民意にケチをつける朝日新聞。もう野党の機関紙になっちまえ

新田 哲史

昨晩、ツイッターを見ていたら、朝日新聞が選挙結果を尋ねた世論調査の結果を報じていた。本稿を書いているのは24日深夜だが、ネットで先出ししておそらく25日の朝刊で掲載するのだろう。

与党で3分の2「多すぎる」51% 朝日新聞世論調査:朝日新聞デジタル 

記事内容、設問の内容は引用するのも恥ずかしいほど、安倍政権へのdisりに埋め尽くされている。百歩、いや百万歩譲って、政権を厳しくチェックする文脈にしても、民主的に行われた選挙で示された民意において、安倍政権が想定以上に大勝したことがよほどお気に召さないらしい。

設問からして、角度のつけ方は相変わらずだ。たとえば、安倍晋三首相の進める政策に関して「期待の方が大きい」のほかに、「不安の方が大きい」という項目をわざわざ作っているようにみえる。

世論調査の内容を説明する記事においても、立憲民主党の使い方が“露骨”だ。まずこれ(下線部は筆者)。

自民大勝の理由については「安倍首相の政策が評価されたから」は26%で、「そうは思わない」の65%を下回った。自民支持層でも「評価」45%、「そうは思わない」48%だった。立憲支持層では「評価」9%に対し、「そうは思わない」が89%に達した。

立憲支持層が安倍政権の政策を評価しないのは当たり前だが、わざわざ「評価されたと思わない」を強調する。そして、次のくだりも、行間に立憲民主党アゲの魂胆が見え隠れする(下線部、太字は筆者)。

野党第1党になった立憲民主党には49%が「期待する」と答え、「期待しない」41%を上回った。「期待する」は内閣支持層でも44%、内閣不支持層では63%に達した。

立憲民主党への期待について、今度は先ほどとは逆に内閣支持層「でも」期待している、のだと、わざわざ引っ張ってきている。期待度への情報を伝えるだけなら「内閣支持層で」の記述だけで十分だが、「でも」と助詞ひとつを付け加えるあたり、少しでも立憲民主党の躍進を囃し立てようとして、筆が滑って記者の魂胆が漏れているようにも見える。そんなに安倍政権をdisって、野党が好きなら、もう「機関紙」になってしまえばよい。

さすがにリベラルなジャーナリストからも失笑を買っている。My News Japanの渡邉正裕編集長は早速こうツイートしている。まったく同意だ。

まあ、私としては朝日新聞が迷走するほど、このほど重版が決まった拙著『朝日新聞がなくなる日 – “反権力ごっこ”とフェイクニュース』(ワニブックス)がさらに売れそうで嬉しい限りだが。この選挙直後の往生際の悪さを見せてくれたことで3刷目に一歩近づいたような気がしてきた(笑)。これからもどんどん失笑もののアンチ安倍記事をたくさん書いて燃えまくってくださいな。

ただし、我々の忠告をネトウヨの戯言だと卑下してレッテル貼りしていると、先細るだけだ。さすがの朝日の記事でも、18〜29歳の年代では、56%が自公大勝を「ちょうどよい」と評価した事実までは角度をつけられなかった。大丈夫なんですかね。

朝日新聞がなくなる日 - “反権力ごっこ"とフェイクニュース -
新田 哲史:宇佐美 典也
ワニブックス
2017-08-28