園田先生ご逝去など

2018年11月17日 06:00

石破  茂 です。

さる11月11日、第一次世界大戦終結100周年の催しがパリで開催され、マクロン・フランス大統領とトランプ米国大統領のやり取りが大きく報道されました。

日本ではあまり議論にはなりませんでしたが、第一次大戦と日本との関わりやその後の展開は今後の論考に値するテーマであると思います。欧州における大戦に日本は直接的な利害を有さなかったにもかかわらず、日英同盟を根拠として参戦し、中国や南洋のドイツの権益を手中に収め、産業も軽工業から重工業へと転換、好景気が到来し、「成金」と言われる富裕層が多く生まれたことは中学や高校の教科書でひととおり習ったことですが、日英同盟や国際連盟については集団的自衛権との関連でもう一度きちんと検証する必要性があります。

一部報道に、日ロ平和条約締結に関して、二島返還先行論が検討されており、歯舞・色丹に米軍基地を置かない旨を首相がプーチン大統領に伝えたとありました。

真偽のほどは全く不明であり、軽々に論評すべきではありませんが、通常平和条約とは領土問題が一切解決したことを内容の根幹とするのであり、「先行論」「棚上げ論」自体が概念的に矛盾しているように思います。

我が国の領土に米軍基地を配備しないとロシアに約束することは、その軍事的有用性とは別に、日米安保条約に正面から抵触することになりかねない部分もあるようにも思われます。日米安保体制の非対称的双務性とは何か、という根源的な問題がこの根底にはあるのであり、「落としどころはどこか」というような次元ではないように私には思われてなりません。

先週ご紹介した小林美希氏の著書「中年フリーター」は、日本の雇用の在り方、女性の働き方について新たな視点から問題を提起する一冊と思います。最近は国政選挙から足が遠のいている中年フリーターの「どうせ自民党が勝つに決まっている出来レース。選挙に行くより仕事を入れて稼いだ方がいい。何の期待もしていない」という言葉は胸に刺さりました。

我々が推進した小選挙区制は意思決定の明確化と迅速性で優れた点を持ちますが、少数意見の反映が妨げられている点は否めません。仮に、投票率が50パーセント、得票率が50パーセントで議席を得た場合、それは有権者総数の25パーセントの意思しか体現出来ていないということであり、この点は強く留意しなくてはなりません。

投票は主権者の権利であると同時に義務でもあると思うのですが、皆様はどのようにお考えでしょうか。
「入れたい人がいない」のならば白票を入れて頂ければよいのではないか、と私は考えるのです。民主主義が有効に機能する条件は、多くの人が参画することと、正確なジョア法が提供されることの二つなのであり、それらを欠くと民主主義を使った独裁制になる危険性が高まります。

その実効性をどのように確保するか、オーストラリア、ベルギー、スイス、ブラジルなど投票義務制を採用している多くの国の事例につき一度調べてみたことがあるのですが、詳しくご存じの方はご教示くださいませ。

私の地元・鳥取市では現在、市議会議員選挙が行われていますが、立候補者は定数の三名オーバーにしかすぎず、投票率も五割を割ることが懸念されています。政治に参画しようとする者が少なく、有権者も関心が薄いことに民主主義の危機を感じます。

園田博之氏(自民党サイトより:編集部)

昭和61年同期当選の園田博之議員が逝去されました。
享年76歳、残念でなりません。自民党だけで47人いた同期当選組は参議院に転出された方も併せて7名となってしまいました。

園田議員は自民党離党後、新党さきがけで細川内閣や村山内閣の誕生に尽力、一度自民党に復党、その後たちあがれ日本、日本維新の会、次世代の党などで要職を歴任され、最後は自民党に復党されました。

谷垣総裁時代、自民党の再生にあたって園田議員の卓越した構想力や調整力に大きな期待を寄せていたのですが、与謝野代議士と行動を共にされて離党されたのはとても残念なことでした。

閣僚になれる機会が何度もあったにもかかわらず、何故かそれに就かれることもなく、しかし独特の存在感を持ったとても魅力的な方でした。若いころ、何度か酒場で飲んでおられる場面に遭遇する機会があったのですが、女性にも、スタッフにも圧倒的な人気があったのは飾らない、分け隔てのないお人柄によるものであったと思います。

できればもっと色々なお話をしたかったのですが、それも叶わぬこととなってしまいました。御霊の安らかならんことを切に祈ります。

週末は、昨年に引き続いてソウルにおける国際フォーラムに参加し、講演やパネルディスカッションを行います。テーマは「地方創生と日韓協力」であり、当面の北朝鮮問題や徴用工問題に触れる予定はありませんが、日韓関係についての知見を深める機会になることを願っております。

皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。


編集部より:この記事は、衆議院議員の石破茂氏(鳥取1区、自由民主党)のオフィシャルブログ 2018年11月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は『石破茂オフィシャルブログ』をご覧ください。

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石破 茂
衆議院議員(鳥取1区、自由民主党)、

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