印象操作〜だから東京新聞は信用されない

2017年09月19日 06:00

小火器輸出、日本は15位 112億円、安倍政権で拡大東京新聞

【ジュネーブ=共同】スイスの調査機関「スモール・アームズ・サーベイ」は十三日、世界の小火器の取引に関する最新の報告書を発表、二〇一四年の取引額は少なくとも六十億ドル(約六千六百億円)に上り、一三年より約二億ドル増加した。日本は輸出額約一億二百万ドル(約百十二億円)で国別順位の十五位だった。

日本は拳銃やライフル銃などを輸出しており、最大の輸出先は米国で60%を占め、次いでベルギー、カナダだった。

この記事は共同通信の配信記事ですが、見出しは東京新聞の整理部がつけたはずです。

安倍政権の武器輸出緩和によって、あたかも日本の小火器の輸出が拡大したかのような印象を与えるための記事に仕立て上げられています。

こういうのを「印象操作」といいます。
こういう程度の低い左翼の活動家のような、真似をするから東京新聞は信用されないんですよ。

いうまでもありませんが、日本の小火器というのは民間市場しか輸出していません。軍用は勿論、法執行機関向けの輸出もありません。主な者はミロクなどの高級ショットガンなどであり、自社ブランド以外ブロウニングやウインチェスターなどの外国メーカーへのOEMが多くを占めております。当然ながら競技用や狩猟用であり、コンバットショットガンの類いは製造も輸出もしておりません。ライフルも同様で、ボルトアクションでこれまた競技や狩猟用です。

拳銃もいわゆる9ミリ拳銃などではなく、せいぜい競技銃でしょう。恐らくはそれも空気銃だけのはずです。このサーベイで空気銃が銃器に入っているかどうかしりませんが。
つまりは、我々が普段いうところの「拳銃」なんぞは輸出しておりません。

その主要な輸出先は世界で最も大きな米国の民需マーケットです。

つまり、軍や警察で使用される銃は輸出しておりません。それでも左翼は転用が可能だというでしょうが、それは出刃包丁でも銃の先端につければ銃剣になるみたいな言いがかりに過ぎません。であれば包丁の販売を禁止しろということになります。

この東京新聞の記事ではあたかも安倍政権の策謀によって、軍用小火器の輸出が拡大している、と「誤解」する読者が多いでしょう。その「誤解」を目的にしている記事ですから当然です。安倍政権が武器輸出を緩和したから、民需の銃器の輸出が増えたという因果関係は証明できないでしょうし、できても何の意味もありません。

ところがこの記事を読んだ読者は、安倍政権下で軍用小火器の輸出が急増した、と思うでしょう。それが東京新聞の狙いです。ですが、こういう「フェイクニュースを」を「事実」と思い込んだ人が武器輸出反対とかいうから、まともな議論が起こらないわけです。だって嘘と捏造を元に主義主張するんだもの、相手にはできないですよね。

実際のところは、安倍政権は無能なので、初心者のくせに潜水艦とか、飛行艇とか、哨戒機とか大物ばかり狙うので、まともに輸出は成功しているとはいえません。大手メーカーも積極的にやる気はありません。ですが、それだと東京新聞的には困るのでしょう。

そしてこの記事を引用している光文社、Smart FLASHの記事もまた印象操作といわれても仕方がないものになっています。この記事はライブドアなどにも配信されています。

拳銃も機関銃も販売中「日本が輸出する小火器」は112億円(Smart FLASH)

朝鮮戦争の休戦後も製造は続き、1965年、豊和工業がタイ警察軍に1万丁の自動ライフルを販売したのが、最初の武器輸出とされる。

これは完全な誤報です。機関銃など輸出しておりません。
そもそもミニミは米軍の10倍の値段で、しかも現行のMkIIIではなく、既に製造中止となってMkIです。こんなものを買う馬鹿はいませんよ。

しかもご丁寧に、写真には自衛隊の住友重機がライセンス生産している自衛隊の12.7ミリ機銃、M2の写真が掲載されています。データ捏造がばれて、自衛隊ですらこの3年発注していない代物です。これが輸出されているならば大問題、大スキャンダルです。まあ、「川口浩探検隊」レベルの記事です。

率直に申し上げて、東京新聞の記事も、Smart FLASHの記事もプロの媒体の仕事じゃありません。一般常識程度の軍事の知識もない。そこらの左翼活動のチラシレベルの記事です。こういうので購読料やら広告掲載料でお金をいただくのは詐欺に近い所業です。

別に武器輸出に対して、反対する立場を改めとは申しません。主義主張はそれぞれあってしかるべきです。ですが、東京新聞が左翼だ、馬鹿だといわれるのは、このように事実を歪めて報道するからです。

ですから平和運動はいつまで経っても観念論かつ情緒的ですから、力を持ちません。いわゆる平和運動の力を削いでいるのは実は、東京新聞や朝日新聞などのこのような記事ではないでしょうか。

武器輸出に反対するのであるならば、事実を調査し、報道、あるいはそれに基づく論考を堂々と行うべきです。

このような記事はフェアでなく、他の記事、たとえば安倍政権を批判する記事も捏造だろうとか疑われることになるかと思います。
結局こういう印象操作をやって世論を誘導しようとすれば、それはリベラルな報道の信用を貶めることになって、
安倍政権みたないろくでもない政権に塩を送ることになります。
穏健派、リベラルの真の敵は東京新聞、ということになります。

まあ自分たちの信じる「正義」、あるいは金儲のためならば嘘をついて読者を騙してもかまわないというのであれば、何もいいませんがね。


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2017年9月18日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は東京新聞ほっとwebより引用)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

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清谷 信一
軍事ジャーナリスト、作家

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