推移している事がわかります。

ドイツ、イギリスと同じくらいかやや下回る程度のようです。

韓国は相対的に高い水準が続いていて、投資が減耗を大きく上回り、固定資産の蓄積が進んでいる様子が窺えます。

近年ではアメリカも相対的に高めの水準が続いているようです。

3. 1人あたり純固定資本形成の国際比較

続いて企業の1人あたり純固定資本形成について、国際比較してみましょう。

図3 1人あたり純固定資本形成 非金融法人企業 名目 為替レート換算 2022年OECD Data Explorerより

図3が企業の1人あたり純固定資本形成について、2022年の国際比較です。

先進国の中ではスウェーデン、ニュージーランド、デンマーク、韓国、ノルウェーが非常に高い水準で、アメリカも上位に入ります。

日本は36か国中33番目の水準です。

正味の数値なので各国でタイミングによるアップダウンが大きく参考値にしかなりませんが、日本の水準は相対的に低い方になりそうです。

アイルランドが極端にマイナスなのも印象的ですね。

アイルランドは近年急激に投資を増やしていますが、2022年は投資水準が低くなった分だけ、減耗分のマイナス寄与が大きかったようです。

メキシコがマイナスなのも印象的ですね。

4. 純固定資本形成 対GDP比の推移

続いて、企業の純固定資本形成について対GDP比の推移を見てみましょう。

純固定資本形成 対GDP比 = 純固定資本形成 ÷ GDP x 100

経済規模(GDP)に対して、どれだけ正味の資本蓄積があったかを見る指標と言えます。

図4 純固定資本形成 対GDP比 非金融法人企業OECD Data Explorerより

図4が企業の純固定資本形成 対GDP比の推移です。

日本は1980~バブル崩壊まで6%~9%の水準で推移していたようです。

1990年代半ばからは他国と同じくらいの水準で推移していますが、ここ数年ではやや低めとなっています。

韓国は非常に高い水準で推移していますが、徐々に低下している様子がわかります。

5. 純固定資本形成 対GDP比の国際比較

最後に、企業の純固定資本形成 対GDP比の国際比較を見てみましょう。

図5 純固定資本形成 対GDP比 非金融法人企業 2022年OECD Data Explorerより

図5が企業の純固定資本形成 対GDP比について、2022年の国際比較です。

韓国がやはり高い水準ですが、上位にはリトアニア、コスタリカ、ハンガリーなど経済発展中の国が並びます。

G7各国は概ね低位となりますが、相対的にフランスが高めな順位なのも印象的ですね。

とはいえ概ね1~2%程度の水準の国が多いようです。

日本はやはり相対的にやや低い水準です。

6. 企業の純固定資本形成の特徴

今回は企業の純固定資本形成についてご紹介しました。

日本企業の純固定資本形成はかなり高い水準に達していましたが、バブル崩壊後は他国並みとなっています。

とはいえ、バブル期に高まった投資水準が極端に減ることなく維持し続けられてきた事になります。

投資と減耗のバランスで見れば他国と歩調を合わせているように見えますが、投資水準の割に付加価値が増えていない事は今回のデータからは読み取れません。

固定資本減耗を含んだ総額と、固定資本減耗を除いた純額は経済統計でも分けて扱われます。

固定資本減耗は、GDP分配面の1要素でもあります。

稼ぎ出した付加価値のうち、固定資本減耗は資本への分配(維持費)と考えられます。

これを除いた国内純生産が、実際に家計、企業、政府へと分配される原資となりますね。

日本の場合は固定資本減耗が多いため、国内総生産に対して国内純生産が大きく目減りします。

今後ご紹介する営業余剰や、可処分所得なども純額での評価が重要となりそうです。

皆さんはどのように考えますか?

編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2025年3月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。

 

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https://agora-web.jp/archives/250313210854.html https://agora-web.jp/archives/250313210854.html Sat, 15 Mar 2025 21:20:40 +0000 Sat, 15 Mar 2025 06:58:00 +0000
薪ストーブ:被害者の苦痛・要望書 society 本稿では、筆者に寄せられた薪ストーブ被害者の要望書を紹介する。 この内容を読まれれば現代住環境での薪ストーブの煙は有害で「人と環境に過酷で加害性が極めて高い」という事実、欧米諸国で規制が当然のように強化される理由が理解で

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middelveld/iStock

本稿では、筆者に寄せられた薪ストーブ被害者の要望書を紹介する。

この内容を読まれれば現代住環境での薪ストーブの煙は有害で「人と環境に過酷で加害性が極めて高い」という事実、欧米諸国で規制が当然のように強化される理由が理解できると思う。因果関係は無いと断言する行政府の勉強不足を指摘しておく。

これは2024年に当該被害者が関係官庁に向けて対処要望を発出したものであり、言わば木材燃焼煙で隣人を半殺しにするような健康被害の悲痛な現実と行政府・首長・議会議員の悪意ある怠慢が克明に記されている。

また、本事例にあっては(苦情を受け逆切れするような)薪ストーブ使用者に典型的に見られる非人道的かつ極めて自己中心的で反社会的な姿勢が顕著に示されていることが特筆されるが、他の被害者も似たような経験をされているとの数十例の報告を筆者は頂いているし筆者も同様の経験を現在進行形でしている。

そのような背景事情であることから、頂いた原文では個人情報が含まれるので投稿者の安全保護に充分配慮し、当該部分はマスク・削除・表現の変更を筆者の判断で加えていることをお断りしておく。

安全確保の必要とは、当該被害者に対し薪ストーブ業界関係者による嫌がらせ・危害を加えられる可能性が充分に懸念されるためである。

筆者は毎度ながら繰り返すが、各行政機関および各議員に対し、この問題への実効性ある対処を要請する。

そのための根拠が必要である、というなら相応の信頼性が高い機材を使用した「実際に薪ストーブ家屋付近で長期間測定した汚染物質」についての科学的情報の提供をする用意があることを申し添えておく。

筆者は本稿ではこれ以上の注釈を加えないが、冒頭で3点だけ苦言を呈してから要望書を紹介しよう。薪ストーブ業界の酷さについては言うまでもないことだが。

隣人加害を承知しながら薪ストーブを使用する者は反社会性が極めて高いという事実。 薪ストーブ煙害を認知しながら実効性ある対策等を行わない行政府の悪意ある怠慢。 薪ストーブ使用家屋の周辺住民たちの怒りはピークに達している危険性が有ること。

被害者から行政府への要望書

環境省 水・大気環境局大気環境課 御中

【薪ストーブから発する煙、臭気による健康被害、生活被害からの救済を求めるご要望】

私達は隣のZ事業者事務所で使用する薪ストーブから発する煙及び臭気により、日常生活ばかりか健康面、精神面からも甚大な被害を受けている者です。

被害を受け始めて以降、在住しているP市・R市長に対し何度も救済を求めましたが、法規制がないことを理由に対応して頂くことができず、被害は続いています。

一方、私達同様、薪ストーブの煙、臭気による健康被害、生活被害を受けているにも関わらず救済を受けることができず、大変困っている方々が日本全国に多数居られることがわかりました。

