今年の極東外交は日本を中心に回る --- 岡本 裕明

2014年01月06日 13:22

外交上、今年最大の注目点は安倍外交の対中国、韓国の動きではないでしょうか? その中で安倍首相自身がもともと両国からのウケが悪かったところに靖国参拝でどうにも動きが取れなくなってきたというのが実態だろうと思います。ですが、さまざまな専門家の意見を総合すると、日中、日韓の関係そのものが悪くなったかといえばそうではなく、あくまでも安倍晋三という個人とウマが合わず、経済的には交流を深めたいという意図はまだあると見て取れます。


ただ、日本の顔として国際会議や首脳会議に今年もたびたび出席する安倍首相にとってやりづらくなることは事実でしょう。特に今年のAPECは北京での開催ですので安倍首相が参加しないという選択肢すら頭に入ることになってきます。

さて、「敵の敵は味方」という論法があるのですが、これが仮に正しいとすれば実はここにひとつ浮き出てくる国があります。北朝鮮です。金正恩第一書記は叔父でNo2とも言われた張成沢氏の不穏な動きを制する形で処刑を実行しましたが、張成沢氏は中国とのパイプ役として活躍していたこともあり、中国側は正恩氏の動きにやや戸惑いを見せました。

私は12月20日付のブログで正恩氏の動きについて「彼が西側と肩を並べてみたいと思っているように感じます。つまり、今回の粛清行動は古い北朝鮮の流れを断ち切り、自分の描く路線を進むという決意に思えます」と記載しています。中国、韓国との接点を持っていた張成沢氏を否定した上で、スイス留学歴をもって西側に一定の理解を持っている前提を考慮すれば日本に目が向かない理由はないとは言い切れません。

正恩氏は新年の辞で「北南関係改善の雰囲気をつくらなければならない」と韓国との関係改善に含みを持たせているようですが、中国との関係についてはいまだ不明瞭な状況にあります。この状況を踏まえれば日本が北朝鮮と積極外交を進めることで新たなるアングルが加わる可能性がないとはいえないでしょう。北朝鮮も孤立するわけには行かず、かといって若い指導者に対して隣国もその対応の仕方に苦慮している状況にあります。つまり、北朝鮮こそ、今、確実なキーであるといえなくもありません。

さて、日本と中国の関係については私は1月に予定されている谷内正太郎内閣官房参与とライス大統領補佐官との会談に注目しています。というのはライス補佐官は日米関係と米中関係のウェイトに関してどうも米中にシフトしている感じがするのですが、靖国問題を踏まえたうえでの谷内氏との会談でライス氏がどういう姿勢に出るのかアメリカの立場を占う上で重要だと見ています。そこで仮に日本に厳しい姿勢を見せるような状態であれば外交上対応を迫られる可能性はあります。

外交を各国との距離感という尺度で考えるとすれば日米関係はこれ以上、距離を置くわけには行かないはずです。なぜなら日本はアメリカが後ろ盾にいるからこその日本であり、その支えがなくなれば外交上孤立しやすくなるのです。アメリカが恐れるのは日本が後ろ盾をなくせばナショナリズムはより高揚するだろうという展開ではないでしょうか? だからこそ、アメリカは日米関係を重視しますが、それが日本を抑えるための日米関係ともいえ、そのあたりの解釈の仕方に注目しています。

他方、中国は日本とアメリカの関係を悪化させようとする政策が見て取れ、日本の孤立化政策と取っているように見えます。

いずれにせよ、中国と韓国からは日本に擦り寄ってくることはないという前提に立てば日米関係をより強固なものにした上で国際社会との連携を図っていくことが重要になりそうです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2014年1月6日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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