伊東勤氏の告発で痛感:ロッテはやはりZOZOに球団を売るべき

2018年07月15日 06:00

プロ野球はオールスターによる中断をはさみ、あす16日から後半戦がスタートするが、伊東勤前監督が10日の日経新聞で連載中のコラムに書いた告白が、ロッテファンの間で静かな話題になっている。

動かぬ球団 苦しんだ昨季 伊東勤:日本経済新聞(※全文は会員のみ)

日経を購読していながら筆者が本コラムを知ったのは、実はロッテファンたちの集まるFacebookのグループページでのシェアを見かけたためだが、コラムは、6月に楽天の不振で梨田監督が辞任した背景を取り上げている。

監督時代の伊東氏(Wikipediaより)

前半で辞任の経緯をおさらいした上で伊東氏は「よくよく見れば、昨季から補強らしい補強をしていない」と分析。梨田体制で昨季の楽天は3位だったものの、Aクラスとはいえ、王者ソフトバンクに15.5ゲーム差を引き離されての結果について、「さらに上を目指すなら、もう一段の戦力強化が必要だったろう」と指摘した上で、「同じ思いを私も昨年味わった」と、ここで振り返る。

伊東監督がロッテを率いた2013年からの4シーズン、チームは3位→4位→3位→3位。とくにチームが2年連続で3位をきめた16年のシーズン直後の心境について、「首位と15ゲーム以上も離され、Aクラスの達成感などなかった」と突然告白し、梨田監督と自らの境遇をかさねてみせた。

日経を購読していないロッテファンは、原文を図書館などでご覧いただきたいが、特に生々しいのは16年シーズンオフの球団とのやりとりだ。もはや告白どころか“告発”にすら感じる。

16年オフに翌年への続投要請を受けたとき、球団にはいくつかの条件を付けた。新外国人の獲得、主砲デスパイネの引き留め、そして選手に比べて上がらないコーチ陣の年俸アップ……。球団から「全力でやる」との返事をもらい、それならばと首を縦に振ったのだが、結局一つも実現しなかった。

伊東氏が沈黙を破った背景には、今年2月に重光昭夫氏がオーナー代行を退任したことがあるのではないか。伊東氏は西武監督、NHK解説者を歴任したあと、2011〜12年に韓国・斗山ベアーズでコーチに就任。このとき、韓国のロッテグループを率いる重光氏と接点ができたことがのちのロッテ招聘につながったと聞く。日本球界で再び指揮をとるチャンスをくれた重光氏には恩義を感じていたことは想像するに難くない。しかし、その重光氏は、韓国での贈収賄事件で実刑判決を受け(控訴中)、収監されたことに伴い、球団経営から離任した。

そして今回、「敗軍の将」たる伊東氏が兵を語り、補強の要望が受け入れられなかったことを一因に挙げたことについて、関係者からの非難や、スポーツ紙の野球記者などから冷ややかな意見が漏れ聞こえてきそうだが、この16年シーズンは、客観的なファクトとして2年連続のAクラス入りを決めたのは、31年ぶりの快挙だった。しかし伊東氏の要望むなしく、球団はデスパイネを絶対王者のソフトバンクに引き抜かれたどころか、十分な補強はなく、翌17年、伊東ロッテは最下位に沈み、ユニホームを脱いだのは周知の通りだ。

つまり、ロッテがそこからソフトバンクを相手に挑み、本気で優勝を狙うかどうか、親会社や球団フロントがその姿勢を根本的に問われたターニングポイントだったことは間違いない。その後、井口監督に体制が代わり、メジャー通算42本塁打のドミンゲスらの補強に動いたあたりは変化もみせているが、それでも三軍制を敷くソフトバンクに比べて育成基盤、選手層が手薄なところは変わっていない。

命名権を取得したZOZOマリンスタジアム(ツイッターより)

昨年の春先にロッテが記録的な不振にあえいだとき、私は元番記者として、40年以上もレギュラーシーズン1位がない事実を含めて(追記:2005年はプレーオフ勝利により1位だが、勝率は2位)、親会社の球団経営への意欲を疑い、本拠地球場の命名権取得でやる気がありそうなスタートトゥデイ(ZOZOTOWNの運営会社)への球団売却を提言したこともある。

ロッテは、やはりあのIT企業に球団を売るべきなのか?

この記事でも触れたように、楽天やDeNAの球界参入当時と比較しても、スタートトゥデイは球団経営をやれるだけの経営的な力は備わっている。B2Cが業態の同社にとってプロ野球参入はさらなる知名度上昇と社会的信用を得る上でキラーコンテンツになる。

前澤氏と田端氏(前澤氏ツイッターより)

もちろん、同社社長で資産家の前澤友作氏がオーナーになったからといって、金に糸目をつけない孫正義型の球団経営はしないであろうが、デジタルマーケティングをはじめ、同社が培う最先端のビジネスノウハウ、人材を投入することで、集客、ファンサービス、そしてチームの強化にも、ロッテとは違う斬新なアプローチを見せてくれるのではないか。

折しもスタートトゥデイには、LINEから“ブランド人”こと田端信太郎氏が移籍した。もしロッテから球団を買い取ったら、田端氏を球団社長として送り込み、現場出身から里崎氏やサブロー氏あたりをGMに起用する。そして現場の井口体制をさらに盛りたてていくという40代主体の新生“千葉ZOZOマリーンズ”なら、球団自体だけでなく、古い体質のプロ野球界にも「さよなら、おっさん」とばかりに、新風を吹かせていく上で目玉的な存在になるのではないか。

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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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