同時に、環境省 水・大気環境局大気環境課発行の「木質バイオマスストーブ 環境ガイドブック」には、排ガス成分と健康影響や薪ストーブの主なトラブルと原因、ご近所への配慮等が記載されていることもわかりました。

つきましては、是非、本問題を国の取り組むべき重要課題の一つと捉えて頂き、スウェーデン等薪ストーブ先進国と同様、住宅街での薪ストーブ使用禁止等、健康被害や生活被害を鑑みた法令や条例の制定を願いたく、ここに伏してお願い申し上げる次第です。

なお、以下に今までの経過や私達が行って来た対応等を詳細に記しましたので、状況をご理解頂くとともに善処頂きたく、何卒宜しくお願い申し上げます。

1. 経過

・2010年12月、静かで緑多く空気が綺麗な現住居に運よく広い土地を購入し、理想の間取りと設備を備えた一戸建て住宅を建てることができました。以後、庭で採れた新鮮な野菜を食し、ウッドデッキで庭を見ながら寛ぎ、隣の公共施設から聞こえる元気な声でこちらも元気を貰えるという、夢に描いたような理想的な生活の場を得ることができました。そこで、此処を終の棲家と決めるとともに、地域の仲間づくりもし、地域活動も始めました。

・2022年10月、隣の公共施設跡地にZ事業者が自社の事務所を建て、同事務所に設置した薪ストーブを使用するようになって、それまでの生活が一変しました。先ず、薪ストーブから発する煙と悪臭により、窓を開けることも、洗濯物や布団を干すことも、庭に出る事すらできなく、日常生活が脅かされるようになりました。

・更に、この苦痛によりA、妻Bとも以下の身体的異変(健康被害)を生じました。

A: 2023年1月 ストレス性胃炎発症 現在も処方薬服用中

2023年2月 不眠症 現在も市販薬服用中

2023年9月 徐脈現象発症 重度心房ブロックと診断され、ペースメーカー埋め込み手術を受ける。P市より第1種身体障害者と認定される。

B: 2022年11月 ストレス性胃炎発症 現在も処方薬服用中

2022年12月 情緒不安定、動悸、頭痛、不眠症等を発症、診断を受けるが原因不明。ストレスによるものではとのこと。発症都度処方薬服用。

2024年9月 めまい症状発症。診断を受けるが原因不明。処方薬なし。

これらの健康被害のうち、最も重大な疾患のAのペースメーカー埋め込み手術については、手術を受けた同病院で毎年人間ドックを受診しており、一度も心疾患についての指摘が無かったため、原因を担当医に質したところ、薪ストーブの煙に含まれる有害物質と夏の酷暑による可能性が高いとのことでした。

また、Bは薪ストーブを使用し煙や悪臭を感じる都度情緒不安定となり、ヒステリー現象を起こしていましたが、今年9月、薪ストーブの使用を始める時期に近づいた途端、めまいを訴えるようになりました。

このままでは、二人とも間違いなく精神的におかしくなりそうです、またAは心疾患が酷くなり重篤な症状になるかも知れない状態です。

2. 対応行動と結果

・2022年10月、薪ストーブから発生する煙と臭気を感じ始めてすぐ、Z事業者を訪ね、被害を受けている実態を申し出て改善を求めましたが、Z事業者は「当方は法的に何も悪いことはしていない、何か文句があるなら裁判で」との、にべもない返事で、対話できる状態ではありませんでした。

・このため、2022年11月にH町会を訪ね、対処をお願いしましたが、町会としては隣同士のいざこざには対応しない。と受け付けて貰えませんでした。

・このため、2022年12月、P市⾧宛に「薪ストーブから出る煙と臭気、煤による被害の排除に関する要望書」を提出し、P市議会議⾧宛にも同要望書を提出しましたが、本件は市議会では不採択となり、P市⾧からは薪ストーブの燃焼臭が周辺に発生している様子は認められないとの回答があったのみでした。

・納得できない回答だったため、P市⾧宛に2023年3月及び同年4月でこの回答を糺すとともに薪ストーブの使用制限の条例制定を求める質問状、要望書を提出しましたが、法令で規制のない薪ストーブの使用を制限することは薪ストーブ使用者の財産権を侵害することになるとして却下されました。

・その後、2023年9月にAは重度心房ブロックと診断されペースメーカー埋め込み手術を受ける重篤な病気を患い、担当医からはこの原因が薪ストーブから出る煙にある可能性が高いと指摘されたため、2023年10月、P市⾧宛に薪ストーブの使用規制を求め、我々の健康と生活権、環境権の保護を訴える質問状を提出しました。しかし、身体的被害については市は見解を示す立場にないとの回答しか得られませんでした。

・このように、生命に係わる重大な身体的被害に対してもあまりにおざなりな回答と感じたため、2023年11月、P市⾧宛に再質問状を提出しましたが、身体的被害と薪ストーブの煙、煤の因果関係に関する科学的根拠が不明であり、法的規制のない機器の使用に関する民事上の事案であることから、市として見解を示すことができないとの被害事実を無視するかのような回答でした。

・この間、本件に関し相談していましたP市議会議員のお計らいにより、P市環境保全課職員も同席のもと、11月にZ事業者と本問題の改善に関する話し合いの場を設けて頂き、この場でZ事業者から煙や臭気の発生を抑える努力をするとともに薪ストーブを使用しない日を増やすこと、費用負担があれば薪ストーブ撤去の考えもあること等の歩み寄りが期待できる発言がありましたが、何故かZ事業者はその後直ちにこの時の発言を覆したばかりか、以後私達と話し合うつもりもないと態度を豹変させました。

(この話し合い時の記録は録音すると同時に骨子を記録文書の形で取り交わしてもいます。またZ事業者の態度豹変は話し合いに同席頂いたL議員、元政党系新聞編集⾧のN様が同社に記録文書の同意について話に行かれた時の状況です。)

・2024年に入り、何とか薪ストーブの使用を始めるまでに本件の解決の道筋をつけたいと思い、4月、市⾧宛に「薪ストーブの煙と臭気による被害の救済を求める再要望書」として、住宅街での薪ストーブ使用を規制する措置を設け、生命権と健康に関する権利を求める要望書を提出しました。

しかしながら、それまでと同様、薪ストーブは法規制の対処となる施設に該当せず、規制の根拠がない。薪ストーブ設置に法的な規制はなく「財産権」として保障されており、市から制限をかけることはできない。また、生命権と健康に生活する権利については行政上の介入は行えないとの回答でした(これらの経緯に関する資料等は全て記録として残してあります)。

・2024年5月、薪ストーブの使用を始める時期までには何とかして本件を解決したいと願い、この時の回答にあった「公害相談ダイヤル」(総務省公害等調整委員会事務局)を訪ね相談し、同局でのアドバイスに従い、同月にQ県環境政策部環境政策課を訪ね、相談の上、指定様式によりQ県公害審査会への調停手続き申し立てをしようとしているところです。しかしながら相談後4カ月を過ぎた現在に至っても本件に係る確たる返答はありません。

