国際刑事警察機構の中国人総裁取り調べと朝日報道

2018年10月08日 11:30

フランスのリヨンに本部がある国際刑事警察機構(インターポール、InterpolICPO)は7日、先月25日から行方不明となっている中国出身の孟宏偉(Meng Hongwei)総裁から辞意の表明を受けたと発表した。

「密かに中国当局に拘束され」て行方不明だったが、中国政府が孟氏が「違法行為を犯した」疑いがあると、朝日新聞もよそより少し遅れたが中国政府への批判色は出さずに報じている

孟氏は、周氏が公安相を務めていた2004年に公安省次官に昇進。16年にICPOの総裁に選出後も兼務していた。周氏は胡錦濤(フーチンタオ)前政権で公安部門を取り仕切る共産党中央政法委員会書記に登りつめたが、習近平(シーチンピン)政権になって汚職で失脚。周氏は江沢民(チアンツォーミン)元総書記に近かったとされ、背景に政治闘争があったとの見方も根強い。

孟宏偉氏(ウィキペディア中国語版より:編集部)

孟氏の辞任は「即時発効」し、韓国出身のキム・ジョンヤン(Kim Jong Yang)副総裁が総裁代行を務める。

AFPなどは、孟氏の妻のもとには、夫からソーシャルメディア上で「自分からの電話連絡を待つように」というメッセージがあり、その後、「刃物の絵文字」が届いたと突っ込んだ報道をしているのと大違いだ。

 国際機関のトップが、突然、自国で行方不明になって国際機関にはなんの連絡もないというようなことでは、中立的な立場での仕事など出来るはずない。

この問題について私のFacebookタイムラインで議論していたら、私の投稿をシェアされた方のタイムラインでこんなコメントをしていた方がいた。

 一昨年に孟宏偉氏がICPO総裁に就任した時に、米紙ニューヨークタイムズは社説で 「ICPOは、反体制派や批判者を迫害する権威主義体制の政府に、国際的な逃亡者に関するデータベースの使用を許可するという歴史を有するようになった」と頭から一党独裁国家の治安当局者の総裁就任の批判から入り、孟氏の総裁就任で「あらゆる人権侵害を控えるだけでなく、人権の保護を積極的に推進するというICPOの公約が、どれだけ守られるかということに疑問が生じている」と論じていましたし、ワシントンポストはICPOが「反体制派や人権活動家、記者、ビジネスマンを含む政敵を追跡するために組織を利用する、ロシアや中国といった抑圧的な体制の国々のしもべとなってきた、と近年、厳しく批判されてきた」と論じていました。実際にはICPO憲章は骨抜きにされている事実があるわけです。杉田議員の指摘が差別・ヘイトスピーチになるならば、上記の例にあるような、海外メディアも差別・ヘイトスピーチという論理になります。

ここで杉田水脈代議士の話が出ているのは、昨年の7月に、杉田氏が、『「インターポールのトップが中国人になっているとは驚き!」自民・杉田議員のツイート、ヘイトスピーチ発言だと再炎上…』という事件があったからだ。

杉田水脈はやや荒削りだが、実にいい直感で鋭く本当に追究するべきスキャンダルとか、これでいいのだろうかと立ち止まって考えるべき問題に切り込んできた。私は杉田氏とは思想も思考方法も違うが、彼女が少々勇み足をすることがあっても評価できる点は評価している。

何百人もいる国会議員で正しくこの問題を指摘したのは杉田氏一人だけかそれに近い。

また、杉田議員は2月の予算委員会分科会で、孔子学院の実態について質問し、文科省に調査を促した。アメリカなど各国で孔子学院は工作機関として当局から厳しく追及されている。

ところが、日本ではまったくそういった動きはなく、この委員会でも文科省は【インターネットによると14カ所の大学にあるらしい」などとのみ答弁し、杉田も「文科省からそれ以上は答弁できないといわれているのでこのあたりにしておく」とした。(参照:杉田水脈議員が「孔子学院」を国会で取り上げ「文科省の一番上でしっかり対応を」 

アメリカやオーストラリアなどでの厳しい動きに対して、日本では、これを国会で正面から取り上げたのは国会では杉田氏だけのようだ。こういうのをみて、新潮45問題の異様な糾弾の背景にこうしたことがあると疑っても飛躍ではあるまい。

サンフランシスコの慰安婦像の問題について、女性市長の無礼は許すべきでないが、同市選出のペロシ下院議員などアメリカ政界のリベラル急進派だが中国の人権問題には誰よりも厳しいのだ。中国に甘い人はアメリカではリベラルとはいわない。

その意味では杉田水脈とNYタイムスが同じ側に、反対陣営に朝日新聞がいるわけだ。NYタイムスは中国の脅威を正しく認識し、朝日新聞は中韓を排除する奴はネトウヨとかいって悦にいっている。朝日新聞が全体主義者、世界最悪の人権侵害の提灯持ちをすしていることに、緒方竹虎ら朝日新聞のリベラルな先人は泣いているだろう。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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