「プリキュアの報道は妥当か」について

生島 勘富

音声で議論をさせて頂いた。

私は、皆さんが何に対して怒っているのかよく分からなかった。

報道に対して「プリキュア」という固有名詞を出しミスリードを狙っているからか?
私が科学的に話してないからか?

いずれかに怒っている人がほとんどだったようで、最初から噛み合っておらず、大変申し訳ないことになってしまった。


私は「プリキュア」という固有名詞を出して報道したのは褒められたことではないと思うし(幼児向けアニメでもよかった)ミスリードを狙っているか?と言われれば「狙っているかも知れないね」と思います(「狙ってる」と断定する根拠はなくても良いのか?)。
(これも何度も繰り返していますが……)最初から科学的に話しているわけでもなく、社会的な問題として話をしています。

お話しできたこと自体は、大変楽しかったですけれど、たすき掛けにしては議論にならない、と言ってきたつもりなのに残念です。

新聞報道に於いて、どう見出しを付けるか、何を大きく扱うかは報道機関の言論の自由であり、偏向が掛かってない情報なんてありません。
今回のような報道が出るということは(成人男性が幼児向けアニメを観ているということを)快く思っていない人が多いということの現れで、ミスリードされるまでもなくそう思っている人が多いということです。
それ以上の意味はないでしょう。

「(データがないなら)偏向報道だ!ミスリードを誘っている!」と言ったところで、快く思っていない人は「やっぱり彼ら(オタク)は……」としか思いません。

私はその先が問題だと感じていました。

つまり法規制です。
私に絡んできた多くの人も法規制に言及していたので「『法規制させるように』世論を誘導しようとしていること」に対する怒り、その根本は「『法規制されたくない』という思い」と捉えていたわけです。

■法規制について考える

たとえば、いわゆる「非実在条例」というのができた背景は「法規制した方が良いと思った人が多かった」ということでしかなく、何か科学的根拠にもとづいて法規制されたわけではありません。
データが出てきたとしても恣意的で科学的とは言い難いでしょう。
規制に突き動かした力は「嫌だから法規制して欲しい」という気持ちの問題で、そこに科学的な根拠なんて必要ないのです。「嫌だ」「困っている」で済んでしまいます。
現に大した科学的根拠もなく制定されました。

その様な事態を崩したいのなら、有無を言わさない科学的根拠を出すか(出しても負けることが、しばしばありますが)、自浄努力をしている姿勢を見せるしかないでしょう。

今回の問題は、科学的根拠として因果関係を証明するのは非常に難しく、比較的簡単な相関関係があるかどうかの証明も容易ではありません。
しかし、心の内面が関わることだけに、当事者(アニメ好き=オタク)として本心で思っていることは正しい可能性が高い。もし、本心から「相関はない」と思っているなら「相関はない」って断言すれば良いわけで「データがないじゃないか?」という必要はないでしょう。
私は、そこに非常に強い違和感を覚え「データがないから相関はない」もっと言えば「実は、相関があると思っているけれど、データがないなら言うな!」と言ってるように感じました。

しかし、本当にデータはないのでしょうか?(私は後述するような感覚しかありませんが)

たとえば、幼女が誘拐される事件があり、金銭の要求がないとき、犯人を探すために警察は何から捜査するでしょう。おそらく近所のレンタルビデオ店の「幼児向けアニメの貸し出し履歴」は、早い段階で調査対象に入るでは?その程度のプロファイリングができるデータは警察にはあると、私は考えています。

警察はすべてのデータを白書で公開しているわけではありません。もし、私の考えが正しければ、警察が「法規制が必要」と思えばデータを出してくる可能性はあるでしょう。

「データがないから言及(報道)すべきでない」は、論理的には正しいです。
しかし、社会的には正しくない。
もし、「実は、相関があると思っているけれど、データがないなら言うな!」と言うのなら(そう受け取られても)、社会的には完全に悪です。

残念ながら、皆さんの本心がどこにあるのかは分かりませんでした。

■法規制はない方が良い

私はあらゆる法規制はできる限りない方が良いと考えています。
「アニメで性犯罪は減る」と思っていますから、変な法規制を掛ければ掛けるほど、性犯罪は増えることになり、コントロールの効く自主規制をすべきと考えています。

しかし、所謂オタクを嫌だと思っている人に、犯罪の報道に対して「データがないから言及(報道)すべきでない」と言いながら、「アニメで性犯罪は減っている」と言ってしまえば「彼らは信頼できない」となってしまいます。
「自主規制などやる気がない」「社会と折り合う気はない」としか見えませんから法規制は避けがたいでしょう。

お互いに科学的なデータはないし、もし、あるとしたら法規制をする側の警察にあります。データがないから「法規制は行われない」ということは残念ながらありません。

放射能のように科学が通じる無機質な相手ではなく、報道も法規制も、社会的な問題であって、科学的な問題ではないのです。

私は(科学的に正しい)言葉遊びをしたかったのではなく、「アニメと性犯罪は全く関係ない」のか、「アニメで性犯罪は減る」のか知りたかった。

もし、「関係ない」なら「関係あると思っている人」をどう納得させるのか?

「アニメで性犯罪は減る」なら(つまり、プリキュアの報道の妥当性にも繋がるが、それは置いておいて)法規制が掛かったら拙いのでどうしたら良いか。という話がしたかった。

■私の感覚で誠に失礼な話ですが……

今回、Twitterで300人ほど交流ができました。

当初は300人もの人と交流することになるとは思っていませんでした。
正直に言うと「性癖・性的嗜好は実行するまでは自由、二次元があるから我慢できている!」というのはよく聞きますが、冗談だと思っていたわけです。もし、そんな人に会えたら「因果関係はあるんだ」と判断しようと考えていました。
「本当に存在するのか知りたい」と思って煽ったのは事実です。

仮に、300人に1人いたとしても0.33%、所謂オタクが1000万人とすれば3万3千人もいるということで、年間50件ほどの犯罪に対して凄い数だと私は思いますが、数十人はいたように思います。IDを取り直して来る人も多かったので、実際の数は分かりませんが少なくとも1人でないことは確かです。
1000万人であるか、300人であるかは大きな問題でもなく、数名以上と出会えるということは、そういう人が到底、無視できない数いるということです。

もちろん、私に返してくれた人達はもの凄く偏っていたのでしょうけれど……。その結果から、今では負の因果関係があると確信しています。
しかし、正確な統計じゃないので「負の因果関係があると思う」と言ってるだけです。

今回は、当事者以外の多くの人が「炎上している」のを見ていました。
「性癖・性的嗜好は実行するまでは自由、二次元があるから我慢できている!」という人が粘着していたことも、オタクじゃない人も見ていました。

それでも「データがないなら関係ない」と主張するのは、科学的言葉遊びとしては正しいです。
逆に、証明は難しいですが、お互いに認めればそれを選定前提として対策をすることができるでしょう。

どちらがお互いにとって良いことでしょうか?

株式会社ジーワンシステム
代表取締役 生島 勘富
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