マイナンバー制度がもたらすかもしれない問題

2015年09月27日 10:16

マイナンバー制度が導入されるまでもはや、時間の問題となりました。ただ、実際にどのようにそれがワークするのか、持ってみないと分からない、使ってみないと分からない部分もあるでしょう。1-2年の間に次々と問題が浮かび上がるとみています。しかしながら、現状ではマイナンバー制度に過大な期待があると同時にシステム上の負荷もどんどんかかるようになるのが気になります。

世の中、システムの導入時には必ず、何度かつまづくものでそれが心配なところであります。

さて、その中で普通の被雇用者が気にしなくてはいけないのが副収入と副業であります。マイナンバー制度があると企業側に給与以外の収入があると社会保険料や税額が変化するため、判別可能となってしまいます。この場合、一番引っかかるのが副業なのですが、これがひょっとすると社会問題化する可能性があります。

まず、企業は副業を禁じています。禁止する理由は明白ではありません。本業がおろそかになるとか、就労時間のフレキシビリティが無くなるとか、そんなの当たり前だ、といった精神論的なものすらあるのですが、法律で禁じているわけではありません。いわゆる会社のルールであります。

では、会社は個人をどこまで拘束できるかといえば就労時間までであって、それ以外の時間はその個人のプライバシーであり、ずかずかと個人の時間に入り込むわけにはいきません。よって、副業禁止と言われても副業をする人も当然いるわけです。よく女性の夜のアルバイトが挙げられますが、男性でも専門知識や能力を利用して週末のバイトをする人もいるでしょう。平日のバイトもありだと思います。外国人や高齢者が増えてきているので1時間、2時間の通訳や介護手伝いなどの需要もあるかもしれません。

特に企業が残業を減らす努力をするようになってから時間を持て余す人も出てきています。また、ワークシェアリングという発想もあるし、ユニクロは今後、一部で週休3日を始めるわけです。3日の休みをただぼんやりと過ごせ、という意味だとしたらとんでもない発想です。生かせる知識、能力を思いっきり活用する為でしょう。ましてや20代、30代のうちなら一日12時間働くぐらいの意気込みが欲しいわけで本業にチカラが入らなくなるから副業禁止というのは昭和の時代の廃れた発想であります。

マイナンバー制度が引き起こすであろう問題点はこの副業が会社にばれる、あるいは副業、副収入が会社に知られることが個人のプライバシーを侵害する法律違反とならないか、という点であります。

私は北米という副業は当たり前のところにいますが、面接の際、あまり副業のことを聞かないようにしています。それが理由で採用判断が変われば「差別」されたとして訴えられる可能性があるからです。結婚しているかどうかも聞けないのに副業を聞くのもタブーでしょう。

多分ですが、日本でも誰か必ず訴えを起こす事態が生じると思います。その際の判決の行方次第ではマイナンバー制度に大きな瑕疵が生じるということになります。その場合の修正は大変だろうと思います。

ただ、簡単に解決する方法として確定申告を選択制にさせてみたらどうでしょうか?副業や副収入がある人は確定申告を選択し、企業には収入の情報が入らないようにします。そうすればプライバシーは保つことが可能になります。

不動産収入や株式や為替などを通じた投資収入がある人はかなりいると思います。時としてサラリーより稼ぐケースもあるでしょう。それがその人の勤務と何ら関係なく、勤務態度や能力が変わるわけでもなければ問題ないわけです。なのに人事部が「こいつは副収入が多い」と感情的になって人事異動をさせた場合、訴訟対象になり得ます。そしてその場合、企業は敗訴するでしょう。ならば、知らぬが仏、ということではないでしょうか?

今日は副業や副収入がもたらすであろうマイナンバー制度の弊害をフォーカスしましたがたぶん、びっくりするほど問題が出てくるはずです。政府はその対応で来年あたりは大わらわかもしれません。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

岡本裕明 ブログ 外から見る日本、見られる日本人 9月27日付より

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