残された政治の課題

2012年06月30日 16:15

WSJが伝える所では、小沢氏、来月2日に離党判断=輿石氏と溝埋まらずとの事である。

民主党の小沢一郎元代表は29日午後、国会内で輿石東幹事長と約40分間会談した。輿石氏が離党を思いとどまり、政権運営に協力するよう求めたのに対し、小沢氏は消費増税関連法案の撤回を重ねて要求し、平行線に終わった。小沢氏はこの後、「多くの同志に一切を任されている立場なので、週明けの月曜日にはいずれにしても結論を出さなければならない」と記者団に述べ、7月2日には離党についての決断を下す考えを明らかにした。

明日から月曜日にかけて、マスコミは小沢議員ネタを囃す事になるのであろう。率直に言って、離党はここまで来たら必然であり、これに伴い諸般手続き問題が発生する。しかしながら、これ等は所詮枝葉の話である。

マスコミが大騒ぎする様な話とはとても思えない。こんな事を取り上げるよりも、今回の消費税増税とは何であったのか? そして、日本に残された課題は何で? 政府はどうやって解決に向けて動くのか? を議論する方が遥かに建設的と思うのである。

先ず、消費税増税法案は間違いなく成立する。結果、世界の投機筋が期待した日本の「ソブリンリスク」とやらは霧散する。最早、世界最大の債権大国であり、経常収支の恒常的黒字国である日本がギリシャやスペイン、イタリアと同一視される事はない。

話はやや脱線するが、クルーグマンですら、最近、天皇陛下にお詫びしなければ とコメントしているのが印象的である。しかしながら、これに安心して手を拱いて居ては又同じ話の繰り返しとなるので、根本問題解決の着手を急ぐべきなのである。

先ず第一は、一昨日のアゴラ記事、「電力政策」は政治のオモチャではないで説明した通り、政府は電力問題が経済問題牽いては社会問題に直結している事を理解し、原発の早期再稼働に向け努力すべきである。

繰り返しとなるが、短期的には例え計画停電であれ「停電」は絶対に避けるべきである。中長期的には原発の再稼働に依り、化石燃料の追加輸入に依る貿易収支の悪化にピリオドを打つ必要がある。

昨日のデモは国内のネットではそれなりに取り上げられている様であるが、BBCはしっかり無視を決め込み、一行の記事もない。記事にするに値せずという事である。

第二は、財政支出構造の正常化を早期に達成する事である。

平成24年度予算フレームを見れば、問題は一目瞭然である。大枠で捉えれば、全体で90兆円の支出の内、何ともならない「国債」関連に支出が22兆円もある。増税に依り歳入を増やし、一方、歳出削減に依り国債の発行残高を減らし、少しづつでもこの22兆円を減額せねばならないのは明らかである。

社会保障関係費は26兆円。但し、「24年度の年金差額分については、税制抜本改革により確保される財源を充てて償還される交付国債により確保」との事で、早い話実質は26兆円では済まないと言う事であろう。膨張する社会保障に大鉈を振るう事は待ったなしである。

地方交付税交付金等が17兆円。地方へのバラマキは最早時代遅れである。国と地方の二重行政を早急に解消し、地方は交付金への依存体質を脱し、経済的に独立する様誘導する必要がある。

当然、公務員の過剰が問題になるので抵抗が予想される。従って、「政治主導」が可能な、強くて優秀な内閣の組閣が必要となる。

最後は、雇用の創造である。企業、特に製造業の海外移転は必然であり、政府に出来る事は精々企業の急激な流出を抑制し、ショックを緩和する事位である。

「市場主義経済」が最も効率的なシステムである事は多分正しいのであろうが、副作用として失業問題が発生するのが問題である。矢張り、政府主導で今世紀の日本の屋台骨を支える産業の育成は避けて通れないと思う。

日本の海底に大量のレアアースが存在 東京大学の調査で判明は日本に取って大変良いニュースではないか?

深海での「探鉱」、「採掘」、そして、「精製」、「用途開発」等垂直統合で技術と実績を世界に先駆けて確立すれば、今世紀、日本は世界に冠たる「レアアース大国」の地位を確立出来る。輸入の削減、製品の輸出に依り貿易収支改善に寄与すると同時に、多くの国内雇用を創出する事になる。

必要となる「技術開発」や、リスクの伴う「探鉱」、或いは、技術開発に着手してから実際の売り上げ、収益に結び付くまでのリードタイムの長さが企業参入のネックとなるかも知れない。

矢張り、政府系金融機関が無利子融資で支援するとか、参入企業を税制面で優遇するとかの施策が必要と思う。

この件に限らず、「雇用」の創造の為には新規産業の育成が不可欠であり、監督官庁、「経済産業省」の活躍を期待する。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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