以上の通り、私達は日常生活だけでなく生命の危険さえ脅かされる被害を受けているにもかかわらず、P市は法規制がないという理由一つで薪ストーブ使用に関する条例一つ作ろうともせず、私達の生命と生活を守るための対応を何もしようとはしてくれません。

一方、Q県公害審査会を紹介頂いた総務省公害等調整委員会に相談にお伺いした際に、私達同様薪ストーブの煙や臭気の相談が日本全国から多数寄せられていることを知りました。

現在は同審査会で調停をして頂けるのかどうかすらわからない状況ですが、調停して頂けたとしても当事者同士の解決に過ぎず、全国に多数居られる同様な被害者の救済にはなりません。

従って、冒頭にも記載しました通り、本問題を国の問題として捉え、少なくとも住宅街では薪ストーブ使用を規制する等の措置を講じて頂きたく、ご要望する次第です。

どうか私達を、私達同様の日本全国の被害を受けている方々をお助け下さい。

私達の生命を、健康を、生活をお守りください。

編集部より:この記事は青山翠氏のブログ「湘南に、きれいな青空を返して!」2025年3月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「湘南に、きれいな青空を返して!」をご覧ください。

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https://agora-web.jp/archives/250315054024.html https://agora-web.jp/archives/250315054024.html Sat, 15 Mar 2025 21:15:14 +0000 Sat, 15 Mar 2025 06:55:11 +0000
財務省は何をしているのか?解体すべき? column 物価高騰の中、国民の不満が財務省に向かっています。そもそも財務省は何をしている省庁なのでしょうか。 ■ 国民民主党・玉木雄一郎議員のYouTubeチャンネル「たまきチャンネル」。チャンネル登録をお願いします。

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物価高騰の中、国民の不満が財務省に向かっています。そもそも財務省は何をしている省庁なのでしょうか。

国民民主党・玉木雄一郎議員のYouTubeチャンネル「たまきチャンネル」。チャンネル登録をお願いします。

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https://agora-web.jp/archives/250313202735.html https://agora-web.jp/archives/250313202735.html Sat, 15 Mar 2025 21:10:22 +0000 Fri, 14 Mar 2025 11:29:08 +0000
インバウンドが広がれば日本の外食の割安感は消えていく column 国内のホテルの宿泊料金が急激に上昇しています。コロナ禍の時は1万円以下だったビジネスホテルが場所によっては2万円を超えて3倍以上になっています。高級ホテルも5万円程度だったところが15万円以上になっており、もはや自腹で泊

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国内のホテルの宿泊料金が急激に上昇しています。コロナ禍の時は1万円以下だったビジネスホテルが場所によっては2万円を超えて3倍以上になっています。高級ホテルも5万円程度だったところが15万円以上になっており、もはや自腹で泊れるレベルではありません。

winhorse/iStock

その原因の1つは言うまでもなくインバウンド需要の増大です。日本人の旅行需要がアフターコロナで高まった上に、来日する外国人旅行者が大幅に増えて、ホテルの需給が一気に逼迫し、価格上昇につながりました。

このような動きがこれからは外食業界にも広がっていくことが予想されます。

日本の外食は海外に比べ高品質で価格が安いというのが定説です。ファストフードでは特に顕著で、ワンコインで吉野家の牛丼のような完成された味わいの食事ができるのは先進国では日本くらいです。

これまでファストフードは価格の引き上げによる客離れを恐れ、料金の引き上げに及び腰でした。しかし、原材料費の高騰や人不足による人件費の上昇によって企業努力によって価格を抑えるのは限界に来ています。

そんな中、外国人観光客は日本のファストフードが値上げをしたとしても、元々の価格が自国より安いのでそれほど気にすることは無く利用すると思います。

値上げをして日本人の利用者が少なくなったとしても外国人が代わりに利用してくれれば、ファストフード店は売上を減らすことなく利益を確保できます。

ラーメンには「1000円の壁」というのがあって、値上げに慎重なお店が多いと言われています。しかし一方ではインスタグラムなどで人気化して外国人が大挙して来店するようなお店では1500円から2000円程度の価格でも集客ができているのです。

日本人だけを相手にしている低価格のお店は値上げすればメインの顧客を失ってしまいます。しかし、インバウンドも取り込んでいるお店であれば外国人価格で商売をすることができるのです。

高級店は価格に対する需要変動が小さく、外国人がいなくても価格引き上げが比較的しやすいと言えます。既に多くのお店の飲食代が上昇しており、価格のレンジが変わってしまいました。次は低価格のファストフード店の番です。

外国人観光客が牛丼チェーンやラーメンチェーン、回転寿司といったファストフードに普通に行くようになれば、価格上昇による高価格に抵抗の無い客層が増えていくことになり、日本の外食価格が海外に近づいていくことになるでしょう。

牛丼1000円、ラーメン2000円が当たり前の時代は、すぐそこまで来ているのです。

編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年3月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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https://agora-web.jp/archives/250314065428.html https://agora-web.jp/archives/250314065428.html Sat, 15 Mar 2025 21:00:19 +0000 Sat, 15 Mar 2025 09:21:08 +0000
【Vlog】全世界に関税戦争を仕掛けるトランプ大統領は何を考えているのか economy アゴラチャンネルで池田信夫のVlog、「全世界に関税戦争を仕掛けるトランプ大統領は何を考えているのか」を公開しました。 ☆★☆★ You Tube「アゴラチャンネル」のチャンネル登録をお願いします。またSuper Tha

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アゴラチャンネルで池田信夫のVlog、「全世界に関税戦争を仕掛けるトランプ大統領は何を考えているのか」を公開しました。

☆★☆★ You Tube「アゴラチャンネル」のチャンネル登録をお願いします。またSuper Thanksでチャンネル応援よろしくお願いします!!

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https://agora-web.jp/archives/250315005705.html https://agora-web.jp/archives/250315005705.html Sat, 15 Mar 2025 03:00:47 +0000 Sat, 15 Mar 2025 00:59:12 +0000
マクドナルドの値上げが話題のようですが:二極化が進む外食産業 economy 政治家業も真の意味で命をかけた仕事と言えそうです。立花孝志氏が財務省前で演説をしようとして暴漢に襲われ本人が「耳が取れそうなった」というほどの負傷を負いました。犯人は本気の殺意でやりそこなったと悔いています。安倍氏、岸田

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政治家業も真の意味で命をかけた仕事と言えそうです。立花孝志氏が財務省前で演説をしようとして暴漢に襲われ本人が「耳が取れそうなった」というほどの負傷を負いました。犯人は本気の殺意でやりそこなったと悔いています。安倍氏、岸田氏、トランプ氏と次々狙われる中、政治家も楽じゃないと思います。政治家の信条に民の全員が賛同することはまずないのですが、相手が嫌だからと言って殺意をもってそれに抗議するならば人の抑制力が相当劣ってきたということ。私は人と人のコミュニケーションが不足し、結論ありきの社会になっていることも要因の一つだと思います。

