【映画評】キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち

2017年02月07日 06:00

戦が絶えない朝鮮王朝時代。天才的な頭脳とずばぬけた度胸を持つ詐欺師キム・ソンダルと詐欺師仲間のチームは、権力者から金品を奪い、国中のお尋ね者となっていた。そんなある日、朝鮮一高価なタバコを狙ってまさかの裏切りに遭う。窮地に陥った彼らは、その背後にある、民を清へ売り飛ばす最高権力者の悪行を知ることに。ソンダルらは、持ち主のいない大河を売るという、国家をも巻き込む前代未聞の計画に挑んでいく…。

韓国の説話に登場する伝説の詐欺師の活躍を新解釈で描く痛快時代劇「キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち」。韓国の説話に登場する伝説的な詐欺師キム・ソンダルは、韓国では誰もが知る有名な人物で、経験豊かな年老いた詐欺師として知られている。そんな人物を本作では、若く、美しく、時にコミカル、時にセクシーという楽しくも新しい解釈で描き、胸のすく痛快活劇に仕上げている。キャラのメリハリも効いていて、天才詐欺師のキム・ソンダルとチームを組むのは、口が達者なボウォン、占い師のユン菩薩、無垢な青年ギョニという面々だ。巨悪に対し命がけで挑む若き詐欺師チームの友情物語としても良くできている。

詐欺そのものは決して褒められた行為ではないが、名作「スティング」を例に出すまでもなく、悪人を騙してしまうストーリーには、思わず胸がすく。痛快な騙しのテクニックは、ぜひ映画を見て確かめてほしい。子役から活躍している若き実力派ユ・スンホ(「おばあちゃんの家」の名子役は、すっかりイケメンになりました!)は安定の演技だし、K-POP人気グループ、EXOのシウミンが詐欺師チームのマスコット的な役で初々しい映画初出演を果たしている。勢いがいい青春映画のようなノリだが、詐欺の細部まで実はきちんと脚本が練られているので、見終わっての爽快感をたっぷり味わえるはずだ。
【65点】
(原題「SEONDAL: THE MAN WHO SELLS THE RIVER」)
(韓国/パク・デミン監督/ユ・スンホ、チョ・ジェヒョン、コ・チャンソク、他)
(爽快度:★★★★★)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年2月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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