音喜多幹事長、そちらこそ“八百長”

2017年03月24日 18:30

都議会自民党の政策を「八百長相撲」と批判した音喜多氏のインタビュー記事(プレジデントオンラインより:編集部)

東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

私はいつでも真剣勝負

さて同じ土俵に立っている都議会議員から都民ファースト幹事長「自民党が奪った都民の5万円」にて、「八百長相撲」と指摘されたら黙っているわけにはいきません。そもそも「八百長相撲」という表現自体、両国という相撲の街を代表して議席を頂いている私には看過出来ない事です。

さて、まずこのインタビュー記事を読んでみて思うのは「大学が東京にあるのは何故か?」そして「東京にあると、どんな事態を招くのか?」という視点について多角度ではない考察になっているという事です。実は東京に集中する大学というのは私の政治テーマの一つでもあります。

東京に大学があると

今、「地方創生」という言葉の下で、日本の各地で繁栄の拠点作りが行われていますが、そこには同時に少子高齢化という社会環境の中で、私達は何を為していくべきかという未来に向けた責任を明確にすべき時を迎えている事になります。全国の各地で高校を卒業した生徒達が、大都市圏にある大学等へ進んでいます。そして、そこから就職となるとUターン就職もあるにはありますが、基本的な選択肢は多数の企業が存在する大都市圏での就職となります。実際に私自身も大学ラグビー部のスタッフとして全国の様々な高校から東京の大学へ進学した学生達を何年も見てきています。例えば、今春の卒業生を見ても、ほとんどは地元に戻らず東京で就職しています。これが実態なのです。

私達は上京して頂いている立場

特に、地方には歴史と伝統ある公立高校があります。その高校に行く事は学力の面でかなりの努力が必要になります。その為には、中学校あるいは小学校と学習面でも多額の費用を使っている方も少なくありません。しかしながら、それらの高校生の中から地元の大学に進学する人は少ないのです。各地で稼いだ保護者の下で、各地の行政等の予算で育ててきた生徒さんが上京している現実を直視し、お越し頂き有難いと恐縮してお迎えすべきというのが私の主張です。

こういう前提の立場から考えると、東京に大学を新設する事を抑制する必要はないと考えますが、各地方には「力強い」「選ばれる」大学の地位が確立されていく事が、私は大切であろうとずっと考えています。これに関連する事は昨年の都知事選挙最中に私自身が記事を書いております。(参考:2016年7月27日→「 増田寛也VS東京都議会の可能性 」

制度・運営上も

ここで私が強調しておきたいのは、大学の設置認可が中央(文部科学省)にある事です。あらためて考えますと、森友学園は大阪の私学審議会でどうなっていたのかとニュースにもなっているように現在、高校までは都道府県の下に認可されます。大学の性質上、歴史上、文部行政にあるのは当然の事です。しかも、その補助金も大きな金額になります。こういう現実的な機構に触れる事無く一方的に「八百長相撲」と揶揄されるのは心外です。むしろ相撲で言えば審判長から注意される「手つき不十分の突っかけ」立ち会いで相撲が成立しない状況です。

都政人の常識として

また、この記述も?です。

「第1次安倍内閣で総務大臣だった菅義偉氏と後任の増田氏は、都心から法人二税(法人事業税と法人住民税)を巻き上げ、地方の公共事業等にバラ撒く政策を実施してきました。」

ここも地方行政に携わる者、ましてや都政人なら常識的な話なので、編集上の勘違いも考えられますが、事実を記しておきます。私にしてみれば第1次安倍内閣をここで出す必要はありません。そして法人二税もじゃっかん事実を歪めます。

泣く子と地頭と政府には勝てぬ

まず、2007年の福田首相・石原知事会談という大きな局面があります。ここで、石原知事が「泣く子と地頭と政府には勝てぬ」というフレーズを残し、都の法人事業税から3000億円を地方へ移すという約束をして2008年度から「法人事業税の暫定措置」が取られます。これは東京に企業が集中している事から、潤沢な税収を地方へという声から出てきた考えですが、石原知事も大物です。

3年の暫定 !?

この暫定措置は3年の期限付きで、羽田空港の国際化整備や首都環状道路の国家予算を約束した上だったと語り継がれており「3年の暫定ならば」都税(法人事業税)を国税にされても、まだ救いようがあった話です。ところが、この後、政権交代で民主党政権が誕生した事も含めて、その約束も有耶無耶になってしまったのが実態です。なんと、この後、2014年には国は法人住民税も国に召し上げる制度を作ってきたのです。

ここには消費税引き上げが絡み、「税と社会保障の一体改革」と共に考える重要なテーマなのです。この部分だけでも丁寧に過去のやり取りも振り返りながら、ここで書いていくとかなりの長文になり、幾ら時間があっても足りないくらいの思いがあるので、今日は上記程度のポイントに留めておきます。(参考→地方法人課税を巡る動向と東京都の主張 ~今こそ地方自治の原点に立ち返った議論を~東京都財務局ウェブサイト

東京VS地方なのか?

つまり、上記のような乱暴な議論ではなく「中央VS地方」で対立した時代から「東京VS地方」に議論が変遷していく過程で、それは東京富裕論・東京独り勝ち論もあって出てきた課題であり、未だにクリアできなくて私などは国会議員や霞ヶ関官僚と真剣に向き合っている最中です。

つまり、大学の件も、法人二税の件も、「東京だけ」よければ良いと考えてはいけないのです。地方政治の中における東京都政というのは東京の事だけを考えればよいというのではなく、首都として他道府県との「共存共栄」を探っていく使命を帯びていると感じています。これは全ての地方自治体が「地方自治法」の下で同じ「地方」だからです。その上で、同時に大都市経営・大都市自治を展開していくという東京特有の自治体課題を内包する現状を真摯に受け止めなければなりません。

国との勝負

するならば、現在、国に召し上げられている「法人ニ税」は取り戻さねばなりません。この議論の最大の問題点は「収入」だけに注視して奪われた点です。収入の多い東京ですが、実は人口や経済性など様々な面で「支出」も多いのです。私はこの法人税問題は2013年9月にオリンピック招致が決定した直後の事でしたが、文化放送「くにまるジャパン」に呼ばれた際にココを指摘をし、今後、財政面でオリンピック準備は壁に当たる。その時に暫定措置を終わらせて、都の財務を安定化する方向性を国が取ってくれないと困るだろうという趣旨の話を致しました。

まとめますが、実は音喜多幹事長は私立学校教育の根幹に関わるとても重い問題提起をこの定例会で行われました。幹事長の仮説が正確性を欠く恐れのある論であるという事は今週の文教委員会における私の質疑で明らかになっています。


編集部より:このブログは東京都議会議員、川松真一朗氏(自民党、墨田区選出)の公式ブログ 2017年3月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、川松真一朗の「日に日に新たに!!」をご覧ください。

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川松 真一朗
東京都議会議員(自由民主党、墨田区選出)

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