では今週のつぶやきをお送りします。

3000㌦のゴールド

以前このブログで「金は3000㌦になると思う」と書きました。こんな予想は予想のうちに入らないのですが、あまりにも速いペースでの金価格の高騰に長年多数の金鉱山株取引を手掛ける私としても驚きを隠せないのです。金の価格はこれほど急速に動くものではなく、比較的小さなボラティリティの中、インフレ率に一定の係数をかけるように価格が形成されます。日経は「20年で10倍」と報じていますが、これは統計のどこと比較するかであって45年前の1980年と比較すれば4倍にしかなっていません。よって超長期の比較においてダウなど株価指数との比較論も多いのですが、あまりまともに信じない方が良いでしょう。

よって今考えなくてはいけないのはなぜ中央銀行がせっせと金を買い込んでいるのか、その行動の本質を知ることがより重要です。以前、金は金利がつかないからその価値に意味がないとおっしゃった論客がいましたが、それはごく一面を見ているにすぎません。配当をしない企業の株価は無価値なのかというのと極論では同じです。一番大事なのは世論が公平に価値を見出し、かつ取引市場が充実していることです。そして金の場合は各国の中央銀行が代替資産として保有することで政府通貨のような信頼度を付与しているような状況なのです。

各国が金を買う行為とはドル基軸に対する不安の裏返しでしょう。トランプ氏があれだけ強気発言ができる最大の背景はドルが基軸通貨だからなのです。仮に世の中に政治的に中立で第三国の影響を受けないXという基軸通貨があり各国の為替レートはX通貨を中心に交換比率が決まるとすればドルの価値は大きく剥離するはずです。理由は債務が大きすぎることと国内政治に不安定感があるからです。金を含む多くの商品取引はドル建てですが、これがX通貨建になればどのようなシュミレーションになるか気になりますね。誰も疑うことがないドル紙幣がアメリカのローカル通貨に絶対にならないとは限らないと考えれば金が欲しくなる理由にも納得なのです。

トランプ氏の賭け、ロシアはアメリカにほほ笑むのか?

今週、所属している団体が主催したウクライナ問題に関する討論は日本の有数の研究者を含む学者ら8名ほどが2時間強にわたり議論を繰り広げました。研究者同士の発表や討論はメディアなどの加工がなされず、参加者の特性も限定されているため、より単刀直入で切り込んだ討論が行われるのが特徴です。当然ながら停戦可能性の議論が耳目を集めたのですが、討論ではプーチン氏は妥協する理由がないという論調が主でありました。中でも面白い論点だったのが「いま、停戦したらプーチンは開戦前より不利な条件になる」というものでした。

トランプ氏は高官をモスクワに派遣し、実務ベースでの停戦条件交渉を進めています。ウクライナとの事前折衝と条件を持って交渉に当たっているでしょう。それをロシアがどう判断し、停戦するならどのような条件で妥結するか、という具体的な点を詰めているものと思われます。プーチン氏は停戦について総論賛成、各論反対の立場にあります。停戦には「危機の根本原因除去」が前提と述べています。この根本とは安心安全な隣国であり、ロシアに危機を及ぼさず、できれば親しみを持って協力体制を持つことだろうと察しています。

プーチン氏は急がないけどトランプ氏は大統領としての功績を直ちに上げたいのです。とすればトランプ氏は足元を見られてるわけです。特にここに来てトランプ政権全般への不満がアメリカ国民の中に広がりつつある中、24時間で停戦させると豪語したトランプ氏としてはプーチン氏に妥協をしてでも停戦合意に取り付けたいのでしょう。学者や研究者は現状、予見できる範囲でプーチン氏の合意はないと見ていますが、妥結させるためにウクライナには屈辱的なスィートディールもありかもしれません。ところでウクライナとの停戦協議をしていたルビオ国務長官が協議中、一人だけにやけていたのですが、彼も功績が上げられるという嬉しさが顔に出たのでしょう。人格が分かります。

マクドナルドの値上げが話題のようですが

マクドナルドが値上げを発表、昨年1月以来14か月ぶりとなるそうです。金額をざっと見ましたがそれでもワンコインかそれにちょっと足すぐらいで食べられるのですから値上げで客離れはしません。断言します。今、ラーメン屋も1000円の攻防で「高級ラーメン」と「普及ラーメン」では大きな価格差が生じています。いわゆる二極化でとことん突き詰めたラーメンを食べたければ長時間並んで1500円払う必要があります。それでも客は絶えないのです。

ermingut/iStock

前回東京に行った際、どうしても吉野家をチェックしたくなり、渋谷でランチタイムに行ったのですが、様変わりにびっくり。テーブルの注文用のタブレットで注文すると病院でクスリをもらう番号のように「〇番さま、カウンターに取りに来てください」といった合成音声が流れます。そして食べ終わると自分で片づけ、最後の精算はなぜか半自動。「味わう」というより効率化を目指し過ぎて「何か変だなぁ」という虚しさ。「また行くか」と言われたらカウンター式で「並1つ!」と言えるところなら伺います。物価の優等生と言われる「吉牛」でも500円で収まるのはごくわずかのアイテム。

北米は物価高でサラリーマンはどう対処しているかと言えば自衛策でしょう。北米では私が馴染んだ頃からブラウンバッグという言葉があるとおり、ランチはサンドウィッチを袋に入れて家から持ってくる、そしてワーキングランチという言葉があるように質素でさっさと終わらせるのです。これを日本に当てはめれば弁当持参かせいぜいコンビニ弁当。つまりお得なランチ定食を食べに行くという発想はありません。入居する雑居ビルではテイクアウトのランチを持って帰ってくる勤め人が昼過ぎに戻ってきます。私がランチに家へ帰る理由は待ちたくないからです。昼はせいぜい30分で終わらせてそれより早く帰りたいのです。

後記 大病院で胃カメラと細胞検査。病院で担当の専門医が「2年前に酒を飲むなと私は君に言ったよね。どうしている?」と聞かれ、「すみません、缶ビールを一日1本ほど…」というと治療用ベッドに寝かされ麻酔をかける直前、手を私の肩に置き「何故、止められないのだ!」と怒りだし、「君は20階建ての建物の屋上で足をもう少しで踏み外すところだ。後ろに下がる努力をしなさい」ときつーく言われました。挙句の果てに「6カ月後に内蔵のスキャンをします」と。げげっ。このドクター、本気だわ。私は今、かなりビビっております。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年3月15日の記事より転載させていただきました。

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https://agora-web.jp/archives/250314065925.html https://agora-web.jp/archives/250314065925.html Sat, 15 Mar 2025 03:00:17 +0000 Sat, 15 Mar 2025 01:05:33 +0000
中国産レアアース依存を打破せよ column トランプ米大統領を冷笑する意図や考えもないことを先ず断っておきたい。トランプ氏は1月20日、第47代大統領の就任式を終えた後、大量の大統領令に署名してきた。その署名の度に世界は喜んだり、悲しんだり、怒ったり、首を傾げたり

