首都圏のテレビ電波は32チャンネルあけられる

2017年11月19日 13:30

規制改革推進会議と民放連が、電波オークションをめぐって闘っている。民放連の井上会長(TBS名誉会長)は定例会見で「われわれは多かれ少なかれ公共性を担っており、金額の多寡で決まる制度には反対する」と述べたが、これは意味不明だ。オークションは新たにあく周波数を競売にかける制度であり、既存の放送局には関係ない。

ただ「もう使いやすい帯域はあいていないのでオークションしても意味がない」という意見には一理あるので、私の提案しているのがUHF帯の区画整理である。これは上の図のようにテレビ局が虫食い状に使っているUHF帯の「空き地」を整理し、あいたチャンネルを通信に使おうというものだ(GはNHK総合、Eは教育、Nは日本テレビ、TはTBS、Fはフジ、Aはテレ朝、Vはテレ東)。

これに対して、規制改革推進会議で民放連は、次のような資料を出してきた。これは茨城県の日本テレビの中継局の配置だが、彼ら自身が書いているように、今でも東京スカイツリーの25chで茨城県全域に放送されている。日立北でも25chで見られるので、それ以外の局も(38km以内だから)SFNでスカイツリーの電波を中継すればいい。

こうして日本テレビの中継局は、すべて25chに置き換えられる(放送波中継の局は光ファイバーに変えればいい)。これは茨城県以外の5県でも同じだから、東京以外の首都圏には別のチャンネルは必要ない。他の民放局も同じだ。

茨城県だけはNHK総合が独自放送しているので、スカイツリーの27chではなく(たとえば)28chを割り当て、キー局以外の県域ローカル局をXとすると、首都圏の電波は次の図のようにスカイツリーと同じ8chに再編して32ch(192MHz)あけることができる。近畿圏も同様だが、それ以外の県域放送では局の数によって違う。

テレビ局の放送は再編の影響を受けないので、今まで通りできる。この区画整理はあいたチャンネルをどう使うかとは独立の問題だが、32chをすべてオークションで通信キャリアが落札すると約2兆円と巨額になりすぎるので、一部はWi-Fiなどの免許不要帯に割り当ててもよい。すべて比較審査で割り当てることも可能だが、それがオークションよりいい結果をもたらすかどうかはNOTTVの失敗をみれば明らかだろう。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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