米大統領選前の駆け込み需要? 2015年の対米直接投資は倍増

2016年10月31日 06:00

yasuda1030

共和党のトランプ候補は、グローバリゼーションの煽りを受け米国が失速したと指摘してきました。しかし蓋を開けてみれば、海外は米国への投資を加速させていたのです。

国際投資機関(OII)によると、2015年の対米直接投資は3,530億ドルと2014年からほぼ倍増し過去10年間で最高を記録しました。まるで、新しい米大統領が誕生する前の駆け込み需要が加速したかのようです。累計では3.1兆ドルに達しました。

累計を国別でみると、以下の通り。気になる中国は圏外ながら207.65億ドルと、過去5年間で最高でした。

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(作成:OIIよりMy Big Apple NY、単位は億ドル)

セクター別では、断トツで製造業がトップでした。2015年は1兆2,230億ドルと、2010年から62%も急増しています。米国の製造業はグローバル化以外にオートメーションが進み、構造の変化が現れているというのに、実は直接投資で最も恩恵を受けていたというわけですね。次いで金融・保険、卸売が入りました。

累計のセクター別は、以下の通り。

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(作成:OIIよりMy Big Apple NY、単位は億ドル)

米国の消費文化をはじめオープン性、イノベーションを受容する文化などが背景となっているのでしょう。逆に新しい米大統領が規制を強化すれば、直接投資が細るリスクは否定できません。

海外直接投資の世界全体のシェアをみてみましょう。

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(出所:OII)

世界に占めるGDPの割合で開発途上国のシェアが高まるように、海外直接投資(FDI)でも目覚ましい台頭をみせました。反対に米国はシェアの低下が著しい。米国は2010年の37%から2015年に22%へ落ち込んだ一方で、開発途上国は22%から34%へ拡大しています。欧州連合(EU)が31%で変わらない事情を踏まえれば、米国の内向き思考すら感じられますね。

(カバー写真:Justin Kern/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年10月30日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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