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トランプ米大統領を冷笑する意図や考えもないことを先ず断っておきたい。トランプ氏は1月20日、第47代大統領の就任式を終えた後、大量の大統領令に署名してきた。その署名の度に世界は喜んだり、悲しんだり、怒ったり、首を傾げたりしてきた。トランプ氏は自分の言動に関心がある世界の人々を飽きさせない才能の持ち主だ。

ドイツ鉱物資源庁の公式サイトより

そのトランプ氏が目下関心ある不動産物件は3件だ。世界最大の島、デンマーク領土のグリーン島、ウクライナ、そしてパレスチナ自治区ガザの3件だ。グリーン島にはレアアース(希土類金属)など豊富な地下資源が埋蔵しているといわれる。ウクライナの場合も鉱物資源だ。トランプ氏はウクライナとの停戦交渉では埋蔵されているレアアースの採掘に関連した取引きをキーウ側に持ち掛けている。中東ではイスラエル軍の攻撃で破壊されたパレスチナ自治区ガザからパレスチナ人を隣国のヨルダンやエジプトに移住させ、その後、ガザ区を世界的なリゾート地域に開発する計画を有している、といった具合いだ。

グリーン島、ウクライナ、ガザ区の3件を羅列すると、トランプ氏はやはり不動産業界出身者だと痛感せざるを得ない。その土地の価値を臭覚で判断できるのだ。それらの土地に埋蔵されている地下資源に熱い関心がある。ただそれだけならば、トランプ氏は政治家の仮面を被った利権を漁るビジネスマンに過ぎない。トランプ氏には別の政治的な計算が働いているのだ。グリーン島やウクライナの2件ではズバリ、レアアースの開発だ。中国が世界のレアアース市場を支配していることに、米国は国家安全への危機感を持っているのだ。

トランプ氏と習近平国家主席 2017年 中国共産党新聞より

ちなみに、レアアース金属とは、17種類の金属の総称であり、その中には9種類の重希土類金属と8種類の軽希土類金属が含まれる。これらは「戦略的資源」に分類されており、経済的に重要である一方、供給リスクも高い。金属そのものは必ずしも希少ではないが、大規模な埋蔵量を持つ鉱床は少ない。

レアアースはスマートフォン、電気自動車、最新の兵器システムなどに欠かせられない。特に深刻なのは重希土類金属の供給だ。これらは自動車産業だけでなく、米国の防衛産業にも不可欠な素材だ。現状では、重希土類金属は100%中国から供給されており、中国で採掘されるか、少なくとも精製されている。

オーストリア国営放送は13日、「レアアース、中国の支配は続く」というタイトルでドイツ鉱物資源庁(DERA)の研究結果を報告している。以下、その記事の概要を紹介する。

「DERAが13日に発表した研究によると、世界が中国に依存し続ける状況は当面変わらない。その理由は、現在のレアアース金属の世界市場価格が低迷していることだ。現在、レアアースを採掘・加工しているすべての企業が経済的な問題を抱えている。中国企業も例外ではない。そのため、他国での新たな採掘プロジェクトの実施が難しくなっている。さらに、中国以外の地域では、採掘や加工に必要なインフラが不足している。中国の場合、豊富なレアアース資源を持つだけでなく、長年にわたる大規模な政府投資によって原材料の精製ネットワークを築いてきた。さらに、この分野で必要な技術に関する特許を多数保有している。DERAの専門家によると、電気自動車のバッテリー、スマートフォン、風力発電機などに使われるレアアースの需要は今後大幅に増加する見込みだ。ちなみに、DERAの研究によると、2023年の世界のレアアース金属生産量の約60%が中国によるものだった。精製加工においては中国のシェアは93%に達している」

「デンマーク・グリーンランド地質調査所(GEUS)の推定によると、島内には3,610万トンのレアアース金属が埋蔵されている。しかし、米国地質調査所(USGS)によると、そのうち実際に採掘可能な量は約150万トンに過ぎない。これは、中国(4,400万トンの軽希土類・重希土類金属)やブラジル(2,100万トン)の埋蔵量と比べると、かなり控えめな数字だ。グリーンランドでは現在レアアースの採掘は行われていない。2021年にグリーンランド政府がウラン採掘を禁止したことで、中国が支援するレアアース開発プロジェクトも頓挫した。また、ウクライナにも複数のレアアース鉱床があるが、今のところ採掘はされていない。ウクライナでは、ザポリージャ、ドネツク、ドブラ周辺の地域には大量のレアアースが埋蔵されていると推定されているが、これらの地域はロシアが占領しているか、その周辺に位置している」

なお、中国政府は2010年の尖閣諸島をめぐる対立の中で、日本へのレアアース輸出を一時的に停止した。これは、日本のハイテク産業に大きな影響を与え、中国がレアアースを政治的手段として利用した最初の実例となった。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年3月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

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https://agora-web.jp/archives/250314070029.html https://agora-web.jp/archives/250314070029.html Sat, 15 Mar 2025 02:55:09 +0000 Fri, 14 Mar 2025 22:03:41 +0000
石破総理、ダブスタで居座り続ける恥知らず column きょうは石破総理の記事から。 【石破茂首相側が1期生15人に商品券10万円相当を配布 全員が返却】 石破茂首相(自民党総裁)が3日に首相公邸で行った自民衆院1期生議員との会食に際し、首相事務所が会食前、1期生側に土産名目

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きょうは石破総理の記事から。

【石破茂首相側が1期生15人に商品券10万円相当を配布 全員が返却】

石破茂首相(自民党総裁)が3日に首相公邸で行った自民衆院1期生議員との会食に際し、首相事務所が会食前、1期生側に土産名目として1人当たり10万円相当の商品券を配布していたことが13日、分かった。複数の出席者が明らかにした。会食には1期生15人が参加し、総額は百数十万円に上るとみられる。1期生側は全員が自主的に返却した。

首相は13日夜、公邸で記者団の取材に応じ、配布を認めた上で「会食の土産代わりに(議員の)家族へのねぎらいの観点から、ポケットマネーで用意した。公職選挙法にも政治資金規正法にもなんら抵触しない。政治活動に関する寄付でもない」と説明し、正当性を主張した。

その上で「法的には問題ないと認識しているが、(一連の報道で)大勢の皆さまにご心配をおかけし、大変申し訳ない」と語った。配布は事前に知っていたとも述べた。自身の進退を問われたが、辞任は否定した。

政治資金規正法では個人が政治家の政治活動に関して寄付してはならないと定めており、配布の目的次第では法に抵触する可能性もある。

首相は3日夜、首相公邸で昨年10月の衆院選で初当選した1期生議員15人と約2時間にわたって会食。林芳正官房長官と橘慶一郎、青木一彦両官房副長官が同席した。

出席者によると、首相の秘書が会食前の3日夕に、会食に出席を予定していた各議員事務所を訪れ、包みの入った紙袋を配って回ったという。出席者の一人は「包みを開けないまま返却した。自民への有権者の視線は厳しく、こういう贈り物は困る」と話した。

