ICTの大学「i大」を作ります。

中村 伊知哉

ICTの大学を作ることになりました。
ICTをベースにしてイノベーションを起こす人材を、産学連携で育成します。
2020年、Tokyoです。
ぼくが学長を務めます。
「i専門職大学」、略して「i大」です。
http://www.i-u.ac.jp/

ICTをベースにしてイノベーションを起こす人材を育成する。ICTという縦糸と、創造性という横糸とを教育の柱に据え、産業界との連携のもとプロジェクトベースで育成する手法をとります。

縦糸のICT。
プログラミング、情報処理など情報社会=第3次産業革命の基礎、そしてIoT、AI、セキュリティ、ビッグデータ、ブロックチェーンなど第4次産業革命の基礎を叩き込みます。
活躍する先はICT業界に限りません。コンテンツ、メディア、金融、製造、小売、物流、観光、教育、医療、農業。ICTは全産業の心臓。血流を担います。

横糸はリベラルアーツのプロフェッショナル教育。
ICTすなわちTechをベースとしつつ、創造性・デザイン力のあるイノベータを育てます。マネジメントやポリシーなどを身につけ、文理融合の即戦力となります。

これら縦横の力は、産業界との連携により、全員がインターンで、プロジェクトベースで育みます。多数のインターン先とプロジェクトを用意し、実ビジネスの中で学ぶOJT大学であり、プレ企業大学です。大学としても企業を設立し、そこに全員が在学中に就職して「常にビジネス現場で学ぶ」仕組みにもチャレンジします。在学中に全員が起業できる環境も用意したいと考えています。

このため、ICT業界はじめ関連企業と連携策を相談しています。NTTdocomoはじめ、通信、ICT、メーカー、放送、コンテンツなど既に25社・団体から協力していただけることになっており、この環を広げてまいります。

教員の多くはいわゆる大学人ではなく、ICT業界のプロを採用する計画です。実社会で実績のあるかたがたとともに、「学びながら作る」場とします。

ICTの大学なので、授業の大半はオンラインで可能。どこにいても学べるようにします。反転学習やアダプティブラーニングの先端を取り入れます。世界の著名教授、研究者、専門家のバーチャル出講も揃えます。バーチャル+リアルの学習環境です。

英語による授業を充実させ、英語でビジネスができるようにします。英語「を」教えるのではなく、英語「で」学ぶスタイルです。留学生も多数になることが見込まれます。半数以上を目指します。

国家戦略特区を活かします。本校舎は東京都墨田区、スカイツリーの近くに新設します。ポップ&テック特区の東京港区 竹芝CiPにサテライトを置きます。ここはデジタル系の企業や国際機関、慶應やスタンフォードなどの大学組織によるコミュニティとして、同じく2020年に街開きを迎えます。研究、ビジネス、起業などに関する規制緩和を導入する拠点として、本大学も中核となってイノベーションに挑戦します。

「変化を楽しみ、自ら学び、革新を創造する。」これが教育理念です。AIやロボットで半分の仕事が失われる。これまでにない仕事を生む。これからの世代が具備すべきは、予見できない変化が続くという認識に基いて、それを愉快に乗り切っていく気構えとスキルです。

i大の「i」は、インフォメーションのi。イノベーションのi。インテリジェンスのi。「私」のI。そして愛。iある大学を、作ります。

概要
◯ 名称:i専門職大学(i大)
◯ 主体:学校法人 電子学園(1951年設立、11万人の人材を輩出)
◯ 定員:専任教員26名、学生数800名
◯ 校舎:本校舎約東京都墨田区5000㎡、竹芝国家戦略特区 (CiP)にサテライト
◯ 開設:2020年春
◯ 協力を表明している企業・団体(2017.12現在、順不同)
NTTdocomo、ソフトバンク、KDDI、ドワンゴ、GREE、mixi、セガ、teamLab、
面白法人カヤック、富士通、パナソニック、シスコシステムズ、SAP、
TBS、吉本興業、東北新社、エボラブルアジア、花王、CANVAS、Schoo、浜野製作所、

ジャパンマルチメディア放送、FM東京、デロイトトーマツベンチャーサポート、墨田区


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2017年12月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。