自民は派閥パーティー収入不記載事件で「政治とカネ」の問題が噴出し、昨年の衆院選で与党過半数割れに陥った。

政治資金の透明性向上を掲げ改革に取り組んでいる最中に浮上した新たな問題に対し、野党側の反発は必至で、首相の今後の説明次第では政権運営に大きなダメージとなる可能性もある。

(2025/3/13 産経新聞)

法的には白と言えます。

この件は石破が事務所スタッフに配布させたのでそりゃ情報漏れるよねって話でもあるのですが、送った15人全員から返却されてるところもすごくマヌケです。

総理と総理の事務所の人間より新人議員達の方が冷静だということも解ってしまいましたし。

それでも法的には白です。ただし、石破茂の場合はちょっと別の事情が入って来ます。

石破茂首相 首相官邸HPより

不記載の件で検察が調査に入り、訂正を行って不起訴となったものについてそのことをきちんと説明することなく岸田総理は処分を決定しました。

塩谷か下村が安倍晋三元総理が亡くなった途端に安倍元総理にやめさせられた不記載をすぐさま復活させた事がわかっていますから、本来なら不記載問題がバレた時点で不記載を復活させたバカがその時点で責任を取って引退でもしとけばよかったんですが、残念ながら清和会幹部会合で知らぬ存ぜぬでシラを切って誤魔化しきるという最悪の選択をしましたので、岸田文雄が派閥抗争以前に報復的な処分を行ってもここは仕方ない部分と言っていいでしょう。

ですが石破茂は論外です。

石破茂、森山裕は選挙に当たってマスゴミの要求を半ば反映する、反日マスゴミがミスリードしたい方向へ乗っかりました。

派閥抗争となると一手先の事も考えず自分の事しか見えなくなる岸田文雄と岸田派が背後にいて実権を握っていたとは言え、総裁選でも処分しないと言って自分に投票するように工作をしかけてお気ながら、選挙に当たって粛正を敢行しました。

結局はこれが決定打となって選挙に大敗したと言えますが、司法が白と判断した。ただ道義的責任という意味で岸田が追加処分を行った。ここまではいいですよ。

でも石破が行った追加処分(おかわり)は一度党として決定して行った処分であったのにこれを否定する形で行った二重処分という非法治国家的な蛮行です。当然、なんの法的根拠もありません。

司法が白と判断したものの党として公式の追加処分を決定し実施したものを選挙にあたって蒸し返して処分おかわりという二重処分で粛正を行ったのが石破茂です。

そんな石破茂は岩屋毅の収支報告書不記載については一切問題がない扱いをしてスルーしました。

そして今度は法的にグレーに近い白だとしても、自分については法的に問題が無いと居直るのは非常に筋の悪い話だと思います。

蒸し返さないと言って総裁選では所属議員達を騙して自分に投票を呼びかけておきながら、なんの法的根拠も無い追加処分を実施して党を半壊させた 自分のお友達議員の問題についてはスルー かつて選挙に敗れた安倍晋三に対して今すぐ辞めろと公衆の面前で罵倒したのは石破茂 選挙に勝てないからと麻生総理に辞任しろと要求したのも石破茂

これで先の衆院選に大敗した際に小泉進次郞に責任を押しつける形で仲間の森山裕とともに開票当日に続投宣言をしたのが石破茂です。

選挙に負けても責任を取らない。

不規制問題で所属議員を粛正しておきながら、自分は商品券配りについて法的に白だからと開き直っているのです。

ここまで自分に甘い、立憲民主党議員のような総理大臣では政策も進まないでしょうし、選挙に勝つのも難しいでしょう。

たいていの日本人は露骨なダブスタってものすごく嫌がるんですよ。これを岸破政権はどう誤魔化そうとするでしょうかね?

党内で「石破下ろしが始まった」と受け取るべきでしょう。

石破茂の最大の問題は、マスゴミにチヤホヤされたい、ライバルを蹴落として自分が総理になりたい。そういった当たりの理由でマスゴミの尻馬に乗って難癖レベルの批判にも便乗して後ろから撃ってきた事です。

それらが今次々と自分に返ってきているだけです。

筋の通らない悪口などは自分が批判される立場になったら全部返ってくるというのがよくわかります。

ただし、今石破が倒れたとして、せっかく後先も考えずに党内権力抗争をしかけて権力を握った岸田派がそのまま引き下がるとは思えません。

となれば岸田派が林芳正あたりを勝たせようとしてくるか、あるいは岸田文雄再登板で動くか……。

嘘をついて仲間の議員達まで騙して高市を潰した岸田文雄と岸田派ですからね。あまり期待できそうにはありません。

編集部より:この記事は茶請け氏のブログ「パチンコ屋の倒産を応援するブログ」2025年3月14日のエントリーより転載させていただきました。

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https://agora-web.jp/archives/250314220445.html https://agora-web.jp/archives/250314220445.html Sat, 15 Mar 2025 02:50:36 +0000 Fri, 14 Mar 2025 22:10:11 +0000
厚労省の中小企業いじめ:ストレスチェック、従業員50人未満の企業も義務化 column 政府は14日、すべての企業に対し、従業員の精神状態を調べる「ストレスチェック」の実施を義務付けることを柱とした労働安全衛生法の改正案を閣議決定しました。職場でのストレスによる精神疾患の発症を防ぐことが目的となっていますが

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政府は14日、すべての企業に対し、従業員の精神状態を調べる「ストレスチェック」の実施を義務付けることを柱とした労働安全衛生法の改正案を閣議決定しました。職場でのストレスによる精神疾患の発症を防ぐことが目的となっていますが、これまで努力義務とされていた従業員50人未満の企業も対象に加えたことで、厚労省への憤りが高まっています。

参照:ストレスチェック、全企業で義務化へ 従業員50人未満も対象に

この決定に対しては、当然ながら批判の声が上がっています。

ストレスチェックの実施により、事務的な負担が増加し、副次的な影響も含めてかえってストレスを感じる人が増えるのではないかとの懸念もあります。

ストレスチェック自体は否定しませんが、そもそも実施する余裕がない企業も多いのが実情です。規制を作る側の官庁は現場の実態を十分に把握しているのかという疑問の声も聞かれます。

この政策については科学的な根拠を示すべきとの指摘もあり、ストレスチェックを提供する企業が利益を得るための制度ではないかと疑う声も聞こえてきます。

「上に政策あれば下に対策あり」との指摘もあり、現場ではさまざまな対応策が講じられることが予想されますが、いずれにせよ企業には負担が重くのしかかります。

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https://agora-web.jp/archives/250314224632.html https://agora-web.jp/archives/250314224632.html Sat, 15 Mar 2025 02:45:22 +0000 Sat, 15 Mar 2025 01:11:54 +0000
自民党が消滅する日 column 国際政治・国内政治・政治思想等々について、政治学者の立場から分析します。情報過多の中で、いかに本質を見抜き情報の価値を高められるか。 今回は「【嘘つき、国賊、酷いバカ】自民党が消滅する日」をお送りいたします。 ■ 政治学

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国際政治・国内政治・政治思想等々について、政治学者の立場から分析します。情報過多の中で、いかに本質を見抜き情報の価値を高められるか。

今回は「【嘘つき、国賊、酷いバカ】自民党が消滅する日」をお送りいたします。

政治学者・岩田温氏のYouTubeチャンネル「岩田温チャンネル」。チャンネル登録をお願いします。

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https://agora-web.jp/archives/250314223352.html https://agora-web.jp/archives/250314223352.html Sat, 15 Mar 2025 02:40:49 +0000 Fri, 14 Mar 2025 22:35:02 +0000
相手から恨みを買う「絶対してはいけないこと3選」 economy 黒坂岳央です。 いつの時代でも、相手から強い恨みを買って起きる痛ましい事件が起きる。法治国家である日本では暴力は許されないが、それでも恨みを買ったことが原因で事件が起こることがある。では、そもそも恨みを買わないためには何

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黒坂岳央です。

いつの時代でも、相手から強い恨みを買って起きる痛ましい事件が起きる。法治国家である日本では暴力は許されないが、それでも恨みを買ったことが原因で事件が起こることがある。では、そもそも恨みを買わないためには何に気をつけるべきなのか?

人によってカチンと来る言動は異なるものの、下手をすると相手から強い恨みを買ってしまう行為は大体決まっている。筆者自身が気をつけていることを取り上げたい。

Andranik Hakobyan/iStock

裏切り

1つ目は相手の信用を裏切る行為だ。ビジネスにおいては不義理と呼ばれ、文脈によっては詐欺という犯罪に抵触するケースも有る。

裏切りには、日常的な小さなものから、相手の人生を狂わせるほどの大きなものまで幅がある。相手との待ち合わせをすっぽかす、くらいなら信用を失うくらいで済む。この場合はせいぜい相手から嫌われるだけで恨みまでは買わない。

だが、相手の大事なもの、たとえばお金を取るような真似をすると話は変わってくる。例えば、詐欺などのケースが挙げられる。対処法としては、法治国家として適切な法的プロセスを経て回収することだ。しかし、全員がそのように上品な手続きを踏んでくるとは限らない。下手をすると憤怒した相手が法の垣根を乗り越えてくる可能性も十分考えられるだろう。

特に詐欺の場合、被害者の恨みが強くなるのには2つの理由がある。1つ目は、お金という重要な資源を失うこと。もう1つは、相手に最初から騙す意図があったと知り、自分のプライドを踏みにじられたと感じることだ。

経済的損失に加え、相手から見て、自分が人間扱いされていなかったことを知った時の恨みも加わることで相手の憎悪は頂点に達する。

プライドを潰す

2つ目はプライドを潰す。本稿でのわかりやすいたとえとして、男性にとっての仕事があげられるだろう。

望むと望まざるとにかかわらず、男性にとって仕事は社会的に見て自分の価値を決めてしまうほど重要なファクターである。このことを否定できる人は少ない。それ故に仕事がうまくいく、いかないということで自分の人生そのものの価値を考えてしまう人もかなりいる。特に独立して仕事にコミットするような人はその度合が強く、彼らは命どころか、人生丸ごとをかけて勝負している。

だからこそ、仕事をバカにされることは、深い痛みを伴い、強い恨みにつながる。SNSなどでは軽い気持ちで相手のビジネスを否定するような発言をして、相手から訴訟される人もいる。本人は死ぬ気で頑張っていることを軽い気持ちで否定するべきではないのだ。

自分はそのことをよく知っているので、相手の仕事を絶対に下に見るような発言はしないようにしている(そもそも職業に貴賎なし、だ)。仕事をバカにされた側が持つ憎悪の力は半端なものではないのだ。

他にも、生き方や人間性の否定、浮気、解雇など相手のプライドが傷つく行為は恨みを買う。相手の「行動」は否定しても、「人生」を否定してはいけない。

社会的信用の失墜

最後に社会的信用の失墜。その理由は人間の「尊厳」と「生存基盤」を同時に破壊する行為だからだ。

人間は、「プライドと立場」が破壊されると、生きる意味や活力を奪われたと感じる生き物だ。特に日本のように信用経済社会では、時に「世間体」や「評判」は命より重いとされることもある。

そのため、SNSでのデマ拡散や職場でのパワハラによって信用を失わせる行為は、取り返しのつかない恨みを生む可能性がある。実際に、退職した部下が元上司への怨恨から刺殺し、自宅に放火した事件も起きている。

なぜここまで人は追い詰められるのか?それは、社会的信用が生存権に直結するからだ。信用を失うと仕事を失い、仕事を失うと収入を失い、収入を失うと生活が破綻する。

「嫌い」だからと軽い気持ちで名指しでデマを言ったり、過度な中傷をすると相手から強い恨みを買ってしまうのだ。

人は誰しも、強い恨みを抱いたとき、冷静な判断を失い、取り返しのつかない行動に出てしまうことがある。特に、「裏切り」「プライドを潰す」「社会的信用の失墜」といった行為は、相手の心を深く傷つけ、強烈な憎悪を生む要因となる。

我々は日常の中で、知らず知らずのうちに他人を傷つけていることがある。軽い気持ちでした言動が、相手にとっては人生を左右するほどの衝撃となることもあることを忘れるべきではないだろう。自分にとっては軽い気持ちでも、相手からすると人生を揺さぶられる衝撃になることは往々にしてあるのだから。

 

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戦争を終わらせたくないヨーロッパ勢とウクライナ和平の行方 society イーロン・マスク氏曰く、「ヨーロッパは、ウクライナ戦争が永遠に続くことを願っている」。 確かに、トランプ米大統領がウクライナ戦争の終結に尽力していることを、ヨーロッパは歓迎していない。それどころか、デンマークのフレデリク

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bilalulker/iStock

イーロン・マスク氏曰く、「ヨーロッパは、ウクライナ戦争が永遠に続くことを願っている」。

確かに、トランプ米大統領がウクライナ戦争の終結に尽力していることを、ヨーロッパは歓迎していない。それどころか、デンマークのフレデリクセン首相は、「ウクライナの平和は、戦争継続よりも危険」と発言。その理由は、ウクライナ戦争を止めれば、ロシアが他の国を攻撃するかもしれないからだそうだ。ウクライナはロシアの攻撃を防ぐ盾なのか?

ハンガリー・オルバン首相の和平外交とEUの反発

ウクライナ和平を試みた最初の首脳はトランプ大統領ではない。ハンガリーのオルバン首相も、EUの欧州理事会の理事長国になった昨年の7月、すぐにキエフに飛んでゼレンスキー大統領に会い、その3日後にはモスクワにプーチン大統領を訪問、さらにその3日後には北京で習近平と会談した。それどころかすでに5月にはフロリダで、大統領選の前のトランプ氏とも話し合っていた。

オルバン首相は自らの行動を「平和を取り戻すためのミッション」と呼び、「米国とNATOと中国がその気になれば、ウクライナ戦争は必ず終わる」と断言。

ところが当時、この和平の試みに抵抗し、激しいオルバン・バッシングを展開したのがEUの欧州委員会。特にフォン・デア・ライエン委員長は、オルバン首相はEUの結束を見出す裏切り者と言わんばかりの不機嫌さだった。しかし、だからと言ってEUには、和平交渉に乗り出そうという首脳はいなかった。

その後、トランプ氏が米国大統領に就任し、いろいろなことが矢継ぎ早に進み始めた。先月28日にはウクライナ停戦を決めるため、ゼレンスキー大統領がホワイトハウスに招かれた。

緊迫のトランプ・ゼレンスキー会談

会談は和やかな雰囲気で始まった。トランプ大統領は、自分はロシアの味方でもウクライナの味方でもなく、これ以上の命が失われることを防ぐため、戦闘を終わらせたいのだと言っていた。

しかし、ゼレンスキー氏は、最初から何か勘違いをしていたらしく、ロシアから帰還した捕虜の写真を何枚もトランプ氏に見せたり、プーチン大統領に対する罵倒を繰り返したりした。トランプ氏は明らかに不快に思っている様子だったが、しかし、それを口には出すことはなく、私は、氏の忍耐に少なからず感心した。

ただ、その後もゼレンスキー氏の場違いな態度は続き、停戦に際してウクライナの安全を保証するよう要求した。しかし、ウクライナの安全を保証した人物が、中立な立場でロシアと交渉をすることができるはずもなく、トランプ氏はその要求を拒否。ディールで戦争を終結させることが先決だと主張した。するとゼレンスキー氏は、全ヨーロッパが自分の味方であるかのように仄めかし、高飛車な態度に出始めた。

ホワイトハウスSNSより

なぜ、こんなことになったか? おそらく、ここ数年、世界のあちこちの議会や国際会議に招かれ、悲劇の英雄ばりの演説で喝采を浴びていたゼレンスキー氏は、トランプ大統領の執務室でも、それと同じことが通用すると思ったに違いない。

すると、ずっと黙って会話を聞いていたヴァンス副大統領が、ついに堪えきれずに割り込んだ。「大統領、あなたの態度は失礼だ。あなたはこの紛争を終わらせようと努力しているトランプ大統領に感謝すべきだ」と。これにより、40分間穏やかに進んだ会談が爆発。果てはゼレンスキー氏がヴァンス氏に、「ウクライナに来たことはあるのか?」と食ってかかる事態となった。

ただ、こうなるとゼレンスキー氏にチャンスはない。トランプ大統領が、「米国の軍事援助がなければ、戦争は2週間で終わっていた」と引導を渡すと、ゼレンスキー氏は瞬く間に裸の王様となってしまった。

そして、その後、世界中に拡散されたのは、ほぼこの10分間の激しい口論シーンだけだ。最後にゼレンスキー氏に向かって、「あなたは第3次世界大戦の危険を弄んでいる」、「停戦したくないなら我々は手を引く」と宣言したトランプ氏の姿は、米国とウクライナの実力の差を、世界中にまざまざと見せつけた。

のちに、この会談をトランプ氏の横暴のように非難していたのがドイツや日本の主要メディアだったが、私の見た限り、最初の40分間のトランプ氏は抑制的だった。

EUの反応と「戦争継続」の意図とは?

この会談の翌日、ロンドンに飛んだゼレンスキー大統領を英国のスターマー首相が温かい抱擁で迎えた。ドイツのメディアがその映像と共に発信したのは、「トランプ氏とは違い、私たちヨーロッパはウクライナを見捨てない」というシグナルであり、判官贔屓のドイツ国民がそれに型通り感動した。「絶対にロシアを勝たせてはならない!」と。

またEUエリートたちも、8ヶ月前にオルバン首相が和平交渉を試みた時と同じく、トランプ大統領のそれを誰も評価しなかった。それどころか彼らは、「この戦争はウクライナの負けだ」というトランプ大統領の言葉も完全に無視し、不機嫌な顔で戦争継続のための新たな支援について話し合い始めた。ただ、どの国も、資金も武器もすでに尽きかけている。

では、EUはなぜ、ウクライナ戦争の終結に足踏みをしているのか?

この戦争が22年2月、ロシアのウクライナ侵攻で始まったわけではなく、そこには、それ以前の複雑な地政学的駆け引きや、レアアースなど鉱物資源を巡る利権争いなどが絡んでいることは確かだろうが、しかし、戦争勃発後の3年間に絞ってその総括をするなら、EUを率いるエリートたちは、この戦争に対する対応を完全に間違った。

鳴り物入りで始まった経済制裁は、ロシアではなくヨーロッパを弱体化したに過ぎなかったし、彼らが長らく主張してきた「侵略者プーチンは和平交渉に応じない」という説は、トランプ大統領の出現であっさりと消えた。これまでウクライナに注ぎ込んだ膨大な援助も、さほど役には立っていない。

それどころか、「ロシア抜きでヨーロッパの平和はあり得ない」と主張するハンガリーのオルバン首相がおそらく正しかったのだ。しかし、EUのエリートたちは、それら全てが間違いであったとは、決して認めたくなかった。

そして、ナポレオンも、ヒトラーも、攻め込んでは惨敗することになったロシア(ソ連)という大国に、自力で戦争をする力もないウクライナをけしけた結果、案の定、出口を失っている。

ヨーロッパに漂う不穏な軍国化の兆候

いずれにせよ、数々の失敗のせいで、ヨーロッパは今、急速に国際舞台での影響力を失ってしまった。一方、接触することさえ忌避していた悪党プーチン大統領は、EUの外の世界では、今なお大国の首脳として健全だ。それどころか、EUにとっての重要な同盟国であるはずの米国が、そのプーチン大統領と対話を始めようとしている。

そして、これまでオバマ大統領やバイデン大統領の周りで踊り続けたEUは、この変化に付いていけず、今や米国までを敵に回しかけている。危険な兆候である。

今月4日、緊急に招集されたEUの理事会では、フォン・デア・ライエン欧州委員長が、米国がNATOを離れるという仮説を示し、ヨーロッパの防衛強化という名目で、8000億ユーロを共同で借り入れることを提案した(ただ、ハンガリーが反対したため、3月7日現在、合意に至っていない)。

私の最大の懸念は、世界での影響力を取り戻したいヨーロッパが、突然、軍国主義の方向に舵を切ることだ。ここ10年以上、国防を疎かにしてきたドイツでも軍事費の大幅な増額がすでに視野に入っており、徴兵制の復活が囁かれ始めた。EV化に乗り遅れて衰退したドイツの自動車産業が、大手を振って軍用車を作り始める可能性は大いにある。もちろん堂々とガソリン車を。

世界は動いている。日本も、国内のちまちました問題に気を取られている暇はない。アンテナを高くする必要がある。

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